この章の内容は次のとおりです。
会社Xには、次のトレンドを識別するために、顧客注文システムに対するビジネス・インサイトを得るという要件があります。
承認、受信または却下された注文数。
基準に満たない収入、信用または年齢などの拒否の理由。
州別の自動または手動のクレジット・カード承認数。
このビジネス課題に対処するために、会社Xは表12-1のコンポーネントを使用するビジネス・ソリューションを設計します。
表12-1 ビジネス・ソリューションを提供するコンポーネント
コンポーネント | このコンポーネントがビジネス課題に対処する方法 | コンポーネントの説明 |
---|---|---|
プロセス分析 |
プロセス分析測定とビジネス・インジケータは、BPELプロセスのアクティビティで定義されます。 |
プロセス分析により、BPELプロセスの分散データを収集するための共通測定メカニズムが提供されます。 |
Oracle BAM |
SOAコンポジットが分析測定とビジネス・インジケータで構成されているとき、コンポジットのデプロイ時に、コンポジット固有の物理および論理データ・オブジェクトがOracle BAMで自動的に作成されます。Oracle BAM Composerを使用して、これらの分析のダッシュボードを作成し、顧客注文リクエストへのビジネス・インサイトを得ます。 |
Oracle BAMは、ビジネス・プロセスをリアルタイムでモニターし、情報に基づく戦略的なビジネスの意思決定を支援します。 |
この章の後続の項では、表12-1のコンポーネントを使用して、ビジネス・インサイトの課題に対処する方法について、より詳細に説明します。
Oracle SOA Suiteは、BPELプロセス、Oracle BPMおよびヒューマン・ワークフローなどのコンポーネントにおいて共通プロセス・スキーマを提供します。Oracle BAMは、Oracle BAMサーバーで保持されるデータ・オブジェクトとしてこのスキーマをモデリングします。これらのデータ・オブジェクトは、事前シードされ、自動的にプロセスによって移入されます。
Oracle SOA Suiteにはプロセス分析と呼ばれる機能があります。この機能を使用して、会社Xは、BPELプロセスのアクティビティで、ビジネス・インジケータや測定などのユーザー・メトリックを指定できます。コンポジットがデプロイされると、対応するカスタム導出データ・オブジェクトがOracle BAMで作成および更新されます。
会社Xは、ユーザー・メトリックスを指定するBPELプロセスをOracle JDeveloperで開き(このシナリオの場合、CCComposite)、分析ビューに変更アイコンをクリックします(図12-1を参照)。これにより、分析ビューのプロセスが開きます。分析ビューにより、BPELプロセスでビジネス・インジケータおよび測定を定義できます。
ビジネス・インジケータは、「構造」ウィンドウで定義され、次のタイプで構成されています。
カウンタ: プロセス・インスタンスがBPELアクティビティなどのマーク済要素を完了した回数を追跡します。
ディメンション: グループをラベルしたりメジャーをフィルタします。
メジャー: 売上金額や従業員の給料などの変数の値を格納します。
図12-2に、「構造」ウィンドウ内の定義済ビジネス・インジケータを示します。
測定が「コンポーネント」ウィンドウに表示され、構成用にアクティビティ上にドラッグ・アンド・ドロップされます。使用可能なタイプは次のとおりです。
カウンタ・マーク: カウンタ・マークが取得されるBPELアクティビティ。このBPELプロセスでは、会社Xは、手動の承認数、自動の承認数および却下された注文数を追跡するためのカウンタ・マークを定義します。
間隔の開始: 間隔が開始するBPELアクティビティ。
間隔の停止: 間隔が終了するBPELアクティビティ。
単一マーク: 単一マークが取得されるBPELアクティビティ。
図12-3に詳細を示します。「コンポーネント」ウィンドウから適切なBEPLアクティビティ上にドラッグして構成された測定は、テキスト注釈で示されます。定義済ビジネス・インジケータは、「構造」ウィンドウに表示されます。
SOAコンポジットが分析測定とビジネス・インジケータで構成されているとき、コンポジットのデプロイ時に、コンポジット固有の物理および論理データ・オブジェクトがOracle BAMで自動的に作成されます。このようなコンポジット固有のデータ・オブジェクトには、ビジネス・インジケータ用の列があり、そのコンポジットのプロセスに対応する分析情報が含まれています。
会社Xは、処理注文リクエストを開始するコンポジットをデプロイします。
会社XがSOAコンポジット・アプリケーションでビジネス・インジケータと測定を指定する場合に、コンポジットがデプロイされると、対応するカスタム導出データ・オブジェクトがOracle BAMで作成および更新されます。Oracle BAMデータ・オブジェクトには、コンポジットで定義された測定ごとの適切な分析が含まれています。
会社Xは、Oracle BAM Composerにログインし、Oracle BAM Composerで、クレジット・カード処理という新規のプロジェクトを作成します。作成時に、デプロイ済CCCompositeコンポジットに対応するアクティビティ・データ・オブジェクトをこのプロジェクトに追加します(図12-4を参照)。このようなコンポジット固有のデータ・オブジェクトには、ビジネス・インジケータ用の列があり、そのSOAコンポジットのプロセスに対応する分析情報が含まれています。
会社Xは、プロジェクトのクレジット・カード処理という表示名でダッシュボードを作成します。Oracle BAMには、Oracle BPM SuiteとOracle SOA Suiteのすべての主要コンポーネントのための、即時利用可能な一連の豊富なダッシュボードが備えられています。これらのダッシュボードには、タスクのキュー深度やビジネス・プロセスのボトルネック分析などのメトリックが含まれています。
会社Xは、承認、受信および却下されたアプリケーションを月別に表示するための3つの異なるカウンタのある棒グラフを設計します。
月別アプリケーションのステータスという表示名
会社XがOracle JDeveloperのCCCompositeコンポジットで設計した測定とディメンションでモデリングされるビジネス・ビュー問合せ。
/oracle/processanalytics/CCComposite Activityのデータ・オブジェクト。
APPROVE_COUNTER BIのカウンタ(表示名は、「承認済」に変更されます)。
RCV_COUNTER BIのカウンタ(表示名は、「受信済」に変更されます)。
REJECT_COUNTER BIのカウンタ(表示名は、「却下済」に変更されます)。
1か月の時間ディメンション
図12-5に詳細を示します。
会社Xは、州別の手動および自動の承認数を追跡するための2番目の棒グラフを設計します。
州別の承認という表示名
会社XがOracle JDeveloperのCCCompositeコンポジットで作成した測定とディメンションでモデリングされるビジネス・ビュー問合せ
/oracle/processanalytics/CCComposite Activityのデータ・オブジェクト
AUTOMATIC_COUNTER BIのカウンタ(表示名は、「自動」に変更されます)
MANUAL_COUNTER BIのカウンタ(表示名は、「手動」に変更されます)
州に基づくディメンション
図12-6に詳細を示します。
会社Xは、「月別アプリケーション・ステータス」グラフの右に、様々な理由により却下されたアプリケーションの数を追跡する円グラフを設計します。
理由別の却下されたアプリケーションという表示名
会社XがOracle JDeveloperのCCCompositeコンポジットで作成した測定とディメンションでモデリングされるビジネス・ビュー問合せ。
/oracle/processanalytics/CCComposite Activityのデータ・オブジェクト
REJECT_COUNTER BIのカウンタ(表示名は、「却下済」に変更されます)
理由別の却下に設定されるディメンション(基準に達しない年齢、信用または収入)
円グラフの場合、「テキスト・タイプ」はテキストとパーセンテージに設定される
図12-7に詳細を示します。
完了後、ダッシュボード全体は図12-8のようになります。
表12-2では、この章で説明したコンポーネントと機能をより詳しく説明するドキュメントの参照先を示します。
表12-2 関連ドキュメント
参照内容 | 参照先 |
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プロセス分析の作成 |
『Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』のBPELプロセス分析の構成に関する項 |
Oracle BAMダッシュボードの設計 |
Oracle BAMによるビジネス・アクティビティのモニタリングのプロジェクトの計画および作成に関する項 Oracle BAMによるビジネス・アクティビティのモニタリングのダッシュボードの作成に関する項 Oracle BAMによるビジネス・アクティビティのモニタリングのビジネス問合せの作成に関する項 |