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Oracle® Fusion Middleware Oracle HTTP Serverの管理
12c (12.2.1)
E69936-01
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A Oracle HTTP ServerのカスタムWLSTコマンド

次のOracle HTTP Server固有のWLSTコマンドがWebLogic Serverドメインのサーバーを管理するために提供されています。ほとんどがオンライン・コマンドであり、WLSTとそのドメインの管理サーバー間の接続が必要です。

この付録の内容は次のとおりです。

A.1 Oracle HTTP ServerのカスタムWLSTコマンドのヘルプ

Oracle HTTP ServerのカスタムWLSTコマンドについてはオンライン・ヘルプを使用できます。オンライン・ヘルプを取得するには、WLSTコマンド行にhelp('manageohs')と入力すると、Oracle HTTP ServerのすべてのカスタムWLSTコマンドが表示されます。

特定のカスタムWLSTコマンドを取得するには、WLSTコマンド行にhelp('custom_command_name')と入力します。次に例を示します。

help('ohs_createInstance')

A.2 カスタムWLSTコマンドの名前の変更

使いやすさと識別のしやすさの向上のため、次のOracle HTTP ServerのカスタムWLSTコマンドの名前が現在のリリースで変更されました。コマンド名に"OHS"が組み込まれるのではなく、コマンドに"ohs_"の接頭辞が付くようになりました。たとえば、createOHSInstanceコマンドはohs_createInstanceになりました。古いコマンド名は非推奨です。これらは現在のリリースでWLSTにより許容されますが、使用を避ける必要があります。古いコマンド名を使用すると、その名前は非推奨であることを伝えるメッセージが、新しいコマンドへのポインタとともに受信されます。

次の表に、新しいコマンド名と古いコマンド名をリストします。

表A-1 Oracle HTTP ServerのカスタムWLSTコマンドの新しい名前と古い名前

古い名前(非推奨) 新しい名前

addOHSAdminProperties

ohs_addAdminProperties

addOHSNMProperties

ohs_addNMProperties

createOHSInstance

ohs_createInstance

deleteOHSInstance

ohs_deleteInstance


A.3 Oracle HTTP Serverコマンド

構成ウィザードではなく、ohs_createInstanceおよびohs_deleteInstanceコマンドを使用して、Oracle HTTP Serverインスタンスを作成および削除する必要があります。これらのカスタム・コマンドは追加のエラー・チェックを実行し、インスタンスの作成の場合は、自動ポート割当ても行います。

表A-2にリストしているカスタムWLSTコマンドを使用して、WebLogic ServerドメインのOracle HTTP Serverインスタンスを管理します。

表A-2 Oracle HTTP Serverコマンド

使用するコマンド 目的 WLSTでの使用

ohs_addAdminProperties


Oracle HTTP Serverの管理サーバーのプロパティ・ファイルにLogLevelプロパティを追加します。

オンライン

ohs_addNMProperties


Oracle HTTP Serverのノード・マネージャのプラグイン・プロパティ・ファイルにプロパティを追加します。

オンライン

ohs_createInstance


Oracle HTTP Serverの新しいインスタンスを作成します。

オンライン

ohs_deleteInstance


指定したOracle HTTP Serverインスタンスを削除します。

オンライン

ohs_exportKeyStore


キーストアを指定したOracle HTTP Serverインスタンスにエクスポートします。

オンライン

ohs_postUpgrade


ドメイン内のすべてのOracle HTTP Serverインスタンスのウォレットの内容(以前のバージョンからアップグレードされたOracle HTTP Serverインスタンスに対して有効なもの)をKSSデータベースにインポートします。

オンライン

ohs_updateInstances


Oracle HTTP Serverインスタンスが構成ウィザードを使用して作成された場合、KSSデータベースにキーストアを作成します。

オンライン


A.3.1 ohs_addAdminProperties

WLSTでの使用: オンライン

説明

ohs_addAdminPropertiesコマンドはLogLevelプロパティをOracle HTTP Server管理サーバーのプロパティ・ファイル(ohs_admin.properties)に追加します。LogLevelohs_addAdminPropertiesが現在サポートしている唯一のパラメータです。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続している場合にのみ使用できます。

構文

ohs_addAdminProperties(logLevel = 'value')
引数 説明
LogLevel
ログに書き込む情報の粒度。デフォルトはINFOで、その他の許容値は次のとおりです。
  • ALL

  • CONFIG

  • FINE

  • FINER

  • FINEST

  • OFF

  • SEVERE

  • WARNING


この例では、ログ・レベルをFINESTに設定したログ・ファイルを作成します。

ohs_addAdminProperties(logLevel = 'FINEST')

A.3.2 ohs_addNMProperties

WLSTでの使用: オンライン

説明

ohs_addNMPropertiesコマンドはプロパティをOracle HTTP Serverノード・マネージャのプラグイン・プロパティ・ファイル(ohs_nm.properties)に追加します。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続している場合にのみ使用できます。

構文

ohs_addNMProperties(logLevel = 'value', machine='node-manager-machine-name')
引数 説明
LogLevel
ログに書き込む情報の粒度。デフォルトはINFOで、その他の許容値は次のとおりです。
  • ALL

  • CONFIG

  • FINE

  • FINER

  • FINEST

  • OFF

  • SEVERE

  • WARNING

machine
ノード・マネージャを実行するマシンの名前。

この例では、ターゲット・マシンmy_NM_machineのパス<domain_dir>/system_components/OHSの下に、ログ・レベルをFINESTに設定してohs_nm.logという名前のログ・ファイルを作成します。ユーザーはノード・マネージャを再起動する必要はありません。

ohs_addNMProperties(logLevel = 'FINEST', machine = 'my_NM_machine')

A.3.3 ohs_createInstance

WLSTでの使用: オンライン

説明

ohs_createInstanceコマンドでは、Oracle HTTP Serverの新しいインスタンスを作成し、明示的に指定されるか自動的に割り当てられるリスニング・ポートなどの重要な構成が可能です。

構文

ohs_createInstance(instanceName='xxx', machine='yyy', serverName='zzz', ...)
引数 定義
instanceName
作成する管理対象インスタンスの名前。
machine
インスタンスの既存マシンのエントリ。この名前(しばしば<hostName>.us.oracle.com)はWebLogic Serverドメインの作成時に設定されます。名前を忘れた場合は、$ORACLE_INSTANCE/config/config.xmlを確認して<machine>ブロックを検索します。または、WLSTで、次を実行することでマシン名を見つけることができます。
serverConfig()
cd('Machines')
ls()
listenPort
(オプション) 非SSLサーバーのポート番号。この値が指定されない場合、ポートは自動的に割り当てられます。リスニング・ポートは通常7777から始まり、ここから順次増加します。
sslPort
(オプション) SSL仮想ホストのポート番号。この値が指定されない場合、ポートは自動的に割り当てられます。SSLポートは通常4443から始まり、ここから順次増加します。
adminPort
(オプション) ノード・マネージャとの通信に使用するポート番号。この値が指定されない場合、ポートは自動的に割り当てられます。管理ポートは通常9999から始まり、ここから順次増加します。
serverName
(オプション) 非SSLサーバーのServerNameディレクティブの値。この値が指定されない場合、マシンのホスト名およびリスニング・ポートを使用してこの値が作成されます。

次の例では、マシンabc03.myCorp.com上で動作するohs1というOracle HTTP Serverインスタンスを作成します。

ohs_createInstance(instanceName='ohs1', machine='abc03.myCorp.com')

A.3.4 ohs_deleteInstance

WLSTでの使用: オンライン

説明

ohs_deleteInstanceコマンドは指定したOracle HTTP Serverインスタンスを削除します。インスタンスは削除する前に停止しておく必要があります。インスタンスがUNKNOWNまたはRUNNING状態の場合、このコマンドによってエラーが返されます。

構文

ohs_deleteInstance(instanceName='xxx')

instanceNameはOracle HTTP Serverインスタンスの名前です。

次の例では、Oracle HTTP Serverインスタンスohs1を削除します。

ohs_deleteInstance(instanceName='ohs1')

A.3.5 ohs_exportKeyStore

WLSTでの使用: オンライン

説明

ohs_exportKeyStoreコマンドはキーストアを指定したOracle HTTP Serverインスタンスの場所にエクスポートします。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続している場合にのみ使用できます。このコマンドの使用方法の詳細は、5.3.3項「WLSTを使用したキーストアのOracle HTTP Serverインスタンスへのエクスポート」を参照してください。

構文

ohs_exportKeyStore(keyStoreName='<keyStoreName>', instanceName = '<instanceName>')
引数 説明
keyStoreName キーストアの名前。
instanceName Oracle HTTP Serverインスタンスの名前。

キーストアの命名規則

キーストアの名前(keyStoreName)は文字列<instanceName>_で始まる必要があります。

たとえば、キーストアがohs1という名前のOracle HTTP Serverインスタンスにエクスポートされる必要があるとします。この場合、ohs1にエクスポートされる必要のあるすべてのキーストアの名前は、ohs1_で始まる必要があります。

キーストアの作成中にこの構文に従わなかった場合、キーストアのエクスポートは成功しない可能性があります。

この例では、キーストアohs1_myKeystoreをOracle HTTP Serverインスタンスohs1にエクスポートします。

ohs_exportKeyStore(keyStoreName='ohs1_myKeystore', instanceName = 'ohs1')

A.3.6 ohs_postUpgrade

WLSTでの使用: オンライン

説明

前のバージョンのOracle HTTP Serverからリリース12c (12.2.1)にアップグレードした後に、ohs_postUpgradeコマンドを使用します。

リリース12c (12.2.1)以前は、Oracle HTTP Serverインスタンス/コンポーネントはウォレットをKSSと統合せずに使用していました。アップグレード・アシスタントを使用して12c (12.2.1)にアップグレードする場合、既存のウォレット・コンテンツは高度な管理のためにKSSデータベースにインポートされる必要があります。

ohs_postUpgradeコマンドではドメイン内のすべてのOracle HTTP Serverインスタンス間で解析が行われ、同じキーストア名に対するエントリがデータベースに存在しない場合、そのウォレットがKSSデータベースにインポートされます。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続している場合にのみ使用できます。このコマンドの使用の詳細は、1.7項「Oracle HTTP Serverの以前のリリースからのアップグレード」および5.3.4項「WLSTを使用したアップグレード後のウォレットのKSSデータベースへのインポート」を参照してください。

構文

ohs_postUpgrade()

このコマンドは引数を取りません。

ohs_postUpgrade()

A.3.7 ohs_updateInstances

WLSTでの使用: オンライン

説明

WLSTが管理サーバー・インスタンスに接続されている場合のみ、ohs_updateInstancesコマンドを使用できます。ドメイン内のすべてのOracle HTTP Serverインスタンス間で解析が行われ、次のタスクが実行されます。

  • 存在しない場合、新しいキーストアが<instanceName>_defaultという名前で作成されます。

  • 新しく作成したキーストアにデモンストレーション用の証明書demoCASignedCertificateを入れます。

  • キーストアをインスタンスの場所にエクスポートします。

このコマンドは、構成ウィザードをコロケート・モードでのみ使用してOracle HTTP Serverインスタンスが作成された後に使用されます。このコマンドの使用の詳細は、5.3.5項「WLSTを使用したOracle HTTP Serverインスタンスとキーストアとの関連付け」を参照してください。

構文

ohs_updateInstances()

このコマンドは引数を取りません。

ohs_updateInstances()