Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JMSリソース・アダプタの管理 12c (12.2.1) E70024-01 |
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この章では、外部アプリケーション・サーバーでWebLogic JMSを使用して相互運用するために、JMS RAを使用する際に必要な主要コンポーネント、設計オプションおよびその他の前提条件としての考慮事項を含む、JMS RA実装について説明します。
この章には次の項が含まれます:
JMS RAは、次の基本コンポーネントで構成されます。
ra.xml
ファイル: 外部アプリケーション・サーバーとWebLogic JMSの間で相互運用するために、JMS RAを構成する際に使用されるxmlファイルです。
wlthint3client.jar
ファイル: WebLogicシンT3 Javaクライアントは、外部アプリケーション・サーバーおよびWebLogic Server上で実行されるアプリケーション間の統合を提供する、軽量のクライアントです。一般的なユースケースの1つに、WebLogic JMS宛先との統合があります。詳細は、『Oracle WebLogic Serverスタンドアロン・クライアントの開発』のWebLogicシンT3クライアントの理解に関する項を参照してください。
Oracleウォレットのサポート用のクラス・ファイルとJARファイル:
oraclepki.jar
osdt_cert.jar
osdt_core.jar
WalletUtilWrapper.class
詳細は、「Oracleウォレットを使用した資格証明の保護」を参照してください。
weblogic.jms.ra.jar
ファイル: WebLogic Server Java EE Connector Architectureバージョン1.7準拠のリソース・アダプタの実装。
次の項では、JMS RAを外部アプリケーション・サーバーと統合して、アプリケーションがWebLogic JMSと相互運用できるようにするのに必要な手順の基本的な概要を説明します。
アプリケーション・コードはJMSに準拠している必要があり、サポートされているweblogic.jms.extensions
を使用できます。JMS RAの機能、サポートおよび制限の詳細は、「WebLogic JMSリソース・アダプタの理解」および「一般的な制限および考慮点」を参照してください。WebLogic JMSのプログラミングに関する基本情報については、『Oracle WebLogic Server JMSアプリケーションの開発』のWebLogic JMSの理解に関する項を参照してください。
使用環境に合わせて、ra.xml
ファイルを構成します。
JMS RAをデプロイおよび管理します。デプロイ、構成および監視などの管理タスクに対して、外部アプリケーション・サーバーのネイティブ・サポートを使用します。参照:
エラー・メッセージでは、JMS RAおよびその他のOracle Fusion Middlewareコンポーネントの使用時に発生するエラー・メッセージについて説明します。
この項では、JMS RAを使用する場合の一般的な制限および考慮点について説明します。
2つ以上のJMS RAが同じアプリケーション・サーバー上にデプロイされている場合、すべてのデプロイメントでwljmsra.rar
ファイルの同じWebLogicリリース・バージョンを使用する必要があります。異なるリリース・バージョンには、機能の変更およびバグ修正により異なるクラスが含まれる場合があるため、任意の時点でアプリケーション・サーバーによってロードされるJMS RAのクラスのバージョンを予測することはできません。
リスニングMDBが使用不可能になった場合、JMS RAによって恒久サブスクライバが自動的にサブスクライブ解除(削除)されることはありません。WebLogic Server MDBはサブスクライブ解除の機能をサポートしていますが、サブスクリプションを作成して名前を付けることもできます。外部アプリケーション・サーバーを使用すると、通常ユーザーはMDB構成でサブスクリプション名を指定できるため、指定された恒久サブスクライバのサブスクライブ解除が適切であるかどうかを判断することが困難になります。指定されたサブスクリプションの削除が適切であると判断できた場合でも、JCA規約では、サブスクライバを削除するためのコールバック・インタフェースの標準実装は提供されません。
JMSクライアントの自動フェイルオーバーはサポートされていません。「JMS RAアウトバウンド接続の制限」を参照してください。
WebLogic JMS RAを利用するアプリケーションは、外部アプリケーション・サーバーの接続マネージャに関連付けられているWebLogic JMS接続を使用します。様々なJava EE仕様で説明されているように、これらのJMSの管理対象接続は、他のアプリケーションによって再利用するために、作成および使用され、外部アプリケーション・サーバーの接続プールに合わせて再調整されます。これには次の制限があります。
接続上でsetClientID
を使用することはできません。接続上に設定されたClientID
は削除することができないため、その接続を再利用するすべてのアプリケーションには知らずにClientID
値が含まれることになります。また、このような接続を使用するアプリケーションでは、setClientID
は接続上ですでに実行されているため、この操作をコールすることができません。
JEE 6仕様で指定されているように、setExceptionListener
などのコンテナによる接続管理を妨げる可能性のあるその他のメソッドはサポートされていません。
接続ファクトリの設定の一部として、setSubscriptionSharingPolicy
などの接続プロパティを設定します。そうでない場合、接続上でプロパティを直接設定する前に、管理対象接続プールに接続およびセッションが作成されていることを確認する必要があります。
メッセージドリブンBeanのメッセージ・リスナーの場合、<trans-attribute>
要素に使用できる値は、REQUIRED
およびNOT_SUPPORTED
のみです。http://docs.oracle.com/javaee/7/api/javax/ejb/TransactionAttributeType.html
を参照してください。
次の項では、このリリースのJMS RAでweblogic.jms.extensions
APIをサポートする方法について説明します。
JMS RAはカスタム・ラッパー・クラスを使用して、サポートされているweblogic.jms.extensions
インタフェースを自動的に実装し、順序単位(UOO)やメッセージ・スケジューリングなどのWebLogic機能をサポートします。JMS RA ra.xml
ファイルには、適切なWebLogic JMSラッパー・クラスに対応するエントリが事前に入力されているため、サポートされているWebLogic JMS機能にアクセスするための追加の構成は必要ありません。
このリリースのJMS RAでは、次のweblogic.jms.extensions
インタフェースをサポートしています。
weblogic.jms.extensions.WLConnection
weblogic.jms.extensions.WLSession
weblogic.jms.extensions.WLQueueSession
weblogic.jms.extensions.WLTopicSession
weblogic.jms.extensions.WLDestination
weblogic.jms.extensions.WLMessageProducer
weblogic.jms.extensions.WLMessage
weblogic.jms.extensions.XMLMessage
すべてのweblogic.jms.extensions
がサポートされています。
Oracleでは、WebLogic環境にサンプルをインストールするときに確認するためのJMS RAのサンプルを提供します。このサンプルは、外部アプリケーション・サーバーにデプロイされたJMS RAを利用し、単純な従業員クロックイン・アプリケーションを使用して、WebLogic JMSサービスと相互運用する方法を示しています。
サンプルは、次の方法を示したものです。
WebLogic Serverクラスタの構成および使用
WebLogic接続ファクトリの構成および使用
分散トピックとキューの構成および使用
サポートされている外部アプリケーション・サーバーへのJMS RAのデプロイ「サポートされているアプリケーション・サーバー」を参照してください。
次のものを含むJMS RA config-properties
の構成
JMSサービスを提供するWebLogic ServerのWebLogic JNDIコンテキスト
DistributedQueue
としてWebLogic JNDIにバインドされている宛先に、ローカルJNDI名sample/destination/queue
をマッピングするadminobject
要素
DistributedTopic
としてWebLogic JNDIにバインドされている宛先に、ローカルJNDI名sample/destination/topic
をマッピングするadminobject
要素
weblogic.jms.ConnectionFactoryとしてWebLogic JNDIにバインドされている接続ファクトリにマッピングされる、sample/factoryとしてローカルJNDI名にバインドされている接続ファクトリ
JMS RAの接続ファクトリおよび宛先に定義されているローカルJNDI名にマッピングされる、サーブレットのweb.xml
の要素resource-ref
およびresource-env-ref
の構成
メッセージドリブンBean (MDB)がインバウンド・メッセージを消費できるために必要なactivation-config
要素の構成
JMS RAの例はORACLE_HOME
\wl_server\samples\server\examples\src\samples\jms\resourceAdapter
にあります。詳細は、『Oracle WebLogic Serverの理解』のサンプル・アプリケーションとコード・サンプルに関する項を参照してください。