この章では、WLSTスクリプトを使用してWebLogic Server Multitenant (MT)で高度なWebサービスおよびSOAP over JMSをサポートするために必要なリソースを構成する方法について説明します。また、WebLogic Server MT環境でWebサービスを使用する際に必要な固有の構成についても説明します。
この章の内容は次のとおりです。
WebLogic Serverには、WebLogic Server MT環境で次のJAX-WS Webサービスの機能に必要なリソースを構成できる2つのWLSTスクリプトが含まれています。
wlsws-advanced-jaxws-mt-config.py
- 非同期メッセージング、Webサービスの信頼性のあるメッセージング、メッセージ・バッファリング、Webサービスの原子性トランザクションおよびWS-SecureConversationを使用したセキュリティなど、高度なJAX-WS Webサービスを構成します。
wlsws-soapjms-mt-config.py
- SOAP over JMSトランスポートを構成します。
両方のスクリプトは、oracle_home
/oracle_common/webservices/bin/
ディレクトリにあります。oracle_home
は、WebLogic Serverのインストール時にOracleホームとして指定したディレクトリです。
WebLogic Server MT環境でWebサービスのリソースを構成するには、次の手順を実行します。
ドメイン・パーティションをまだ作成していない場合は、作成します。「ドメイン・パーティションの構成」を参照してください。
パーティションにリソース・グループをまだ作成していない場合は、作成します。「リソース・グループの構成」を参照してください。
ドメイン・レベルで、storeUserConfig
WLSTコマンドを使用して、ユーザー構成ファイルおよび関連付けられたキー・ファイルを作成します。『WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』のstoreUserConfigに関する項を参照してください。
JAVA_HOME
/bin/java
ディレクトリから、WLSTスクリプトのいずれかまたは両方を実行します。weblogic.jar
ファイルの場所をクラスパスに含める必要があります。
たとえば、WebLogic Server MTのJAX-WS用の高度なWebサービスに必要なリソースを構成するには、次のコマンドを使用します。
JAVA_HOME/bin/java -classpath weblogic.jar_location weblogic.WLST ./wlsws-advanced-jaxws-mt-config.py -myUserConfigFile userConfigFile -myUserKeyFile userKeyFile -myURL AdminServer_t3_url -partitionName partitionName -rgName resourceGroupName -isCluster true_or_false -middlewareHome middlewareHomeDir
WebLogic Server MTでのSOAP over JMSトランスポートに必要なリソースを構成するには、次のコマンドを使用します。
JAVA_HOME/bin/java -classpath weblogic.jar_location weblogic.WLST ./wlsws-soapjms-mt-config.py -myUserConfigFile userConfigFile -myUserKeyFile userKeyFile -myURL AdminServer_t3_url -partitionName partitionName -rgName resourceGroupName -isCluster true_or_false -middlewareHome middlewareHomeDir
両方のスクリプトに、表26-1で説明するコマンド・オプションが必要です。
表26-1 高度なWebサービスのWLSTスクリプトに必要なオプション
オプション | 説明 |
---|---|
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手順3の |
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前述の手順3の |
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パーティションの管理サーバーのT3プロトコルURL (例: |
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リソースが構成されるパーティションの名前。 |
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パーティションのリソース・グループの名前。 |
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パーティションがクラスタにあるかどうかを示す引数。有効な値は次のとおりです。
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WebLogic Serverのインストール時にOracleホーム・ディレクトリとして指定したディレクトリの場所。 |
SOAP over JMSは、JMS宛先タイプとしてキューとトピックの両方をサポートしています。使用するタイプは、アプリケーションによって決定されます。
WebLogic Server MT環境でSOAP over JMSのリクエスト宛先として共通分散トピックを使用する場合、パーティション化された共通分散トピックを使用する必要があります。
WebLogic JMSでは、分散トピックは、レプリケートされた分散トピックまたはパーティション化された分散トピックとして構成できます。レプリケートされた分散トピックは、Compatibility
、One-Copy-Per-Server
またはOne-Copy-Per-Application
のtopicMessageDistributionMode
設定で機能しますが、パーティション化された分散トピックは、One-Copy-Per-Server
またはOne-Copy-Per-Application
でのみ機能します。
WebLogic Server MTでSOAP over JMSのパーティション化された共通分散トピックを構成するには、次のように@JMSTransportService
注釈を構成します。
activationConfig
プロパティのtopicMessageDistributionMode
構成プロパティをOne-Copy-Per-Server
またはOne-Copy-Per-Application
に設定します。Compatibility
の値は、パーティション化された分散トピックではサポートされていません。
次に例を示します。
@JMSTransportService(targetService="poNotifyService" , destinationName="com.oracle.webservices.jms.SoapJmsRequestTopic" , destinationType=JMSDestinationType.TOPIC , activationConfig = "topicMessagesDistributionMode=One-Copy-Per-Application" , jndiURL = "t3://@wls-server@"
詳細は、『Oracle WebLogic Server JAX-WS Webサービスの開発』のSOAP over JMSトランスポートの使用に関する項を参照してください。
注意: パーティション化された分散トピックを使用してSOAP over JMSアプリケーションをデプロイする前に、JMSトピックを構成する必要があります。詳細は、『Oracle WebLogic Server JMSリソースの管理』のパーティション化された分散トピックの構成に関する項を参照してください。 |
高度なWebサービス関連の追加情報は、次の項を参照してください。
Oracle WebLogic Server JAX-WS Webサービスの開発
『WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』のstoreUserConfigに関する項
『Oracle WebLogic Server Webアプリケーション、サーブレット、JSPの開発』のサーブレットの作成と構成に関する項