この章では、WebLogic Server Multitenant (MT)でトランザクションを構成する方法について説明します。この章では、適宜追加情報について、Fusion MiddlewareとWebLogic Serverのドキュメント・セットおよびオンライン・ヘルプを参照します。
この章の内容は次のとおりです。
WebLogic Server MTでは、複数のパーティション環境でのトランザクション処理をサポートしています。トランザクションの範囲は、ドメイン・レベルまたはパーティション・レベルのいずれかになります。詳細は、「スコープについて」を参照してください。
トランザクション環境を定義する属性の大部分は、グローバル(ドメイン)レベルで定義されます。ただし、JTAのタイムアウト秒数はパーティション・レベルで構成する必要があります。詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプを参照してください。
この項では、マルチテナント環境でのトランザクション処理の制限事項について説明します。
LLRデータ・ソース、JDBC TLogデータ・ソースまたは決定子リソースは、パーティションで登録できません。このリリースのWebLogic Serverで、これらのリソースをパーティション・レベルで登録しようとすると、SystemExceptionが発生します。
この制限が発生するのは、これらのいずれかのリソースが使用できない場合にWebLogic Serverインスタンスを起動できないためです。そのため、マルチテナント環境では、アクセス不可状態は他のパーティションで共有されます。リソース(およびそのコミット・レコード)にアクセスできなくてもサーバーの起動が許可される場合、コミット・レコードの不足によりこれらのリソースがロールバックされるため、これらのリソースもリスト化したトランザクションでリスト化されたリソースのリカバリは、非原子的となる可能性があります。
固有に提供されたリソース・コミットの順序付けにLLRを使用する場合、WebLogic Server 12.2.1リリースで提供された最初リソース・コミット機能を使用します。この機能では、ローカル・トランザクション・ベースのLLRリソースではなく正確なXAリソースの使用を伴うため、LLRによるパフォーマンスの利点が提供されず、LLR表は必要ありません。LLRデータ・ソースはデプロイされるサーバーに固定されますが、XAデータ・ソースは固定されません。そのため、複数のサーバーがトランザクションでリスト化される場合、2段階コミット・フローは少し異なる場合があります。詳細は、『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』の最初リソース・コミットの順序付けに関する項を参照してください。