2 Oracle Database Applianceの保守の準備

この章では、保守のためにOracle Database Applianceを準備する方法について説明します。

内容は次のとおりです。

Oracle Database Appliance X3-2/X4-2/X5-2の保守の準備

この項では、Oracle Database Appliance X3-2、Oracle Database Appliance X4-2およびOracle Database Appliance X5-2の保守の準備について説明します。Oracle Database Appliance (オリジナル・バージョン)を使用している場合は、「Oracle Database Appliance (オリジナル・バージョン)の保守の準備」を参照してください。

ほとんどの保守手順は、単一のアプライアンス・コンポーネントに実行されます。1つのサーバー・ノードの電源切断を必要とする保守手順は、アプライアンス全体を停止せずに実行できます。保守のためにコンポーネントの電源を切る前に、保守の準備のためにアプライアンスに実行する必要がある特別な手順またはコマンドについて、『スタート・ガイド』または『管理およびリファレンス・ガイドを参照してください。

注意:

次の表のリンクをクリックすると、Oracle Database Applianceライブラリの外部にあるSun Server X3-2、Sun Server X4-2およびOracle Server X5-2ドキュメント・ライブラリの手順に移動します。Oracle Database Applianceライブラリに戻るには、ブラウザの「戻る」ボタンを使用します。

Oracle Database Appliance (オリジナル・バージョン)の保守の準備

この章では、保守のためにOracle Database Appliance (オリジナル・バージョン)を準備する方法について説明します。Oracle Database Appliance X3-2、Oracle Database Appliance X4-2またはOracle Database Appliance X5-2を使用している場合は、「Oracle Database Appliance X3-2/X4-2/X5-2の保守の準備」を参照してください。

コンポーネント交換ポリシー – CRUおよびFRU

Oracle Database Appliance (オリジナル・バージョン)の交換可能コンポーネントは、現場交換可能ユニット(FRU)または顧客交換可能ユニット(CRU)のいずれかに指定されます。電源投入に置き換えられるものもあれば、サーバー・ノードの電源切断、システム・シャーシ全体の電源切断を必要とするものもあります。

次の表に、交換可能コンポーネントとその保守の指定(CRUまたはFRU)およびコンポーネントの保守に関連するシステム電源ポリシーを示します。

コンポーネント ポリシー

ストレージ・ドライブおよび起動ドライブ(CRU)

ホットスワップ対応 – システムの電源投入時に取外しおよび交換できます。

ファン・モジュール(CRU)

ホットスワップ対応 – システムの電源投入時に取外しおよび交換できます。

電源装置(CRU)

ホットスワップ対応 – システムの電源投入時に取外しおよび交換できます。

通気ダクト(FRU)

コールド・サービス、サーバー・ノード – サーバー・ノードの電源切断時にのみ取外しおよび交換できます。他のサーバー・ノードおよびシステム・シャーシは電源が入った状態を維持できます。

DIMM (CRU)

コールド・サービス、サーバー・ノード – サーバー・ノードの電源切断時にのみ取外しおよび交換できます。他のサーバー・ノードおよびシステム・シャーシは電源が入った状態を維持できます。

PCIeライザー(CRU)

コールド・サービス、サーバー・ノード – サーバー・ノードの電源切断時にのみ取外しおよび交換できます。他のサーバー・ノードおよびシステム・シャーシは電源が入った状態を維持できます。

PCIeカード(CRU)

コールド・サービス、サーバー・ノード – サーバー・ノードの電源切断時にのみ取外しおよび交換できます。他のサーバー・ノードおよびシステム・シャーシは電源が入った状態を維持できます。

起動ディスク・バックプレーン(FRU)

コールド・サービス、サーバー・ノード – サーバー・ノードの電源切断時にのみ取外しおよび交換できます。他のサーバー・ノードおよびシステム・シャーシは電源が入った状態を維持できます。

サーバー・ノード・バッテリ(CRU)

コールド・サービス、サーバー・ノード – サーバー・ノードの電源切断時にのみ取外しおよび交換できます。他のサーバー・ノードおよびシステム・シャーシは電源が入った状態を維持できます。

プロセッサ(CPU) (FRU)

コールド・サービス、サーバー・ノード – サーバー・ノードの電源切断時にのみ取外しおよび交換できます。他のサーバー・ノードおよびシステム・シャーシは電源が入った状態を維持できます。

マザーボード(FRU)

コールド・サービス、サーバー・ノード – サーバー・ノードの電源切断時にのみ取外しおよび交換できます。他のサーバー・ノードおよびシステム・シャーシは電源が入った状態を維持できます。

サーバー・ノードの内部ケーブル(FRU)

コールド・サービス、サーバー・ノード – サーバー・ノードの電源切断時にのみ取外しおよび交換できます。他のサーバー・ノードおよびシステム・シャーシは電源が入った状態を維持できます。

電力配分ボード(FRU)

コールド・サービス、システム・シャーシ – このコンポーネントを保守するには、システム・シャーシから電力を完全に除去する(両方のサーバー・ノードの電源を切る)必要があります。

ディスク・ミッドプレーン・モジュール(FRU)

コールド・サービス、システム・シャーシ – このコンポーネントを保守するには、システム・シャーシから電力を完全に除去する(両方のサーバー・ノードの電源を切る)必要があります。

ディスク・ミッドプレーン・モジュールHDDケーブル(FRU)

コールド・サービス、サーバー・ノード – サーバー・ノードの電源切断時にのみ取外しおよび交換できます。他のサーバー・ノードおよびシステム・シャーシは電源が入った状態を維持できます。

前面インジケータ・パネル(FRU)

コールド・サービス、システム・シャーシ – このコンポーネントを保守するには、システム・シャーシから電力を完全に除去する(両方のサーバー・ノードの電源を切る)必要があります。

安全情報

この項では、重要な安全上の情報について説明します。Oracle Database Applianceを保守する前にお読みください。

注意:

危険電圧が存在します。上部カバーを外したままシステムを動作させないでください。

注意:

装置の損傷。システムを起動する前に、システムの上部カバーを適切に取り付けてください。

危害予防のために、装置の設定時には次の安全上の注意事項を守ってください。

必要な工具

Oracle Database Applianceは、次の工具を使用して保守できます。

シャーシ・シリアル番号の取得

Oracle Database Appliance (オリジナル・バージョン)のサポートを受けるには、製品のシリアル番号を報告する必要があります。製品シリアル番号は、システムの前面のRFIDタグとシステム同梱のお客様情報シートに記されています。

サーバー・ノードの停止およびシステムの電源の切断

前面パネルの電源ボタンまたはOracle ILOMを使用してOracle Database Appliance (オリジナル・バージョン)サーバー・ノードを停止できます。それぞれの方法に、正常な停止および緊急停止オプションが用意されています。

注意:

データ損失。データを失ったり、ファイル・システムが破損したりしないようにするには、緊急時以外常に正常停止を使用します。

注意:

Oracle ILOMを使用してサーバー・ノードを停止する場合、『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』のOracle ILOMの接続および構成に関する項に記載されている初期構成を実行していることを確認してください。

サーバー・ノードを停止したら、システムの電源を切断することができます。

サーバー・ノードを停止してシステム・シャーシの電源を切るには、次の項を参照してください。

サーバー・ノードの停止

サーバー・ノードをシステム・シャーシから取り外す前に、サーバー・ノードを停止する必要があります。

  1. 電源ボタンを使用してサーバー・ノードを停止するには、次のいずれかを実行します。
    • 正常な停止: サーバー・ノードのフロント・パネルの左下隅にある凹型の電源ボタンを押して放します(次の図を参照[1])。Advanced Configuration and Power Interface (ACPI)によって、順序立ったシステムの停止が実行されます。

    • 緊急停止: 主電源が切れ、サーバー・ノードがスタンバイ電源モードになるまで、サーバー・ノードのフロント・パネルの左下隅にある凹型の電源ボタンを少なくとも5秒間押し続けます(次の図を参照[1])。

      注意:

      データ損失。データを失ったり、ファイル・システムが破損したりしないようにするには、緊急時以外常に正常停止を使用します。

    サーバー・ノードが停止すると、サーバー・ノードのフロント・パネルの電源/OK LED [2]が点滅し、サーバー・ノードがスタンバイ電源モードであることを示します。


    画像: 上段サーバー・ノードの左下隅にある凹型の電源ボタンと電源/OK LEDの位置を示す図。
  2. Oracle ILOMを使用してサーバー・ノードを停止するには、次のいずれかを実行します。
    • Oracle ILOM Webインタフェースの使用:
      1. ブラウザを開き、ブラウザのアドレス・フィールドにサーバー・ノードのサービス・プロセッサIPアドレスを入力します。
      2. ログイン・ページで、ユーザー名(アカウントにはReset and Host Control (r)権限が必要)とパスワードを入力し、「Log In」ボタンをクリックします。
      3. 「Remote Power Control」に移動し、次のいずれかを実行します。
        • 「Select Action」リスト・ボックスから「Graceful Shutdown and Power Off」を選択し、「OK」をクリックします。

          サーバー・ノードは正常に停止します。

        • 「Select Action」リスト・ボックスから「Immediate Power Off」を選択し、「OK」をクリックします。

          サーバー・ノードはただちに停止します。

          注意:

          データ損失。データを失ったり、ファイル・システムが破損したりしないようにするには、緊急時以外は正常停止を使用します。
    • Oracle ILOM CLIの使用:
      1. sshクライアントを使用してOracle ILOMにログインします。次のように入力します。

        $ssh username@sp_ip_address

        usernameはReset and Host Control (r)権限を持つユーザー・アカウント名、sp_ip_addressはサーバー・ノード・サービス・プロセッサのIPアドレスです。

      2. プロンプトが表示されたら、ユーザー・アカウントのパスワードを入力します。
      3. 次のコマンドを入力して、サーバー・ノードを停止します。
        • 正常な停止の場合、次のように入力します。

          -> stop /SYS

          サーバー・ノードは正常に停止します。

        • 緊急停止の場合、次のように入力します。

          -> stop -f /SYS

          サーバー・ノードはただちに停止します。

          注意:

          データ損失。データを失ったり、ファイル・システムが破損したりしないようにするには、緊急時以外は正常停止を使用します。

システムの電源を切る

システム・シャーシの電源を切断する前に、アプライアンス・データベースを停止する必要があります。

  1. 両方のサーバー・ノードを停止します。

    両方のサーバー・ノードを停止すると、システムはスタンバイ電源モードになります。

    「サーバー・ノードの停止」を参照してください。

  2. システムからAC電源コードを取り外します。

    システムから電源コードを外すことにより、システムの電源が完全に切断されます。

静電放電および静電気防止対策の実行

静電放電(ESD)に敏感なデバイス(マザーボード、PCIeカード、ストレージ・ドライブ、メモリー・カードなど)には、特別な対処が必要です。

注意:

装置の損傷。静電気防止対策に従い、部品のコネクタ付近には触れないでください。

システム・シャーシからのサーバー・ノードの取外し

サーバー・ノード内部のコンポーネントの取外しまたは交換を行うには、Oracle Database Appliance (オリジナル・バージョン)サーバー・ノードをシャーシから取り外す必要があります。

システム・シャーシからサーバー・ノードを取り外す

取外し手順は、両方のサーバー・ノードで同じです。サーバー・ノードで保守の手順を実行する場合、ラックからシステム・シャーシ全体を取り外す必要はないことに注意してください。

注意:

サーバー・ノードFRUの新しいサーバー・ノードとの交換は、Oracle認定サービス技術者が実行する必要のあるサービス・アクティビティです。顧客は、サーバー・ノード内の他のCRUコンポーネントの保守を行うために、サーバー・ノードを取り外すことができます。
  1. サーバー・ノードを停止します。

    「サーバー・ノードの停止」を参照してください。

    注意:

    データ損失。データを失ったり、ファイル・システムが破損したりしないようにするには、緊急時以外常に正常停止を使用します。
  2. サーバー・ノードをシステム・シャーシから取り外すには、サーバー・ノードの背面にある2つのラッチを下げます[1]。

    ラッチは緑色のタブが印となっています。ラッチを下げ、システムの背面から引き出します。


    画像: シャーシからサーバー・ノードを取り外した図。
  3. サーバー・ノードを後方にスライドさせ、持ち上げてシステムから取り外します[2]。

サーバー・ノードの上部カバーの取外し

Oracle Database Appliance (オリジナル・バージョン)サーバー・ノードの大部分の内部コンポーネントにアクセスするには、サーバー・ノードの上部カバーを取り外す必要があります。

サーバー・ノードの上部カバーを取り外す

  1. サーバー・ノードをシステム・シャーシから取り外します。

    「サーバー・ノードの停止」を参照してください。

  2. 上部カバーを取り外します。
    1. サーバー・ノードの上部カバーのラッチを外すには、サーバー・ノードのカバーの上にある緑色のリリース・ボタンを押し続けます[1]。
    2. 緑色のリリース・ボタン付近のくぼんだ部分を利用して、カバーをサーバー・ノードの前方へ約0.5インチ(12.7mm)スライドさせます[1]。
    3. カバーを持ち上げて取り外します[2]。
      画像: 上部カバーのサーバー・ノードからの取外し方法を示す図。

システムの上部カバーの中央部分の取外し

Oracle Database Appliance (オリジナル・バージョン)の電力配分ボードおよびディスク・ミッドプレーン・ボードにアクセスするには、システムの上部カバーの中央部分を取り外す必要があります。

システムの上部カバーの中央部分を取り外す

  1. サーバー・ノードの電源を切り、電源装置から電源コードを外します。

    手順については、「サーバー・ノードの停止」を参照してください。

    注意:

    システム障害。AC電源コードが接続されている間は、システム・カバーの中央部分を取り外さないでください。そうしないと、障害LEDが点灯し、システム障害が記録されます。
  2. システムの上部カバーの中央部分を取り外します。

    システムの上部カバーの中央部分を取り外すには、システムに固定している拘束プラスねじを外します。

    注意:

    危険電圧が存在します。決してシステムの上部カバーを外したままシステムを動作させないでください。

    注意:

    装置の損傷。システムを起動する前に、システムの上部カバーを適切に取り付けてください。

    画像: システムの上部カバーの中央部分の取外し方法を示す図。