この付録の情報を使用して、計画しているデータベースのデータベース・テンプレートを選択します。Oracle Database Applianceテンプレートはベスト・プラクティスを実装しており、特にOracle Database Appliance用に構成されているため、これらのテンプレートを使用することを強くお薦めします。
テンプレートは、Oracle Database Appliance上のパフォーマンスを最適化するように特に選択されたパラメータを使用してデータベースを定義します。また、適切なインスタンス・ケージングのセットアップ、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上の一致するテンプレートを使用したODA_BASEの作成、およびベア・メタル・インストールに関する適切なライセンスの取得を支援します。
ヒント: Oracle Appliance Managerコンフィギュレータは、データベースのクラスとしてデータベースのサイズ設定テンプレートを参照します。 |
複数のCPUを使用して、Oracle Database Applianceでは、複数のデータベースを1つのシステムに統合できます。統合により、アイドル・リソースを最小限に抑え、効率を最大限に高め、コストを下げることができます。インスタンス・ケージングを使用して、Oracle Database Resource Manager (リソース・マネージャ)と連携し、単一のOracle Database Applianceの複数インスタンス間で必要なサービス・レベルを提供できます。
Oracle Database Applianceテンプレートは、各データベース・インスタンス・ワークロードのサイズに合せて事前チューニングされています。特定のコア数で動作するよう設計されています。ケージングによって、各データベースのワークロードは、テンプレートで割り当てられたコアのセットに制限されます(これによって、複数のデータベースを同時に、パフォーマンスを低下させることなく、Oracle Database Applianceの容量まで、実行できるようになります)。計画的成長に備えるために、現在のニーズよりも大きなデータベース・テンプレート・サイズを選択できます。テンプレート・サイズは後になって、システム・グローバル領域(SGA)とプログラム・グローバル領域(PGA)のサイズやコア数を調節することにより調整できます。
注意: Oracle Database Applianceテンプレートはベスト・プラクティスを実装しており、特にOracle Database Appliance用に構成されているため、これらのテンプレートを使用することを強くお薦めします。 |
次の表を使用すれば、ご使用のデータベースに最適なテンプレートを選択できます。これらの表を使用するときに、次に留意してください。
この表の情報は、ディスクのバックアップを作成していることを前提としています。この表の情報は、ローカル・ディスクのバックアップを作成していることを前提としています。データベースの領域要件と、ローカル・ディスク・バックアップと外部バックアップのポリシーを検討します。通常、外部バックアップには、データベースが使用できる領域がローカル・バックアップより豊富にあります。
コンテナ・データベースがOracle ACFS上に作成されます。表B-5、表B-6、表B-7および表B-8に、Oracle ACFSファイル・システムに必要な容量を示します。Oracle ACFSファイル・システムを拡張して、領域不足を回避できます。
1秒当たりのI/O (IOPS)値は、オンライン・トランザクション処理(OLTP) I/Oリクエストを処理するための、ランダムな8Kの読取り/書込みレスポンス時間(Oracle Database Appliance X5-2の場合、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)に対しては10から12ミリ秒、Flashに対しては1ミリ秒未満、Oracle Database Appliance X4-2およびX3-2の場合は5から7ミリ秒、Oracle Database Applianceバージョン1の場合は5ミリ秒)から導出されます。この率はCPU数に基づくものではなく、システムがフル稼働していることを前提としています。
1秒当たりのMBでのスループット(MBPS)は、データ・ウェアハウス・システムの1MBの順次読取り/書込みに基づいています。IOPSと同様にMBPSは、システムがフル稼働している場合のスループットの測定値です。単一の小規模データベースのみが動作している場合、MBPSは大規模データベース用のシステムで使用可能な最大数となります。
ログ・ファイルのサイズは、システムがフル稼働している際に、各インスタンスの4つのREDOログ・グループで15分ごとにログ・スイッチが実行されることを前提としています。
データベースのワークロードおよびハードウェアに適した情報を見つけてください。
データベースのワークロードがOLTPタイプの場合、表B-2を使用します
データベースのワークロードがDSSタイプ(データ・ウェアハウス).の場合、表B-3を使用します
データベースのワークロードがインメモリー・タイプの場合、表B-4を使用します
データベースがOracle Database Appliance X5-2の場合、表B-5を使用します
データベースがOracle Database Appliance X4-2の場合、表B-6を使用します
データベースがOracle Database Appliance X3-2の場合、表B-7を使用します
データベースがOracle Database Applianceのオリジナル・モデルの場合、表B-8を使用します。
注意: Oracle Appliance Managerリリース12.1.2.2.0以降には、データベース・ワークロードのタイプ(OLTP、DSS、インメモリー)に固有の改善されたデータベース・テンプレートが用意されています。この改善されたテンプレートが、OLTPワークロードのサイズ設定パラメータしか提供されていなかった以前のリリースの汎用データベース・テンプレートに取って代わります。データベース・サイズ設定表には、各データベース・ワークロード・タイプのCPUの数およびメモリー属性に基づいて、更新されたテンプレート名およびサイズ設定が示されます。表B-1に、汎用データベース・テンプレート名とCPUコアに基づくデータベース・テンプレート名の間の参照を示します。 |
表B-1 Oracle Database Appliance データベース・テンプレート名の変換
CPUコア・ベースのデータベース・テンプレート名 | odb-01s | odb-01 | odb-02 | odb-04 | odb-06 | odb-12 | odb-16 | odb-24 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
汎用データベース・テンプレート名 |
超極小規模 |
非常に小規模 |
小規模 |
中規模 |
大規模 |
非常に大規模 |
超巨大規模脚注 1 |
超超巨大規模脚注 1 |
脚注 1 超巨大規模はOracle Database Appliance X3-2およびOracle Database Appliance X4-2に適用されます。超超巨大規模はOracle Database Appliance X4-2にのみ適用されます。
表B-2 Oracle Database Appliance OLTPデータベース・テンプレートのサイズ
テンプレート | CPUコア数 | SGA | PGA | フラッシュ | プロセッサ | ログ・バッファ、REDOログ |
---|---|---|---|---|---|---|
odb-01s (すべてのハードウェア・バージョン) |
1 |
2GB |
1GB |
6GB |
200 |
16MB、1GB |
odb-01 (すべてのハードウェア・バージョン) |
1 |
4GB |
2GB |
12GB |
200 |
16MB、1GB |
odb-02 (すべてのハードウェア・バージョン) |
2 |
8GB |
4GB |
24GB |
400 |
16MB、1GB |
odb-04 (すべてのハードウェア・バージョン) |
4 |
16GB |
8GB |
48GB |
800 |
32MB、1GB |
odb-06 (すべてのハードウェア・バージョン) |
6 |
24GB |
12GB |
72GB |
1200 |
64MB、2GB |
odb-12 (すべてのハードウェア・バージョン) |
12 |
48GB |
24GB |
144GB |
2400 |
64MB、4GB |
odb-16 (X5-2、X4-2、X3-2のみ) |
16 |
64GB |
32GB |
192GB |
3200 |
64MB、4GB |
odb-24 (X5-2、X4-2のみ) |
24 |
96GB |
48GB |
192GB |
4800 |
64MB、4GB |
odb-32 (X5-2のみ) |
32 |
128GB |
64GB |
256GB |
6400 |
64MB、4GB |
odb-36 (X5-2のみ) |
36 |
128GB |
64GB |
256GB |
7200 |
64MB、4GB |
注意: フラッシュはOracle Database Appliance X5-2にのみ適用されます。 |
表B-3 Oracle Database Appliance DSSデータベース・テンプレートのサイズ
テンプレート | CPUコア数 | SGA (GB) | PGA (GB) | プロセッサ | REDOログ・ファイルのサイズ(GB) | ログ・バッファ(MB) |
---|---|---|---|---|---|---|
odb-01s (すべてのハードウェア・バージョン) |
1 |
1 |
2 |
200 |
1 |
16 |
odb-01 (すべてのハードウェア・バージョン) |
1 |
2 |
4 |
200 |
1 |
16 |
odb-02 (すべてのハードウェア・バージョン) |
2 |
4 |
8 |
400 |
1 |
16 |
odb-04 (すべてのハードウェア・バージョン) |
4 |
8 |
16 |
800 |
1 |
32 |
odb-06 (すべてのハードウェア・バージョン) |
6 |
12 |
24 |
1200 |
2 |
64 |
odb-12 (すべてのハードウェア・バージョン) |
12 |
24 |
48 |
2400 |
4 |
64 |
odb-16 (X5-2、X4-2、X3-2のみ) |
16 |
32 |
64 |
3200 |
4 |
64 |
odb-24 (X5-2、X4-2のみ) |
24 |
48 |
96 |
4800 |
4 |
64 |
odb-32 (X5-2のみ) |
32 |
64 |
128 |
6400 |
4 |
64 |
odb-36 (X5-2のみ) |
36 |
64 |
128 |
7200 |
4 |
64 |
表B-4 Oracle Database Applianceインメモリー・データベース・テンプレートのサイズ
テンプレート | CPUコア数 | SGA (GB) | PGA (GB) | インメモリー(GB) | プロセッサ | REDOログ・ファイルのサイズ(GB) | ログ・バッファ(MB) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
odb-01s (すべてのハードウェア・バージョン) |
1 |
2 |
1 |
1 |
200 |
1 |
16 |
odb-01 (すべてのハードウェア・バージョン) |
1 |
4 |
2 |
2 |
200 |
1 |
16 |
odb-02 (すべてのハードウェア・バージョン) |
2 |
8 |
4 |
4 |
400 |
1 |
16 |
odb-04 (すべてのハードウェア・バージョン) |
4 |
16 |
8 |
8 |
800 |
1 |
32 |
odb-06 (すべてのハードウェア・バージョン) |
6 |
24 |
12 |
12 |
1200 |
2 |
64 |
odb-12 (すべてのハードウェア・バージョン) |
12 |
48 |
24 |
24 |
2400 |
4 |
64 |
odb-16 (X5-2、X4-2、X3-2のみ) |
16 |
64 |
32 |
32 |
3200 |
4 |
64 |
odb-24 (X5-2、X4-2のみ) |
24 |
96 |
48 |
48 |
4800 |
4 |
64 |
odb-32 (X5-2のみ) |
32 |
128 |
64 |
64 |
6400 |
4 |
64 |
odb-36 (X5-2のみ) |
36 |
128 |
64 |
64 |
7200 |
4 |
64 |
表B-5 Oracle Database Appliance X5-2データベース・テンプレートのサイズのストレージのパフォーマンス
テンプレート | このテンプレートを使用してデプロイできるデータベースの数 | DATAディスク・グループのコンテナ・データベースACFSサイズ(GB) | I/Ops(1つのストレージ・シェルフあり)(HDD/FLASH) | スループット(MBps)(1つのストレージ・シェルフあり)(HDD/FLASH) | I/Ops (MBps)(ストレージ・シェルフおよびストレージ拡張シェルフあり)(HDD/FLASH) | スループット(MBps)(ストレージ・シェルフおよびストレージ拡張シェルフあり)(HDD/FLASH) | ログ生成(MBps) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
odb-01s |
36 |
100 |
42/4167 |
83/83 |
83/8333 |
167/167 |
6.83 |
odb-01 |
36 |
100 |
42/4167 |
83/83 |
83/8333 |
167/167 |
6.83 |
odb-02 |
18 |
200 |
83/8.3K |
167/167 |
167/16.7K |
333/333 |
6.83 |
odb-04 |
9 |
400 |
167/16.7K |
333/333 |
333/33.3K |
667/667 |
13.65 |
odb-06 |
6 |
800 |
250/25K |
500/500 |
500/50K |
1000/1000 |
27.3 |
odb-12 |
3 |
1600 |
500/50K |
1000/1000 |
1000/100K |
2000/2000 |
27.3 |
odb-16 |
2 |
1600 |
750/75K |
1500/1500 |
1500/150K |
3000/3000 |
27.3 |
odb-24 |
1 |
1600 |
1500/150K |
3000/3000 |
3000/300K |
6000/6000 |
27.3 |
odb-32 |
1 |
1600 |
1500/150K |
3000/3000 |
3000/300K |
6000/6000 |
27.3 |
odb-36 |
1 |
1600 |
1500/150K |
3000/3000 |
3000/300K |
6000/6000 |
27.3 |
注意: 特定データベースの実際の秒あたりI/O (I/Ops)およびスループットは、FLASHを介して処理されるI/O操作とHDDを介して処理されるI/O操作の割合によって異なります。ワーキング・セットがFLASHに収まるOLTPワークロードでは、80%が読取り(フラッシュ・キャッシュを介して処理)で20%が書込み(HDDを介して処理)です。このため、実際のI/Oパフォーマンスは適切に重み付けされます。 |
表B-6 Oracle Database Appliance X4-2データベース・テンプレートのサイズのストレージのパフォーマンス
テンプレート | このテンプレートを使用してデプロイできるデータベースの数 | DATAディスク・グループのコンテナ・データベースACFSサイズ(GB) | I/Ops(1つのストレージ・シェルフあり) | スループット(MBps)(1つのストレージ・シェルフあり) | I/Ops (MBps)(ストレージ・シェルフおよびストレージ拡張シェルフあり) | スループット(MBps)(ストレージ・シェルフおよびストレージ拡張シェルフあり) | ログ生成(MBps) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
odb-01s |
24 |
100 |
138 |
146 |
275 |
229 |
6.83 |
odb-01 |
24 |
100 |
138 |
146 |
275 |
230 |
6.83 |
odb-02 |
12 |
200 |
275 |
292 |
550 |
458 |
6.83 |
odb-04 |
6 |
400 |
550 |
583 |
1100 |
917 |
13.65 |
odb-06 |
4 |
800 |
825 |
875 |
1650 |
1375 |
27.3 |
odb-12 |
2 |
1600 |
1650 |
1750 |
3300 |
2750 |
27.3 |
odb-16 |
1 |
1600 |
3300 |
3500 |
6600 |
5500 |
27.3 |
odb-24 |
1 |
1600 |
3300 |
3500 |
6600 |
5500 |
27.3 |
表B-7 Oracle Database Appliance X3-2データベース・テンプレートのサイズのストレージのパフォーマンス
テンプレート | このテンプレートを使用してデプロイできるデータベースの数 | DATAディスク・グループのコンテナ・データベースACFSサイズ(GB) | I/Ops(1つのストレージ・シェルフあり) | スループット(MBps)(1つのストレージ・シェルフあり) | I/Ops (MBps)(ストレージ・シェルフおよびストレージ拡張シェルフあり) | スループット(MBps)(ストレージ・シェルフおよびストレージ拡張シェルフあり) | ログ生成(MBps) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
odb-01s |
16 |
100 |
206 |
219 |
413 |
344 |
6.83 |
odb-01 |
16 |
100 |
206 |
219 |
413 |
344 |
6.83 |
odb-02 |
8 |
200 |
413 |
438 |
825 |
688 |
6.83 |
odb-04 |
4 |
400 |
825 |
875 |
1650 |
1375 |
13.65 |
odb-06 |
2 |
800 |
1650 |
1750 |
3300 |
2750 |
27.3 |
odb-12 |
1 |
1600 |
3300 |
3500 |
6600 |
5500 |
27.3 |
odb-16 |
1 |
1600 |
3300 |
3500 |
6600 |
5500 |
27.3 |
表B-8 Oracle Database Applianceバージョン1データベース・テンプレートのサイズのストレージのパフォーマンス
テンプレート | このテンプレートを使用してデプロイできるデータベースの数 | DATAディスク・グループのコンテナ・データベースACFSサイズ(GB) | I/Ops | スループット(MBps) | ログ生成(Mps) |
---|---|---|---|---|---|
odb-01s |
12 |
100 |
333 |
250 |
6.83 |
odb-01 |
12 |
100 |
333 |
250 |
6.83 |
odb-02 |
6 |
200 |
667 |
500 |
6.83 |
odb-04 |
3 |
400 |
1333 |
1000 |
13.65 |
odb-06 |
2 |
800 |
2000 |
1500 |
27.3 |
odb-12 |
1 |
1600 |
4000 |
3000 |
27.3 |
データベースが1つの場合は、(必要なCPUとI/Opsを考慮して)ご使用のハードウェアで予想されるワークロードに適したテンプレートを選択します。複数のデータベースを作成する場合、全体的なワークロードは、すでにシステム上にある既存のデータベースによって消費されるCPUおよびI/Opsの影響を受けます。