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Oracle® Database Appliance管理およびリファレンス・ガイド
リリース12.1.2.5.0 for Linux x86-64
E69892-01
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3 ­­Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・コンポーネントの管理

この章では、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・アーキテクチャの概要と、ゲスト仮想マシンのデプロイ、高可用性管理、CPUプールの管理およびOracle Database Appliance仮想化プラットフォームのネットワーク設定の構成を行う方法の手順を説明します。また、Oracle Databaseドメイン(ODA_BASE)、特権のある仮想マシンのサイズ変更に関する情報も含まれます。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームについて

Oracle Database Applianceには、Oracle VMに基づいて仮想化プラットフォームをデプロイするオプションがあります。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでは、Oracle VMの機能を使用して、同一の物理Oracle Database Appliance上で実行されているデータベースとアプリケーションに効果的にリソースを割り当てることができます。単に不要なサーバー・コアを無効にするのでなく、他のワークロードをホスティングするために余剰の容量を使用できます。これによりデータベースとアプリケーションを統合できる一方で、Oracle Database Applianceに関連するデプロイメントと管理は容易なままに保たれます。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームは、Oracle Database Applianceハードウェアのすべてのバージョン上でサポートされます。Oracle VMによってサポートされるテンプレートとオペレーティング・システムは、すべてOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上でもサポートされます。サポートされるオペレーティング・システムは、Linux、WindowsとSolaris/86などです。


注意:

現在Oracle Database Applianceの非仮想化デプロイメント上にいる場合(現在、新しいシステムはすべて非仮想化ISOイメージで出荷されます)、Oracle Database Applianceを仮想化プラットフォームとして使用するには、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームISOイメージを使用してサーバーを再イメージ化する必要があります。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームISOイメージをダウンロードするためのリンクは、MOSノート888888.1を参照してください。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・アーキテクチャ

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームが提供する仮想化テクノロジを使用すると、分離された複数のデータベースとアプリケーションが同じ物理サーバーを共有できます。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームISOイメージは、Oracle Database Applianceハードウェア機能を活用するように特に設計されています。

図3-1に示すように、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・アーキテクチャは次の仮想マシン・コンポーネントを使用します。

  • Oracle Database Applianceベース・ドメイン(ODA_BASE): 特にデータベース用の、ベア・メタル・デプロイメントに類似したデータベース・パフォーマンスを提供する、特権を持つ仮想マシン・ドメイン。PCIパススルー・ドライバは、共有ストレージにODA_BASE直接アクセスを提供します。

  • ドメイン0 (Dom0): Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのプロビジョニング・プロセスを開始し、仮想マシン・テンプレートをホスティングするデフォルトのドメイン。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム環境でのハードウェア検出業務の大部分は、ドメイン・ゼロ(Dom0)と呼ばれる管理ドメインに渡されます。x86ベースのサーバーでは、Dom0カーネルは、様々なデバイス、ファイル・システムおよびソフトウェアRAIDとボリューム管理をサポートするフットプリントの小さいLinuxカーネルです。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでは、Dom0は、多くのシステム・ハードウェアへのアクセスを提供し、ゲスト・オペレーティング・システムを作成、削除、管理し、これらのゲストに対して共通の仮想ハードウェアを使用可能にします。

  • ゲスト・ドメイン(ドメインU): アプリケーションやミドルウェアなどの、非データベース・ワークロードをホスティングするためにプロビジョニングされる仮想マシン。各ゲスト・オペレーティング・システムには、「ユーザー・ドメイン」と呼ばれるこのシステムの管理ドメインがあり、「ドメインU」と省略されます。このドメインは、ハードウェアまたはデバイス・ドライバに直接アクセスする権限を持たないドメインです。各ドメインUは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上でDom0が実行された後に開始されます。

図3-1 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・アーキテクチャ

図3-1の説明はこの後にあります
「図3-1 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム」の説明

仮想マシン・テンプレート

仮想マシンは、事前に構成された仮想マシンを含むテンプレートまたはアセンブリから作成できます。テンプレートからの仮想マシンの作成は、クローニングに基づきます。テンプレートはアーカイブとしてインポートされ、解凍されて、ディスク・イメージを使用して仮想マシン構成ファイルとして格納されます。これらのディスク・イメージはクローニングされ、仮想マシンの形で新しいインスタンスを作成します。同様に、既存の仮想マシンは、クローニングされて新しい仮想マシンを作成するか、クローニングされて新しいテンプレートを作成できます。

「仮想マシン・テンプレートの管理」を参照してください。

仮想マシンのアセンブリ

アセンブリは、しばしば仮想マシンのグループのテンプレート(複数の仮想マシン・テンプレートの集まり)と説明されます。アセンブリは、単一の仮想マシンまたは仮想マシン・テンプレートの集まりを含むことができます。

仮想マシン

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームは、仮想マシンを実行、デプロイするように設計されています。仮想マシンは、CPUプール、メモリーおよび共有リポジトリ・リソースを使用するように構成できます。

「仮想マシンの管理」を参照してください。

共有リポジトリ

共有リポジトリは、仮想マシンの作成と管理にとって最重要のリソースを格納するための中心的な場所です。こういったリソースには、仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリ、ISOファイル(仮想DVDイメージ)、仮想マシン構成ファイルおよび仮想ディスクがあります。共有リポジトリはOracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)上に構成され、続いてそれらのリソースにアクセスする必要があるOracle Database Applianceノードに対して提示されます。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームは、共有リポジトリを使用して、環境で使用できるディスク領域使用率を最適化し、物理サーバーが故障した場合に仮想マシンの再割当てを簡単に行えるようにします。仮想マシン・ファイルは共有ディスクに格納できるため、仮想マシンに共有ストレージを提供します。さらに、CPUプールおよびサイズ変更可能なOracle Databaseドメイン(ODA_BASE)を構成して、仮想マシンでは、互いのCPUコアからまたは割当て済のデータベースCPUコアからサイクルが消費されないようにできます。

図3-2は、次のようなOracle Database Appliance共有リポジトリ・アーキテクチャを示しています。

  • Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上の共有ディスクはODA_BASEに直接接続されています。

  • ODA_BASEには、fs1、fs2およびfs3という名前の3つの共有リポジトリがあります。

  • 各共有リポジトリは、共有リポジトリの作成時に選択されたOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスク・グループ(DATAまたはRECO)の最上位に作成されたODA_BASEのOracle ACFSです。

  • 共有リポジトリを作成するプロセスでは、プライベート・ネットワークを使用するそれぞれのDom0への共有リポジトリのネットワーク・ファイル・システム(NFS)エクスポートも実行します。

  • エクスポートは、仮想マシン・ファイル用の共有ストレージを有効化します。

図3-2 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム(共有リポジトリあり)のアーキテクチャの概要

図3-2の説明はこの後にあります
「図3-2 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム(共有リポジトリあり)のアーキテクチャの概要」の説明

図に示された構成を使用すると、次のことができます。

  • 複数のリポジトリを作成します。

  • これらのリポジトリを、仮想マシンの実行が必要なノード(図のfs2およびfs3など)または両方のノード(図のfs1など)にマウントします。

  • 共有リポジトリで、1つ以上の仮想マシンまたは仮想マシン・テンプレートを作成します。

  • OAKCLIコマンドを使用して、共有リポジトリ、仮想ディスクおよびそれらの仮想マシン、および図に示されている基礎アーキテクチャを作成および管理します。

詳細は、「共有リポジトリの作成と管理」を参照してください。

仮想ディスク

仮想マシンのほかに、共有リポジトリでは仮想ディスクを作成できます。仮想マシンに追加のブロック記憶域をアタッチすることで、仮想ディスクは仮想マシンに追加の記憶域オプションを提供します。同様に、追加の領域が不要になった場合は、記憶域をデタッチできます。記憶域ボリュームを仮想ディスクに拡張するか、または新規ファイル・システムを仮想ディスクに作成することで、仮想ディスクを使用して、既存のファイル・システム記憶域を仮想マシン内に拡張できます。仮想ディスクは、同じ共有リポジトリ上で実行されている複数の仮想マシンの共有もできます。

「共有リポジトリでの仮想ディスクの管理」を参照してください。

ドメイン

ドメインゲストおよび仮想マシンは、ほぼ同じ意味に使用されていますが、若干の違いがあります。ドメインは、構成可能な一連のリソースで、メモリー、仮想CPU、仮想マシンを実行するネットワーク・デバイスおよびディスク・デバイスを含みます。ゲストは、ドメイン内で実行される仮想化されたオペレーティング・システムです。複数のゲストが、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの同一インスタンス上、それぞれ自身のドメイン内で実行できます。仮想マシンには仮想リソースが割り当てられ、独立して起動、停止、再起動ができます。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・コンポーネントのデプロイ

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームをデプロイすると、システムの各サーバー・ノードに、Dom0とODA_BASE (Dom1とも呼ばれる)の2つのドメインが作成されます。仮想マシン(ドメイン(Dom) Uと呼ばれる)には、Oracle Database (ODA_BASE)に割り当てられていないCPUコアを使用できます。

ゲスト仮想マシンのデプロイメントの概要

ゲスト仮想マシンをデプロイする主な手順は次のとおりです。

  1. 必要に応じて新規リポジトリを作成します。「共有リポジトリの作成と管理」を参照してください。

  2. 必要なテンプレートまたはアセンブリをインポートします。「仮想マシン・テンプレートの管理」を参照してください。

  3. テンプレートまたはアセンブリを構成します。「仮想マシン・テンプレートの構成」を参照してください。

  4. テンプレートまたはアセンブリをクローニングします。「テンプレートのクローンおよびスナップ・クローンの作成」を参照してください。

  5. 必要に応じて仮想マシンを更新します。「仮想マシン・テンプレート構成の変更」を参照してください。

  6. 仮想マシンを起動します。「oakcli startコマンド」を参照してください。

  7. 仮想マシン・コンソールを使用して仮想マシンを管理します。「oakcli show vmconsole」を参照してください。

Oracle Appliance Managerコマンドライン・インタフェース

Oracle Appliance Kitコマンドライン・インタフェース(OAKCLIとも呼ばれます)は、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームをデプロイするときに使用されます。OAKCLIコマンドの最新セットと、構文および使用上の注意は、「Oracle Appliance Managerコマンドライン・インタフェース」を参照してください。

共有リポジトリの作成と管理

oakcli create repoコマンドを使用して、共有リポジトリを作成します。このコマンドは、リポジトリ名、そのストレージに使用するディスク・グループ(DATAまたはRECO)およびGBまたはMBで示したサイズを識別します(デフォルトのサイズ単位はGBです)。

既存のリポジトリを表示および停止(ディスマウント)するコマンドを含め、その他のOracle Appliance Manager共有リポジトリのコマンドは、非共有リポジトリで使用するコマンドに似ています。デフォルトの永続的なリポジトリとは異なり、アクティブな(マウント済の)仮想マシンがない共有リポジトリは削除できます。

次のコマンドでは、repo1という名前の共有リポジトリがASM DATAディスク・グループに30GBの使用可能なストレージで作成されます。

oakcli create repo repo1 -dg data -size 30

共有リポジトリのステータスの表示

oakcli show repoコマンドを使用して、仮想マシンのリポジトリに関する情報を表示します。すべてのリポジトリを参照するには、リポジトリ名およびノード番号を省略します。特定の共有リポジトリを参照するには、リポジトリ名およびノード番号を指定します。

すべての共有リポジトリのステータスの表示

すべての共有リポジトリのステータスを表示するには、oakcli show repoコマンドを使用します。

oakcli show repo
      NAME                      TYPE          NODENUM  FREE SPACE     STATE
      ----                      ----          -------  ---------      -----
      odarepo1                  local          0              N/A     N/A
      odarepo2                  local          1              N/A     N/A
      repo1                     shared         0           68.25%     ONLINE
      repo1                     shared         1           68.25%     ONLINE
      repo2                     shared         0              N/A     OFFLINE
      repo2                     shared         1           89.83%     ONLINE

選択した共有リポジトリのステータスの表示

共有リポジトリの特定のノードの情報を表示するには、コマンド構文の一部としてリポジトリ名とノード番号を指定します。次の例では、repo1共有リポジトリの1の情報が表示されます。

oakcli show repo repo1 -node 1

Resource: repo1_1
        AutoStart       :       restore       
        DG              :       DATA          
        Device          :       /dev/asm/repo1-286
        ExpectedState   :       Online        
        FreeSpace       :       87.703125M        
        MountPoint      :       /u01/app/repo1
        Name            :       repo1_0       
        Node            :       all           
        RepoType        :       shared        
        Size            :       30720         
        State           :       Online
        Version         :       2

共有リポジトリの起動

共有リポジトリに仮想マシンを割り当てるには、その前にoakcli start repoコマンドを使用してリポジトリを起動し、ストレージを使用可能にします。oakcli start repoコマンドにより、自動的に起動するように定義したリポジトリに割り当てられている仮想マシンも起動されます。

ノード1のrepo1という共有リポジトリを起動します。

oakcli start repo repo1 -node 1

共有リポジトリの停止

oakcli stop repoコマンドを使用して、ノード上の共有リポジトリを停止します。

ノード0のrepo1という共有リポジトリを停止します。

oakcli stop repo repo1 -node 0

注意:

選択したノードのリポジトリで仮想マシンがアクティブなままである間は、oakcli stop repoコマンドを発行しないでください。

共有リポジトリの削除

oakcli delete repoコマンドを使用して、共有リポジトリを削除します。共有リポジトリを削除するには、その前に両方のノード上でオフライン(停止)にする必要があります。

ノードのrepo1という共有リポジトリを削除します。

oakcli delete repo repo1

共有リポジトリのサイズの増加

oakcli configure repoコマンドを使用して、共有リポジトリのサイズを大きくします。

repo1共有リポジトリのサイズを2GB分変更します。

# oakcli configure repo repo1 -incsize 2G

Configured Shared Repo : repo1 with new size 3712.0.

共有リポジトリでの仮想ディスクの管理

OAKCLIコマンドを使用して、仮想ディスクを作成、表示、クローニング、接続および削除します。

共有リポジトリで使用するための仮想ディスクの作成

oakcli create vdiskコマンドを使用して、共有リポジトリ内に仮想ディスクを作成します。このコマンドは、仮想ディスクのサイズ、それが存在する共有リポジトリ、その共有リポジトリ内の一意の名前、および仮想ディスクが複数の仮想マシンによって共有できるかどうかを定義します。

repo2共有リポジトリでsdisk1という名前の仮想ディスクを、仮想マシンによる共有機能を付けられ、1GBのサイズで作成します。

oakcli create vdisk sdisk1 -repo repo2 -size 1G -type shared

仮想ディスクに関する情報の表示

oakcli show vdiskコマンドを使用して、共有リポジトリに仮想ディスクを作成します。個々の仮想ディスクの詳細を表示するには、仮想ディスク名と-repo repository_name句を指定し、仮想ディスクを作成した共有リポジトリを指定します。

すべての仮想ディスクの情報を表示します

Oracle Database Appliance上のすべての仮想ディスクに関する情報を表示します。

# oakcli show vdisk

    NAME                         SIZE     TYPE    REPOSITORY
    ----                         ----     ----    ----------
    myvdisk                      10G      local   vdiskrepo
    newv                         1G       local   vdiskrepo

単一の仮想ディスクの情報を表示します

myvdisk1という名前の仮想ディスクの情報を次のように表示します。

# oakcli show vdisk myvdisk1
Resource: myvdisk_vdiskrepo
        Name         :     myvdisk_vdiskrepo
        RepoName     :     vdiskrepo
        Size         :     10G
        Type         :     local
        VmAttached   :     0

仮想ディスクのクローニング

oakcli clone vdiskコマンドを使用して、仮想マシンのクローンを作成します。

oakcli clone vdisk new_vdisk_name -repo repo_name -src source_vdisk_name [-h]

new_vdisk_nameは、クローニングされる仮想ディスクに割り当てる名前です。

repo_nameは、元の仮想ディスクが存在するリポジトリです。

src_vdisk_nameは、クローニングする仮想ディスクの名前です。

vrepo1というリポジトリに格納されたvdisk1という既存の仮想ディスクからmy_vdisk2という仮想ディスクのクローンを作成します。

oakcli clone vdisk my_vdisk2 -repo vrepo1 -src vdisk1

仮想マシンへの仮想ディスクのアタッチ

oakcli modify vmコマンドを使用して、仮想マシンに仮想ディスクを接続します。

sdisk1という名の仮想ディスクをmyol6u_testという名の仮想マシンにアタッチします。

oakcli modify vm myo16u_test -attachvdisk sdisk1

仮想ディスクの削除

oakcli delete vdiskコマンドを使用して、共有リポジトリから仮想ディスクを削除します。

t2gという共有リポジトリからrepoprod1という仮想ディスクを削除します。

oakcli delete vdisk t2g -repo repoprod1

仮想マシン・テンプレートの管理

仮想マシン・テンプレートは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームにデプロイされている仮想マシンのソースとしてインポートして構成します。共有リポジトリの作成が完了したら、希望するリポジトリにテンプレートをインポートします。あるいは、希望するノード上のローカル・リポジトリにテンプレートをインポートします。

また、1つ以上のテンプレートを格納できるアセンブリをインポートできます。共有リポジトリにテンプレートまたはアセンブリをインポートするときに、操作を実行するノードを指定します。ノードは慎重に選択して、過負荷を避けてください。インポートを行うノードがいずれであっても、両方のノードでリポジトリが利用可能です。

ローカル・ノードにインポートされたテンプレートでは、importコマンドで指定されたリポジトリ名を使用し、インポートを完了してストレージを割り当てる対象のノードを識別します。ノード0上のローカル・リポジトリの名前はodarepo1、ノード1上のローカル・リポジトリの名前はodarepo2です。両方のローカル・リポジトリにテンプレートをインポートする場合は、第2ノードにテンプレートをインポートするときに異なるテンプレート名を指定する必要があります。


注意:

テンプレートは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで直接作成またはクローニングできません。http://edelivery.oracle.com/linuxで、仮想マシン・テンプレートを検索します。

複数のテンプレートが格納されたアセンブリをインポートすると、すべてのテンプレート名を一意に保つように、指定したテンプレート名が自動的に変更されます。1つ目のテンプレートは名前に番号"1"を追加し、2つ目のテンプレートは番号"2"を追加する、のようになります。

仮想マシン・テンプレートをインポートした後、OAKCLIコマンドでテンプレートをカスタマイズできます。

仮想マシン・テンプレートの一覧表示

oakcli show vmtemplateコマンドを使用すると、各仮想マシン・テンプレートの名前およびリポジトリと、テンプレートから作成された仮想マシンにOracle Database Appliance仮想化プラットフォームによって割り当てられるデフォルトのCPUの数およびメモリー容量が表示されます。

仮想テンプレートsample1_odarepo1の情報を表示します。

oakcli show vmtemplate sample_odarepo1
Resource: sample1_odarepo1
        CPUPriority     :       100           
        Disks           :       |file:/OVS/Repositories/odarepo1/Te
                                mplates/otml_sample1_odarepo1/Syste
                                m.img,xvda,w||file:/OVS/Repositorie
                                s/odarepo1/Templates/otml_sample1_o
                                darepo1/u01.img,xvdb,w|
        Domain          :       XEN_PVM       
        Keyboard        :       en-us         
        MaxMemory       :       2048          
        MaxVcpu         :       2             
        Memory          :       2048          
        Mouse           :       OS_DEFAULT    
        Name            :       sample1_odarepo1
        Networks        :       |bridge=priv1||bridge=net1||bridge=
                                net2|         
        NodeNum         :       0             
        OS              :       OL_5          
        ProcessorCap    :       100           
        RepoName        :       odarepo1      
        Vcpu            :       2 

仮想マシン・テンプレートのインポート

oakcli import vmtemplateコマンドを使用して、外部リポジトリ・アセンブリ・ファイルに含まれる仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリをインポートします。共有リポジトリの名前を使用し、テンプレートまたはアセンブリをインポートするノードを識別するには-node句を指定します。

oakcli import vmtemplate vmtemplatename -files image_files | -assembly assembly_file -repo repo_name [- node 0 | 1 ]

仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリは、ファイルのソースを特定するURLを使用して、リモート・リポジトリから直接インポートできます。オプションで、リモート・コピー・コマンドを使用してリモート・リポジトリからDom0の/OVSディレクトリにファイルをコピーしてから、ダウンロード済ファイルを特定するパスおよび名前を使用してファイルをインポートします。


注意:

ローカル・リポジトリにテンプレートまたはアセンブリをインポートするときは、-node句を使用しないでください。ターゲット・ノードは、リポジトリの名前で暗黙的に決まります。

外部リポジトリのアセンブリからの仮想マシン・テンプレートのインポート

oakcli import vmtemplate vmtemplatename -assembly assembly_file -repo repo_nameコマンドを使用して、外部テンプレート・リポジトリ・アセンブリ・ファイルに含まれる仮想マシン・テンプレートをインポートします。

URL 'http://example.com/assemblies/OEL6/OVM_OL6U1_x86_PVHVM.ova'にある外部テンプレート・リポジトリ・アセンブリ・ファイルにあるテンプレートを、odarepo1という名の新しいリポジトリにあるOL6U1という名の新しいテンプレートにインポートします。

oakcli import vmtemplate OL6U1 -assembly 'http://example.com/assemblies/OEL6/OVM_OL6U1_x86_PVHVM.ova' -repo odarepo1

URLを囲む一重引用符に注意してください。

Dom0からの仮想マシン・テンプレートのインポート

コマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートをDom0上の/OVSファイル・システムからインポートします。

oakcli import vmtemplate vmtemplatename -files image_files -repo repo_name 

OVM_OL5U7_X86_64_PVM_10GB.tgzという名の仮想マシン・テンプレートを、Dom0の/OVSディレクトリからodarepo1リポジトリにインポートします。テンプレートには、名前OL5U7が割り当てられます。

oakcli import vmtemplate OL5U7 -files /OVS/OVM_OL5U7_X86_64_PVM_10GB.tgz -repo odarepo1

外部リポジトリURLを使用した仮想マシン・テンプレートのインポート

oakcli import vmtemplate vmtemplatename -files image_files -repo repo_nameコマンドを使用して、外部テンプレート・リポジトリから仮想マシン・テンプレート・ファイルをインポートします。

OVM_OL5U7_X86_64_PVM_10GB.tgzという名の仮想マシン・テンプレートを、URL 'http://example.com/assemblies/OEL6/OVM_OL6U1_x86_PVHVM.tgz'にある外部テンプレート・リポジトリからインポートします。URLを囲んでいる一重引用符に注意してください。テンプレートには名前OL5U7が割り当てられ、odarpo1リポジトリにインポートされます。

oakcli import vmtemplate OL5U7 -files 'http://example.com/assemblies/OEL6/OVM_OL6U1_x86_PVHVM.tgz'-repo odarepo1

仮想マシン・テンプレートの構成

oakcli configure vmtemplateコマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシン・テンプレートを構成します。これらの値は、このテンプレートからクローニングされるすべての仮想マシンのデフォルト値になります。それらはすべて、oakcli configure vmコマンドで後から変更できます。

myol5u7_10gbという名の仮想マシン・テンプレートの値を設定します。

oakcli configure vmtemplate myol5u7_10gb -vcpu 2 -maxvcpu 4 -cpucap 40
-memory 1536M -maxmemory 2G -os OTHER_LINUX
  • -vcpu 2は、仮想マシンの起動時に割り当てられるCPUの数を最大2に設定します。

  • -maxvcpu 4は、仮想マシンに割り当てることができるCPUの最大数を4に設定します。

  • -cpucap 40は、仮想マシンに割り当てられるCPUの容量の最大比率を40%に設定します。

  • -memory 1536Mは、仮想マシンの起動時に割り当てられるメモリー容量を、最高1536MBに設定します。

  • -maxmemory 2Gは、仮想マシンに割り当てることができるメモリーの最大容量を2GBに設定します。

  • -os OTHER_LINUXは、仮想マシンにより使用されるオペレーティング・システムとしてOTHER_LINUXを設定します。

仮想マシン・テンプレートの構成済値の表示

oakcli show vmtemplateコマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートの構成可能オプションの値を表示します。

仮想テンプレートsample1_odarepo1の情報を表示します。

oakcli show vmtemplate sample_odarepo1
Resource: sample1_odarepo1
        CPUPriority     :       100           
        Disks           :       |file:/OVS/Repositories/odarepo1/Te
                                mplates/otml_sample1_odarepo1/Syste
                                m.img,xvda,w||file:/OVS/Repositorie
                                s/odarepo1/Templates/otml_sample1_o
                                darepo1/u01.img,xvdb,w|
        Domain          :       XEN_PVM       
        Keyboard        :       en-us         
        MaxMemory       :       2048          
        MaxVcpu         :       2             
        Memory          :       2048          
        Mouse           :       OS_DEFAULT    
        Name            :       sample1_odarepo1
        Networks        :       |bridge=priv1||bridge=net1||bridge=
                                net2|         
        NodeNum         :       0             
        OS              :       OL_5          
        ProcessorCap    :       100           
        RepoName        :       odarepo1      
        Vcpu            :       2 

仮想マシン・テンプレート構成の変更

記憶域リポジトリに仮想マシン・テンプレートをインポートした後で、oakcli show vmtemplateコマンドでテンプレート構成パラメータを調べます。特定の要件に合せてテンプレートを再構成する必要がある場合、oakcli configure vmtemplateコマンドを使用します。これは、単一のテンプレートから同じ特性を持つ複数の仮想マシンをデプロイする場合に使用すると便利です。仮想マシンを1つしかデプロイしない場合、または異なる特性の複数の仮想マシンをデプロイする場合は、テンプレートをデプロイした後で、oakcli configure vmコマンドを使用して必要な値を仮想マシンに設定します。

仮想マシン・テンプレートの構成に満足したら、oakcli modifyコマンドを使用して、新しいネットワークを仮想マシン・テンプレートに割り当てます。

gc_11g仮想マシン・テンプレートに割り当てられているネットワークをnet1ネットワークに置き換えます。

oakcli modify vmtemplate gc_11g -addnetwork net1

仮想マシン・テンプレートの削除

以前に保存済のテンプレートが不要になった場合は、oakcli delete vmtemplateコマンドを使用してリポジトリからテンプレートを削除します。

myol6u_15gb3という名前の仮想マシン・テンプレートをOracle Database Appliance仮想化プラットフォームから削除します。

oakcli delete vmtemplate my0l6u_15gb3

テンプレートのクローンおよびスナップ・クローンの作成

インポートしたテンプレート(またはアセンブリ)から、または既存の仮想マシンから仮想マシンを作成(クローニング)できます。仮想マシンは、テンプレートまたはアセンブリの完全なクローンにすることも、仮想マシンに定義されているメタデータのみを含むスナップ・クローンにすることもできます。


注意:

スナップ・クローンの作成は、テンプレートまたはアセンブリ全体のクローニングと比較して、非常に高速な処理です。ただし、スナップ・クローンの内容を更新する場合、システムでは、クローン用の追加の記憶域が必要になり、変更が共有仮想ディスクで行われないかぎり、元の内容および変更された内容が保持されます。

テンプレートのクローニング

仮想ディスクをアタッチした仮想マシンをクローニングできます。そのような場合、仮想マシンのクローンには、ローカルでアタッチされた仮想ディスクの内容が含まれますが、共有モードでアタッチされた仮想ディスクの内容は含まれません。必要に応じて、別の手順で、クローニングされた仮想マシンによって必要とされる仮想ディスクをクローニングします。

oakcli clone vmコマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートから仮想マシンを作成します。-repo句で共有リポジトリの名前を使用し、クローニング・プロセスを実行するノードを識別するには-node句を指定します。

ノード0repo2という名前の共有リポジトリに格納されているmyol6u_15gb1という名前の仮想マシン・テンプレートから、myol6u_testという名前の仮想マシンを作成します。

oakcli clone vm myol6u_test -vmtemplate myol6u_15gb1 -repo repo2 -node 0

注意:

-node句は、クローニング・アクティビティが実行されるノードを指定します。また、このノード値は、仮想マシンのデフォルトの起動ノードを割り当てません。この割当ては、oakcli configure vmコマンドによって設定されます。

テンプレートからのスナップ・クローンの作成

oakcli clone vmコマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートからスナップ・クローンを作成します。

myol15u_snapという名前のスナップ・クローンを、myol5uという名前の仮想マシン・テンプレートから作成します。

oakcli clone vm myol15u_snap -vmtemplate myol5u -snap

既存の仮想マシンのスナップ・クローンの作成

oakcli clone vmコマンドを使用して、既存の仮想マシンからスナップ・クローンを作成します。

myol15u_test1という名前のスナップ・クローンを、myol15u_testという名前の仮想マシン・テンプレートから作成します。

oakcli clone vm myol15u_test1 -vm myol15u_test1 -snap

仮想マシンの管理

ODA_BASEで稼働しているデータベースとは無関係にその他のワークロードを実行するには、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームに仮想マシンをデプロイします。OAKCLIコマンドを使用して、仮想マシンを作成および管理します(起動、停止、グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)用のコンソールのオープンなど)。


注意:

仮想ネットワーク・コンピューティング(VNC)セッションを使用して、仮想マシンのGUIコンソールを開くことができます。

アクティブな仮想マシンを再構成することは可能ですが、変更は仮想マシンを停止して再起動するまで有効になりません。すべての仮想マシンの概要情報や、単一仮想マシンの構成に関する詳細情報を表示できます。特定の仮想マシンが不要になった場合は、記憶域を回復するために仮想マシンを削除します。

リポジトリ内の仮想マシンの一覧表示

oakcli show vmコマンドを使用して、既存の仮想マシンのリストを表示します。

このコマンドでは、各仮想マシンの名前、リポジトリおよび現在の状態(オンラインまたはオフライン)が表示されます。出力には、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームによって各仮想マシンに割り当てられるデフォルトのCPUの数およびメモリー容量も含まれます。

すべての仮想マシンの詳細の表示

すべての仮想マシンの仮想マシン名、メモリーとvCPUの割当て、ステータス、仮想ディスクおよびリポジトリ名を次のように表示します。

oakcli show vm

NAME                    MEMORY          VCPU         STATE           REPOSITORY
----                    ------          ----         -----           ----------
sample5_odarepo1          2048             2         OFFLINE         odarepo1      
sample6_odarepo1          2048             2         OFFLINE         odarepo2      
test1_odarepo1            2048             2         OFFLINE         odarepo1      
test2_odarepo2            2048             2         OFFLINE         odarepo2      
vm1_odarepo1              4096             4         ONLINE          odarepo1      
vm2_odarepo2              2048             2         OFFLINE         odarepo2      
win_vm1                   1500             1         ONLINE          odarepo1

単一の仮想マシンの情報の表示

仮想マシンvm1_odarepo1の情報を表示します。

oakcli show vm vm1_odarepo1
Resource: vm1_odarepo1
        AutoStart       :       restore       
        CPUPriority     :       100           
        Disks           :       |file:/OVS/Repositories/odarepo1/Vi
                                rtualMachines/vm1_odarepo1/System.i
                                mg,xvda,w||file:/OVS/Repositories/o
                                darepo1/VirtualMachines/vm1_odarepo
                                1/u01.img,xvdb,w|
        Domain          :       XEN_PVM       
        ExpectedState   :       online       
        FailOver        :       false
        IsSharedRepo    :       false
        Keyboard        :       en-us         
        MaxMemory       :       3000           
        MaxVcpu         :       4             
        Memory          :       4096          
        Mouse           :       OS_DEFAULT    
        Name            :       vm1_odarepo1  
        Networks        :       |mac=00:21:F6:00:00:E4|         
        NodeNum         :       0             
        NodeNumStart    :       
        OS              :       OL_5          
        PrivateIP       :       None          
        ProcessorCap    :       100           
        RepoName        :       odarepo1      
        State           :       Online        
        TemplateName    :       otml_sample1_odarepo1
        Vcpu            :       4             
        cpupool         :       twocpu        
        vncport         :       5901              

仮想マシンの作成

インポートしたテンプレート(またはアセンブリ)から、または既存の仮想マシンから仮想マシンを作成(クローニング)できます。仮想マシンは、テンプレートまたはアセンブリの完全なクローンにすることも、仮想マシンに定義されているメタデータのみを含むスナップ・クローンにすることもできます。

詳細は、「テンプレートのクローンおよびスナップ・クローンの作成」を参照してください。

仮想マシンの構成

oakcli configure vmコマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンを構成します。

デフォルトで仮想マシンを実行するノードを識別するには-prefnode句を、(起動時またはすでにアクティブであるとき)優先ノードが使用不可能な場合に仮想マシンで他のノードを使用するかどうかを指定するには-failover句を指定します。

現在稼働している仮想マシンを再構成した場合、変更は仮想マシンを停止して再起動するまで有効になりません。「仮想マシンの起動および停止」を参照してください。

完全なコマンド構文は、「oakcli configure vm」を参照してください。

myol15u_testという名前の仮想マシンにある特定のリソースに値を設定します。

oakcli configure vm myol5u_test
-vcpu 2 -cpuprio 150 -cpucap 20 -memory 1G 
-cpupool linpool -keyboard en-us -mouse USB_MOUSE
パラメータ 説明
-vcpu 2 起動時に仮想マシンに割り当てられるCPU数として、2を設定します
-cpuprio 150 CPUアクセスの優先度を150に設定します
-cpucap 20 仮想マシンに割り当てられるCPUの容量の最大比率を20%に設定します
-memory 1G 仮想マシンの起動時に割り当てられるメモリー容量を1GBに設定します
-cpupool linpool 仮想マシンに割り当てられるCPUプールに、linpoolを指定します
-keyboard en-us 仮想マシンにアクセスするために使用されるキーボード・タイプをen-usと定義します
-mouse USB_MOUSE 仮想マシンにアクセスするために使用されるマウス・タイプをUSBマウスと定義します

これらの値は、この仮想マシンの導出元となった仮想マシン・テンプレートの同じパラメータに割り当てられた値に優先します。仮想マシンは、親テンプレートまたは構成コマンドのいずれにも定義されていないパラメータにデフォルト値を使用します。


注意:

CPUの容量は、-cpupoolパラメータで仮想マシンに割り当てられるCPUプールによって、または(-cpupoolパラメータで仮想マシンが構成されていない場合は)、default_unpinned_poolによって制御されます。-vcpuパラメータと-maxvcpuパラメータの値が割当済のCPUプール内のCPUの数より大きい場合は無視されます。

「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールの管理」を参照してください。


仮想マシンの起動および停止

oakcli start vmコマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンを起動します。同様に、oakcli stop vmコマンドを使用して、仮想マシンを停止します。


注意:

現在稼働している仮想マシンを再構成した場合、変更は仮想マシンを停止して再起動するまで有効になりません。

外部での仮想マシンの構成

最初は、仮想マシンを仮想マシン・コンソール経由で接続せず、外部に構成できます。これは、Oracle VM Guest Additionsを使用して、仮想マシンにキーと値のペアを渡すことによって実現されます。oakcli modify vm -sコマンドを使用して、仮想マシンにパラメータを渡します。

# oakcli modify vm vmname-s 'key1:value1;key2:value2...'

次の例には、2つの値ペアが含まれています。

oakcli modify vm vmo16u3 -s 'com.oracle.linux.network.device.0:eth0;com.oracle.linux.network.ipaddr.0:192.1.2.18'

関連項目

仮想マシン用の仮想マシン・コンソールのオープン

アクティブな仮想マシンの仮想マシン・コンソール・ウィンドウを開くには、Oracle Appliance Managerのoakcli show vmconsoleコマンドを実行します。コンソールが正しく表示されない場合は、コンソールを閉じ、DISPLAY環境変数をモニターに適した値に設定した後、oakcli show vmconsoleコマンドを再実行します。

ご使用の仮想マシンを構成して(oakcli modify vmコマンドで-sパラメータを指定します)、GUI仮想マシンのコンソールからではなくOAKCLIコマンドラインからのアクセスを許可することもできます。

vm1_odarepo1という仮想マシンのコンソールを開きます。

oakcli show vmconsole vm1_odarepo1

新規仮想マシンのイメージの作成

oakcli clone vmコマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上に、新しい仮想マシンのイメージを作成します。デフォルトでは、このイメージは、テンプレートまたはクローニングする仮想マシンからコンテンツおよび構成情報を継承し、ソースと同じリポジトリに格納されます。仮想マシンにローカル・リポジトリを使用している場合を除き、oakcli cloneコマンドに-node句を指定して、クローニング・プロセスを実行する必要があるノードを指定します。構成メタデータのみを含むスナップ・クローンを作成するには、oakcli cloneコマンドに-snap句を指定します。

関連項目

oakcli cloneコマンド

IPアドレスを使用した、eth0からのアクセスに対する仮想マシンの設定

次の一連のコマンドは、eth0インタフェースにIPアドレス192.168.16.51を設定して仮想マシンvmol6u3 (ovmdあり)を構成し、password123arootパスワードを設定します。

oakcli clone vm vmol6u3 -vmtemplate ol6u3 -repo shrepo -node 0
oakcli modify vm vmol6u3 -addnetwork priv1
oakcli start vm vmol6u3
oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.device.0:eth0'
oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.onboot.0:yes'
oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.bootproto.0:static'
oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.ipaddr.0:192.168.16.51'
oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.netmask.0:255.255.255.0'
oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.root-password:password123'
oakcli modify vm myol5u_test -attachvdisk sdisk1
oakcli delete vm my0l5u_test

仮想マシンに対する仮想ディスクの追加または削除

仮想ディスクを追加または削除するには、oakcli modify vm vm_nameコマンドで-attachvdiskを指定するか、仮想ディスクを指定して-detachvdisk句を使用します。

仮想マシンの共有リポジトリからの削除

個別の仮想マシンを使用しない場合、oakcli delete vmコマンドを使用して仮想マシンを削除し、記憶域とリソースを再利用できます。

ノード1から仮想マシンovu22を削除します。

oakcli delete vm ovu22 -server 1

Oracle Database Applianceのライブ・マイグレーションの実行

ライブ・マイグレーションは、仮想マシンで実行しているクライアントやアプリケーションを切断することなく、稼働している仮想マシンを別の物理マシンに移動するプロセスを指します。仮想マシンのメモリー、記憶域およびネットワーク接続は、元のホスト・マシンから移動先に転送されます。

ライブ移行を実行するための要件を次に示します。

  • 仮想マシンは共有リポジトリ上にある必要があり、リポジトリは両方のノード上でオンラインである必要があります。

  • 仮想マシンが動作している必要があります。

  • 以降が成功するには、宛先ホストに、必要なリソース(メモリー、CPUなど)がある必要があります。

  • 宛先ホストには、移行する仮想マシンのCPUプールと同名のCPUプールが必要です。

現在実行しているノードから別のノードへの仮想マシンの移行

現在実行しているノードから別のノードに仮想マシンを移行するには、oakcli migrate vm vmnameコマンドを使用します。vnameは、移行する仮想マシンの名前です。

このコマンドを実行する場合、仮想マシンがオンラインで、応答している必要があり、共有リポジトリは両方のノード上でオンラインである必要があります。仮想マシンが移行の過程にある場合、OAKCLIでは仮想マシンの状態が「MIGRATING」と表示されます。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの高可用性の管理

1年を通して重要な期間、1日のほとんどの時間および1週間のほとんどの曜日に中断されることのないコンピューティング・サービスを提供するために、可用性の高いシステムが設計されています。信頼性、リカバリ可能性、タイムリなエラー検出および継続的な操作は、高可用性ソリューションの主な特性です。高可用性の2つの重要な要素は、自動再起動とフェイルオーバーです。

ローカル・リポジトリを使用している場合を除き、仮想マシンの高可用性オプションを設定できます。高可用性オプションは、デフォルトで仮想マシンを起動する必要があるノードと、仮想マシンが他のノードにフェイルオーバーする必要があるかどうかを指定します。フェイルオーバーは、仮想マシンがすでに稼働しているノードに障害が発生した場合や仮想マシンが起動しようとしたときに優先ノードが使用不可能である場合に発生する可能性があります。

高可用性のための自動再起動の構成

仮想マシンは、ハードウェア障害またはソフトウェア障害の後に、またはデータベース・ホスト・コンピュータが再起動されたときに、自動的に再起動されます。oakcli configure vmコマンドを使用して優先ノードで仮想マシンを起動するには、-prefnodeパラメータを設定します。

高可用性のためのフェイルオーバーの構成

フェイルオーバーにより、計画外のノード障害が発生したときに、手動操作なしに仮想マシンを他のノードで再起動できます。oakcli configure vmコマンドとともに -failoverパラメータを使用して、仮想マシンをあるノードから別のノードにフェイルオーバーします。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールの管理

ワークロードを分離するには、CPUプールを作成して特定のCPUプールに仮想マシンを割り当て(ピン留め)ます。CPUプールに仮想マシンをピン留めする場合は、仮想マシンがそのCPUプールのCPUのみを使用するようにします。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームを初めて構成すると、default-unpinned-poolが各ノードに作成されます。このプールのサイズは、次のようにハードウェア・モデルによって異なります。

  • Oracle Database Appliance X5-2仮想化プラットフォーム: default-unpinned-poolには72個のCPUが含まれます。

  • Oracle Database Appliance X4-2仮想化プラットフォーム: default-unpinned-poolには48個のCPUが含まれます。

  • Oracle Database Appliance X3-2仮想化プラットフォーム: default-unpinned-poolには32個のCPUが含まれます。

  • Oracle Database Applianceバージョン1仮想化プラットフォーム: default-unpinned-poolには24個のCPUが含まれます。

ODA_BASEドメインを作成すると、odaBaseCpuPoolという名前の新規CPUプールが両方のノードに作成され、必要なCPUがdefault-unpinned-poolから削除されます。ODA_BASEは、odaBaseCpuPoolのCPUを使用できる唯一のドメインです。他の仮想マシンは起動されると、default-unpinned-poolに残されたCPUで稼働し、他の仮想マシンで実行される作業からODA_BASEを効率的に削除します。

CPUプールを追加で作成して、仮想マシンのグループをケージすることもできます。これらの追加プールを使用すると、1つ以上の仮想マシンを独自のCPUプールにピン留めできます。特定のCPUプールで稼働している仮想マシンは、他のCPUプールで稼働している仮想マシンとCPUサイクルを共有しません。CPUプールは必要な数だけ定義できます(上限はシステムの使用可能なCPUの数です)。

アプリケーション要件が時間とともに変化する場合は、必要に応じてCPUプールをサイズ変更、追加または削除します。ODA_BASEは必要に応じてサイズ変更しますが、この場合はOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・ライセンスも更新する特別なコマンドが必要になります。「ODA_BASEのサイズ変更」を参照してください。

次のoakcli show cpupoolコマンドでノードごとに示しているように、各ノードのCPUプールは同じサイズでなくてもかまいません(odaBaseCpuPoolを除く)。

oakcli show cpupool -node 0
                 Pool                         Cpu List
default-unpinned-pool   [14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 2
                                            1, 22, 23]
               twocpu                         [12, 13]
       odaBaseCpuPool   [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9,
                                               10, 11]
oakcli show cpupool -node 1
                 Pool                         Cpu List
default-unpinned-pool   [12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 1
                                    9, 20, 21, 22, 23]
       odaBaseCpuPool   [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9,
                                                10,11]

odaBaseCpuPoolと異なるCPUプールを管理するコマンドの詳細は、「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・ノードでの新規CPUプールの作成」を参照してください。

CPUプールのオーバーサブスクライブ

複数の仮想マシンを1つのCPUプールに割り当てることはできますが、CPUは1つのCPUプールにしか属することができません。CPUプールは、プール内のアクティブな仮想マシンがプールに構成された数を超えるCPUを必要とする場合、オーバーサブスクライブになります。たとえば、CPUプールに4つのCPUがある場合、それぞれ4つのCPUを使用するように定義しておいた2つの仮想マシンを起動できます。この場合、4つのCPUそれぞれが2つの仮想マシンをサポートしているため、CPUプールはオーバーサブスクライブします。同様に、これらの仮想マシンの一方を停止して2つのCPUを必要とする他方を起動した場合、CPUの2つが両方の仮想マシンをサポートしているため、依然としてCPUプールはオーバーサブスクライブします。CPUプールがオーバーサブスクライブした場合、そのプール内の仮想マシンのパフォーマンスを評価する必要があります。オーバーサブスクライブしたプールの共有によって許容できないレベルまでパフォーマンスが低下している場合は、1つ以上の仮想マシンを異なるCPUプールに再度割り当てる準備をする必要があります。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・ノードでの新規CPUプールの作成

oakcli create cpupoolコマンドを使用して、CPUプールを作成します。

ノード0上に、4つのCPUを持つ、winpoolという名のCPUプールを作成します。

oakcli create cpupool winpool -numcpu 4 -node 0

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールに割り当てられるCPUの数の変更

oakcli configure cpupoolコマンドを使用して、CPUプールに割り当てられるCPUの数を変更します。

ノード1のlinpoolという名前のCPUプールに割り当てられるCPUの数を変更します。コマンドを実行すると、新しいCPU数は6になります。

oakcli configure cpupool linpool -numcpu 6 -node 1

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのノードで構成されたCPUプールの表示

oakcli show cpupoolコマンドを使用して、定義済の各CPUプールに割り当てられるCPUを表示します。また、各CPUプールに割り当てられている仮想マシンがあれば、それも示されます。

ノード0で各定義済CPUプールに割り当てられているCPUが表示されます。

oakcli show cpupool -node 0

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールへの仮想マシンの割当て

ooakcli configure vmコマンドを使用して、仮想マシンをCPUプールに割り当てます。

wintestという名前の仮想マシンをwinpoolという名前のCPUプールにピン留めします。

oakcli configure vm wintest -cpupool winpool

注意:

仮想マシンが特定のCPUプールに割り当てられており、フェイルオーバーが可能な場合、この仮想マシンはセカンダリ・ノードで同じCPUプールを使用しようとします。CPUプールが存在してもサイズが異なる場合、仮想マシンがセカンダリ・ノードで稼働すると、パフォーマンスに影響することがあります。割り当てられたCPUプールがセカンダリ・ノードに存在しない場合、仮想マシンはフェイルオーバーしません。


注意:

oakcli cpupoolコマンドを使用してodaBaseCpuPoolを管理しないでください。かわりに、「ODA_BASEのサイズ変更」で説明されているように、ODA_BASEを構成するコマンドを使用します。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのネットワーク・インフラストラクチャおよび仮想ローカル・エリア・ネットワークについて

仮想マシンにアクセスするネットワークを指定するには、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのネットワーク・インフラストラクチャ・コンポーネントを使用します。この項では、これらのインフラストラクチャ・コンポーネントについて説明します。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームは、すべてのネットワークにボンドおよびブリッジを事前に作成して、上位レベルのネットワーク・インフラストラクチャ・コンポーネントをすべて管理します。仮想マシンにアクセスするためのフロント・エンド・ポイントは、Dom0に定義されたブリッジの1つになります。

次の各表に、デフォルト・ネットワーク・インタフェースをハードウェア別に分類して示します。

  • 表3-1および表3-2に、Oracle Database Appliance X3-2以降(ストレージ・シェルフがあるシステム)上のOracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデフォルト・ネットワーク・インタフェースを示します。

  • 表3-3に、Oracle Database Applianceバージョン1 (ストレージ・シェルフがないシステム)上のOracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデフォルト・ネットワーク・インタフェースを示します。

いずれの場合も、ユーザー・ドメインへの接続は、選択したインタフェースを介して行われます。

表3-1 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデュアル・ポート10-GbEネットワーク・インタフェース(Oracle Database Appliance X3-2以降)

Dom0でのインタフェース Dom0でのボンド・デバイス Dom0のブリッジ ODA_BASEドメインの
インタフェース
  1. eth0

  2. eth1

icbond0

priv1

eth0


表3-2 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのオンボード・クアッド・ポート10-GbEネットワーク・インタフェース(Oracle Database Appliance X3-2以降)

Dom0でのインタフェース Dom0でのボンド・デバイス Dom0のブリッジ ODA_BASEドメインの
インタフェース
  1. eth2

  2. eth3

bond0

net1

eth1

  1. eth4

  2. eth5

bond1

net2

eth2



注意:

(銅線でなく)ファイバーのパブリック・ネットワーク接続を定義すると、PCIeボードにbond0が構成されます。

表3-3 Oracle Database Applianceバージョン1仮想化プラットフォームのネットワーク・インタフェース

タイプ Dom0でのインタフェース Dom0でのボンド・デバイス Dom0のブリッジ ODA_BASEドメインの
インタフェース

プライベート

eth0

eth1

bond0

priv1

eth0

オンボード・パブリック

eth2

eth3

bond1

net1

eth1

第1ペア・クアッド・ポート

eth4

eth5

bond2

net2

eth2

第2ペア・クアッド・ポート

eth6

eth7

bond3

net3

eth3

10-GbEインタフェース

eth8

eth9

xbond0

net4

eth4



注意:

(銅線でなく)ファイバーのパブリック・ネットワーク接続を定義すると、PCIeボードにbond0が構成されます。

仮想マシンの構成時に、関連ブリッジを指定して、仮想マシンが使用するネットワークを定義します。たとえば、myvm1という名前の仮想マシンをnet1ネットワークに接続するには、次のコマンドを使用します。

oakcli modify vm myvm1 -addnetwork net1

図3-3は、前述の情報に基づいた一般的なOracle Database Appliance構成を示しています。

図3-3 基本的な仮想マシン・ローカル・エリア・ネットワーク

図3-3の説明はこの後にあります
「図3-3 基本的な仮想マシン・ローカル・エリア・ネットワーク」の説明

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのインストールと構成の際に、デフォルトの仮想ローカル・エリア・ネットワーク(VLAN)をODA_BASEに割り当てます。図3-4は、VLANを使用する一般的なOracle Database Appliance構成を示しています。図は図3-3と同じ構成を示していますが、バックアップ用(backup)、アプリケーション用(application)および管理用(mgnt)の3つのタグ付きVLANが追加されています。

図3-4 仮想ローカル・エリア・ネットワークを使用するOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム

図3-4の説明はこの後にあります
「図3-4 仮想ローカル・エリア・ネットワークを使用するOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム」の説明

ODA_BASEおよびユーザー・ドメインでの新規VLANの作成方法または既存VLANの削除方法の詳細は、「ユーザー・ドメインおよびODA_BASEでの仮想ローカル・エリア・ネットワークの管理」を参照してください。

ユーザー・ドメインおよびODA_BASEでの仮想ローカル・エリア・ネットワークの管理

ユーザー・ドメインのVLANを管理するには、ODA_BASEにログインし、ODA_BASEのVLANを管理するには、Dom0にログインします。この項の例では、sample10という名前のVLANを使用します。


注意:

Oracle Database ApplianceまたはOracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデプロイ前にのみ、Dom0からVLANを作成できます。

仮想ローカル・エリア・ネットワークの作成

oakcli create vlanコマンドを使用して、VLANを作成します。次の情報を指定します:

  • VLAN名。VLANの作成先のノード上で一意(ただし、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの他のノード上にあるVLAN名と同じ名前にすることは可能)。

  • VLANタグ番号。2から4096 (境界値を含む).の値で、VLANの作成先のノード上で一意(ただし、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの他のノード上にあるVLANタグ番号と同じ番号にすることは可能)。

  • VLANを作成するインタフェースの名前。表3-2または表3-3「Bond Devices at Dom0」列で、ハードウェアで使用可能なインタフェースを見つけてください。

  • VLANの作成先のノード。


注意:

必要に応じて、oakcli create vlanコマンドを2回(ノード0用に1回とノード1用に1回)発行し、両方のノードに同じVLANを作成します。

ノード0上にsample10 VLANを作成します。

oakcli create vlan sample10 -vlanid 10 -if bond0 -node 0

注意:

共有リポジトリに作成した仮想マシンでVLANを使用する予定の場合は、両方のノードでそのVLANを作成する必要があります。仮想マシンがデフォルトで稼働しようとするノードで割り当てられたネットワークが使用不可能な場合またはフェイルオーバーの後には、仮想マシンに障害が発生します。

ユーザー・ドメインの仮想ローカル・エリア・ネットワークの割当ておよび削除

既存のVLANを仮想マシンに割り当てるには-addnetwork句を指定して、仮想マシンからVLANを削除するにはa -deletenetwork句を指定してoakcli modify vmコマンドを使用します。句にはVLAN名も指定する必要があります。

sample10 VLANを、myol5u_test仮想マシンに割り当てます。

oakcli modify vm myol5u_test -addnetwork sample10

ODA_BASEの仮想ローカル・エリア・ネットワークの割当ておよび削除

ODA_BASEに既存のVLANを追加したり、ODA_BASEからVLANを削除するには、oakcli configure oda_baseコマンドを使用します。このコマンドでは、ODA_BASEおよびドメイン・メモリーのサイズ変更もできます。VLANの管理のみ行う場合は、現在のCPUコア数に対応する番号と現在のメモリー数を入力します。

次の例(抜粋)では、CPUコア数とデフォルトのメモリー値は変更されないままですが、ODA_BASEにtest01 VLANが割り当てられます。現在のCPUコア数6は、コア・ライセンス・オプションの値リストの選択番号3に対応しています。

# oakcli configure oda_base
Core Licensing Options:
        1. 2 CPU Cores
        2. 4 CPU Cores
        3. 6 CPU Cores
        4. 8 CPU Cores
        5. 10 CPU Cores
        6. 12 CPU Cores
        Current CPU Cores       :6
        Selection[1 : 6](default 12 CPU Cores) : 3
        ODA base domain memory in GB(min 8, max 88)(Current Memory 48G)[default 64]     : 48
INFO: Using default memory size i.e. 64 GB
Additional vlan networks to be assigned to oda_base? (y/n) [n]: y
Select the network to assign (test00,test01,test02,test03): test01
Additional vlan networks to be assigned to oda_base? (y/n) [n]:
Vlan network to be removed from oda_base (y/n) [n]:
INFO: . . .

仮想ローカル・エリア・ネットワークの表示

ODA_BASEに現在存在するVLANを表示するには、oakcli show vlanコマンドを実行します。

前述の例で使用したsample10 VLAN以外のVLANを表示します。

oakcli show vlan

NAME                  ID    INTERFACE   NODENUM
----                  --    ---------   -------
net1                  1     bond0       0
net1                  1     bond0       1
net2                  1     bond1       0
net2                  1     bond1       1
net3                  2     bond1       0
net3                  4     bond0       1
net10                 20    bond1       0
net10                 20    bond1       1

仮想ローカル・エリア・ネットワークの削除

ノードから不要なVLANを削除するには、oakcli delete vlanコマンドでVLAN名と当該ノード番号を指定します。

前述のoakcli create vlanの例でVLANが割り当てられたノード0からsample10 VLANを削除します。

oakcli delete vlan sample10 -node 0

注意:

ネイティブVLAN (Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・ソフトウェアのデプロイ時に構成した仮想ローカル・エリア・ネットワーク)は削除できません。

ODA_BASEのサイズ変更

インストール済のOracleデータベースの演算能力またはメモリーを増強する必要がある場合、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでODA_BASEドメインに割り当てられているCPUコアの数を増やします。または、仮想マシン・ドメインに割り当てられるCPUを増やす必要がある場合はCPUコアを減らします。各ノードの割当て済CPUコア数は、2または2の倍数ずつ増減する必要があります。

『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』の付録Aのガイドラインに従って、テンプレートを使用して、ODA_BASEにデプロイするデータベースをサイズ設定することをお薦めします。その付録の表を使用して、これらのデータベースに必要なCPUの数を合計し、その値を2で割ると、ODA_BASEに必要なCPUコアの数を判断できます。

ODA_BASEのコア数の変更は、Oracleデータベースで重要なアクティビティが実行されていないときに予定します。これは、サイズ変更プロセス中、ODA_BASEドメインが停止するためです。続行する準備ができたら、次の手順を実行します。

  1. Dom0にログインし、次の例に示すようにoakcli configure oda_baseコマンドを実行します。ODA_BASEのCPUコア数が6から8に変更されます。

    # oakcli configure oda_base
    Core Licensing Options:
            1. 2 CPU Cores
            2. 4 CPU Cores
            3. 6 CPU Cores
            4. 8 CPU Cores
            5. 10 CPU Cores
            6. 12 CPU Cores
            Current CPU Cores       :6
            Selection[1 : 6](default 12 CPU Cores) : 10
            ODA base domain memory in GB(min 8, max 88)(Current Memory 64G)[default
    32]     :
    INFO: Using default memory size i.e. 32 GB
    Additional vlan networks to be assigned to oda_base? (y/n) [n]:
    Vlan network to be removed from oda_base (y/n) [n] INFO: Node 0:Configured oda base pool INFO: Node 1:Configured oda base pool INFO: Node 0:ODA Base configured with new memory INFO: Node 0:ODA Base configured with new vcpus INFO: Changes will be incorporated after the domain is restarted on Node 0 INFO: Node 1:ODA Base configured with new memory INFO: Node 1:ODA Base configured with new vcpus INFO: Changes will be incorporated after the domain is restarted on Node 1
  2. コマンドの出力に示されるアクションを実行します。前の例で示したバージョンのように、すべてのバージョンのソフトウェアで、ODA_BASEを再起動する前に追加のアクションが要求されるわけではありません。

  3. 両方のノードのDom0で次のrestartコマンドを実行し、ドメインを再起動してODA_BASEの変更後の構成を実装します。

    oakcli restart oda_base