この章では、Oracle Database Appliance上のデータベースを作成および管理する方法について説明します。また、Oracle Database Appliance SSDを使用する方法や、Oracle Database Appliance上でOracle Databaseを更新、アップグレードする方法も説明します。
http://docs.oracle.com
のOracle Help CenterページのOracle Databaseドキュメントで説明されている、Oracle Databaseの管理に関連する多くのタスクは、Oracle Database Appliance上のデータベースでも必要です。ただし、Oracle Database Applianceは、システムのすべてのコンポーネントを管理するための独自のコマンドライン・ツール(OAKCLI)、を提供しています。これには、データベースを作成およびアップグレードしたりデータベースにパッチ適用するコマンド、Oracleホームを作成およびアップグレードするコマンド、データベース作成パラメータ・ファイルを作成および変更するコマンドなどが含まれています。
データベースの作成と関連タスクを単純化するために、Oracle Database Applianceは、DBAロールの機能をroot
ユーザーに結合します。このため、これらのタスクは必ずOAKCLIを使用して実行してください。すべてのOAKCLIコマンドの詳細な構文と使用法の詳細は、「Oracle Appliance Managerコマンドライン・インタフェース」を参照してください。
Oracle Database Applianceプラグインを使用すると、Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cを使用してOracle Database Applianceターゲットを監視できます。プラグインは、Appliance Manager 12.1.2.2以降を実行しているすべてのOracle Database Applianceターゲットの構成と監視に関する情報を提供します。
プラグインの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Plug-in for Oracle Database Applianceユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle Enterprise Manager Database Expressでは、データベースの管理もできます。Oracle Enterprise Manager Database Expressは、Oracle Database 12cのWebベースの管理ツールです。データベース・サーバー内に構築され、記憶域やユーザーの管理などの基本管理タスクをサポートします。Oracle Enterprise Manager Database Expressは、パフォーマンスの診断と調整のための包括的なソリューションを提供します。また、Oracle Enterprise Manager Database Express Database Expressは、パフォーマンス・アドバイザ用およびSQL*Loader、Oracle Recovery Manager (RMAN)などのOracle Databaseユーティリティ用のインタフェースも提供します。
関連項目
Oracle Enterprise Manager Database Expressの概要は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。
既存のデータベースからOracle Database Applianceにデータをロードまたはデータを移行する場合は、SQL*Loader、Oracle Data Pump、トランスポータブル表領域およびRMANなどのツールを使用できます。また、RMANユーティリティはOracle Database Applianceでデータベースをバックアップおよびリカバリする場合にも使用できます。
関連項目
Oracle Clusterwareでは、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)に必要なクラスタ・テクノロジが提供されます。さらに、Oracle Clusterwareでは、アプリケーションおよびプロセスはOracle Clusterwareに登録するリソースとして管理されます。アプリケーションを管理するためにOracle Clusterwareに登録するリソースの数は、アプリケーションによって異なります。1つのプロセスでのみ構成されるアプリケーションは、ほとんどの場合、1つのリソースでのみ表されます。複数のプロセスまたはコンポーネント上に構築されたより複雑なアプリケーションでは、複数のリソースが必要な場合があります。
関連項目
Oracle Clusterwareを使用したアプリケーションの可用性の向上の詳細は『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照
Oracle Real Application Clusters One Node(Oracle RAC One Node)は、クラスタ内の1つのノードで実行されるOracle RACデータベースの単一インスタンスです。インスタンスを停止および起動するかわりに、Oracle RAC One Nodeのオンライン・データベース再配置機能を使用して、Oracle RAC One Nodeインスタンスを別のサーバーに再配置できます。
Oracle RAC One Nodeデータベースの管理は、Oracle RACまたはシングル・インスタンスのOracle Databaseとは若干異なります。Oracle RAC One Nodeデータベースでは、一方のノードが主要ノードで、もう一方のノードが候補ノードになり、主要ノードがエラーになったりメンテナンスのために停止した場合にサービスを引き受けることができます。ノード、データベースおよびデータベース・サービスは汎用サーバー・プールに格納されます。
関連項目
Oracle RAC One Nodeの管理の詳細は『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照
Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)は、2つ以上の個々のコンピュータをリンクして1つのシステムとして機能させるテクノロジです。Oracle Database Appliance上にデプロイされたOracle RACによって、各ノードはデータベースへのアクセスを共有できます。一方のノードがエラーまたはオフラインになっても、もう一方のノードは引き続き稼働し、Oracle RACデータベース全体が使用可能なままになります。
Oracle Database Applianceでは現在、データベース管理者によってデータベースの各インスタンスがクラスタ内の特定のノードに割り当てられる管理者管理型データベースのみがサポートされています。ポリシー管理型データベースでは、データベース管理者はデータベース・インスタンスが稼働するノードではなく、要求されたデータベース・インスタンスの数を定義するため、Oracle Database Applianceでは利用できません。
管理者管理データベースのデータベース・リソースを確認すると、そのOracle Databaseと同じ名前で定義されたサーバー・プールが表示されます。このサーバー・プールは、Oracleで定義される特別なサーバー・プールの一部で、Genericと呼ばれます。Oracle RACは、Genericサーバー・プールを管理して管理者管理データベースをサポートします。サーバー制御(SRVCTL)ユーティリティまたはOracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用して管理者管理型データベースを追加または削除すると、Oracle RACは汎用のメンバーであるサーバー・プールを作成または削除します。SRVCTLまたはOracle Clusterware Control (CRSCTL)ユーティリティ・コマンドを使用して、汎用サーバー・プールを変更することはできません。
関連項目
構成時に、2つの管理アカウントがOracle Database Applianceのために作成されます。それらは、ユーザーID (UID)が1000のgrid
ユーザー、およびUIDが1001のoracle
ユーザーです。ユーザーgrid
はOracle Grid Infrastructureインストール所有者であり、ユーザーoracle
はOracle Databaseインストール所有者およびすべてのOracle Databaseホームの所有者です。デフォルトでは、これらのユーザーは次の表に示すグループに属します。
グループ名 | グループID (GID) | gridはメンバーである | oracleはメンバーである |
---|---|---|---|
oinstall |
1001 | はい(主グループ) | はい(主グループ) |
dba |
1002 | いいえ | はい |
racoper |
1003 | はい | はい |
asmdba |
1004 | はい | はい |
asmoper |
1005 | はい | いいえ |
asmadmin |
1006 | はい | いいえ |
デプロイ時に初期データベースを作成する場合、SYS
およびSYSTEM
ユーザーのパスワードはwelcome1
です。両方のユーザーのこのパスワードを速やかに変更し、これらの特権アカウントを使用したデータベースへの不正アクセスを防止する必要があります。
関連項目
オペレーティング・システムの権限グループの詳細は『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドfor Linux』を参照
Oracle ASMのシステム権限の詳細は『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照
Oracle Database Applianceのデータベースを作成および管理するには、「Oracle Appliance Managerコマンドライン・インタフェース」に記載されているOracle Appliance Managerコマンドを使用します。これにより、データベース・ファイルの場所に関連するパラメータ(たとえばcontrol_files
、db_create_file_dest
、db_recovery_file_dest
)の変更など、データベースの機能を低下させる恐れのあるコマンドおよびパラメータの使用を避けることができます。
Oracle Database Applianceに追加のデータベースを作成するには、oakcli create database
コマンドを使用します。
このコマンドを実行するとき、データベースに適用するオプションに対応する番号を入力して各プロンプトに応答します。デフォルト値が提供されていて、それを使用する場合は、[Enter]キーを押して(通常ではオプション1に示されている)その値を受け入れます。多数のオプションがあり目的の値が表示されていない場合、[0]を押してすべてのオプションが見えるようにできます。
Oracle Database Appliance上の複数のデータベースを構成するための構成ファイルを作成するには、oakcli create db_config_params
params_file
コマンドを使用します。params_file
は、生成する構成ファイルの名前です。
このコマンドを実行するとき、データベースに適用するオプションに対応する番号を入力して各プロンプトに応答します。デフォルト値が提供されていて、それを使用する場合は、[Enter]キーを押して(通常ではオプション1に示されている)その値を受け入れます。多数のオプションがあり目的の値が表示されていない場合、[0]を押してすべてのオプションが見えるようにできます。
既存のデータベース構成ファイルを参照するには、次の例に示すように、oakcli show db_config_params
コマンドを使用します。
# oakcli show db_config_params Available DB configuration files are: default eurodbs 4kblockdbs mytest.params
デフォルト以外の拡張子のみが出力に含まれていることに注意してください。デフォルトの拡張子(.dbconf
)は、表示されません。
データベース構成ファイルを使用して1つのデータベースを作成する場合、あるいはプロファイルが同一のデータベースを多数作成する場合は、oakcli create database
-db
db_name
-params
params_file
コマンドを使用します。db_name
は作成するデータベースの名前で、params_file
は構成ファイルの名前です(たとえば、oakcli create database -db myxldb -params myxldb.dbconf)
。
不要な構成ファイルは、構成ファイル名をparams_file
値として指定して、oakcli delete db_config_params
params_file
コマンドで削除します。データベース構成ファイルと関連する他のOracle Database Appliance Managerコマンドと同様、ファイルの拡張子値がデフォルトである場合(.dbconf
)は、拡張子を含める必要がありません。
Oracleのスナップショットデータベースを作成するには、ソース・データ・ファイルが存在するOracle ASM Cluster File System(Oracle ACFS)のスナップショットを取得します。ソース・データベースは、シングル・インスタンス、Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeにすることができます。データベースのコピーを作成する他の方法と比較して、スナップショット・データベースでは、必要な時間と記憶域領域が軽減され、ソース・データベースの停止時間も不要です。また、他のタイプおよびクラスから任意のデータベース・タイプおよびクラスを作成できます。たとえば、Oracle RAC One NodeデータベースからOracle RACデータベースを作成できます。同様に、ソース・データベースとはサイズの異なるデータベースを作成できます。
Oracle Database Applianceでは、Oracle ACFSに格納された任意のOracle Databaseインスタンスからスナップショット・データベースを作成できます。Oracle Database Applianceリリース12.1.2.0.0以降、システム上で作成またはアップグレードされたOracle Database 11gリリース11.2.0.4以上のデータベースが含まれています。スナップショット・データベースのソースとして使用するデータベースの追加要件には、次の要件が含まれます。
スタンバイ・データベースまたはコンテナ・データベースでないこと
読取り専用モード、制限モードまたはオンライン・バックアップ・モードで動作していないこと
ARCHIVELOGモードになっていること
定義済データファイルがすべて使用可能でオンラインになっていること
また、スナップショット・データベースを作成する前に、2つのOracle Database Applianceノードのシステム・クロックが同期していることを確認してください。クロックが著しく異なる場合は、コマンドが失敗することがあります。
スナップショット・データベースを作成するには、o
akcli create snapshotdb
コマンドを使用します。次の例では、prod
というデータベースからsnapprod
というスナップショット・データベースを作成します。
oakcli create snapshotdb -db snapprod -from prod
注意: Oracle Database Applianceでは、透過的データ暗号化を使用した集中管理ウォレットをサポートしません。ソース・データベースが外部の集中管理ウォレットに依存している場合、暗号化データのリカバリがスナップショット・データベースで失敗することがあります。 |
『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』の説明に従って、rconfig
コマンドライン・ユーティリティを使用して、単一インスタンス・データベースをOracle RACまたはOracle RAC One Nodeのいずれかに変換します。ConvertToRAC_AdminManaged.xml
ファイルの内容により、変換済データベースの特性(タイプなど)が決定します。
関連項目
『Oracle Real Application Clustersインストレーションおよび構成ガイド』の「シングル・インスタンスOracle DatabaseからOracle RACおよびOracle RAC One Nodeへの変換」
Oracleホームは、Oracle Databaseバイナリをインストールするディレクトリで、ここからOracle Databaseを実行します。Oracle Appliance Manager (oakcli
コマンド)を使用して、Oracle Database Applianceで複数のOracleホームおよびデータベースを作成および管理します。Oracle Database Appliance Managerでは、Optimal Flexible Architecture (OFA)標準に準拠したOracle Database Oracleホームが自動的に作成されます。
Oracle Database Applianceは、Oracle Database 11gリリース2、およびOracle Databaseリリース12cリリース1の様々なバージョンを含む、複数のOracleホームをサポートします。正確なリリースは、バージョンによって異なります。特定のバージョンについては、関連するRead Meファイルまたはリリース・ノートを確認してください。
使用可能なデータベース・バージョンの詳細は、https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=888888.1
のMy Oracle Supportノート888888.1を参照してください。
oakcli
コマンドを使用してOracle Database Applianceで複数のホームを作成する場合、コマンドにより、Oracle Grid Infrastructureが使用するクローニング・プロセスが開始されます。現在のリリースでは、ユーザーoracle
がすべてのOracleホームを所有しています。
注意: 前のリリースからアップグレードしない場合は、インストール対象のOracle Databaseバージョンに対するOracle Database Applianceエンドユーザー・バンドルをダウンロードしてください。詳細は、My Oracle Supportノート888888.1を参照してください。
|
oakcli
コマンドを使用して、Oracle Database Applianceで複数のデータベースを作成、管理、アップグレード、および複数のデータベースにパッチ適用します。oakcli create database
コマンドを使用すると、ユーザー入力を最小限に抑えながらデータベースを作成できます。追加オプションなしでこのコマンドを使用すると、新規のデータベース・ホームが作成されます。または、-oh
オプションを使用して既存のホームにデータベースを作成します。OracleではRDBMSパッチの直接適用をお薦めしていないことに注意してください。そうでなく、ソフトウェア・スタック全体での動作がテストされたOracle Database Applianceパッチ・バンドルのみを使用することをお薦めします。
注意: oakcli コマンドを使用して、新規データベースを既存のOracleホームまたは新規のOracleホームのいずれかに作成します。 |
Oracle Databaseには、複数のデータベース・インスタンスを実行する複数CPUサーバーでCPU割当てを管理する方法が用意されています。この方法は、インスタンス・ケージングと呼ばれています。インスタンス・ケージングとOracle Database Resource Manager (リソース・マネージャ)が連携して、複数インスタンス間で必要なサービス・レベルをサポートします。統合により、アイドル・リソースを最小限に抑え、効率を最大限に高め、コストを下げることができます。
Oracle Database Applianceテンプレートは、各データベース・インスタンス・ワークロードのサイズに合せて事前チューニングされています。特定のコア数で動作するよう設計されています。インスタンス・ケージングによって、各データベースのワークロードは、テンプレートで割り当てられたコアのセットに制限されます(これによって、複数のデータベースを同時に、パフォーマンスを低下させることなく、Oracle Database Applianceの容量まで、実行できるようになります)。計画的成長に備えるために、現在のニーズよりも大きいデータベース・テンプレート・サイズを選択できます。
注意: Oracle Database Applianceテンプレートはベスト・プラクティスを実装しており、特にOracle Database Appliance用に構成されているため、これらのテンプレートを使用することを強くお薦めします。 |
ヒント: Oracle Database Appliance Managerインタフェースは、データベースのクラスとしてデータベースのサイズ設定テンプレートを参照します。 |
デフォルトでは、Oracle Database Applianceインスタンス・ケージングは有効ではありません。インスタンス・ケージングを有効にするには、Oracle Database Appliance上の各データベースに初期パラメータRESOURCE_MANAGER_PLAN
を設定します。このパラメータでは、リソース・マネージャが現行のインスタンスに対して使用するプランを指定します。このパラメータを設定すると、リソース・マネージャがデータベース間のコア・リソースを割り当てるようになります。このパラメータでプランを指定しない場合、リソース・マネージャが有効にならないため、インスタンス・ケージングは有効になりません。
各データベースに対して選択したOracle Database Applianceデータベース・テンプレートのサイズに従って、コア・リソースのインスタンス・ケージング割当てが有効になります。CPU_COUNT
初期化パラメータは、テンプレートに設定されます。統合する各データベースのサイズと一致するCPU_COUNT
設定を使用して、インスタンス・ケージングを構成するための標準の指示に従います。
関連項目
インスタンス・ケージングとリソース・マネージャの有効化および構成の詳細は『Oracle Database管理者ガイド』を参照。
Oracle Database Applianceには、特定操作のパフォーマンスを向上させるためにSSDが含まれています。SSDは次に使用されます:
Oracle Database Applianceには、スロット20から23にデータベースREDOログ専用の4つのSSDが含まれます。デプロイメント・プロセスでは、データベースREDOログ書込み操作をスピードアップさせて待機時間を短縮するために、高い冗長性を持つ+REDOという名前のOracle ASMディスク・グループがプロビジョニングされます。データベースはこれらのSSDを自動的に利用し、他のファイルをSSDでホストすることはできません。
Oracle Database Appliance X5-2には、スロット16から19に400GBの追加のSSDが実装されており、データベース・ファイルをホストするために使用したり、バッファ・キャッシュとともにデータベース・フラッシュ・キャッシュとして使用できます。
通常の冗長性を持つ+FLASHという名前のOracle ASMディスク・グループが、これらのSSDでプロビジョニングされます。+FLASHディスク・グループ内のすべての記憶域はOracle ASM動的ボリューム(フラッシュデータ)に割り当てられ、ACFSファイル・システムとしてフォーマットされます。その後、このフラッシュデータ・ファイル・システムの記憶域はOracle ACFSファイル・システムとして使用可能になり、読取り操作をスピードアップさせるデータベース・フラッシュ・キャッシュ・ファイルの作成に使用されます。各データベースにフラッシュ・キャッシュを含むファイルが自動的に作成され、データベースのinit.ora
パラメータdb_flash_cache_file
を使用して指定されます。デフォルトでは、十分な領域がない場合を除き、db_flash_cache_size
はSGAの3倍のサイズ(最大196GB)に設定されます。十分な領域がない場合、サイズ・パラメータは0に設定されます。db_flash_cache_size
パラメータを変更した場合、新たなサイズのフラッシュ・キャッシュを使用するには、データベースを再起動する必要があります。
関連項目
データベース・スマート・フラッシュ・キャッシュの構成の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください
Oracle Database Appliance Managerコンフィギュレータとoakcli create database
コマンドにより、400GBのSSD (データベース・フラッシュ・キャッシュにも使用)でフラッシュデータOracleACFSファイル・システムを使用して、データベース全体をフラッシュ・メモリーに格納できます。
FLASHディスク・グループに十分な空き領域がない場合、oakcli create database
コマンドはフラッシュにデータベースを格納するオプションをプロンプト表示せず、データベース・ファイルは+DATAディスク・グループで自動的に作成されます。データベース・データ・ファイルをフラッシュとハード・ディスク・ドライブの両方に格納することもできますが、これは手動で管理する必要があります。データベースの使用パターンを完全に理解している必要があり、上級管理者にのみ推奨されます。
この方法には次の制限があります:
Oracle Databaseはリリース11.2.0.4以降である必要があります
データベース・タイプがOLTPであること
フラッシュに完全に格納できるのは非コンテナ・データベース(CDB)のみです
+FLASHディスク・グループに160GBの空き領域が必要です
関連項目
Oracle Database Appliance上のOracle ACFSストレージ・アーキテクチャの詳細は、「Oracle Database Appliance上のストレージ」を参照してください
oakcli create database
コマンド・リファレンス
Oracle Databaseにパッチを適用するには、適切なOracle Database Applianceパッチ・バンドルを使用します。通常、MOSノート888888.1にリストされた最新のOracle Database Applianceパッチ・バンドルを使用して、Oracle Databaseを更新またはアップグレードします。Infratructure (INFRA)およびGrid Infrastructure (GI)コンポーネントをアップグレードするパッチの取得の詳細は、Readmeファイルを参照してください。
ここでは、個々の使用可能なデータベース・パッチを適用する手順について説明します。パッチでは、ノード0にパッチを適用したら自動的にノード1にパッチを適用するローリング・アップグレードを行います。
次の例では、Oracle Database Appliance上のOracle Databaseを更新またはアップグレードするために必要な手順の概要を示します。
例1: 前のOracle Database 12.1.0.2.xリリースからOracle Database 12.1.0.2.5への更新
例2: Oracle Database 11.2.0.4.xリリースからOracle Database 12.1.0.2.5へのアップグレード
ノード0でのみoakcli show databases
コマンドを実行して、この更新に適しているリリース番号のデータベースがあるかを確認します。コマンドとその出力は、次の例のようになります。
#oakcli show databases Name Type Storage HomeName HomeLocation Version ---- ---- ------- -------- ------------ ------- db1 RAC ACFS OraDb12102_home1 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 12.1.0.2.4(20831110,20831110) db2 SINGLE ACFS OraDb12102_home2 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_2 12.1.0.2.4(20831110,20831110) db3 RACOneNode ACFS OraDb12102_home3 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_3 12.1.0.2.5(21359755,21359758) db4 RAC ACFS OraDb12102_home4 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_4 12.1.0.2.5(21359755,21359758)
注意: 同じホームで実行されているデータベースに対して個々のデータベースの更新を実行することはできません。ステップ1の例に示された2つのデータベースのように、更新するホームで実行されているすべてのデータベースに、Oracle Database 12.1.0.2.5へのパッチが適用されます。 |
ノード0でのみoakcli update -patch 12.1.2.5.0 --database
コマンドを実行します。このコマンドは、両方のノードを自動的に修復します。パッチ適用が可能なデータベース・ホームが複数ある場合、選択リストが表示され、そのリストから更新するデータベース・ホームを1つ、一部または全部選択します。
両方のノードでコマンドが完了したら、ノード0でoakcli show databases
コマンドを使用してデータベース・バージョンを確認します。コマンドとその出力は、ここでは次の例のようになります。
#oakcli show databases Name Type Storage HomeName HomeLocation Version ---- ---- ------- -------- ------------ ------- db1 RAC ACFS OraDb12102_home1 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 12.1.0.2.5(21359755,21359758) db2 SINGLE ACFS OraDb12102_home2 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_2 12.1.0.2.5(21359755,21359758) db3 RACOneNode ACFS OraDb12102_home3 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_3 12.1.0.2.5(21359755,21359758) db4 RAC ACFS OraDb12102_home4 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_4 12.1.0.2.5(21359755,21359758)
My Oracle Supportから12.1.0.2.5 RDBMSクローン・パッチ19520042 (ファイル名p19520042_121200_Linux-x86-64.zip
)をダウンロードして、ノード0上に12.1.0.2.5データベース・ホームを作成します。
# /opt/oracle/oak/bin/oakcli create dbhome -version 12.1.0.2.5
コマンドoakcli show dbhome
を実行します。出力は、次の例の結果のようになります。
oakcli show dbhomes -detail Oracle HomeName Oracle Home Version Oracle HomeLocation Database Name Database Type --------------- ------------------- ------------------- ------------- ------------- OraDb11203_home1 11.2.0.3.15(20760997,17592127) /u01/app/oracle/product/11.2.0.3/dbhome_1 no DB available OraDb11204_home1 11.2.0.4.8(21352635,21352649) /u01/app/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1 no DB available OraDb12102_home1 12.1.0.2.5(21359755,21359758) /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 one43 RACOneNode OraDb12102_home1 12.1.0.2.5(21359755,21359758) /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 ee120 SINGLE OraDb12102_home1 12.1.0.2.5(21359755,21359758) /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 one311 RACOneNode OraDb12102_home1 12.1.0.2.5(21359755,21359758) /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 ee311 SINGLE OraDb12102_home1 12.1.0.2.5(21359755,21359758) /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 rac311 RAC OraDb12102_home1 12.1.0.2.5(21359755,21359758) /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 ee43 SINGLE OraDb12102_home1 12.1.0.2.5(21359755,21359758) /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 one120 RACOneNode OraDb12102_home1 12.1.0.2.5(21359755,21359758) /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 odacn RAC OraDb12102_home1 12.1.0.2.5(21359755,21359758) /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 rac43 RAC OraDb12102_home1 12.1.0.2.5(21359755,21359758) /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 rac120 RAC
ノード0でのみoakcli show databases
コマンドを実行して、このアップグレードに適しているリリース番号のデータベースがあるかを確認します。コマンドとその出力は、次の例のようになります。ここでは、アップグレードの候補として2つのデータベースが表示されています。
#oakcli show databases Name Type Storage HomeName HomeLocation Version ---- ---- ------- -------- ------------ ------- db1 RAC ACFS OraDb12102_home1 /u01/app/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1 11.2.0.4.7(20760982,20831122) db2 SINGLE ACFS OraDb12102_home2 /u01/app/oracle/product/12.2.0.4/dbhome_2 11.2.0.4.7(20760982,20831122) db3 RACOneNode ACFS OraDb12102_home3 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_3 12.1.0.2.5(21359755,21359758) db4 RAC ACFS OraDb12102_home4 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_4 12.1.0.2.5(21359755,21359758)
アップグレードするデータベースの名前と、アップグレード先バージョン(12.1.0.2.5)を含んでいるデータベース・ホームの名前を指定して、oakcli upgrade database
コマンドをノード0上でのみ実行して、データベースをアップグレードします。次の例は、ステップ3に示された例で確認したdbhome12102_home1
を使用して、ステップ4でリストされたtpccデータベースをアップグレードする方法を示しています。
# oakcli upgrade database -db tpcc -to dbhome12102_home1
コマンドが完了したら、ノード0でoakcli show databases
コマンドを再度使用してデータベース・バージョンを確認します。コマンドとその出力は、ここでは次の例のようになります。
#oakcli show databases Name Type Storage HomeName HomeLocation Version ---- ---- ------- -------- ------------ ------- db1 RAC ACFS OraDb12102_home1 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 12.1.0.2.5(21359755,21359758) db2 SINGLE ACFS OraDb12102_home2 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_2 12.1.0.2.5(21359755,21359758) db3 RACOneNode ACFS OraDb12102_home3 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_3 12.1.0.2.5(21359755,21359758) db4 RAC ACFS OraDb12102_home4 /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_4 12.1.0.2.5(21359755,21359758)