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Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
13cリリース1
E70367-03
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E Oracle Harvesterを使用したOCMデータの収集

この付録では、Oracle Harvesterを使用してMy Oracle Support (MOS)に送信するOracle Configuration Manager (OCM)データを収集するための情報を提供します。

My Oracle Supportでは、カスタマによるOracleサポートの利用を大幅に促進する一連の機能が提供されています。My Oracle Supportでは、カスタマの構成固有のコンテキスト内情報の他、予防的なサポートも提供することで、サービス・リクエストの発行プロセスを合理化しています。My Oracle Supportのこれらの機能を有効にするには、カスタマの構成情報をOracleにアップロードする必要があります。構成データが定期的にアップロードされると、カスタマ・サポート担当者はこのデータを分析してカスタマによりよいサービスを提供できます。

構成データを収集し、Oracleにアップロードするために、次のメカニズムが提供されています。

詳細は次のとおりです。

注意: Enterprise Managerを使用してアプリケーションを管理している場合、構成のOracleへのアップロードには、Oracle Harvesterを使用することをお薦めします。それ以外の場合は、OCMを使用してください。

次の項では、次のトピックの情報を提供します。

E.1 Oracle Harvester

Oracle Harvesterでは、Enterprise Managerによって管理されているターゲットのデータのみが収集されます。Oracle Harvesterは同じOCM依存性のため、Oracle Harvesterを使用すると、Enterprise Managerの収集メソッドを利用してターゲットの構成データを収集できます。このため、Oracle Harvesterが管理するターゲットのホームにOCMをインストールする必要がありません。次の項目について説明します。

E.1.1 Oracle Harvesterの特徴

Oracle Harvesterの特徴は次のとおりです。

  • すべてのターゲットのデータは、Oracle Management Service (OMS)ホームのOCMが構成されている資格証明と同じ資格証明に対してデフォルトでアップロードされます。Enterprise Manager Cloud Controlで、CSI割当てページからCSIを割り当てて、ターゲットのこのデフォルト値を変更できます。「設定」「My Oracle Support」の順にクリックして開始します。

  • Enterprise ManagerのOMSホームでOCMが構成済で実行中である必要があります。

  • 管理リポジトリからターゲットの構成データを収集します。

  • 定期的に自動実行されるため、ユーザーが操作する必要はありません。

E.1.2 Oracle HarvesterとOCM

Enterprise Managerのインストール時、Oracle HarvesterおよびOracle Configuration Manager (OCM)が、必要なサブコンポーネントと同じく自動的にインストールされます。Oracle Harvesterは、OMSホームのOCMが構成および実行されているかぎり実行されます。

OCMがOMSのOracleホームで有効化され、OMSのインスタンス・ホームで構成(および接続モードで実行)されている必要があります。これはORACLE_CONFIG_HOMEが設定されていない場合、Oracle OMSターゲットがOCMコレクタによって検出されないためです。

次の手順を実行して、Oracle OMSターゲットが検出されるようにします。

  1. OMSインスタンス・ホームを探します。

    • Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13c以降ではOCMは次のディレクトリにあります。

      OMS_HOME/oracle_common
      
    • Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c以前の場合:

      $ORACLE_HOME/sysman/config/emInstanceMapping.propertiesファイル(ここでのORACLE_HOMEはOMSのOracleホームです)に、emgc.propertiesという名前のファイルを参照するエントリがあります。

      emgc.propertiesファイルが存在するディレクトリは、OMSのインスタンス・ホームです。次の例では、/u01/app/oracle/product/gc_inst/em/EMGC_OMS1がOMSのインスタンス・ホームです。

      EMGC_OMS1=/u01/app/oracle/product/gc_inst/em/EMGC_OMS1/emgc.properties
      

      環境変数ORACLE_CONFIG_HOMEをこのemgc.propertiesファイルのディレクトリに設定します。(注意: この設定はCloud Control 13cでは必要ありません。)

      次に例を示します。

      $export ORACLE_CONFIG_HOME=/u01/app/oracle/product/gc_inst/em/EMGC_OMS1
      
  2. Enterprise Managerのインストール時にMy Oracle Supportの資格証明が指定されなかった場合、次のコマンドを実行して設定します。

    setupCCR
    

    プロンプトでMy Oracle Support資格証明を指定します。

Oracle Configuration Manager (OCM)の詳細は、『Oracle® Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』を参照してください。

http://docs.oracle.com/cd/E49269_01/doc.12/e48361/toc.htm

または、OCMドキュメント・ライブラリを参照します。

http://docs.oracle.com/cd/E49269_01/index.htm

E.1.3 Enterprise Managerのサポート

デフォルトでは、すべてのターゲットが、OMSホームのOracle Configuration Managerの登録に使用した資格証明を使用してアップロードされます。Enterprise Managerでは、各ターゲット・ホームにカスタマ・サポートID (CSI)を割り当てるオプションがあります。

Oracle Harvesterは、各Oracleホームのそれぞれ異なるCSIへの構成データのアップロードをサポートしています。

手順は次のとおりです。

  1. Oracle Harvesterが実行されていることを確認します。このジョブは自動的に実行されます。実行のステータスは、「サポートID割当て」ページから監視できます。Enterprise Managerのホームページからこのページにアクセスするには、「設定」を選択し、次に「My Oracle Support」を選択します。メニューから「サポートID割当て」を選択します。

  2. My Oracle Supportの優先資格証明を設定します。Enterprise Managerのホームページで「設定」を選択し、次に「My Oracle Support」を選択します。メニューから「資格証明の設定」を選択し、有効なMy Oracle Supportの資格証明を指定します。

  3. サポートIDを割り当てます。

    1. Enterprise Managerのホームページで「設定」を選択し、次に「My Oracle Support」を選択します。「サポートID割当て」を選択し、正しいユーザー名とパスワードを指定します。「資格証明の設定」を選択します。

    2. 「ホーム」を選択します。「割当て」ボタンをクリックします。「CSI」を選択し、「OK」をクリックします。

  4. 割当てが成功したことを示すメッセージが表示されることを確認します。メッセージは次のとおりです。

    Support Identifier has been assigned for 1 Oracle homes. The changes in the Customer Support Identifiers will be reflected in My Oracle Support after the next Harvester run.
    

E.1.4 Enterprise ManagerでのCSIの表示

ターゲットに関連付けられているCSIを確認するには、ターゲットのプロパティを表示するか、または検索条件にCSIを設定して構成検索を行います。特定のOracleホームのすべてのターゲットに対してオペレータ権限を持つユーザーは、そのOracleホームに対するCSIを割り当てることができます。

詳細は、Enterprise Managerインタフェース上のヘルプを参照してください。

E.1.5 Enterprise ManagerからのHarvesterターゲット・ライフサイクル・プロパティ

Oracle Harvesterには、たとえばデプロイ、テストなどのターゲットの目的を識別できるターゲット・ライフサイクル・プロパティが用意されています。

一度定義されると、Oracle Harvesterはすべてのターゲットに対するターゲット・ライフサイクル・プロパティを収集し、そのプロパティをOracle Configuration Managerサーバーにアップロードします。

ターゲット・ライフサイクル・プロパティは、Enterprise ManagerのUIまたはMy Oracle SupportのUIのいずれかの任意のターゲットに割り当てることができます。

ターゲットのライフサイクル・プロパティの可能な値は、次のとおりです。

  • Mission Critical

  • Production

  • Stage

  • Test

  • Development

E.1.6 ハーベスタ・ジョブ・ステータス・メトリック

Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース12.1.0.3およびOCM 10.3.8.1.0から、OMSおよびリポジトリのターゲットにハーベスタ・ジョブ・ステータス・メトリックが追加されました。このメトリックでは、ハーベスタのジョブに関連する情報が提供されます。このメトリックの一部として次の情報が収集されます。

  • ハーベスタ・ステータス: 最後に実行したハーベスタ・ジョブのステータスが示されます。可能な値は次のとおりです。

    • SUCCESS: ジョブが正常に実行されたことを示します。

    • ERROR: ジョブが失敗した場合に返されます。

    • NOT CONFIGURED: OCMが構成されていないことを示します。

    • NOT AUTHENTICATE: OCMは構成されていますが、認証モードではありません。

  • ハーベスタ・エラー: ハーベスタ・ジョブの実行が失敗した場合にエラー・メッセージを示します。

  • 最終ハーベスタ・ジョブ実行: 最後のハーベスタ・ジョブが実行された時間を示します。

  • 次のハーベスタ・ジョブ実行: 次に実行するハーベスタ・ジョブの時間を示します。

  • 処理されたターゲット合計数: 最後の実行の間にハーベスタ・ジョブにより処理されたターゲットの数を示します。

  • 成功したターゲット合計数: 処理されたターゲット合計数からMOSに正常にアップロードされたターゲットの合計数。

  • 失敗したターゲット合計数: 最終ハーベスタ・ジョブ実行の処理されたターゲット合計数のうち、MOSへのアップロードに失敗した合計数。

  • OCMバージョン: Enterprise Managerで構成されたOCMのバージョンを示します。

ハーベスタのジョブ・ステータス・メトリック・データは、OMSとリポジトリのターゲット・メトリックのページにあります。ERRORしきい値はハーベスタ・ステータス・フィールドに定義されています。このフィールドの値が「ERROR」となった場合、インシデントが作成されます。これは、OMSとリポジトリのホームページおよびインシデント・マネージャのページの両方に表示されます。

E.1.7 Oracle Harvesterでサポートされているターゲット

Oracle Harvesterが実行されているEnterprise Managerのリリースに従って、様々なターゲット・タイプのセットから構成データが収集されます。表E-1に示されたターゲット・タイプの構成データのみがOracle Harvesterによって収集されます。

表E-1 Enterprise Manager 12.1リリースでサポートされているターゲット

ターゲット プラグイン・リリース Enterprise Managerリリース
12.1.0.1 12.1.0.2 12.1.0.3

BI

12.1.0.3

いいえ

はい

はい

ホスト

該当なし

はい

はい

はい

管理エージェント

該当なし

はい

はい

はい

管理リポジトリ

該当なし

はい

はい

はい

Oracle Application Server

すべてのバージョン

はい

はい

はい

Oracle Database

すべてのバージョン

はい

はい

はい

Oracle Database Machine

すべてのバージョン

はい

はい

はい

Oracle Exadata Storage Server

すべてのバージョン

はい

はい

はい

Oracle Exalogic

12.1.0.2

12.1.0.3

いいえ

いいえ

はい

いいえ

はい

はい

Oracle Fusion Applications

すべてのバージョン

はい

はい

はい

Oracle Fusion Middleware

すべてのバージョン

はい

はい

はい

Oracleホーム

該当なし

はい

はい

はい

構成用Oracle Identity Manager: OIF、OID、OVDおよびDIP


いいえ

はい

はい

構成用Oracle Identity Manager: OIM、OAMおよびOAAM

すべてのバージョン

はい

はい

はい

Oracle Management Service

該当なし

はい

はい

はい

Oracle SOA Suite

すべてのバージョン

はい

はい

はい

Oracle Virtual Manager

すべてのバージョン

はい

はい

はい

Oracle WebLogic Server

すべてのバージョン

はい

はい

はい

Siebel

12.1.0.3

いいえ

いいえ

はい


E.1.8 My Oracle Supportで使用できない構成データ

Enterprise Managerの以前のバージョンでは、構成データがMy Oracle Supportにすでにある場合、スタンドアロンOCMコレクタによるデータの最後のアップロードから30日経過すると、Oracle Harvester構成データがMy Oracle Supportにアップロードされていました。

Enterprise Manager 12c以降、この制限はなくなりました。Enterprise Managerリリース12c以降で実行されているOracle Harvesterから収集されたターゲットの構成データは、スタンドアロンOCMコレクタによる最後のデータのアップロードがいつだったかに関係なく、My Oracle Supportにただちに表示されます。

E.2 Oracle Configuration Manager

Oracle Configuration Managerは、Oracle製品のインストール時に自動的にインストールおよび構成されます。OCMは、製品のホームにインストールされ、そのホームにインストールされているすべてのターゲットの構成データを収集します。

OCMの設定で、My Oracle Supportのアカウントとパスワード、またはMy Oracle Supportのアカウントとカスタマ・サポートID (CSI)を指定する必要があります。構成データは、この情報を使用してアップロードされ、その後同じ資格証明を使用してMy Oracle Supportにログインすることで表示できます。

構成データのOracleへのアップロード元となるすべてのOracleホームに、OCMをインストールする必要があります。OCMは、製品のインストールの一部に含まれていますが、My Oracle Supportからダウンロードすることもできます。OCMをデータ・センター全体にデプロイする場合、一括デプロイメント・ツールの使用が便利です。OCMキットは、My Oracle Supportの「コレクタ」タブから入手できます。

OCMのインストール後、必要な追加作業はありません。デフォルトで自動更新が有効になるため、この機能を使用して、常に最新バージョンのOCMが実行されている状態を保てます。この機能は、セキュリティ上の理由などから必要に応じて無効にできます。この機能を無効にした場合、次のコマンドを実行して有効にできます。

<ocm_install_root>/ccr/bin/emCCR automatic_update on

注意: Enterprise ManagerまたはOps Centerを使用してアプリケーションを管理している場合、構成のOracleへのアップロードには、Oracle HarvesterまたはOps Center Harvesterをそれぞれ使用することをお薦めします。それ以外の場合は、OCMを使用してください。

E.3 MOSおよびOCMの追加情報

My Oracle Supportの詳細情報は、次のURLを参照してください。

https://support.oracle.com

OCMについてより詳細な情報を得るには、次の手順を実行してください。

  1. My Oracle Support (https://support.oracle.com)にログインします。

  2. 「コレクタ」タブにアクセスするには、「詳細」をクリックしてドロップダウン・メニューから「コレクタ」を選択します。「コレクタ」ページには役立つ情報が含まれています。

E.4 構成データ収集ツールのトラブルシューティング

Enterprise Managerリリース12.1.0.2では、emccr statusコマンドを使用して、収集データがOracleにアップロードされていることを確認します。最後にアップロードされた日付と時刻を参照してください。

注意: このemccr statusコマンドでは、収集されたデータがアップロードされたことは示されますが、Oracle Harvesterによる収集が成功しデータがアップロードされたことは確認されません。

エラー・ログの場所:

  • Oracle Harvesterのエラー・ログ:

    • Harvesterジョブのエラーについては、次を参照してください。

      INSTANCE_HOME/sysman/log/emoms_pbs.trc
      
    • UIエラー(CSI割当てエラーなど)の場合、次を参照してください。

      INSTANCE_HOME/sysman/log/emoms.trc
      

      次に例を示します。

      /gc_inst/user_projects/domains/GCDomain/servers/EMGC_OMS1/sysman/log/emoms.trc
      
  • Oracle Configuration Managerログは、次の場所にあります。

    ccr/hosts/<hostname>/log/collector.log
    

次の項では、構成データの収集に関する問題の解決方法について説明しています。

E.4.1 state/upload/externalディレクトリが存在しない場合にOracle Harvesterによる収集が失敗する

Oracle Harvesterによる収集が次のエラーにより失敗すると、externalという名前の必須ディレクトリが存在しなくなります。

[JobWorker 75210:Thread-61] ERROR gcharvester.GcCollectionMgr initOcm.? - GC OCM
Harvester: Caught GC Harvester exception from GCInit.init(): The installed version
of Oracle Configuration Manager in the ORACLE_HOME
(/scratch/aime/work/midlwre8937/oms11g) is prior to 10.3.1. The Grid Control
Configuration harvesting requires at a minimum, 10.3.1

この問題を解決するには、externalディレクトリを作成します。

$ORACLE_INSTANCE_HOME/ccr/state/upload/external

(Oracle Bug#12795503)

E.4.2 Oracle Configuration Managerが実行されない

OCMが実行されていない場合、次のエラーが表示される場合があります。

2012-08-29 16:34:20,709 [JobWorker 97285:Thread-60] WARN
gcharvester.HarvesterJobUtils performOCMCollections.? - GC OCM Harvester: OCM was
stopped and is not running 

この問題を解決するには、OCMが適切なディレクトリにインストールされ、構成されていることを確認します(emCCR statusを実行)。

具体的には、OCMがOMS Oracleホームにインストールされ、OMSインスタンス・ホームで構成(および接続モードで実行)されている必要があります。

E.4.3 My Oracle Supportで使用できない構成データ

My Oracle Supportで構成データが見つからない場合、Oracle Harvesterによる収集が実行されていない可能性があります。

この問題を解決するには、OCMが正しくインストールされ、適切なディレクトリ(emCCR statusを実行)に構成されていることを確認してください。具体的には、OCMがOMS Oracleホームにインストールされ、OMSインスタンス・ホームで構成(および接続モードで実行)されている必要があります。

OCMが実行中であることを確認するには、次の手順を実行します。

  1. ORACLE_CONFIG_HOMEをINSTANCE HOMEに設定します。

  2. $ORACLE_HOME/ccr/bin/emCCR statusを実行します。

E.4.4 Oracle Harvesterによってターゲットのサブセットのみが収集される

多くのターゲットが管理リポジトリにアップロードされているが、ターゲットのサブセットしかOracle Harvesterによって収集されない場合、収集中に同じエラーが10回発生し、Oracle Harvesterによる収集が停止したとが原因である可能性があります。適切なログ・ファイルを参照し、このエラーが発生したことを確認してください。

管理リポジトリに対して次のSQLスクリプトを実行し、問題を解決してください。このスクリプトにより、Oracle Harvesterはこの収集エラーを無視し、残りのターゲット情報の収集を続行します。

sql> insert into mgmt_ocm_upl_props (name,str_value) values('ignore_errors','true');
sql> commit;

SQLスクリプトを実行した後、OMSをバウンスします。

(Oracle Bug#11734389)