この章では、Java仮想マシン診断(JVMD)エージェントのアップグレードまたは再デプロイ方法について説明します。最新のJVMD機能を取得し、それらを使用して企業内にデプロイされたJVMをモニターするために、JVMDエージェントを最新の使用可能なバージョンにアップグレードすることをお薦めします。
この章の内容は次のとおりです。
注意: 基本および拡張オプションによるJVMDエージェントのデプロイの詳細は、次のガイドを参照してください。
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Enterprise Manager Cloud Controlには、単純なWebアプリケーション(.war
ファイル)であるJVMDエージェントのアップグレードおよび再デプロイを可能にするユーザー・インタフェースおよびPerlスクリプトが用意されています。このユーザー・インタフェースおよびPerlスクリプトにより、JVMDエージェントのアップグレードまたは再デプロイのプロセスを簡略化し、複数のJVMDエージェントを1回でアップグレードまたは再デプロイできるようになります。あるいは、WebLogic管理コンソールを使用して最新バージョンのJVMDエージェントをダウンロードしてデプロイすることもできます。
注意: 特定のエンタープライズ管理タスク(OMS Oracle HTTP Serverのアップロード用のカスタム資格証明の構成、複数OMS用のロード・バランサの構成など)により、OMS構成に変更が取り込まれます。このようなタスクには、デプロイされた管理エージェントの再保護が必要となることがあります。企業内にデプロイされた管理エージェントを再度保護する場合、この項の説明に従って、必ずデプロイされたJVMDエージェントを再デプロイしてください。 |
次のいずれかの方法を使用して、JVMDエージェントをアップグレードまたは再デプロイできます。
注意: 特定の管理対象サーバーにデプロイされているJVMDエージェントをアップグレードできるのは、使用可能なJVMDエージェント・バイナリのバージョンがデプロイされているJVMDエージェントのバージョンと異なる場合のみです。たとえば、12.1.0.8のJVMDエージェントが管理対象サーバーにデプロイされ、13.1.0.0または別のバージョンのJVMDエージェント・バイナリが使用可能な場合、デプロイされている12.1.0.8のJVMDエージェントをアップグレードできます。しかし、バージョン12.1.0.8のJVMDエージェント・バイナリが唯一使用可能なバージョンであり、他のバージョンのバイナリは使用できない場合、管理対象サーバーにデプロイされている12.1.0.8のJVMDエージェントをアップグレードできません。 |
「設定」ページを使用して、モニター対象のWebLogicドメインにあるJVMDエージェントをアップグレードまたは再デプロイするには、次の手順に従います。
「設定」メニューから、「ミドルウェア管理」、「設定」の順に選択します。
「設定」ページで、「JVMDエージェントの管理」をクリックします。
「操作」で、「アップグレード」を選択します。
注意: または、この場所にアクセスするには、「設定」ページで「JVMDエージェント数」の横に表示されるアップグレード・アイコンをクリックします。このアイコンは、JVMDエージェント・ソフトウェアの現在のバージョンとは異なるソフトウェア・バージョンが使用可能である場合にのみ表示されます。 |
「表示」メニューから「すべてを開く」を選択した場合は、JVMDエージェントがデプロイされている管理対象サーバーすべてについて、ターゲット名、ターゲット・タイプ、ターゲット・ホスト、ターゲット・ステータスなどを表示できます。
アップグレードまたは再デプロイするJVMDエージェントを選択します。「次」をクリックします。
「ターゲットの資格証明」ページで、WebLogicドメインごとに(管理サーバー・ターゲットに対応する)「Oracle EMAgentターゲット・ホスト資格証明」および「Oracle WebLogicドメインの資格証明」の値を指定し、「適用」をクリックします。
注意: 管理サーバー・ターゲットに対してホストおよびドメインの優先資格証明がすでに設定されている場合は、ドメインに自動的に適用され、「適用」をクリックする必要はありません。 |
Oracle EMAgentターゲット・ホストの資格証明は、WebLogicドメインの管理サーバーの検出に使用された管理エージェントが実行されているホストのログイン資格証明です。Oracle WebLogicドメインの資格証明は、選択したWebLogicドメインの管理サーバーの資格証明です。
WebLogicドメインの管理サーバーに対して優先資格証明(優先EMAgentターゲット・ホスト資格証明および優先Oracle WebLogicドメイン資格証明)を設定するには、「設定」メニューから、「セキュリティ」、「優先資格証明」の順に選択します。ターゲット・タイプとして「Oracle管理サーバー」を選択し、「優先資格証明の管理」をクリックします。「ターゲット優先資格証明」セクションで、必要なWebLogic管理サーバーに対して優先ホスト資格証明および優先WebLogic管理者資格証明を設定します。
「次」をクリックします。
JVMDエージェント構成ページ(「JVMDエージェント構成」セクション)で、次を実行します。
Oracle CloudターゲットでJVMDエージェントをアップグレードまたは再デプロイする場合は、「Hybrid Cloudモードの構成」を選択し、Oracle Cloudで構成したHybrid Cloudプロキシ・ホストおよびHybrid Cloudプロキシ・ポートを指定します。「Hybrid Cloudモードの構成」を選択すると、JVMDエージェントがプロキシ・ホストに接続し、プロキシ・ホストがJVMDエンジンに接続するため、「使用可能なJVMDエンジン」の値が自動的に「その他」に設定されます。
ハイブリッド・クラウド・モードの構成を選択しない場合、WebLogicドメインごとに、デフォルトのJVMDエンジンが選択されます。必要に応じて、ドメインに対して選択したエンジンを変更するには、「使用可能なJVMDエンジン」のリストから新しいエンジンを選択し、「適用」をクリックします。選択したWebLogicドメインの管理対象サーバーにデプロイされているすべてのJVMDエージェントが、このJVMDエンジンに関連付けられます。または、「その他」を選択して、複数のエンジンの場合にロード・バランサに接続し、エンジンのホスト、ポートおよびプロトコルの詳細を手動で指定できます。できます。
Enterprise Manager Cloud Control 13cでは、HTTPまたはHTTPSを使用して、JVMDエンジンに接続する複数のJVMDエージェントをデプロイできます。したがって、JVMDエンジンのHTTP URLとHTTPS URLの両方が「使用可能なJVMDエンジン」リストに表示されます。ただし、設定でロード・バランサを構成した場合、JVMDエージェントはHTTPまたはHTTPSを使用してロード・バランサに接続できますが、HTTPSを使用して個々のJVMDエンジンには接続できません。したがって、設定にロード・バランサを構成した場合、ロード・バランサのHTTP URLとHTTPS URL、および個々のJVMDエンジンのHTTP URLのみが、「使用可能なJVMDエンジン」リストに表示されます。
このセクションに「WebLogicホーム」フィールドと「ミドルウェア・ホーム」フィールドが表示されている場合、それらに値を指定します。「WebLogicホーム」および「ミドルウェア・ホーム」フィールドは、それらの値が内部的に取得できない場合に表示されます。
また、WebLogic管理サーバーがファイアウォールの背後または仮想ホスト上にある場合、アプリケーションはデフォルト情報を使用して接続できない可能性があります。この場合、「拡張ドメイン構成」セクションで追加情報を指定する必要があります。たとえば、WebLogic管理サーバーが仮想ホスト上にあり、アプリケーションがデフォルトのホスト値を使用して接続できない場合は、「管理サーバー・ホスト」に仮想ホストのIPアドレスを指定することが必要な場合があります。
注意: 「拡張ドメイン構成」で、JVMDエージェントのデプロイに使用するJavaプロセスで使用されるJavaの引数を指定できます。たとえば、必要となるJavaの引数の一部を次に示します。
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「次」をクリックします。
確認ページですべての情報を確認し、「アップグレード」をクリックします。
「アップグレード」をクリックすると、「診断エージェントのデプロイメント・ステータス」ページが表示され、このページは、発行したジョブの進捗状況を監視するために使用できます。
アップグレード時または再デプロイメント時にエラーが発生した場合は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。
deploy_jvmdagent.pl
スクリプトを使用して、JVMDエージェントを手動でアップグレードまたは再デプロイできます。このスクリプトはサイレント・モードでのみ実行できます。つまり、プロパティ・ファイルを使用してすべての入力の詳細を指定する必要があります。
deploy_jvmdagent.pl
を使用してJVMDエージェントを手動でアップグレードまたは再デプロイするには、次の手順に従います。
最新バージョンまたはjamagent.war
がダウンロードされていることを確認します。
jamagent.war
のダウンロード方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。
OMSのOracleホーム内の次の場所に移動します。
$<ORACLE_HOME>/plugins/oracle.sysman.emas.oms.plugin_13.1.1.0.0/archives/jvmd/deployment_scripts/agent/jvmd/
次に例を示します。
/u01/software/em13c/oraclehome/plugins/oracle.sysman.emas.oms.plugin_13.1.1.0.0/archives/jvmd/deployment_scripts/agent/jvmd/
README.txt
ファイルでdeploy_jvmdagent.pl
スクリプトの使用方法の情報を確認します。
すべての入力をプロパティ・ファイルに指定し、次のコマンドを使用します。
perl deploy_jvmdagent.pl [-appserver <server_type>] [-file <name_of_properties_file>]
例: perl deploy_jvmdagent.pl -appserver WLS -file wls_upgrade.properties.
deploy_jvmdagent.pl
では、WebLogic ServerおよびGlassFishにデプロイされたJVMDエージェントのみをアップグレードまたは再デプロイできます。他のアプリケーション・サーバーにデプロイされたJVMDエージェントはアップグレードまたは再デプロイできません。-appserver
パラメータは、(アップグレードまたは再デプロイしたい) JVMDエージェントがデプロイされているアプリケーション・サーバーを指定します。WebLogic管理対象サーバーにデプロイされているJVMDエージェントをアップグレードまたは再デプロイしている場合は、-appserver
にWLS
を指定します。GlassFishサーバーにデプロイされているJVMDエージェントをアップグレードまたは再デプロイしている場合は、-appserver
にGF
を指定します。-appserver
パラメータを指定しない場合は、デフォルトで値WLS
が割り当てられます。
-file
パラメータには、アップグレードまたはデプロイメント入力を含むプロパティ・ファイルの名前を指定します。このパラメータを指定しない場合で、-appserver
にWLS
を指定済の場合は、deploy_jvmdagent.pl
によって、スクリプトが含まれるフォルダでweblogic_deploy.properties
というプロパティ・ファイルが検索されます。-file
パラメータを指定しない場合で、-appserver
にGF
を指定済の場合は、deploy_jvmdagent.pl
によって、スクリプトが含まれるフォルダでglassfish_deploy.properties
というプロパティ・ファイルが検索されます。入力の詳細をプロパティ・ファイルに指定する方法は、サンプルのプロパティ・ファイルsample_weblogic_deploy.properties
またはsample_glassfish_deploy.properties
をご覧ください。
WebLogic管理コンソールを使用して必要なJVMDエージェントのバージョンを手動でダウンロードし、デプロイすることもできます。
JVMDエージェントのアップグレードまたは再デプロイ後に、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』の説明に従って、新しいバージョンのデプロイメントを検証します。