このセクションでは、このリリースのその他の新機能について説明します。これらの機能と拡張機能は、生産性の強化に役立つユーティリティー、サービス、およびツールの既存の包括的なコレクションに追加されます。
Oracle Solaris 11.4 では、Oracle Solaris デスクトップ環境が GNOME 2.30 から GNOME 3.24 に更新されました。主要なデスクトップアプリケーションも更新されました。一部のオプションのアプリケーションが Oracle Solaris に含まれなくなくなりました。ユーザーは、ログイン画面で最近の GNOME Shell 環境または GNOME Classic 環境のどちらかを選択できます。詳細は、Oracle Solaris 11.4 Desktopを参照してください。
Oracle Solaris 11.4 では、Trusted Extensions のラベル付きマルチレベルデスクトップおよび Sun Ray 構成をサポートしなくなりました。詳細は、Oracle Solaris の将来のリリースで予定されている機能提供終了 (EOF) を参照してください。
Oracle Solaris 11.4 では、System V セクションを使用するマニュアルページの番号が付け直されて標準のセクションになりました。以前のリリースで使用されたセクション 1m、4、5、7、およびそのサブセクションは、それぞれ 8、5、7、4、およびそのサブセクションになりました。BSD、Linux、MacOS X など、その他のプラットフォームに精通しているユーザーは、man コマンドで同じセクション番号を使用できます。
man コマンドは、階層的なマニュアルページ名 (1 つ以上のスラッシュを含む) の検索をサポートしています。たとえば、man system/name-service/switch は、usr/share/man/man8s/system/name-service/switch.8s のマニュアルページを表示できます。
man コマンドは、サブセクションの短縮形もサポートしています。たとえば、man printf.3 または man -s 3 printf のどちらを使用しても printf(3c) のマニュアルページを検索できます。
man コマンドでは、必要に応じて、古い System V セクションの番号を標準の番号にマップできるため、古いドキュメントからリファレンスを検索するのに役立ちます。
詳細は、man(1) のマニュアルページを参照してください。
「RAD および Web ダッシュボード用の Oracle Solaris オンラインドキュメント」アプリケーションでは、検索可能なドキュメントを Oracle Solaris システム Web インタフェースダッシュボードに表示します。このアプリケーションで提供されるドキュメントにアクセスするには、システム Web インタフェースダッシュボードアプリケーションのメニューを使用します。ドキュメントは、IPS パッケージによって /usr/lib/webui/htdocs/solaris/apps/docs にインストールされます。
RAD API ドキュメントには Oracle Solaris システム Web インタフェースダッシュボードからのみアクセスできます。複数の場所から入手できる可能性のあるドキュメントには、システム Web インタフェースダッシュボードからアクセスすると非常に便利です。
詳細は、odoc-bundle(5) および odoctool(1) のマニュアルページを参照してください。
paps は、Pango ライブラリを使用してテキストを PostScript 言語に変換します。paps は入力ファイルを読み取り、PostScript 言語またはユーザー指定のフォーマットでレンダリングして標準出力に書き込みます。paps は国際的なテキストを任意のロケールで受け入れ、テキストシェーピングや双方向テキストレンダリングなどの国際化されたテキストレイアウトを提供します。
詳細は、paps(1) のマニュアルページを参照してください。
Oracle Solaris の iconv コマンドと iconv() API がモダナイズされて、cconv API を変換用に内部で使用するようになりました。cconv は、Unicode を中間エンコーディングとして使用する統合された変換メカニズムです。cconv は、さまざまなコードセットをサポートし、カスタマイズされた変換ルールを使用して変換テーブルを生成する geniconvtbl コマンドを提供します。
詳細は、iconv(1)、iconv(3C)、cconv(3C)、cconv_open(3C)、cconv_close(3C)、cconvctl(3C)、geniconvtbl(1)、および geniconvtbl-cconv(5) の各マニュアルページを参照してください。
この Oracle Solaris 11.4 の新機能は、gettext コマンドの検索機能を追加のディレクトリまで拡張します。メッセージカタログの検索時、gettext コマンドでは fr_FR.UTF-8 に加えて、fr_FR や fr などの言語や地域に基づいてフォールバックディレクトリも検索します。この機能により、gettext コマンドはほかの UNIX のようなオペレーティングシステムと同じように動作できます。
詳細は、gettext(3C) のマニュアルページを参照してください。
Oracle Solaris 11.4 は、The Open Group の UNIX V7 Product Standard への準拠が認証されています。この認証が以前の UNIX 03 認証よりも大幅に強化されています。もっとも重要な変更は、Single UNIX Specification, Version 4 (The Open Group Base Specifications, Issue 7 を含む) および承認された Technical Corrigenda に対する調整です。また、このバージョンでは、認証されたシステムで役割ベースのアクセス制御をオプションとしてサポートできます。
Oracle Developer Studio 12.5 または 12.6 C コンパイラ、または Oracle Solaris 11.4 に付属する最新バージョンの gcc、あるいは LLVM または clang を使用する場合、Oracle Solaris 11.4 は次の標準をサポートします。
The ANSI X3.159-1989 Programming Language - C and ISO/IEC 9899:1990 Programming Language - C (C) interfaces
ISO/IEC 9899:1990 Amendment 1:1995: C Integrity
ISO/IEC 9899:1999 Programming Languages - C
INCITS/ISO/IEC 9899:2011 Programming Languages - C
詳細は、「IEEE Std 1003.1TM-2008/The Open Group Technical Standard Base Specifications, Issue 7」を参照してください。また、standards(7) のマニュアルページを参照してください。
Oracle Solaris の UTF-8 ロケールがバージョン 8.0 の Unicode 標準に更新されました。Unicode は、世界のほとんどのライティングシステムで表現されるテキストの一貫したエンコーディング、表現、および処理のためのコンピューティングの業界標準です。
Oracle Solaris 11.4 のロケールが CLDR バージョン 28 に更新され、ロケールデータの品質が向上しました。詳細は、Oracle Solaris 12 国際化対応言語環境の利用ガイドを参照してください。