Oracle Hierarchical Storage Manager software の SAM-Remote 機能を使用すると、Oracle HSM ファイルシステムホストは、リモートの Oracle HSM ファイルシステムホストにホストされているテープメディアとドライブにアクセスできます。ローカルホストは、SAM-Remote サーバーとして機能するリモートホストの SAM-Remote クライアントとしてテープリソースにアクセスします。クライアントのアーカイブポリシーでは通常、ローカルの磁気またはソリッドステート (SSD) ディスクアーカイブで 1 または 2 つのコピーが維持され、サーバーによって提供されるリモートテープで 1 つまたは 2 つのコピーが維持されます。各ホスト上のマスター構成ファイル /etc/opt/SUNWsamfs/mcf
は、特殊な SAM-Remote 装置タイプを使用して、共有リソースとクライアント/サーバーの関係を定義します。
SAM-Remote クライアントおよびサーバーの多数のアーカイブとデータ保護の要件に対処できます。
テープアーカイブの利点を、ライブラリとドライブがない Oracle HSM ホストに拡張できます。
地域のオフィスや衛星キャンパスにホストされた Oracle HSM ファイルシステムのテープリソースの保守と管理を一元化できます。
中心となるメインオフィスのデータセンターでは、Oracle HSM ファイルシステムホストにはテープライブラリが接続されており、このホストが SAM-Remote サーバーとして動作します。より小さい分散型オフィスでは、Oracle HSM ファイルシステムホストにはディスクアーカイブのみがあり、このホストは SAM-Remote クライアントとして機能します。すべてのホストが、アーカイブ済みデータのローカルコピーとテープコピーの両方を維持します。ただし、ハードウェアとメディアのインベントリは中央のデータセンターに集中しており、ここではもっとも効率的かつ最小限のコストで保守できます。
バックアップと障害回復のために、オフサイトのテープコピーを自動的に作成して保守できます。
すべての Oracle HSM ファイルシステムホストにテープライブラリが接続されています。それぞれのホストは、SAM-Remote クライアントと、オフサイトの場所にあるクライアントに対するサーバーとして動作します。それぞれの Oracle HSM ホストは、ローカルリソースを使用してローカルディスクとテープコピーを作成します。それぞれのホストが、対応するホストによって提供されるリソースを使用してリモートテープコピーを作成し、それぞれが対応するホストにテープリソースを提供します。そのため、通常のアーカイブ処理の一部として、2 つのファイルシステムのオフサイトコピーが自動的に作成されます。
ローカルリソースが使用できないときに、リモートアーカイブストレージリソースにアクセスするように Oracle HSM ファイルシステムホストを構成できます。
すべての Oracle HSM ファイルシステムホストでテープライブラリが接続され、それぞれのファイルシステムホストが、SAM-Remote クライアントと、別の場所にあるクライアントに対するサーバーとして機能します。それぞれの Oracle HSM ホストは、ローカルリソースを使用してローカルディスクとテープコピーを作成します。ただし、ホストがそのローカルライブラリにアクセスできない場合でも、そのリモートホストによって提供されたメディアとリソースを使用してファイルをアーカイブして取得できます。
この章では、SAM-Remote クライアント/サーバーネットワークを構成するプロセスの概要を示します。このセクションでは、次のタスクについて説明します。
SAM-Remote クライアントとサーバーには、同じリビジョンの Oracle HSM ソフトウェアがインストールされている必要があります。次の手順を使用して、リビジョンレベルを確認します。
SAM-Remote サーバーホストに root
としてログインします。
この例では、サーバーホストは server1
です。
[server1]root@solaris:~#
SAM-Remote クライアントホストに root
としてログインします。
この例では、端末ウィンドウを開き、ssh
を使用してホスト client1
にログインします。
[server1]root@solaris:~# ssh root@client1 Password: ... [client1]root@solaris:~#
すべての SAM-Remote サーバーおよびクライアント上で、Oracle HSM パッケージのリビジョンレベルが同じであることを確認します。それぞれの SAM-Remote ホストで、コマンド samcmd
l
を使用して、構成の詳細を一覧表示します。結果を比較します。
この例では、server1
の結果と client1
の結果を比較します。両方で同じリリースの Oracle HSM ソフトウェアが使用されています。
[server1]root@solaris:~# samcmd l Usage information samcmd 6.0 10:20:34 Feb 20 2015 samcmd on server1 ... [server1]root@solaris:~# [client1]root@solaris:~# samcmd l Usage information samcmd 6.0 10:20:37 Feb 20 2015 samcmd on client1 ... [server1]root@solaris:~#
第4章 Oracle HSM and QFS Software のインストールの手順を使用して、すべての SAM-Remote サーバーとクライアントが同じリビジョンレベルになるまで、必要に応じてホストソフトウェアを更新します。
SAM-Remote サーバーホストに root
としてログインします。
この例では、サーバーの名前は server1
です。
[server1]root@solaris:~#
構成されているデバイスの装置番号を取得します。コマンド samcmd
c
を使用します。
この例では、デバイスの番号は 801
、802
、803
、および 804
です。
[server1]root@solaris:~# samcmd c Device configuration samcmd 6.0 10:20:34 Feb 20 2015 samcmd on server1 Device configuration: ty eq state device_name fs family_set rb 800 on /dev/scsi/changer/c1t0d5 800 rb800 tp 801 on /dev/rmt/0cbn 801 rb800 tp 802 on /dev/rmt/1cbn 802 rb800 tp 803 on /dev/rmt/2cbn 803 rb800 tp 804 on /dev/rmt/3cbn 804 rb800
アーカイブプロセスがある場合、すべてアイドル状態にします。コマンド samcmd aridle
を使用します。
このコマンドは現在のアーカイブおよびステージングを完了できますが、新しいジョブは開始されません。
[samfs-mds]root@solaris:~# samcmd aridle
[samfs-mds]root@solaris:~#
ステージングプロセスがある場合、すべてアイドル状態にします。コマンド samcmd stidle
を使用します。
このコマンドは現在のアーカイブおよびステージングを完了できますが、新しいジョブは開始されません。
[samfs-mds]root@solaris:~# samcmd stidle
[samfs-mds]root@solaris:~#
アクティブなアーカイブジョブが完了するまで待機します。コマンド samcmd a
を使用して、アーカイブプロセスのステータスを確認します。
アーカイブプロセスが Waiting for :arrun
の場合、アーカイブプロセスはアイドル状態になっています。
[samfs-mds]root@solaris:~# samcmd a
Archiver status samcmd 6.0 14:20:34 Feb 22 2015
samcmd on samfs-mds
sam-archiverd: Waiting for :arrun
sam-arfind: ...
Waiting for :arrun
アクティブなステージングジョブが完了するまで待機します。コマンド samcmd u
を使用してステージングプロセスのステータスを確認します。
ステージングプロセスが Waiting for :strun
の場合、ステージングプロセスはアイドル状態になっています。
[samfs-mds]root@solaris:~# samcmd u Staging queue samcmd 6.0 14:20:34 Feb 22 2015 samcmd on solaris.demo.lan Staging queue by media type: all sam-stagerd: Waiting for :strun root@solaris:~#
すべてのリムーバブルメディアドライブをアイドル状態にしてから、続行します。ドライブごとに、コマンド samcmd
equipment-number
idle
を使用します。ここで equipment-number
は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf
ファイル内のドライブに割り当てられている装置の順序番号です。
このコマンドはドライブを「off
」にする前に、現在のアーカイブジョブおよびステージングジョブを完了できますが、新しいジョブは開始されません。この例では、4 つのドライブ (順序番号 801
、802
、803
、804
) をアイドル状態にします。
[samfs-mds]root@solaris:~# samcmd 801 idle [samfs-mds]root@solaris:~# samcmd 802 idle [samfs-mds]root@solaris:~# samcmd 803 idle [samfs-mds]root@solaris:~# samcmd 804 idle [samfs-mds]root@solaris:~#
実行中のジョブが完了するまで待機します。
コマンド samcmd r
を使用すると、ドライブのステータスを確認できます。すべてのドライブが「notrdy
」または「empty
」の場合は、続行できる状態になっています。
[samfs-mds]root@solaris:~# samcmd r Removable media samcmd 6.0 14:20:34 Feb 22 2015 samcmd on samqfs1host ty eq status act use state vsn li 801 ---------p 0 0% notrdy empty li 802 ---------p 0 0% notrdy empty li 803 ---------p 0 0% notrdy empty li 804 ---------p 0 0% notrdy empty [samfs-mds]root@solaris:~#
アーカイバおよびステージャープロセスがアイドル状態で、テープドライブがすべて「notrdy
」になっている場合は、ライブラリ制御デーモンを停止します。コマンド samd
stop
を使用します。
[samfs-mds]root@solaris:~# samd stop [samfs-mds]root@solaris:~#
SAM-Remote サーバーは、接続されているロボットテープライブラリとテープドライブを、それ自体が Oracle HSM ファイルシステムホストであるリモートクライアントで使用できるようにする、Oracle HSM ファイルシステムホストです。Oracle HSM プロセスを起動するには、SAM-Remote サーバーで少なくとも 1 つの QFS ファイルシステムをマウントする必要があります。
SAM-Remote サーバーを構成するには、次のタスクを実行します。
mcf
ファイルでのリモート共有アーカイブ装置の定義SAM-Remote サーバーホストに root
としてログインします。
この例では、サーバーの名前は server1
です。
[server1]root@solaris:~#
サーバー上で、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf
ファイルをテキストエディタで開き、アーカイブ装置の定義までスクロールダウンします。
次の例では、vi
エディタを使用します。このファイルでは、1 つの Oracle HSM アーカイブファイルシステム fs600
と、4 台のドライブを保持する 1 つのテープライブラリ rb800
を定義します。この例では、明確にするために実際のファイルには存在しない可能性のある見出しも含まれ、長いデバイスパスが短縮されていることに注意してください。
[server1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf #======================================================================= # Oracle HSM archiving file system fs600 # Equipment Equipment Equipment Family Device Additional # Identifier Ordinal Type Set State Parameters #------------------------ --------- --------- ------ ------ ---------- fs600 600 ms fs600 on /dev/dsk/c9t60...F4d0s7 610 md fs600 on /dev/dsk/c9t60...81d0s7 611 md fs600 on #======================================================================= # Local tape archive rb800 # Equipment Equipment Equipment Family Device Additional # Identifier Ordinal Type Set State Parameters #------------------------ --------- --------- ------ ------ ---------- /dev/scsi/changer/c1t0d5 800 rb rb800 on /dev/rmt/0cbn 801 tp rb800 on /dev/rmt/1cbn 802 tp rb800 on /dev/rmt/2cbn 803 tp rb800 on /dev/rmt/3cbn 804 tp rb800 on
アーカイブ装置の定義が終了したら、テープリソースをクライアントで使用可能にするサーバーのエントリを開始します。「Equipment
Identifier
」フィールドに SAM-Remote サーバー構成ファイル /etc/opt/SUNWsamfs/samremote
へのパスを入力し、装置番号を割り当てます。
この例では、いくつかの見出しをコメントとして追加し、装置番号 500
をサーバー samremote
に割り当てます。
[server1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf ... #========================================================================== # Server samremote shares tape hardware and media with clients # Equipment Equipment Equipment Family Device Additional # Identifier Ordinal Type Set State Parameters #--------------------------- --------- --------- ------ ------ ---------- /etc/opt/SUNWsamfs/samremote 500
新しいエントリの「Equipment
Type
」フィールドに、SAM-Remote サーバー装置を表す ss
を入力します。
[server1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf
...
#==========================================================================
# Server samremote shares tape hardware and media with clients
# Equipment Equipment Equipment Family Device Additional
# Identifier Ordinal Type Set State Parameters
#--------------------------- --------- --------- ------ ------ ----------
/etc/opt/SUNWsamfs/samremote 500 ss
すべてのホストおよびサーバー間で一意の「Family
Set
」の名前を割り当てて、デバイスを on
に設定します。
この例では、新しい装置にファミリセット名 ss500
を割り当てます。
[server1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf
...
#==========================================================================
# Server samremote shares tape hardware and media with clients
# Equipment Equipment Equipment Family Device Additional
# Identifier Ordinal Type Set State Parameters
#--------------------------- --------- --------- ------ ------ ----------
/etc/opt/SUNWsamfs/samremote 500 ss ss500 on
10 個を超える SAM-Remote クライアントを構成する場合、1 - 10 個までの連続するクライアントグループごとに、サーバー装置 (タイプ ss
) のエントリを追加します。
ファイルを保存して、エディタを閉じます。
[server1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf
...
/etc/opt/SUNWsamfs/samremote 500 ss ss500 on
:wq
[server1]root@solaris:~#
samremote
サーバー構成ファイルの作成SAM-Remote サーバー構成ファイルでは、各クライアントで使用されるディスクバッファー特性とメディアを定義します。構成する必要のあるサーバーごとに、次の手順を実行します。
SAM-Remote サーバーホストに root
としてログインします。
この例では、サーバーの名前は server1
です。
[server1]root@solaris:~#
サーバー上で、/etc/opt/SUNWsamfs/samremote
ファイルをテキストエディタで作成します。
この例では、vi
エディタを使用してファイルを作成します。ハッシュ (#
) 記号で示された説明的なコメントがいくつか含まれるファイルを作成することから始めます。
[server1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/samremote # Server Configuration File: # Defines the disk buffer and media that is available to each client.
1 番目のクライアントエントリは、改行して、1 列目にクライアントのホスト名、IP アドレス、または完全修飾ドメイン名を入力することから開始します。
クライアント識別子の行は、空白以外の文字で開始する必要があります。この例では、ホスト名 client1
を使用してクライアントを識別します。
[server1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/samremote
# Server Configuration File:
# Defines the disk buffer and media that is available to each client.
client1
クライアントと共有するメディアの識別を開始します。indent
media
形式の新しい行を開始します。ここで indent
は 1 つ以上の空白文字、media
は SAM-remote キーワードです。
[server1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/samremote
# Server Configuration File:
# Defines the disk buffer and media that is available to each client.
client1
media
indent
equipment-number
media-type
VSNs
形式の新しい行を使用して、各メディアタイプおよびソースを識別します。ここでは:
indent
は、1 つ以上の空白文字です。
equipment-number
は、mcf
ファイルでアーカイブストレージ装置を識別する装置番号です。
media-type
は、この装置で使用されるテープメディアのメディア識別子です (Oracle HSM メディアタイプの完全なリストについては、付録A 装置タイプの用語集を参照)。
VSNs
は、1 つ以上のボリュームシリアル番号 (最大 31 文字の英数字の文字列) を空白文字で区切ったリストです。
この例では、共有メディアの 1 つのソースである、装置番号が 800
のテープライブラリに収容されている一連のテープボリューム (タイプ tp
) を識別します。使用可能なボリュームは、括弧で囲んだ正規表現で指定されます。式 VOL0[0-1][0-9]
は、client1
をボリューム VOL000-VOL019
に制限します。
client1 media 800 tp (VOL0[0-1][0-9])
各行には、1 つのメディアタイプしか指定できないことに注意してください。そのため、ライブラリで複数のメディアタイプがサポートされている場合は、新しいエントリに各タイプを指定します。
media 800 ti VOL500 VOL501 800 li (VOL0[0-1][0-9])
クライアントと共有するメディアの識別が完了したら、SAM-Remote キーワード endmedia
を入力して、リストを閉じます。
この例では、この時点で client1
が完全に構成されました。
client1
media
800 tp (VOL0[0-1][0-9])
endmedia
追加のクライアントを構成する必要がある場合は、ここで実行します。それぞれ最大 10 個までの新しいクライアント構成レコードを追加します。その後、ファイルを保存してエディタを閉じます。
ボリュームの競合やデータ損失の可能性を回避するには、クライアントが同じリムーバブルメディアボリュームを共有していないことを確認します。
この例では、1 つの追加クライアント client2
を構成します。2 番目のクライアントは、client1
(装置番号 800
) と同じテープライブラリに収容されている一連のテープボリュームにアクセスします。ただし、この構成内の正規表現では別のボリュームセット VOL020-VOL039
が指定されています。
# Server Configuration File: # Defines the disk buffer and media that is available to each client. client1 media 800 tp (VOL0[0-1][0-9]) endmedia client2 media 800 tp (VOL02-3][0-9]) endmedia :wq [server1]root@solaris:~#
SAM-Remote クライアントごとに、次のタスクを実行します。
SAM-Remote クライアントホストに root
としてログインします。
この例では、SAM-Remote クライアントの名前は client1
です。
[client1]root@solaris:~#
クライアント上で、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf
ファイルをテキストエディタで開き、アーカイブ装置の定義までスクロールダウンします。
次の例では、vi
エディタを使用します。このファイルでは、1 つの Oracle HSM アーカイブファイルシステム fs100
を定義します。ローカルコピーは、ローカル ZFS ファイルシステムのディスクアーカイブ DISKVOL1
に格納されます。この例では、明確にするために実際のファイルには存在しない可能性のある見出しも含まれ、長いデバイスパスが短縮されていることに注意してください。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf # Client's /etc/opt/SUNWsamfs/mcf file #======================================================================= # Oracle HSM archiving file system "fs100" # Equipment Equipment Equipment Family Device Additional # Identifier Ordinal Type Set State Parameters #------------------------ --------- --------- ------ ------ ---------- fs100 100 ms fs100 on /dev/dsk/c10t60...7Bd0s7 110 md fs100 on /dev/dsk/c10t60...48d0s7 111 md fs100 on #======================================================================= # Disk archive "/diskvols/DISKVOL1" stores local archive copies
アーカイブ装置の定義が終了したら、サーバーをクライアントで使用可能にするため、装置に対して入力を開始します。「Equipment
Identifier
」フィールドに、SAM-Remote サーバー構成ファイルへのパスを入力して、装置番号を割り当てます。
この例では、クライアント構成 /etc/opt/SUNWsamfs/sc400
を指定して、クライアントに装置番号 400
を割り当てます。いくつかの見出しもコメントとして追加します。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf
...
# Disk archive "/diskvols/DISKVOL1" stores local archive copies
#
#=======================================================================
# Client "sc400" accesses tape resources on server "samremote" (ss500)
# Equipment Equipment Equipment Family Device Additional
# Identifier Ordinal Type Set State Parameters
#------------------------ --------- --------- ------ ------ ----------
/etc/opt/SUNWsamfs/sc400 400
新しいエントリの「Equipment Type
」フィールドに、SAM-Remote クライアント装置を表す sc
を入力します。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf
...
#=======================================================================
# Client "sc400" accesses tape resources on server "samremote" (ss500)
# Equipment Equipment Equipment Family Device Additional
# Identifier Ordinal Type Set State Parameters
#------------------------ --------- --------- ------ ------ ----------
/etc/opt/SUNWsamfs/ss500 400 sc
「Family Set
」フィールドに、すべてのホストおよびサーバー間で一意のファミリセット名を割り当て、デバイスを on
に設定します。
この例では、ファミリセット名 ss500
を新しい装置に割り当てます。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf
...
#=======================================================================
# Client "sc400" accesses tape resources on server "samremote" (ss500)
# Equipment Equipment Equipment Family Device Additional
# Identifier Ordinal Type Set State Parameters
#------------------------ --------- --------- ------ ------ ----------
/etc/opt/SUNWsamfs/ss500 400 sc ss500 on
SAM-Remote サーバーによって使用可能になるテープドライブごとに、SAM-Remote 擬似デバイスを SAM-Remote クライアント sc
装置に追加します。「Equipment Identifier
」フィールドに、/dev/samrd/rd
device-number
形式のエントリを追加します。ここで device-number
は整数です。
この例では、2 つの擬似デバイス /dev/samrd/rd
0
と /dev/samrd/rd
1
に対して入力を開始します。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf ... #======================================================================= # Client "sc400" accesses tape resources on server "samremote" (ss500) # Equipment Equipment Equipment Family Device Additional # Identifier Ordinal Type Set State Parameters #------------------------ --------- --------- ------ ------ ---------- /etc/opt/SUNWsamfs/sc400 400 sc sc400 on /dev/samrd/rd0 /dev/samrd/rd1
各擬似デバイスの「Equipment Ordinal
」フィールドに、sc
装置に割り当てた範囲内の番号を入力します。
この例では、/dev/samrd/rd
0
に装置番号 410
、/dev/samrd/rd
1
に装置番号 420
を割り当てます。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf ... #======================================================================= # Client "sc400" accesses tape resources on server "samremote" (ss500) # Equipment Equipment Equipment Family Device Additional # Identifier Ordinal Type Set State Parameters #------------------------ --------- --------- ------ ------ ---------- /etc/opt/SUNWsamfs/ss500 400 sc ss500 on /dev/samrd/rd0 410 /dev/samrd/rd1 420
各 SAM-Remote 擬似デバイスの「Equipment Type
」フィールドに、rd
(SAM-Remote 擬似デバイスの装置タイプ) を入力します。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf ... #======================================================================= # Client "sc400" accesses tape resources on server "samremote" (ss500) # Equipment Equipment Equipment Family Device Additional # Identifier Ordinal Type Set State Parameters #------------------------ --------- --------- ------ ------ ---------- /etc/opt/SUNWsamfs/ss500 400 sc ss500 on /dev/samrd/rd0 410 rd /dev/samrd/rd1 420 rd
各擬似デバイスの「Family Set
」フィールドに、sc
装置のファミリセット名を入力します。
この例では、ファミリセット名 ss500
を使用します。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf ... #======================================================================= # Client "sc400" accesses tape resources on server "samremote" (ss500) # Equipment Equipment Equipment Family Device Additional # Identifier Ordinal Type Set State Parameters #------------------------ --------- --------- ------ ------ ---------- /etc/opt/SUNWsamfs/ss500 400 sc ss500 on /dev/samrd/rd0 410 rd ss500 /dev/samrd/rd1 420 rd ss500
各擬似デバイスの「Device State
」フィールドに、on
を入力します。その後、ファイルを保存してエディタを閉じます。
この例では、/dev/samrd/rd
0
に装置番号 410
、/dev/samrd/rd
1
に装置番号 420
を割り当てます。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/mcf ... #======================================================================= # Client "sc400" accesses tape resources on server "samremote" (ss500) # Equipment Equipment Equipment Family Device Additional # Identifier Ordinal Type Set State Parameters #------------------------ --------- --------- ------ ------ ---------- /etc/opt/SUNWsamfs/ss500 400 sc ss500 on /dev/samrd/rd0 410 rd ss500 on /dev/samrd/rd1 420 rd ss500 on :wq [client1]root@solaris:~#
SAM-Remote クライアントごとに、次の手順を実行します。
SAM-Remote クライアントホストに root
としてログインします。
この例では、SAM-Remote クライアントの名前は client1
です。
[client1]root@solaris:~#
クライアント上で、/etc/opt/SUNWsamfs/
family-set-name
ファイルをテキストエディタで開きます。ここで family-set-name
は、mcf
ファイルで使用されるリモート装置のファミリセット名です。
この例では、vi
エディタを使用してファイルを作成して、ファミリセット ss500
に指定します。また、ハッシュ (#
) 記号で示された説明的なコメントがいくつか含まれるファイルも作成します。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/sc400 # Client's SAM-Remote client configuration file: /opt/SUNWsamfs/sc400 # This file identifies the host of the SAM-Remote server.
改行して、1 列目にサーバーのホスト名、IP アドレス、または完全修飾ドメイン名を入力することで、サーバーに対応する単一のエントリを追加します。その後、ファイルを保存してエディタを閉じます。
この行は、空白以外の文字で開始する必要があります。この例では、ホスト名 server1
を使用してサーバーを識別します。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/samremote # Client's SAM-Remote server configuration file: /opt/SUNWsamfs/sc400 # This file identifies the host of the SAM-Remote server. server1 :wq [client1]root@solaris:~#
archiver.cmd
ファイルの構成SAM-Remote クライアントホストに root
としてログインします。
この例では、SAM-Remote クライアントの名前は client1
です。
[client1]root@solaris:~#
テキストエディタで /etc/opt/SUNWsamfs/archiver.cmd
ファイルを開き、キーワード params
で始まり、キーワード endparams
で終わるコピーパラメータディレクティブまでスクロールダウンします。
この例では、vi
エディタでファイルを開きます。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/archiver.cmd ... #----------------------------------------------------------------------- # Copy Parameter Directives params allsets -sort path -offline_copy direct allfiles.1 -startage 10m -startsize 500M -drives 10 allfiles.2 -startage 24h -startsize 20G -drives 2 -reserve set endparams
リモートメディア上にアーカイブされるすべてのアーカイブセットのコピーパラメータを確認します。これらのいずれかに -tapenonstop
または -offline_copy direct
ディレクティブ (あるいはその両方) が含まれている場合は、この時点で、これらのディレクティブを削除します。
この例では、all
パラメータで、すべてのコピーに -offline_copy direct
ディレクティブが指定されています。したがって、リモートメディア allfiles.3
に送信する予定のコピーに -offline_copy none
を指定することによって、このディレクティブをオーバーライドします。
#----------------------------------------------------------------------- # Copy Parameter Directives # Copy Parameter Directives params allsets -sort path -offline_copy direct allfiles.1 -startage 10m -startsize 500M -drives 10 allfiles.2 -startage 24h -startsize 20G -drives 2 -reserve set offline_copy none endparams
SAM-Remote キーワード vsns
で始まり、キーワード endvsns
で終わる VSN ディレクティブまでスクロールダウンします。
次の例では、vi
エディタを使用します。現在メディアが割り当てられている唯一のコピー allfiles.1
は、ローカルのディスクアーカイブボリューム qfs200
を使用して作成されます。
... endparams #----------------------------------------------------------------------- # VSN Directives vsns allfiles.1 dk qfs200 endvsns
サーバーの /etc/opt/SUNWsamfs/samremote
ファイルで、このクライアント用に指定されているリモートメディアに、アーカイブコピーを割り当てます。その後、ファイルを保存してエディタを閉じます。
この例では、client1
を構成します。コピー allfiles.2
は、samremote
サーバー構成ファイルに指定された、VOL000-VOL019
の範囲のリモートテープボリュームを使用して作成されます。
... endparams #----------------------------------------------------------------------- # VSN Directives vsns allfiles.1 dk qfs200 allfiles.2 tp VOL0[0-1][0-9] endvsns :wq [client1]root@solaris:~#
SAM-Remote サーバーホストに root
としてログインします。
この例では、SAM-Remote サーバーの名前は server1
です。
[server1]root@solaris:~#
サーバー上で Oracle HSM プロセスを起動します。コマンド samd
start
を使用します。
[server1]root@solaris:~# samd start
サーバーホスト上で、共有デバイスサーバーのステータスを確認します。コマンド samcmd s
を使用します。
この例では、装置番号が 500
の SAM-Remote サーバー装置 (タイプ ss
) が on
になっていて、正常に動作しています。
[server1]root@solaris:~# samcmd s Device status samcmd 6.0 11:20:34 Feb 20 2015 samcmd on server1 ty eq state device_name fs status rb 800 on /dev/scsi/changer/c1t0d5 800 m--------r tp 801 on /dev/rmt/0cbn 800 ---------p empty tp 802 on /dev/rmt/1cbn 800 ---------p empty tp 803 on /dev/rmt/2cbn 800 ---------p empty tp 804 on /dev/rmt/3cbn 800 ---------p empty ss 500 on /etc/opt/SUNWsamfs/samremote ss500 -------o-r [server1]root@solaris:~#
共有デバイスサーバーが on
ではない場合、サーバーホストの /etc/opt/SUNWsamfs/mcf
ファイルで正しく定義されていることを確認します。/etc/opt/SUNWsamfs/samremote
ファイルが正しいこと、およびこのファイルが正しい場所にあることを確認してください。
手順SAM-Remote サーバーの mcf
ファイルでのリモート共有アーカイブ装置の定義およびsamremote
サーバー構成ファイルの作成を参照してください。
サーバー上で、SAM-Remote クライアントの接続ステータスを確認します。コマンド samcmd
R
を使用します。
この例では、client1
と client2
の両方の状態が 0005
になっているため、connected
になります (状態 0004
は接続されていないことを示します)。
[server1]root@solaris:~# samcmd R Remote server eq: 500 addr: 00003858 samcmd 6.0 11:20:44 Feb 20 2015 samcmd on server1 message: Client IPv4: client1 192.10.10.3 port - 5000 client index - 0 port - 31842 flags - 0005 connected Client IPv4: client2 10.1.229.97 port - 5000 client index - 1 port - 32848 flags - 0005 connected [server1]root@solaris:~#
共有デバイスクライアントが接続されていない (状態 0004
) 場合は、ネットワーク接続を確認してください。サーバーとクライアント (複数) が相互にホスト名とアドレスを解決できることを確認します。サーバーとクライアント (複数) が相互にアクセスできることを確認します。
この例では、getent
および ping
コマンドとともに ssh
を使用して、各ホストから SAM-Remote 構成内のその他の各ホストまでの接続を確認します。
[server1]root@solaris:~# getent hosts client1 192.10.10.3 client1 [server1]root@solaris:~# getent hosts 192.10.10.3 192.10.10.3 client1 [server1]root@solaris:~# ping 192.10.10.3 192.10.10.31 is alive [server1]root@solaris:~# getent hosts client2 10.1.229.97 client2 [server1]root@solaris:~# getent hosts 10.1.229.97 10.1.229.97 client2 [server1]root@solaris:~# ping 10.1.229.97 192.10.10.31 is alive [server1]root@solaris:~# ssh root@client1 Password: ... [client1]root@solaris:~# getent hosts server1 192.10.201.12 server1 ... [client1]root@solaris:~# exit [server1]root@solaris:~# ssh root@client2 Password: ... [client2]root@solaris:~# getent hosts server1 192.10.201.12 server1 ... [client2]root@solaris:~# exit [server1]root@solaris:~#
共有デバイスクライアントが接続されていない (状態 0004
) 場合は、クライアントホストの /etc/opt/SUNWsamfs/mcf
ファイルで現在定義されていることを確認します。サーバーホストが /etc/opt/SUNWsamfs/
family-set-name
ファイルで正しく識別されていて、そのファイルがクライアントホスト上の適切な場所に配置されていることを確認します。次に、クライアントホストがサーバーホスト上の /etc/opt/SUNWsamfs/samremote
ファイルで正しく識別されていることを確認します。
手順SAM-Remote クライアントの MCF ファイルでのリモートアーカイブ装置の定義およびSAM-Remote クライアント構成ファイルの作成を参照してください。
クライアント上で、サーバーホストが /etc/opt/SUNWsamfs/
family-set-name
ファイルで正しく識別されていて、そのファイルがクライアントホスト上の適切な場所に配置されていることを確認します。
SAM-Remote クライアント構成ファイルの作成の手順を参照してください。
共有デバイスクライアントが接続されておらず (状態 0004
)、クライアント側の構成ファイルに問題がない場合は、サーバーを確認してください。クライアントホストが /etc/opt/SUNWsamfs/samremote
ファイルで正しく識別されていることを確認します。
samremote
サーバー構成ファイルの作成の手順を参照してください。
サーバー上で、各クライアントが共有テープライブラリのカタログにアクセスし、使用可能なボリュームを表示できることを確認します。コマンド samcmd
v
equipment-number
を使用します。ここで equipment-number
は、クライアントの mcf
ファイルで SAM-Remote クライアント装置に割り当てられている装置番号です。
この例では、client1
を確認するため、SAM-Remote クライアント装置 /etc/opt/SUNWsamfs/sc400
の装置番号は 400
です。出力には、client1
がアクセスできるボリューム (VOL000
- VOL019
) が正しく一覧表示されています。
[server1]root@solaris:~# samcmd v 400 Robot catalog samcmd 6.0 12:20:40 Feb 20 2015 samcmd on server1 Robot VSN catalog by slot : eq 400 slot access time count use flags ty vsn 3 none 0 0% -il-o-b----- li VOL000 7 none 0 0% -il-o-b----- li VOL001 ... 24 none 0 0% -il-o-b----- li VOL019 [server1]root@solaris:~#
共有装置クライアントが適切なボリュームを表示できない場合は、ホストファイルを確認してください。サーバーホスト上で、割り当てられているボリュームが /etc/opt/SUNWsamfs/samremote
ファイルで正しく識別されていることを確認します。クライアントホスト上で、/etc/opt/SUNWsamfs/
family-set-name
ファイルでサーバーホストが正しく識別されていることを確認します。
手順samremote
サーバー構成ファイルの作成およびSAM-Remote クライアント構成ファイルの作成を参照してください。
SAM-Remote クライアントごとに、次の手順を実行します。
SAM-Remote クライアントホストに root
としてログインします。
この例では、SAM-Remote クライアントの名前は client1
です。
[client1]root@solaris:~#
クライアントホスト上で Oracle HSM プロセスを起動します。コマンド samd
start
を使用します。
[client1]root@solaris:~# samd start [client1]root@solaris:~#
クライアントホスト上で、共有デバイスクライアントのステータスを確認します。コマンド samcmd
s
を使用します。
この例では、装置番号が 400
の SAM-Remote クライアント装置 (タイプ sc
) が on
になっていて、正常に動作しています。
[client1]root@solaris:~# samcmd s Device status samcmd 6.0 12:20:49 Feb 20 2015 samcmd on client1 ty eq state device_name fs status sc 400 on /etc/opt/SUNWsamfs/sc400 sc400 -------o-r
共有デバイスクライアントが on
になっていない場合は、sc
デバイスが正しく定義されていることを確認します。クライアントホスト上で、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf
ファイルを確認し、/etc/opt/SUNWsamfs/
family-set-name
ファイルが正しいこと、およびこのファイルが正しい場所にあることを確認します。
手順SAM-Remote クライアントの MCF ファイルでのリモートアーカイブ装置の定義およびSAM-Remote クライアント構成ファイルの作成を参照してください。
クライアントホスト上で、/etc/opt/SUNWsamfs/archiver.cmd
ファイルによって、リモートメディアに適切なボリュームシリアル番号が指定されていることを確認します。コマンド archiver
-A
を使用してファイルを一覧表示します。
この例では、client1
を構成します。コピー allfiles.2
は、samremote
サーバー構成ファイルに指定された、VOL000-VOL019
の範囲のリモートテープボリュームの 1 つを使用して作成されます。
[client1]root@solaris:~# archiver -A Reading '/etc/opt/SUNWsamfs/archiver.cmd'. 1: # archiver.cmd 2: #----------------------------------------------------------------------- 3: # Global Directives 4: archivemeta = off 5: examine = noscan ... 30: #----------------------------------------------------------------------- 31: # VSN Directives 32: vsns 33: allfiles.1 dk qfs200 34: allfiles.2 tp VOL0[0-1][0-9] 36: endvsns [client1]root@solaris:~#
archiver.cmd
ファイルで相違に気付いた場合は、それを修正してから続行してください。
リサイクルを構成する予定がある場合は、SAM-Remote のリサイクル処理の構成を参照してください。
SAM-Remote が構成されている場合は、あるホストでのリサイクル処理によって別のホスト上の有効なデータが破棄されないことを保証する必要があります。SAM-Remote サーバー上に構成されているリサイクルディレクティブがリサイクルするメディアは、サーバーが独自のアーカイブセットで使用するメディアのみに制限されます。サーバーは、SAM-Remote クライアントで使用可能なメディアボリュームのリサイクルを試行できません。同様に、SAM-Remote クライアント上に構成されているリサイクルディレクティブは、ローカルまたはサーバーで使用可能にすると指定されたボリュームで、アーカイブされているクライアントデータを保持するメディアのみをリサイクルします。
SAM-Remote 環境でリサイクラの使用を試行する前に、リサイクルプロセスについて十分に理解するようにしてください。そのため、リサイクル処理、および sam-recycler
、archiver.cmd
、recycler.cmd
、および recycler.sh
のマニュアルページを参照してください。
リサイクル処理の動作を理解している場合は、次のタスクを実行します。
SAM-Remote サーバーがホストしているファイルシステム用にリサイクル処理を構成する必要がある場合は、次の手順を実行します。
SAM-Remote サーバーに root
としてログインします。
この例では、SAM-Remote サーバーの名前は server1
です。
[server1]root@solaris:~#
テキストエディタで /etc/opt/SUNWsamfs/archiver.cmd
ファイルを開きます。params
セクションまでスクロールダウンします。
この例では、vi
エディタでファイルを開きます。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/archiver.cmd ... #----------------------------------------------------------------------- # Copy Parameter Directives params allsets -sort path -offline_copy direct allfiles.1 -startage 10m -startsize 500M -drives 10 allfiles.2 -startage 24h -startsize 20G -drives 2 -reserve set endparams
archive-set
directive-list
の形式で、アーカイブセット単位のリサイクラディレクティブを入力します。ここで archive-set は、アーカイブセットの 1 つ、directive-list
は、ディレクティブの名前と値のペアを空白文字で区切ったリストです (リサイクルディレクティブの完全なリストについては、archiver.cmd
のマニュアルページを参照)。
SAM-Remote の使用時には、archiver.cmd
ファイルの params
セクションで、アーカイブセット単位でのリサイクル処理を構成する必要があります。ライブラリ単位でのリサイクル処理は指定できません。
この例では、アーカイブセット allfiles.1
および allfiles.2
のリサイクルディレクティブを追加します。-recycle_mingain 90
ディレクティブは、少なくともボリューム容量の 90% を回復できなければ、ボリュームをリサイクルしません。-recycle_hwm 60
ディレクティブは、リムーバブルメディア容量の 60% が使用されるとリサイクルを開始します。-recycle_vsncount 1
は、一度にリサイクルするリムーバブルメディアボリュームを 1 つだけスケジュールします。
#--------------------------------------------------------------------- # Copy Parameters Directives params allsetsallfiles. -sort path -offline_copy direct allfiles.1 -startage 10m -startsize 500M -drives 10 allfiles.1 -recycle_mingain 90 allfiles.2 -startage 24h -startsize 20G -drives 2 -reserve set offline_copy none allfiles.2 -recycle_hwm 60 -recycle_mingain 90 -recycle_vsncount 1 endparams
SAM-Remote サーバーで定義されたリサイクルディレクティブは、サーバーが独自のアーカイブセットに使用するアーカイブボリュームにのみ適用されます。サーバーのリサイクルディレクティブは、クライアントからアクセス可能なボリュームには適用されません。
この例では、コピー allfiles.2
のサーバーのリサイクルディレクティブは、VSN
Directives
セクション VOL100-VOL199
にサーバーの使用のために一覧表示されているテープボリュームに適用されます。サーバーのリサイクルディレクティブは、client1
用に予約済みのボリューム VOL000-VOL019
、または client2
用に予約済みのボリューム VOL020-VOL039
には適用されません。
... endparams #----------------------------------------------------------------------- # VSN Directives vsns allfiles.1 dk DISKVOL1 allfiles.2 tp VOL1[0-9][0-9] endvsns
archiver.cmd
ファイルを保存して、エディタを閉じます。
...
endvsns
:wq
[server1]root@solaris:~#
サーバー上で、recycler.cmd
ファイルをテキストエディタで作成します。リサイクラログのパスとファイル名を指定します。
次の例では、vi
エディタを使用します。ログファイルのデフォルトの場所を指定します。
[server1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/recycler.cmd logfile = /var/adm/recycler.log
サーバー上の recycler.cmd
ファイルに、no-recyle
media-type
volumes
形式のディレクティブを追加します。ここで media-type
は付録A 装置タイプの用語集で指定されたメディアタイプのいずれかであり、volumes
は SAM-Remote クライアントに割り当てられている各アーカイブストレージボリュームのボリュームシリアル番号を指定する空白文字区切りのリストまたは正規表現です。ファイルを保存して、エディタを閉じます。
no-recyle
ディレクティブは、クライアント専用のストレージリソースを追加で保護します。これは、指定したボリュームがスキップされるように、ホストのリサイクル処理の順序を明示的に変更します。
この例では、VOL000-VOL019
と VOL020-VOL039
の範囲のメディアタイプ tp
(テープ) ボリュームで no-recyle
ディレクティブを追加します。
[server1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/recycler.cmd logfile = /var/opt/SUNWsamfs/recycler/recycler.log no_recycle tp VOL0[0-1][0-9] VOL0[2-3][0-9] :wq [server1]root@solaris:~#
クライアントごとに、次の手順を実行します。
SAM-Remote クライアントに root
としてログインします。
この例では、SAM-Remote クライアントの名前は client1
です。
[client1]root@solaris:~#
クライアント上で、/etc/opt/SUNWsamfs/archiver.cmd
ファイルをテキストエディタで開き、コピー params
セクションまでスクロールダウンします。
この例では、vi
エディタでファイルを開きます。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/archiver.cmd
...
#-----------------------------------------------------------------------
# Copy Parameters Directives
params
allsets -sort path -offline_copy stageahead
allfiles.1 -startage 6h -startsize 6G -startcount 500000
allfiles.2 -startage 24h -startsize 20G -startcount 500000 -archmax 24G
endparams
#-----------------------------------------------------------------------
# VSN Directives
vsns
allfiles.1 dk qfs200
allfiles.2 tp VOL0[0-1][0-9]
endvsns
archiver.cmd
ファイルの params
セクションに、アーカイブセットごとにリサイクラディレクティブを archive-set
directive-list
形式で入力します。ここで、archive-set は、アーカイブセットの 1 つで、directive-list
は、ディレクティブの名前/値のペアのスペースで区切られたリストです (リサイクルディレクティブのリストについては、archiver.cmd
のマニュアルページを参照してください)。その後、ファイルを保存してエディタを閉じます。
SAM-Remote の使用時には、archiver.cmd
ファイルの params
セクションで、アーカイブセット単位でのリサイクル処理を構成する必要があります。ライブラリ単位でのリサイクル処理は指定できません。
この例では、アーカイブセット allfiles.1
および allfiles.2
のリサイクルディレクティブを追加します。-recycle_mingain
90
ディレクティブは、少なくともボリューム容量の 90% を回復できなければ、ボリュームをリサイクルしません。-recycle_hwm 60
ディレクティブは、リムーバブルメディア容量の 60% が使用されるとリサイクルを開始します。-recycle_vsncount 1
ディレクティブは、一度にリサイクルするリムーバブルメディアボリュームを 1 つだけスケジュールします。
#----------------------------------------------------------------------- # Copy Parameters Directives params allsets -sort path -offline_copy stageahead allfiles.1 -startage 6h -startsize 6G -startcount 500000 allfiles.1 -recycle_mingain 90 allfiles.2 -startage 24h -startsize 20G -startcount 500000 -archmax 24G allsets.2 -recycle_hwm 60 -recycle_mingain 90 -recycle_vsncount 1 endparams
クライアント上で定義されているリサイクルディレクティブは、クライアントが独自のアーカイブセットで使用するメディアにのみ適用されます。この例では、コピー allfiles.2
のクライアントのリサイクルディレクティブは、範囲 VOL000-VOL019
内のサーバー指定のリモートテープボリュームに適用されます。client2 用に予約済みの範囲 VOL020-VOL039
内のボリュームや、サーバー用に予約済みの範囲 VOL100-VOL119
内のボリュームには適用されません。
... endparams #----------------------------------------------------------------------- # VSN Directives vsns allfiles.1 dk qfs200 allfiles.2 tp VOL0[0-1][0-9] endvsns :wq [client1]root@solaris:~#
archiver.cmd
ファイルを保存して、エディタを閉じます。
...
endvsns
:wq
[client]root@solaris:~#
クライアント上で、recycler.cmd
ファイルをテキストエディタで作成します。リサイクラログのパスとファイル名を指定します。その後、ファイルを保存してエディタを閉じます。
サーバーおよびクライアントは、クライアントがサーバーまたは client2
で使用されているどのアーカイブメディアにもアクセスできないように構成されています。そのため、no-recyle
ディレクティブを追加する必要はありません。
次の例では、vi
エディタを使用します。ログファイルのデフォルトの場所を指定します。
[client1]root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/recycler.cmd logfile = /var/adm/recycler.log :wq [client1]root@solaris:~#
すべての SAM-Remote クライアントが構成されるまで、この手順を繰り返します。
コマンド sam-recycler -dvxn
を使用します。各パラメータの効果は次のとおりです。
-d
は、各ボリュームをリサイクル対象として選択した、または選択しなかった理由を示すボリューム選択メッセージを表示します。
-v
は、リサイクル対象のマークが付けられた各ボリュームに存在し、移動する必要のあるファイルを一覧表示します。
-x
は、ボリュームにラベルが付けられた時点よりも古いために回復不可能であるアーカイブコピーが一覧表示された場合に、エラーを返して停止します。
-n
は、実際のリサイクル処理を回避します。リサイクル処理は、archiver.cmd
ファイル内のすべてのアーカイブセット定義に -recycle_ignore
が含まれる場合と同様に動作するため、リサイクル構成を壊さずにテストできます。
すべての SAM-Remote クライアントおよびサーバーが構成されたら、サイドバンドデータベース機能を使用する予定の場合は、レポートデータベースの構成に進みます。
それ以外の場合は、通知とロギングの構成に進みます。