5 ライブラリ、メディア、およびドライブの管理

この章では、次のトピックを扱います。

自動メディアライブラリの管理

このセクションでは、ライブラリの保守と管理に関する基本的なタスクについて説明します。

ライブラリのオンライン化およびオフライン化

ライブラリのオフライン化

Oracle HSM の操作を 1 つのライブラリでのみ停止する必要がある場合、またはライブラリの電源を切断する必要がある場合は、後述するように、まずライブラリをオフラインにします。

  1. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. アクティブなアーカイブ処理とステージングジョブを完了し、新規ジョブが開始されないようにします。アーカイブおよびステージングプロセスのアイドル状態を参照してください。

  3. ドライブとライブラリのアクティビティーを停止します。アーカイブおよびステージングプロセスの停止を参照してください。

  4. ライブラリをオフラインにします。コマンド samcmd off library-equipment-number を使用します。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイル内のライブラリに割り当てられた装置の順序番号です。

    ライブラリを off 状態にすると、入出力操作が停止し、ライブラリが Oracle HSM software の制御を受けなくなります。電源が切断されていないすべてのドライブは、on 状態のままとなります。次の例では、ライブラリ 800 をオフラインにして、samcmd c を使用して結果を確認します。

    root@solaris:~# samcmd off 800
    root@solaris:~# samcmd c
    Device configuration samcmd     5.4 14:34:04 Mar  7 2014
    samcmd on hsmfs1host
    Device configuration:
    ty   eq state   device_name                        fs   family_set
    sn  800 off     /dev/scsi/changer/c1t2d0           800  lib800
    li  801 on      /dev/rmt/0cbn                      800  lib800
    li  802 on      /dev/rmt/1cbn                      800  lib800
    li  803 on      /dev/rmt/2cbn                      800  lib800
    li  804 on      /dev/rmt/3cbn                      800  lib800
    hy  900 on      historian                          900  
    root@solaris:~# 
    
  5. 準備ができたら、ライブラリをオンラインにします

ライブラリのオンライン化

  1. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. ライブラリをオンラインにします。コマンド samcmd on library-equipment-number を使用します。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイル内のライブラリに割り当てられた装置の順序番号です。

    ライブラリがオンラインになります。Oracle HSM software はデバイスの状態を問い合わせて、必要に応じてカタログを更新します。次の例では、ライブラリ 800 をオンラインにして、samcmd c を使用して結果を確認します。

    root@solaris:~# samcmd on 800
    root@solaris:~# samcmd c
    Device configuration samcmd     5.4 15:04:14 Mar  7 2014
    samcmd on hsmfs1host
    Device configuration:
    ty   eq state   device_name                        fs   family_set
    sn  800 on      /dev/scsi/changer/c1t2d0           800  lib800
    li  801 on      /dev/rmt/0cbn                      800  lib800
    li  802 on      /dev/rmt/1cbn                      800  lib800
    li  803 on      /dev/rmt/2cbn                      800  lib800
    li  804 on      /dev/rmt/3cbn                      800  lib800
    hy  900 on      historian                          900  
    root@solaris:~# 
    
  3. ここで停止します。

リムーバブルメディアのインポートおよびエクスポート

多くの自動ライブラリには、物理的にライブラリに入ることなく、メディアカートリッジを追加または削除できるローディングベイが含まれています。ベンダーによっては、これはメールボックス、メールスロット、メディアアクセスポート (MAP)、またはカートリッジアクセスポート (CAP) と呼ばれることがあります。このタイプのライブラリでは、Oracle HSM コマンドを使用して次のタスクを実行できます。

ライブラリにメールボックスが含まれていない場合、ライブラリベンダーのドキュメントおよびローカルサイトのポリシーでライブラリメディアの追加と削除に関する手順を確認してください。変更後にライブラリが再初期化され、その内容を監査すると、Oracle HSM software はライブラリとヒストリアンカタログを自動的に更新します。

リムーバブルメディアカートリッジのインポート

Oracle HSM software の起動時にライブラリメールボックスにメディアカートリッジが含まれている場合、ソフトウェアはこれらのメディアカートリッジをライブラリに自動的にロードします。ソフトウェアの実行後には、次の手順を使用して、いつでもメディアをメールボックスからインポートできます。

  1. ライブラリベンダーの指示に従ってメディアカートリッジをメールボックスに入れます。

  2. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  3. カートリッジを自動ライブラリにインポートします。コマンド samimport library-equipment-number を使用します。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイル内でライブラリに指定された装置の順序番号です。

    Oracle HSM software は、ストレージスロットにメディアを割り当て、それらの場所をカタログ化します。次の例では、メディアをライブラリ 800 にインポートします。

    root@solaris:~# samimport 800
    
  4. ここで停止します。

リムーバブルメディアカートリッジのエクスポート

  1. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. 必要に応じて、エクスポート前にカートリッジのカタログレコードに情報メモを追加します。コマンド chmed -I "note" identifier を使用します。ここで note は最大 128 文字の文字列で、identifier は次のいずれかです。

    • mediatype.volume-serial-number。ここで mediatype は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つで、volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する 6 文字の英数字の文字列です。

    • library-equipment-number:slot。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイル内で自動テープライブラリに指定される装置の順序番号で、slot は、カートリッジがあるライブラリ内のスロットアドレスです。

    ボリュームのエクスポート後に、メモはヒストリアンカタログ内に保持されます。次の例では、LTO (li) カートリッジ VOL054 のカタログエントリにメモを追加します。

    root@solaris:~# chmed -I "To vault 20150411" li.VOL054
    
  3. 指定したストレージスロットからメールボックスにカートリッジを移動するには、コマンド samexport library-equipment-number:slot を使用します。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイル内で自動テープライブラリに指定される装置の順序番号で、slot は、カートリッジがあるライブラリ内のスロットアドレスです。

    次の例では、ライブラリ 800 のスロット 11 内にある磁気テープカートリッジをエクスポートします。

    root@solaris:~# samexport 800:11
    
  4. 指定したカートリッジをメールボックスに移動するには、コマンド samexport mediatype.volume-serial-number を使用します。ここで mediatype は、付録Aにリストされている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つで、volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。

    Oracle HSM software は、Oracle HSM ヒストリアンによって保持されるカタログにカートリッジを追加します。次の例では、LTO (li) テープカートリッジ VOL109 をエクスポートします。

    root@solaris:~# samexport li.VOL109
    
  5. ライブラリベンダーの指示に従ってメディアカートリッジをメールボックスから削除します。

  6. ここで停止します。

ライブラリカタログの保持

Oracle Hierarchical Storage Manager ライブラリカタログは、自動ライブラリとその内容のソフトウェアでの内部表現です。自動ライブラリが直接接続されている場合、Oracle HSM software はライブラリとその内容を完全に制御できます。そのため、ライブラリカタログのエントリは、物理ライブラリ内のスロットの 1 対 1 の表現になります。自動ライブラリがネットワーク接続されている場合、Oracle HSM は、ライブラリソフトウェアが仮想ライブラリまたはライブラリパーティションの形式で使用可能にするライブラリの部分にのみアクセスします。そのため、Oracle HSM ライブラリカタログのエントリは、ライブラリの一部のコンテンツのみを反映します。

このセクションでは、次のタスクについて説明します。

ライブラリカタログの表示

  1. もっとも一般的に使用されるライブラリカタログ情報を表示するには、コマンド samcmd v library-equipment-number を使用します。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルが自動テープライブラリに割り当てる装置の順序番号です。

    次の例では、ライブラリ 800 のカタログを表示します

    root@solaris:~# samcmd v 800
    Robot catalog samcmd     5.4    16:45:25 Mar 14 2014
    samcmd on samqfshost                         count 32
    Robot VSN catalog by slot       : eq 800
    slot          access time count use  flags         ty vsn
       0     2014/03/14 11:23  875   0%  -il-o-b-----  li VOL001 
       1     2014/03/13 17:54  866   0%  -il-o-b-----  li VOL002 
       2     2014/03/14 11:26    3   0%  -il-o-b-----  li VOL003 
       3     2014/03/14 10:33    3   0%  -il-o-b-----  li VOL004 
       4     2014/03/14 11:34    5   0%  -il-o-b-----  li VOL005 
       5     2014/03/14 11:32    2   0%  -ilEo-b----f  li VOL006 MEDIA ERROR
       6     2014/03/13 18:07    2   0%  -il-o-b-----  li VOL007 
       7     2014/03/13 18:07    1   0%  -il-o-b-----  li VOL008 
       8     2014/03/13 18:07    1   0%  -il-o-b-----  li VOL009 
    ...
      18     2014/03/13 18:16    1   0%  -il-o-b-----  li VOL019 
      19     none               50   0%  -il-oCb-----  li CLN020 
    
  2. samcmd v の表示を使用してボリュームのステータスを判別するには、flags 列内のエントリを調べて、次の一覧を確認します。

    • A は、スロットで監査が必要なことを意味します。

    • C は、スロットにクリーニングカートリッジが含まれていることを意味します。

    • E は、ボリュームが不良であるか、クリーニングメディアが期限切れであることを意味します。

    • L は、ボリュームが Linear Tape File System (LTFS) ボリュームであることを意味します。

    • N は、ボリュームが外部メディアである (Oracle HSM 形式ではない) ことを意味します。

    • R は、ボリュームが読み取り専用であることを意味します (ソフトウェアフラグ)。

    • U は、ボリュームが使用不可であることを意味します。

    • W は、ボリュームが物理的に書き込み保護されていることを意味します。

    • X は、スロットがエクスポートスロットであることを意味します。

    • b は、ボリュームにバーコードがあることを意味します。

    • c は、ボリュームのリサイクルがスケジュールされていることを意味します。

    • f は、ボリュームに空きがないかボリュームが壊れていることがアーカイバで検出されたことを意味します。

    • d は、ボリュームに重複するボリュームシリアル番号 (VSN) があることを意味します。

    • l は、ボリュームにラベルが付けられていることを意味します。

    • o は、スロットが占有されていることを意味します。

    • p は、ボリュームに優先度の高いボリュームがあることを意味します。

    • - は、対応するフラグが設定されていないことを意味します。

  3. samcmd v の表示を使用して、ボリュームに使用されるメディアのタイプを識別するには、ty 列を調べて、付録A内またはmcf のマニュアルページに表示されるコードを検索します。

  4. カタログ内のすべての情報を一覧表示するには、コマンド dump_cat catalog-path-name を使用します。ここで catalog-path-name は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルで指定したカタログファイルのパスとファイル名です。

    次の例では、カタログファイル catalog/800_cat をダンプします。

    root@solaris:~# dump_cat catalog/800_cat
    # audit_time Wed Dec 31 17:00:00 1969
    # version 530  count 32 mediatype 
    #Index VSN    Barcode  Type PTOC  Access Capacity ...  LVTime LVPos
    #
     0     S00001 S00001L4 li   0x747    875   512000 ...       0   0x3
     1     S00002 S00002L4 li   0x5db    866   512000 ...       0   0x3
    13     S00014 S00014L4 li       0      4   512000 ...       0   0
    17     S00018 S00018L4 li       0      1   512000 ...       0   0
    18     S00003 S00003L4 li       0      3   512000 ...       0   0
    
  5. ここで停止します。

ライブラリスロットの内容の監査

リムーバブルメディアボリュームについて報告された残りの容量でライブラリカタログを更新するには、ライブラリスロットを監査します。コマンド auditslot を使用します。

  1. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. 指定したテープボリュームを監査するには、EOD (データの終わり) にスキップして、空き領域を更新し、コマンド auditslot -e library-equipment-number:slot を使用します。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがライブラリに割り当てる装置の順序番号で、slot は、ライブラリ内でのカートリッジの場所です。

    auditslot コマンドは、ボリュームを含むカートリッジをロードし、ラベルを読み取り、スロットのライブラリカタログエントリを更新します。開始後は EOD へのスキップを中断できません。状況によっては、完了までに数時間かかる場合があります。次の例では、テープライブラリ 800 内のスロット 11 を監査します。

    root@solaris:~# auditslot -e 800:11
    root@solaris:~# 
    
  3. 指定した光磁気ボリュームを監査するには、コマンド auditslot library-equipment-number:slot[:side] を使用します。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがライブラリに割り当てる装置の順序番号で、slot は、ライブラリ内でのカートリッジの場所で、side (オプション) は、両面光磁気ディスクの指定したサイドです。

    次の例では、光磁気ライブラリ 700 のスロット 21 内にあるボリュームのサイド 1 を監査します。

    root@solaris:~# auditslot 800:21:1
    root@solaris:~# 
    
  4. ここで停止します。

直接接続自動ライブラリ全体の監査

完全監査では、各カートリッジをドライブにロードし、ラベルを読み取り、ライブラリカタログを更新します。ライブラリの監査は、次のような状況で行います。

  • Oracle HSM コマンドを使用しないで、自動ライブラリ内でカートリッジを移動したあと

  • ライブラリカタログが信頼できない可能性があるとき (たとえば、停電後)

  • メールボックスのない自動ライブラリにおいてカートリッジの追加、削除、または移動を行なったとき。

完全監査を実行するには、コマンド samcmd audit library-equipment-number を使用します。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがライブラリに割り当てる装置の順序番号です。

完全監査は、メディアを含むスロットの数によって時間がかかる場合があります。

次の例では、テープライブラリ 800 を監査します。

root@solaris:~# audit 800
root@solaris:~# 

カタログからのメディアエラーのクリア

リムーバブルメディアカートリッジの使用で問題が発生すると、Oracle HSM は対応するカタログエントリ上でエラーフラグを設定します。メディアが摩耗している、損傷している、またはクリーニングメディアのケースが期限切れである可能性があります。このような場合は、メディアを再使用しないようにしてください。ただし、メディアへのアクセスに関する問題はドライブの障害によっても生じることがあり、その場合メディアは支障なく再利用できます。後者の場合、カートリッジのエラーフラグをクリアする必要があります。

エラーフラグをクリアする前に、必ず問題の本質を把握してください。エラーフラグは Oracle HSM の操作とデータのセキュリティーに不可欠です。実際にカートリッジに障害がある場合、このフラグをクリアすることはできません。

確信がある場合、エラーをクリアしてカートリッジの使用を試みることができます。次のように進めます。

  1. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. リムーバブルメディアボリュームのステータスを確認します。コマンド samcmd r を使用します。

    この例では、samcmd r コマンドにより、ドライブ 801 が LTO (li) ボリューム VOL004 にエラーフラグを設定したことを示しています。

    root@solaris:~# samcmd r
    Removable media status: all          samcmd 5.4        17:40:11 Mar 13 2014
    ty   eq  status      act  use  state   vsn
    li  801 -E-------r     0   0%  notrdy  VOL004  MEDIA ERROR
            MEDIA ERROR
    li  802  ---------p    0   0%  notrdy
            empty
    li  803  ---------p    0   0%  notrdy
            empty
    li  804  ---------p    0   0%  notrdy
            empty 
    root@solaris:~# 
    
  3. エラーフラグを設定したドライブが疑わしい場合には、カートリッジをアンロードし、エラーフラグをクリアします。コマンド samcmd unload drive-number を使用します。ここで drive-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイル内でドライブに指定された装置の順序番号です。

    次の例では、ドライブ 801 をアンロードします。

    root@solaris:~# samcmd unload 801
    
  4. 指定したボリュームシリアル番号およびメディアタイプのメディアエラーフラグをクリアするには、コマンド chmed -E media-type.volume-serial-number を使用します。ここで mediatype は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つで、volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。

    次の例では、LTO (li) ボリューム VOL004 上でエラーフラグをクリアします。

    root@solaris:~# chmed -E li.VOL004
       3:0 li VOL004     Ail---b-----    2.3T    2.3T    0          0 800 4  0 //
    root@solaris:~# 
    
  5. 指定されたライブラリスロットにあるカートリッジのメディアエラーフラグをクリアするには、コマンド chmed -E library-equipment-number:slot[:disk-side] を使用します。ここで、library-equipment-number/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルが自動テープライブラリに割り当てる装置の順序番号で、slot はターゲットボリュームがあるライブラリ内のスロットアドレスで、オプションの disk-side 値 (1 または 2) は両面光磁気ディスクのいずれかの面を指定します。

    次の例では、ライブラリ 800 のスロット 31 内にあるカートリッジのエラーフラグをクリアします。

    root@solaris:~# chmed -E 800:31
    
  6. ライブラリカタログを更新して、変更を反映します。コマンド auditslot -e library-equipment-number:slot[:disk-side] を使用します。

    次の例では、ライブラリ 800 のスロット 31 を監査して、カタログを更新します。

    root@solaris:~# auditslot -e 800:31
    root@solaris:~# 
    
  7. 別のドライブにカートリッジをマウントして、エラーが再発するかどうかを確認します。コマンド samcmd load media-type.volume-serial-number を使用します。ここで mediatype は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つで、volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。

    root@solaris:~# samcmd load li.VOL004
    root@solaris:~# 
    
  8. リムーバブルメディアボリュームのステータスを再度確認します。コマンド samcmd r を使用します。

    root@solaris:~# samcmd r
    Removable media status: all          samcmd 5.4         17:42:10 Mar 13 2014
    ty   eq  status      act  use  state  vsn
    li  801  ---------p    0   0%  notrdy  
            empty
    li  802  --l------r    0   0%  ready   VOL004
            idle
    li  803  ---------p    0   0%  notrdy
            empty
    li  804  ---------p    0   0%  notrdy
            empty 
    root@solaris:~# 
    
  9. 新しいドライブでエラーが再発しない場合、カートリッジはおそらく正常です。

  10. エラーが再発する場合、リムーバブルメディアボリュームを廃棄することを検討してください。

  11. ここで停止します。

ヒストリアンカタログの管理

Oracle Hierarchical Storage Manager ヒストリアンは、カタログを持つが装置は持たない疑似ライブラリです。ヒストリアンは、Oracle HSM によって直接制御されなくなったボリュームをカタログします。そのため、ライブラリからエクスポートされてサイト外でのストレージのために送信されたボリュームや、スタンドアロンドライブに手動でロードされたボリュームのレコードを保持します。ライブラリからボリュームをエクスポートすると、Oracle HSM はヒストリアンカタログを自動的に更新します。ただし、レコードを追加または削除して、メモを添付することによって、手動での記録の保持にヒストリアンを使用することもできます。通常、ヒストリアンとの対話は、物理メディアライブラリとの対話と同程度です。

このセクションでは、次のタスクの概要について説明します。

ヒストリアンカタログの表示

ヒストリアンカタログは、物理ライブラリとまったく同じように表示されます。コマンド samcmd v historian-equipment-number を使用します。ここで historian-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがヒストリアンに割り当てる装置の順序番号です。

次の例では、装置の順序番号が 900 のヒストリアンのカタログを表示します。

root@solaris:~# samcmd v 900
Robot catalog samcmd     5.4    16:45:25 Mar 14 2014
samcmd on samqfshost                         count 32
Robot VSN catalog by slot       : eq 900
slot          access time count use  flags         ty vsn
   0     2014/03/14 11:23  875   0%  -il-o-b-----  li EXT001 
   1     2014/03/13 17:54  866   0%  -il-o-b-----  li EXT002 
ヒストリアンカタログへのエントリの追加

ヒストリアンカタログにエントリを追加するには、次の手順を実行します。

  1. 指定したボリュームシリアル番号のヒストリアンカタログにエントリを追加するには、コマンド samimport -v volume-serial-number -m mediatype historian-equipment-number を使用します。ここでは:

    • volume-serial-number は、カタログ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。

    • mediatype は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つです。

    • historian-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがヒストリアンに割り当てる装置の順序番号です。

    次の例では、LTO (li) ボリューム EXT003 のレコードをヒストリアン 900 のカタログに追加します。

    root@solaris:~# samimport -v EXT003 -m li 900
    ]
    
  2. 指定したバーコードのヒストリアンカタログにエントリを追加するには、コマンド samimport -b barcode -m mediatype historian-equipment-number を使用します。ここで barcode は、対応する物理カートリッジに付けられたバーコードです。

    次の例では、バーコード EXT003L4 が付いた LTO (li) ボリュームのレコードをヒストリアン 900 のカタログに追加します。

    root@solaris:~# samimport -b EXT003L4 -m li 900
    
  3. ここで停止します。

ヒストリアンカタログからのエントリの削除

ヒストリアンカタログからエントリを削除するには、コマンド samexport historian-equipment-number:slot を使用します。ここで historian-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがヒストリアンに割り当てる装置の順序番号で、slot は、レコードのヒストリアンスロットアドレスです。

次の例では、ヒストリアン 900 のカタログのスロット 1 内にあるボリューム EXT002 のレコードを削除します。

root@solaris:~# samcmd v 900
Robot catalog samcmd     5.4    16:45:25 Mar 14 2014
samcmd on samqfshost                         count 32
Robot VSN catalog by slot       : eq 900
slot          access time count use  flags         ty vsn
   0     2014/03/14 11:23  875   0%  -il-o-b-----  li EXT001 
   1     2014/03/13 17:54  866   0%  -il-o-b-----  li EXT002 
   2     2014/03/13 17:57  866   0%  -il-o-b-----  li EXT003 
root@solaris:~# samexport 900:1
ヒストリアン情報の更新

ヒストリアンカタログエントリの情報フィールドを更新して、エクスポートされるボリュームの処理またはステータスに対する変更を示すことができます。コマンド chmed -I "note" identifier を使用します。ここで note は最大 128 文字の文字列で、identifier は次のいずれかです。

  • mediatype.volume-serial-number。ここで mediatype は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つで、volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。または、次のコマンドを使用します

  • library-equipment-number:slot。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルが自動テープライブラリに割り当てる装置の順序番号で、slot は、カートリッジがあるライブラリ内のスロットアドレスです。

次の例では、LTO (li) カートリッジ VOL06E がボールトから回収され、正常に検証されて、ボールトに返されたことを示します。

root@solaris:~# chmed -I "validated and revaulted 20150310" li.VOL06A

ドライブをライブラリに取り付ける順序の判別

自動ライブラリに複数のドライブが含まれている場合は、mcf ファイル内のドライブの順序が、ライブラリコントローラに表示されるドライブの順序と同じである必要があります。この順序は、ホストで表示され、ホストの /var/adm/messages ファイルで報告されるデバイスの順序とは異なる場合があります。そのため、Oracle Hierarchical Storage Manager メタデータサーバーとデータムーバーホストの構成、ライブラリの変更、またはライブラリの構成の変更を行うときは常に、次に一覧表示するタスクを実行してドライブの順序を確認するべきです。

ライブラリと Solaris ホストのドライブ情報の収集

  1. ライブラリのドキュメントを参照してください。ドライブとターゲットの識別方法を確認してください。ローカルオペレータパネルがある場合、これを使用してドライブの順序を判別する方法を参照してください。

  2. ライブラリにローカルオペレータパネルがマウントされている場合、これを使用して、ドライブをコントローラに接続する順序を判別します。各ドライブの SCSI ターゲット ID または World Wide Name を判別します。

  3. Solaris ホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  4. /dev/rmt/ 内に Solaris 論理デバイス名を一覧表示して、出力をテキストファイルにリダイレクトします。

    次の例では、/dev/rmt/ のリストを root ユーザーのホームディレクトリ内のファイル device-mappings.txt にリダイレクトします。

    root@solaris:~# ls -l /dev/rmt/ > /root/device-mappings.txt 
    
  5. 次に、使用している装置 (直接接続テープライブラリまたは ACSLS 接続ライブラリ) に固有の手順を使用して、ドライブを Solaris デバイス名にマップします。

直接接続ライブラリ内のドライブを Solaris デバイス名にマップ

/dev/rmt/ 内に一覧表示されている Solaris 論理ドライブ名ごと、およびライブラリが Oracle HSM サーバーホストに割り当てるドライブごとに、次の手順を実行します。

  1. まだ Oracle HSM Solaris ホストにログインしていない場合、root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. ドライブが使用されないように、実行中のすべてのアーカイブ処理を停止します。アーカイブおよびステージングプロセスのアイドル状態および アーカイブおよびステージングプロセスの停止を参照してください。

  3. テキストエディタで、ライブラリと Solaris ホストのドライブ情報の収集の手順で作成したデバイスマッピングファイルを開きます。単純な表にファイルを整理して、変更内容を保存します。

    後続の手順でこの情報を参照する必要があります。次の例では、vi エディタを使用して、権限、所有権、日付属性を /dev/rmt/ リストから削除して、ライブラリデバイス情報の見出しと領域を追加しました。

    root@solaris:~# vi /root/device-mappings.txt 
    LIBRARY SOLARIS          SOLARIS 
    DEVICE  LOGICAL          PHYSICAL
    NUMBER  DEVICE           DEVICE
    ------- -------------    -----------------------------------------------------
            /dev/rmt/0cbn -> ../../devices/pci@8.../st@w500104f00093c438,0:cbn
            /dev/rmt/1cbn -> ../../devices/pci@8.../st@w500104f0008120fe,0:cbn
            /dev/rmt/2cbn -> ../../devices/pci@8.../st@w500104f000c086e1,0:cbn
            /dev/rmt/3cbn -> ../../devices/pci@8.../st@w500104f000b6d98d,0:cbn
    :w
    
  4. ライブラリで、すべてのドライブが空になっていることを確認します。

  5. Solaris 論理デバイス名にまだマップしていないライブラリ内の最初のドライブにテープをロードします。

    次の例のために、LTO4 テープを HP Ultrium LTO4 テープドライブにロードします。

  6. ドライブをテープライブラリにマップする場合は、テープをマウントするドライブに対応する、Solaris /dev/rmt/ エントリを識別します。ドライブを特定するまで、コマンド mt -f /dev/rmt/number status を実行します。ここで number は、/dev/rmt/ 内のドライブを識別します。

    次の例では、/dev/rmt/0 にあるドライブは空ですが、/dev/rmt/1 にあるドライブにはテープが保持されています。そのため、ライブラリがドライブ 1 として識別するドライブは、Solaris /dev/rmt/1 に対応します。

    root@solaris:~# mt -f /dev/rmt/0 status
    /dev/rmt/0: no tape loaded or drive offline
    root@solaris:~# mt -f /dev/rmt/1 status
    HP Ultrium LTO 4 tape drive:
       sense key(0x0)= No Additional Sense   residual= 0   retries= 0
       file no= 0   block no= 3
    
  7. 前の手順で作成したデバイスマッピングファイルで、テープが保持されている Solaris デバイスのエントリを見つけて、表示されるスペースにライブラリのデバイス ID を入力します。次に、ファイルを保存します。

    次の例では、/dev/rmt/1 の行の LIBRARY DEVICE NUMBER フィールドに 1 を入力します。

    root@solaris:~# vi /root/device-mappings.txt 
    LIBRARY SOLARIS          SOLARIS 
    DEVICE  LOGICAL          PHYSICAL
    NUMBER  DEVICE           DEVICE
    ------- -------------    -----------------------------------------------------
            /dev/rmt/0cbn -> ../../devices/pci@8.../st@w500104f00093c438,0:cbn
       1    /dev/rmt/1cbn -> ../../devices/pci@8.../st@w500104f0008120fe,0:cbn
            /dev/rmt/2cbn -> ../../devices/pci@8.../st@w500104f000c086e1,0:cbn
            /dev/rmt/3cbn -> ../../devices/pci@8.../st@w500104f000b6d98d,0:cbn
    :w
    
  8. テープをアンロードします。

  9. すべてのデバイスを Solaris 論理デバイス名にマップするエントリがデバイスマッピングファイルに保持されるまで、この手順を繰り返します。その後、ファイルを保存してエディタを閉じます。

    root@solaris:~# vi /root/device-mappings.txt 
    LIBRARY SOLARIS          SOLARIS 
    DEVICE  LOGICAL          PHYSICAL
    NUMBER  DEVICE           DEVICE
    ------- -------------    -----------------------------------------------------
       2    /dev/rmt/0cbn -> ../../devices/pci@8.../st@w500104f00093c438,0:cbn
       1    /dev/rmt/1cbn -> ../../devices/pci@8.../st@w500104f0008120fe,0:cbn
       3    /dev/rmt/2cbn -> ../../devices/pci@8.../st@w500104f000c086e1,0:cbn
       4    /dev/rmt/3cbn -> ../../devices/pci@8.../st@w500104f000b6d98d,0:cbn
    :wq
    root@solaris:~# 
    
  10. ここで停止します。マッピングファイルをあとで使用するために保持します。

ACSLS 接続ライブラリ内のドライブを Solaris デバイス名にマップ

  1. まだ Oracle HSM Solaris ホストにログインしていない場合、root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. ドライブが使用されないように、実行中のすべてのアーカイブ処理を停止します。アーカイブおよびステージングプロセスのアイドル状態および アーカイブおよびステージングプロセスの停止を参照してください。

  3. テキストエディタで、ライブラリと Solaris ホストのドライブ情報の収集の手順で作成したデバイスマッピングファイルを開きます。単純な表にファイルを整理します。

    後続の手順でこの情報を参照する必要があります。次の例では、vi エディタを使用して、権限、所有権、日付属性を /dev/rmt/ リストから削除して、ライブラリデバイス情報の見出しと領域を追加します。

    root@solaris:~# vi /root/device-mappings.txt 
    SOLARIS LOGICAL DEVICE  DEVICE SERIAL NUMBER  ACSLS DEVICE ADDRESS
    ----------------------  --------------------  --------------------------------
    /dev/rmt/0  
    /dev/rmt/1  
    /dev/rmt/2  
    /dev/rmt/3  
    
  4. /dev/rmt/ に一覧表示されている論理デバイス名ごとに、コマンド luxadm display /dev/rmt/number を使用してシリアル番号を表示します。ここで number は、/dev/rmt/ 内のドライブを識別します。

    次の例では、デバイス /dev/rmt/0 のシリアル番号 HU92K00200 を取得します。

    root@solaris:~# luxadm display /dev/rmt/0
    DEVICE PROPERTIES for tape: /dev/rmt/0
    Vendor: HP
    Product ID: Ultrium 4-SCSI
    Revision: G25W
    Serial Num: HU92K00200
    ...
    Path status: Ready
    root@solaris:~# 
    
  5. 次に、テキストエディタを使用して、device-mappings.txt ファイルの対応する行に各デバイスのシリアル番号を入力します。

    次の例では、デバイス /dev/rmt/0 のシリアル番号を vi エディタを使用して device-mappings.txt ファイルに記録します。

    root@solaris:~# vi /root/device-mappings.txt 
    SOLARIS LOGICAL DEVICE  DEVICE SERIAL NUMBER  ACSLS DEVICE ADDRESS
    ----------------------  --------------------  --------------------------------
    /dev/rmt/0              HU92K00200
    /dev/rmt/1  
    /dev/rmt/2  
    /dev/rmt/3  
    
  6. /dev/rmt/ にマップされているデバイスのシリアル番号ごとに、対応する ACSLS ドライブアドレスを取得します。ACSLS コマンド display drive * -f serial_num を使用します。

    次の例では、デバイス HU92K00200 (/dev/rmt/0)、HU92K00208 (/dev/rmt/1)、HU92K00339 (/dev/rmt/2)、HU92K00289 (/dev/rmt/3) の ACSLS アドレスを取得します。

     ACSSA> display drive * -f serial_num
     2014-03-29 10:49:12 Display Drive
     Acs Lsm Panel Drive Serial_num
     0   2   10    16    331002031352
     0   2   10    17    HU92K00200
     0   2   10    18    HU92K00208
     0   3   10    10    HU92K00339
     0   3   10    11    HU92K00189
     0   3   10    12    HU92K00289
    root@solaris:~# 
    
  7. テキストエディタを使用して、device-mappings.txt ファイルの対応する行に各シリアル番号に対する ACSLS アドレスを入力します。ファイルを保存して、エディタを閉じます。

    次の例では、vi エディタを使用して device-mappings.txt ファイルに情報を記録します。

    root@solaris:~# vi /root/device-mappings.txt 
    SOLARIS LOGICAL DEVICE DEVICE SERIAL NUMBER ACSLS DEVICE ADDRESS
    ---------------------- -------------------- ---------------------------------
    /dev/rmt/0             HU92K00200           (acs=0, lsm=2, panel=10, drive=17)
    /dev/rmt/1             HU92K00208           (acs=0, lsm=2, panel=10, drive=18)
    /dev/rmt/2             HU92K00339           (acs=0, lsm=2, panel=10, drive=10)
    /dev/rmt/3             HU92K00289           (acs=0, lsm=2, panel=10, drive=12)
    :wq
    root@solaris:~# 
    
  8. ここで停止します。マッピングファイルをあとで使用するために保持します。

ドライブの管理

次のものを含む、さまざまなドライブ管理タスクを Oracle HSM インタフェースから処理できます。

ドライブのロードおよびアンロード

リムーバブルメディアが自動ライブラリ内に保管されているときは、ファイルシステムのアーカイブ処理とステージング処理プロセスによって、必要に応じてカートリッジがドライブに自動的にロードされます。ただし、リムーバブルメディアファイルの管理、Oracle HSM 構成のバックアップ、またはファイルシステムの回復時に、要求に応じてカートリッジをロードすることもできます。このセクションでは、次のトピックを扱います。

自動ライブラリに取り付けられたドライブのロードおよびアンロード

指定したライブラリ位置からのドライブのロード

コマンド samcmd load library-equipment-number:slot[:disk-side] を使用します。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルが自動テープライブラリに割り当てる装置の順序番号で、slot は、ターゲットボリュームがあるライブラリ内のスロットアドレスで、オプションの disk-side 値 (1 または 2 のいずれか) は、両面光磁気ディスクのいずれかのサイドを指定します。

カートリッジは、ライブラリ内で次に利用可能なドライブにロードされます。次の例では、ライブラリ 800 のスロット 11 内にある磁気テープカートリッジをロードします。

root@solaris:~# samcmd load 800:11
指定したメディアタイプおよびボリュームシリアル番号のドライブのロード

コマンド samcmd load mediatype.volume-serial-number を使用します。ここで mediatype は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つで、volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。

カートリッジは、ライブラリ内で次に利用可能なドライブにロードされます。次の例では、LTO (li) テープカートリッジ VOL109 をロードします。

root@solaris:~# samcmd load li.VOL109
ライブラリで指定したドライブのアンロード

コマンド samcmd unload drive-equipment-number を使用します。ここで drive-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがドライブに割り当てる装置の順序番号です。

ドライブが unavail の場合でもカートリッジはアンロードされます。次の例では、ドライブ 801 をアンロードします。

root@solaris:~# samcmd unload 801]

スタンドアロンドライブの手動でのロードおよびアンロード

Oracle HSM software は、スタンドアロンのリムーバブルメディアドライブを、独自のカタログを持つ小さい単一スロットのライブラリと同様に扱います。

スタンドアロンドライブへのカートリッジのロード

スタンドアロンドライブをロードするには、製造元の指示に従ってカートリッジをドライブに入れます。Oracle HSM システムは、カートリッジがロードされたことを認識し、ラベルを読み取り、ドライブのカタログを更新します。

スタンドアロンドライブからのカートリッジのアンロード

スタンドアロンドライブをアンロードするには、次の手順を実行します。

  1. ドライブをアイドル状態にします。コマンド samcmd idle drive-equipment-number を使用します。ここで drive-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがドライブに割り当てる装置の順序番号です。

    ドライブがアイドル状態になると、Oracle HSM ソフトウェアは、ドライブを使用する現在のアーカイブ処理プロセスをすべて終了しますが、新しいプロセスは開始しません。

    root@solaris:~# samcmd idle 801
    
  2. Oracle HSM がドライブを終了して off にするまで待ちます。

    ドライブのステータスを確認するには、コマンド samcmd r を使用します。

  3. ベンダーの指示に従ってカートリッジを削除します。

  4. ここで停止します。

ボリュームを手動でロードする必要があるときにオペレータに通知

スタンドアロンドライブを使用する場合、またはボールトや、ライブラリの外部にあるほかの場所に必要なカートリッジを保管する場合、オペレータが非常駐カートリッジをロードする必要があるときに、Oracle HSM software は指定したアドレスに電子メールを送信できます。この機能を有効にするには、次の手順に従います。

ロード通知の有効化
  1. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. ファイル load_notify.sh をディレクトリ /opt/SUNWsamfs/examples/ からディレクトリ /etc/opt/SUNWsamfs/scripts/ にコピーします。

    次のコマンドは 1 行で入力し、改行はバックスラッシュ文字でエスケープします。

    root@solaris:~# cp /opt/SUNWsamfs/examples/load_notify.sh \
    /etc/opt/SUNWsamfs/scripts/
    root@solaris:~# 
    
  3. ファイル /etc/opt/SUNWsamfs/defaults.conf をテキストエディタで開きます。ディレクティブ exported_media を検索します。必要に応じて行のコメントを解除するか行を追加して、値を exported_media=available に設定します。

    この例では、vi エディタを使用します。

    root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/defaults.conf
    # These are the defaults. 
    ...  
    exported_media=available
    
  4. ファイル /etc/opt/SUNWsamfs/defaults.conf で、ディレクティブ attended を検索します。必要に応じて、行のコメントを解除するか行を追加します。値を attended=yes に設定します。ファイルを保存して、エディタを閉じます。

    root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/defaults.conf
    # These are the defaults. ...  
    # These are the defaults. ...  
    exported_media=available
    attended=yes
    :wq
    root@solaris:~# 
    
  5. ファイル /etc/opt/SUNWsamfs/scripts/load_notify.sh をテキストエディタで開きます。通知の電子メールのデフォルトの受信者である root を検索します。

    root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/scripts/load_notify.sh
    #       Notify operator to load volume.
    ...
    # Change the email address on the following line to send email to
    # the appropriate recipient.
    /bin/ppriv -s I=basic -e /usr/bin/mailx -s "SAM-FS needs VSN $5" root <<EOF
    ...
    
  6. ファイル /etc/opt/SUNWsamfs/scripts/load_notify.sh で、通知の電子メールの受信者をデフォルトの root から、非常駐ボリュームの担当オペレータの電子メールアドレスに変更します。ファイルを保存して、エディタを閉じます。

    次の例では、受信者を tapetech に変更します。

    #       Notify operator to load volume.
    ...
    /bin/ppriv -s I=basic -e /usr/bin/mailx -s "SAM-FS needs VSN $5" tapetech <<EOF
    ...
    :wq
    root@solaris:~# 
    
  7. Oracle HSM ソフトウェアを再初期化します。sam-fsd コマンドを使用します。

    sam-fsd は、Oracle HSM 構成ファイルを読み取る初期化コマンドです。エラーを検出すると停止します。

    root@solaris:~# sam-fsd
    
  8. mcf ファイルを再度読み取り、それに従ってファイルシステムとハードウェアを再構成するよう Oracle HSM ソフトウェアに指示します。コマンド samd config を使用します。

    root@solaris:~# samd config
    
  9. ここで停止します。

テープドライブのクリーニング

最新の Oracle StorageTek T10000D および Linear Tape Open (LTO) テープドライブは、自己モニターして、必要に応じてクリーニングを要求します。Oracle Hierarchical Storage Manager software はこれらの要求を受け入れ、必要に応じてクリーニングカートリッジを自動的にロードします。そのため、ほとんどの場合、ライブラリに十分なクリーニングカートリッジが含まれていること、および Oracle HSM がこれらのカートリッジを見つけることができることのみを保証する必要があります。

ドライブが要求したクリーニングが実行できない場合は、手動でクリーニングを開始できます。ただし、ほとんどの製造元では、ドライブからの要求がないときの定期的なクリーニングは行わないよう強く推奨しています。クリーニングカートリッジは研磨式です。使いすぎるとドライブおよびメディアが損傷する可能性があります。そのため、注意して、製造元の推奨事項に従ってください。

このセクションの残りの部分では、次のタスクの手順について説明します。

十分なクリーニングカートリッジの提供

  1. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. 自動クリーニングを構成する計画がある場合 (推奨)、およびライブラリに複数のドライブがある場合、ライブラリ内のテープを一覧表示するファイルシステムカタログごとに必ず少なくとも 2 つのクリーニングカートリッジを用意してください。

    ドライブでクリーニングが必要なときにクリーニングカートリッジが使用不可な場合、クリーニングが完了するまで、Oracle HSM ソフトウェアはドライブ状態を down に設定します。

  3. ライブラリメールスロット (カートリッジアクセスポートとも呼ばれる) にクリーニングカートリッジを入れます。

  4. クリーニングカートリッジを自動ライブラリにインポートします。コマンド samimport library-equipment-number を使用します。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがライブラリに割り当てる装置の順序番号です。

    次の例では、クリーニングカートリッジをライブラリ 800 のメールスロットに入れて、ライブラリにインポートします。

    root@solaris:~# samimport 800
    
  5. クリーニングカートリッジラベルが CLEAN であるか、文字 CLN で始まる場合、ここで停止します。

    Oracle HSM ソフトウェアは、クリーニングカートリッジを認識して、メールボックスからストレージスロットに移動します。Oracle HSM は、ライブラリカタログを更新し、クリーニングメディアフラグを設定して、アクセス数をメディアタイプで推奨される最大クリーニング数に設定します (カートリッジを使用してドライブをクリーニングするたびに、この数は減ります)。

  6. カートリッジにラベルが付いていない場合、クリーニングメディアとしてのフラグを付けます。コマンド chmed +C library-equipment-number:slot を使用します。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがライブラリに割り当てる装置の順序番号で、slot は、ライブラリ内でのクリーニングカートリッジの場所です。

    次の例では、ライブラリ 800 のスロット 31 内のカートリッジで C (クリーニングメディア) フラグを設定します。

    root@solaris:~# chmed +C 800:31
    
  7. アクセス数を、メディアタイプ用に推奨されたクリーニングの最大数に設定します。コマンド chmed -count cleanings library-equipment-number:slot を使用します。ここでは:

    • cleanings は、製造元が推奨するカートリッジあたりのクリーニングの最大回数です。

    • library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがライブラリに割り当てる装置の順序番号です。

    • slot は、ライブラリ内のクリーニングカートリッジの場所です。

    カートリッジを使用してドライブをクリーニングするたびに、クリーニング数は減ります。次の例では、この数を、ライブラリ 800 で使用される LTO (タイプ li) クリーニングカートリッジで推奨される最大クリーニング数である 50 に設定します。

    root@solaris:~# chmed -count 50 800:31
    
  8. 次に、自動テープドライブクリーニングを有効にする (推奨) か、ここで停止します。

自動テープドライブクリーニングの有効化 (推奨)

  1. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. 使用を希望する自動クリーニング機能がライブラリに含まれている場合、ライブラリの製造元の推奨事項に従ってこの機能を構成します。ここで停止します。

    次に、ドライブがクリーニングを要求したときに、ライブラリは必要なクリーニングメディアを自動的に提供します。

  3. 使用を希望しない自動クリーニング機能がライブラリに含まれている場合、製造元の推奨事項に従ってこの機能を無効にします。

  4. テキストエディタでファイル /etc/opt/SUNWsamfs/defaults.conf を開き、Oracle HSM の自動クリーニングを有効にします。行 tapeclean = all autoclean on logsense on を追加します。その後、ファイルを保存してエディタを閉じます。

    この例では、vi エディタを使用します。

    root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/defaults.conf
    # These are the defaults. ...  
    #sef = all on once
    ...
    tapeclean = all autoclean on logsense on
    :wq
    root@solaris:~# 
    
  5. Oracle HSM ソフトウェアを再初期化します。sam-fsd コマンドを使用します。

    sam-fsd は、Oracle HSM 構成ファイルを読み取る初期化コマンドです。エラーを検出すると停止します。

    root@solaris:~# sam-fsd
    
  6. mcf ファイルを再度読み取り、それに従ってファイルシステムとハードウェアを再構成するよう Oracle HSM ソフトウェアに指示します。コマンド samd config を使用します。

    root@solaris:~# samd config
    
  7. ここで停止します。

テープドライブの手動によるクリーニング

  1. ドライブの製造元のガイドラインで手動によるクリーニングについて確認してから、続行してください。

    注意してください。過度に頻繁なクリーニングは、ドライブが破損する一般的な原因です。現在、多くの製造元が定期的またはスケジュールされたクリーニングをやめることを強く推奨しています。そのため、ドライブのクリーニングがいつ必要かを把握してください。

  2. ドライブでクリーニングが必要なことが示されているかどうかデバイスログをモニターします。drive-equipment-number ごとに 1 つのログがディレクトリー /var/opt/SUNWsamfs/devlog/ 内にあります。ここで drive-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがドライブに割り当てる装置の順序番号です。

  3. システムログファイル /var/adm/messages にデバイスエラーがないかモニターします。

  4. テープドライブをクリーニングします。コマンド cleandrive drive-equipment-number を使用します。

    次の例では、ドライブ 802 をクリーニングします。

    root@solaris:~# cleandrive 802
    
  5. ここで停止します。

暗号化機能のあるドライブの使用

暗号化機能のあるドライブにファイルをアーカイブする場合、アーカイブ操作の計画時に次の点を考慮してください。

  • 暗号化機能のあるドライブと暗号化機能のないドライブを、ライブラリ内に混在させないでください。

  • ドライブの暗号化機能を有効にすると、暗号化を無効にできなくなります。

  • 1 つのテープボリューム上に、暗号化したファイルと暗号化していないファイルを混在させないでください。

  • 暗号化機能が有効なドライブで、暗号化されていないデータを含むテープボリュームに暗号化されたファイルは追加できません。

  • 暗号化機能が有効なドライブで、暗号化されていないデータを読み取ることはできます。

詳細は、ドライブおよび暗号化鍵管理システムのドキュメントを参照してください。

ドライブの問題の処理

通常、ベンダーの推奨事項に従ってドライブの問題を処理します。ただし、ドライブの保守、トラブルシューティング、または修復を始める前に、次のタスクの一方または両方を実行する必要がある場合があります。

保守または修復のためにドライブをオフラインにする

  1. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. アーカイブおよびステージングプロセスのアイドル状態の説明に従って、アーカイブおよびステージングプロセスを休止します。

  3. アーカイブおよびステージングプロセスを停止し、ドライブをオフラインにします。アーカイブおよびステージングプロセスの停止の手順を使用します。

  4. ベンダー指定の保守、診断、または修復手順を実行します。

    たとえば、スタック状態のカートリッジの削除を試行する前に、必ずベンダーの推奨事項を確認してください。スタック状態のカートリッジを不適切に削除すると、カートリッジとドライブが破損する可能性があります。

  5. ドライブが再び操作可能になったら、ライブラリおよびドライブをオンラインにし、アーカイブおよびステージングプロセスを再開します。アーカイブおよびステージングプロセスの再起動の手順を使用します。

  6. ここで停止します。

ドライブの問題のあとでメディアをライブラリに戻す

ドライブにマウントされたメディアでドライブの問題が発生した場合、修復プロセスの一環としてメディアを手動で削除する必要が生じることがあります。これによって、カタログが不整合な状態になる可能性があります。そのため、次の適切な手順に従います。

自動監査を実行していないライブラリにメディアを戻す

修復後、ライブラリとドライブがオンラインに戻ったときに、自動監査を実行しないライブラリにメディアを戻す場合、次の手順を実行します。

  1. カートリッジをそのカートリッジのストレージスロットに手動で戻します。

    この場合、カタログは更新されず、ライブラリのコンテンツ間でカートリッジが一覧表示されたままになります。そのため、前に占有していたのと同じスロットにカートリッジを戻すことで不一致を修正します。

  2. スロットが再度占有されていることを示すために、Oracle HSM カタログを更新します。コマンド chmed library-equipment-number:slot を使用します。ここで slot は、ライブラリ内でのスロットのアドレスです。

    次の例では、ライブラリ 800 のスロット 42 のステータスを更新します。

    root@solaris:~# chmed +o 800:42
    root@solaris:~# 
    
  3. ここで停止します。

自動監査後のライブラリへのメディアの返却

修復後、ライブラリとドライブがオンラインに戻ったときに、ライブラリが自動監査を実行する場合、次の手順を実行します。

  1. カートリッジをライブラリメールスロットに入れます。

  2. カートリッジをライブラリにインポートします。コマンド samimport library-equipment-number を使用します。

    この場合、監査によってカタログが調整され、ライブラリ内のカートリッジは一覧表示されなくなります。そのため、カートリッジをインポートすると、ライブラリと Oracle HSM カタログの両方に追加されます。次の例では、カートリッジをライブラリ 800 のメールスロットに入れて、ライブラリにインポートしました。

    root@solaris:~# samimport 800
    
  3. ここで停止します。

リムーバブルメディアの管理

このセクションでは、次のトピックを扱います。

リムーバブルメディアのラベル付け

注意:

カートリッジのラベル付けまたは再ラベル付けを行うと、カートリッジのデータが永続的にアクセス不能になります。カートリッジに再ラベル付けするのは、カートリッジに保管されているデータが不要であることを確認した場合のみにしてください。

ラベル付けプロセスによって、記録メディアに識別情報が書き込まれ、使用のために初期化されます (詳細は、ANSI X3.27-1987 で情報交換のための磁気テープのファイル構造およびラベル付けについて参照してください)。

メディアのラベル付けが必要な場合には、次から適切な手順を選択します。

バーコードからのラベルの生成

カートリッジのバーコードから生成したボリュームシリアル番号 (VSN) の付いた、ラベルのない書き込み可能なカートリッジに自動的にラベルを付けるには、次の手順を実行します。

  1. すべてのバーコードが読み取り可能であることを確認します。

  2. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  3. /etc/opt/SUNWsamfs/defaults.conf ファイルをテキストエディタで開きます。

    この例では、ファイルの表示に vi エディタを使用します。

    root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/defaults.conf
    # These are the defaults. 
    ...
    
  4. 対応するバーコードの最初の 6 文字からボリュームシリアル番号 (VSN) を生成する必要がある場合、まず、Oracle HSM がデフォルト値である barcodes に設定されているかどうかを確認します。defaults.conf ファイルで、labels ディレクティブの行が存在する場合はこれを見つけます。labels ディレクティブが barcodes に設定されているか、コメントアウトされているか、ファイル内に存在しない場合は、Oracle HSM がデフォルト値である barcodes に設定されています。

    この例では、defaults.conf ファイルに行 #labels = barcodes が含まれます。

    root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/defaults.conf
    # These are the defaults. 
    ...
    #labels = barcodes
    root@solaris:~# 
    
  5. 対応するバーコードの最初の 6 文字からボリュームシリアル番号 (VSN) を生成する必要があり、Oracle HSM がデフォルト値に設定されている場合は、何も変更せずに defaults.conf ファイルを閉じます。ここで停止します。

    labels ディレクティブが barcodes に設定されている場合、ソフトウェアが自動的に、対応するバーコードの最初の 6 文字から必要なボリュームシリアル番号 (VSN) を生成します。この例では、Oracle HSM はデフォルト設定を使用しています。そのため、ファイルを保存せずに vi エディタを閉じます。

    root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/defaults.conf
    # These are the defaults. 
    ...
    #labels = barcodes
    :q
    root@solaris:~# 
    
  6. それ以外の場合で、対応するバーコードの最初の 6 文字からボリュームシリアル番号 (VSN) を生成する必要がある場合は、labels = barcodes を入力するか、デフォルト以外のディレクティブをコメントアウトするか、単にデフォルト以外のディレクティブを削除します。次に、ファイルを保存し、エディタを閉じます。

    この例では、ディレクティブがデフォルト値以外の barcodes_low に設定されています。そのため、このデフォルト以外の行をコメントアウトします。行 labels = barcodes を挿入します。修正したファイルを保存して、エディタを終了します。

    root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/defaults.conf
    # These are the defaults. 
    ...
    #labels = barcodes_low
    labels = barcodes
    :q
    root@solaris:~# 
    
  7. カートリッジのバーコードの最後の 6 文字からボリュームシリアル番号 (VSN) を生成する必要がある場合、labels パラメータの値を barcodes_low に設定します。ファイルを保存して、エディタを閉じます。

    この例では、行 labels = barcodes_low を挿入し、ファイルを保存し、エディタを閉じます。

    root@solaris:~# vi /etc/opt/SUNWsamfs/defaults.conf
    # These are the defaults. 
    ...
    labels = barcodes_low
    :wq
    root@solaris:~# 
    
  8. defaults.conf ファイルを編集した場合、sam-fsd コマンドを実行します。

    sam-fsd は、Oracle HSM 構成ファイルを読み取る初期化コマンドです。エラーを検出すると停止します。

    root@solaris:~# sam-fsd
    
  9. defaults.conf ファイルを編集した場合、mcf ファイルを再度読み取り、それに従って Oracle HSM software 自体を再構成するようにこのソフトウェアに指示します。コマンド samd config を使用します。

    [metadata-server]root@solaris:~# samd config
    
  10. ここで停止します。

新しいテープのラベル付けまたは既存のテープの再ラベル付け

注意:

カートリッジのラベル付けまたは再ラベル付けを行うと、カートリッジのデータが永続的にアクセス不能になります。カートリッジに再ラベル付けするのは、カートリッジに保管されているデータが不要であることを確認した場合のみにしてください。
  1. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. ドライブにすでにロードされている新しいテープにラベルを付けるには、コマンド tplabel -new volume-serial-number drive-equipment-number を使用します。ここでは:

    • volume-serial-number は必要とされるボリュームシリアル番号です。

    • drive-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがドライブに割り当てる装置の順序番号です。

    次の例では、ボリュームシリアル番号 VOL600 をドライブ 803 内の新しいテープカートリッジに割り当てます。

    root@solaris:~# tplabel -new -vsn VOL600 803
    root@solaris:~# 
    
  3. 自動メディアライブラリにある新しいテープにラベルを付けるには、コマンド tplabel -new volume-serial-number library-equipment-number:slot を使用します。ここでは:

    • volume-serial-number は必要とされるボリュームシリアル番号です。

    • library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがドライブに割り当てる装置の順序番号です。

    • slot は、ライブラリ内のカートリッジの場所です。

    次の例では、ボリュームシリアル番号 VOL601 をライブラリ 800 のスロット 19 内の新しいテープカートリッジに割り当てます。

    root@solaris:~# tplabel -new -vsn VOL601 800:19
    root@solaris:~# 
    
  4. ドライブにロードされているテープに再度ラベルを付けるには、コマンド tplabel -old old-volume-serial-number -new new-volume-serial-number drive-equipment-number を使用します。ここでは:

    • volume-serial-number は必要とされるボリュームシリアル番号です。

    • drive-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがドライブに割り当てる装置の順序番号です。

    この例では、ドライブ 804 内のテープカートリッジを再初期化し、古いボリュームシリアル番号 AZ0001 を新しいボリュームシリアル番号 VOL120 に置き換えます。

    root@solaris:~# tplabel -old AZ0001 -vsn VOL120 804
    root@solaris:~# 
    
  5. テープライブラリにあるテープに再度ラベルを付けるには、コマンド tplabel -old old-volume-serial-number -new new-volume-serial-number library-equipment-number:slot を使用します。ここでは:

    • volume-serial-number は必要とされるボリュームシリアル番号です。

    • library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがドライブに割り当てる装置の順序番号です。

    • slot は、ライブラリ内のカートリッジの場所です。

    必要に応じて、既存のボリュームシリアル番号を再利用できます。この例では、ライブラリ 800 のスロット 23 内のテープカートリッジに、既存のボリュームシリアル番号 VOL121 で再度ラベルを付けてこれを再初期化します。

    root@solaris:~# tplabel -old VOL601 -vsn VOL601 800:23
    root@solaris:~# 
    
  6. ここで停止します。

新しい光磁気ディスクのラベル付けまたは既存の光磁気ディスクの再ラベル付け

  1. ファイルシステムホストに root としてログインします。

    root@solaris:~# 
    
  2. ドライブにロードされた新しい光磁気カートリッジにラベルを付けるには、コマンド odlabel -new volume-serial-number drive-equipment-number[:side] を使用します。ここでは:

    • volume-serial-number は必要とされるボリュームシリアル番号です。

    • drive-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがドライブに割り当てる装置の順序番号です。

    • side (オプション) は両面ディスクの指定された面です。

    次の例では、ボリュームシリアル番号 OD1700 をドライブ 701 内の新しい片面光磁気カートリッジに割り当てます。

    root@solaris:~# odlabel -new -vsn OD1700 701
    root@solaris:~# 
    
  3. 自動メディアライブラリにある新しい光磁気カートリッジにラベルを付けるには、コマンド odlabel -new volume-serial-number library-equipment-number:slot[:side] を使用します。ここでは:

    • volume-serial-number は必要とされるボリュームシリアル番号です。

    • library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがドライブに割り当てる装置の順序番号です。

    • slot はライブラリ内のカートリッジの場所で、side (オプション) は両面ディスクの指定された面です。

    次の例では、ボリュームシリアル番号 OD1701 をライブラリ 700 のスロット 42 内にある新しい両面光磁気カートリッジのサイド 2 に割り当てます。

    root@solaris:~# odlabel -new -vsn OD1701 700:42:2
    root@solaris:~# 
    
  4. ドライブにロードされている光磁気カートリッジに再度ラベルを付けるには、コマンド odlabel -old old-volume-serial-number -new new-volume-serial-number drive-equipment-number[:side] を使用します。ここでは:

    • volume-serial-number は必要とされるボリュームシリアル番号です。

    • drive-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがドライブに割り当てる装置の順序番号です。

    • side (オプション) は両面ディスクの指定された面です。

    この例では、ドライブ 702 内の光磁気カートリッジを再初期化し、古いボリュームシリアル番号 OD1120 を新しいボリュームシリアル番号 OD1120 に置き換えます。

    root@solaris:~# odlabel -old OD0001 -vsn OD1120 702
    root@solaris:~# 
    
  5. 自動メディアライブラリにある既存の光磁気カートリッジに再度ラベルを付けるには、コマンド odlabel -old volume-serial-number library-equipment-number:slot[:side] を使用します。ここでは:

    • volume-serial-number は必要とされるボリュームシリアル番号です。

    • library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがライブラリに割り当てる装置の順序番号です。

    • side (オプション) は両面ディスクの指定された面です。

    必要に応じて、既存のボリュームシリアル番号を再利用できます。この例では、ライブラリ 700 のスロット 23 内の光磁気カートリッジに、既存のボリュームシリアル番号 OD1121 で再度ラベルを付けてこれを再初期化します。

    root@solaris:~# odlabel -old OD1121 -vsn OD1121 800:23
    root@solaris:~# 
    
  6. ここで停止します。

データの整合性の維持

Oracle Hierarchical Storage Manager ソフトウェアは、リムーバブルテープメディア上に格納されているデータファイルの整合性を維持するために、オンデマンドツールと自動ツールの両方を提供します。このセクションでは、次のトピックについて説明します。

Data Integrity Validation (DIV) 設定およびステータスの表示

このセクションでは、次のタスクを扱います。

DIV 設定の表示

Data Integrity Validation (DIV) 設定を表示するには、コマンド samcmd L を使用して、出力を Solaris grep コマンドおよび正規表現 div にパイプします。

次の例では、DIV は OFF です。

root@solaris:~# samcmd L | grep div
div             OFF
root@solaris:~# 
アーカイブファイルの書き込みステータス後の検証のモニター

アーカイブ処理中のアーカイブファイルの検証ステータスをモニターするには、samu インタフェースを使用します。コマンド samu -d a を使用します。

root@solaris:~# samu -d a 
Archiver status                         samu 5.4         22:22:31 Mar 4 2014
sam-archiverd: Archiving files
sam-arfind:  hsmfs1 mounted at /hsm/hsmfs1
Files waiting to start     12,576  schedule     26,695  archiving     13,120 
...
sam-arcopy: qfs.arset1.2.344 ti.TKC960
Verifying archive file at position 1175
デバイスの書き込みステータス後の検証のモニター

アーカイブ処理中のデバイスの検証ステータスをモニターするには、samu インタフェースを使用します。コマンド samu -d s を使用します。

root@solaris:~# samu -d s
Device status                        samu 5.4           22:27:53 Mar 4 2014
ty     eq state  device_name                     fs  status
sn    800 on     /dev/scsi/changer/c1t2d0        800 n--------r
ti    801 on     /dev/rmt/0cbn                   800 ---------p
...
hy    805 on     historian                       805 ----------
ti     91 on     /dev/rmt/4cbn                    90 -l----oVr
Verify averaging 240.9 MB/s

特定のテープボリュームの整合性のチェック

特定のテープボリュームのデータ整合性を検証する必要がある場合は、Oracle HSM tpverify コマンドを使用します。tpverify コマンドでは、Oracle T10000C/D、LTO、およびその他の一般的に使用されるメディアがサポートされます。T10000C/D メディアは、Oracle Data Integrity Validation を使用して検証されます。その他の形式は、幅広くサポートされる SCSI verify(6) コマンドを使用して検査されます。

次のセクションでは、tpverify のいくつかの使用方法の概要について説明します。構文およびオプションの詳細は、tpverify のマニュアルページを参照してください。

ライブラリ位置で指定されたテープ上のデータの検証

コマンド tpverify library-equipment-number:slot を使用します。ここで library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルが自動テープライブラリに割り当てる装置の順序番号で、slot は、ターゲットボリュームがあるライブラリ内のスロットアドレスです。

tpverify コマンドは、ライブラリメディアカタログを調べることで検証された最後のテープ位置を見つけます。次に、最初に使用可能なドライブにテープをロードし、デフォルトの方式 (T10000C/D メディアの場合は tpverify 標準方式、その他のメディアの場合は SCSI verify(6)) を使用して、最後に停止したポイントから検証を開始します。標準方式は、速度に合わせて最適化されており、Oracle HSM メディアの端、先頭、終わり、および最初の 1,000 ブロックを検証します。

次の例では、標準方式を使用して、ライブラリ 800 上のスロット 9 に保管されている T10000D テープを検証します。

root@solaris:~# tpverify 800:9
メディアタイプおよびボリュームシリアル番号で指定されたテープ上のデータの検証

コマンド tpverify mediatype.volume-serial-number を使用します。ここで mediatype は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つで、volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。

tpverify コマンドは、ライブラリメディアカタログを調べることで検証された最後のテープ位置を見つけます。次に、最初に使用可能なドライブにテープをロードし、デフォルトの方式 (T10000C/D メディアの場合は tpverify 標準方式、その他のメディアの場合は SCSI verify(6)) を使用して、最後に停止したポイントから検証を開始します。

次の例では、SCSI verify(6) コマンドを使用して LTO (li) ボリューム VOL006 を検証します。

root@solaris:~# tpverify li.VOL006
指定したドライブを使用したテープ上のデータの検証

コマンド tpverify library-equipment-number:slot device-equipment-number を使用します。ここでは:

  • library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルが自動テープライブラリに割り当てる装置の順序番号です。

  • slot は、ターゲットボリュームがあるライブラリ内のスロットアドレスです。

  • device-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルがドライブに割り当てる装置の順序番号です。

次の例では、ドライブ 803 を使用してライブラリ 800 上のスロット 17 に保管されている T10000D テープを検証します。

root@solaris:~# tpverify 800:17 803
テープの先頭からデータの検証を再開

コマンド tpverify -a library-equipment-number:slot または tpverify -a mediatype.volume-serial-number を使用します。ここでは:

  • library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルが自動テープライブラリに割り当てる装置の順序番号です。

  • slot は、ターゲットボリュームがあるライブラリ内のスロットアドレスです。

  • mediatype は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つです。

  • volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。

-a オプションは、デフォルトの動作をオーバーライドし、メディアの先頭から検証を開始して、メディアカタログ内に記録された位置は無視します。

次の例では、テープの先頭から LTO (li) ボリューム VOL016 を検証します。

root@solaris:~# tpverify -a li.VOL016
T10000C/D テープ上にあるすべてのブロックの ECC の検証

コマンド tpverify -C library-equipment-number:slot または tpverify -C mediatype.volume-serial-number を使用します。ここでは:

  • library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルが自動テープライブラリに割り当てる装置の順序番号です。

  • slot は、ターゲットボリュームがあるライブラリ内のスロットアドレスです。

  • mediatype は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つです。

  • volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。

tpverify コマンドは、ライブラリメディアカタログを調べることで検証された最後のテープ位置を見つけます。次に、-C オプションで指定された完全方式を使用して、最後に停止したポイントから検証を開始します。完全方式は標準方式よりも完全ですが、大幅に遅くなる可能性があります。メディア上のすべてのブロックでエラー訂正コード (ECC) を検査します。

次の例では、完全方式を使用して T10000D (ti) ボリューム VOL516 を検証します。

root@solaris:~# tpverify -C ti.VOL516
T10000C/D テープ上にあるすべてのブロックの ECC および DIV チェックサムの検証

コマンド tpverify -P library-equipment-number:slot または tpverify -P mediatype.volume-serial-number を使用します。ここでは:

  • library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルが自動テープライブラリに割り当てる装置の順序番号です。

  • slot は、ターゲットボリュームがあるライブラリ内のスロットアドレスです。

  • mediatype は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つです。

  • volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。

tpverify コマンドは、ライブラリメディアカタログを調べることで検証された最後のテープ位置を見つけます。次に、-P オプションで指定された完全プラス方式を使用して、最後に停止したポイントから検証を開始します。完全プラス方式はきわめて完全ですが、ほかの方法よりも処理速度が遅くなります。これは、メディア上のすべてのブロックでエラー訂正コード (ECC) および Data Integrity Validation チェックサムを確認します。

次の例では、完全プラス方式を使用して T10000D (ti) ボリューム VOL521 を検証します。

root@solaris:~# tpverify -P ti.VOL521
T10000C/D テープのメディア情報領域 (MIR) の再構築

コマンド tpverify -M library-equipment-number:slot または tpverify -M mediatype.volume-serial-number を使用します。ここでは:

  • library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルが自動テープライブラリに割り当てる装置の順序番号です。

  • slot は、ターゲットボリュームがあるライブラリ内のスロットアドレスです。

  • mediatype は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つです。

  • volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。

テープがメディアカタログで不良とマークされている場合でも、tpverify コマンドは、Oracle StorageTek テープカートリッジで欠落または破損しているメディア情報領域 (MIR) を再構築します。再構築は、MIR の破損が検出された際に自動的に指定されます。

次の例では、MIR 再構築方式を使用して T10000D (ti) ボリューム VOL523 を検証します。

root@solaris:~# tpverify -M ti.VOL523
指定したテープのデータ検証のキャンセル

コマンド tpverify -c library-equipment-number:slot または tpverify -c mediatype.volume-serial-number を使用します。ここでは:

  • library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルが自動テープライブラリに割り当てる装置の順序番号です。

  • slot は、ターゲットボリュームがあるライブラリ内のスロットアドレスです。

  • mediatype は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つです。

  • volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。

tpverify -c コマンドは、現在の検証操作をキャンセルして、テープで最後に検証した位置をメディアカタログに記録します。そのため、検証ジョブを停止して、ドライブまたはボリュームをアーカイブ処理またはステージング処理のために解放し、あとで同じポイントで検証を再開できます。

次の例では、T10000D (ti) ボリューム VOL533 の検証をキャンセルします。

root@solaris:~# tpverify -c ti.VOL523
テープの DIV ステータスおよび検証の進行状況の表示

コマンド itemize -2 library-equipment-number を使用します。library-equipment-number は、/etc/opt/SUNWsamfs/mcf ファイルが自動テープライブラリに割り当てる装置の順序番号です。

itemize -2 コマンドは、指定されたライブラリでメディアをカタログし、各ボリュームの DIV ステータスと検証の進行状況を一覧表示します。

次の例では、装置の順序番号が 800 のライブラリ内のボリュームの検証ステータスを表示します。lvtime (最後に検証された時間) フィールドには、tpverify がテープの完全な検証を最後に完了した時間が表示されます。divstatus フィールド値は、テープが DIV 対応であることを示すのに対し、値 none は対応していないことを示します。lvpos (最後に検証された位置) フィールドは、tpverify が最後にキャンセルされた場所および次の実行時に開始する場所を示します。

root@solaris:~# itemize -2 800
Robot VSN catalog: eq: 800       count: 60
slot    access_time  count  use  ty vsn
        lvtime      status          lvpos
   0    Apr  2 16:34     6   0%  ti VOL519
        Apr  2 09:23   div          0
   1    Apr  2 16:17    28  29%  ti VOL510
        Apr  2 16:17   div          0x9bb9
   2    none             0   0%  ti VOL511
        none          none          0
  ...
root@solaris:~# 

自動整合性検証のモニタリング

定期的なメディア検証は、tpverify コマンドの自動化された形式です。このセクションでは、場合によっては必要になることがある保守タスクの手順について説明します。これらのタスクには次が含まれます。

定期的なメディア検証を構成する手順については、お客様向けドキュメントライブラリ (http://docs.oracle.com/en/storage/#sw) の『Oracle Hierarchical Storage Manager and StorageTek QFS インストールおよび構成ガイド』を参照してください。

verifyd.cmd 構成ファイルの表示および検証

任意の時点で verifyd.cmd ファイルを表示するには、または編集後にファイルを検証するには、コマンド tpverify -x を使用します。

tpverify -x コマンドは、/etc/opt/SUNWsamfs/verifyd.cmd ファイルを検査して、エラーを呼び出すかファイルの内容を表示します。

root@solaris:~# tpverify -x
Reading '/etc/opt/SUNWsamfs/verifyd.cmd'.
PMV: off
     Run-time:
     Start Time: 2200
End Time: 0500
PMV Scan: all
PMV Method: Standard
STA Scan: off
Action: none
PMV VSNs: all
PMV Policy:
     Last Verified Age: 6m
root@solaris:~# 
verifyd.cmd 構成ファイルのリロード

検証プロセスを停止せずに verifyd.cmd ファイルをリロードするには、コマンド tpverify -r を使用します。

root@solaris:~# tpverify -r
root@solaris:~# 
定期的なメディア検証のテープの不具合データベースに一覧表示されたすべての不具合の表示

定期的なメディア検証によって特定され、テープの不具合データベースに保管されたすべての不具合を一覧表示するには、コマンド tpverify -l を使用します。

次の例では、データベースに不具合はありません。

root@solaris:~# tpverify -l
No defects found.
root@solaris:~# 
特定のボリュームに対して一覧表示された不具合の表示

特定のボリュームで識別されたすべての不具合を一覧表示するには、コマンド tpverify -l mediatype.volume-serial-number を使用します。ここでは:

  • mediatype (オプション) は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つです。

  • volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。

次の例では、LTO (ti) ボリューム VOL514 用のデータベースに一覧表示された不具合はありません。

root@solaris:~# tpverify -l ti.VOL514
No defects found.
root@solaris:~# 
定期的なメディア検証のテープの不具合データベースに一覧表示された不具合のクリア

定期的なメディア検証によって特定されたすべての不具合をテープの不具合データベースから削除するには、コマンド tpverify -d を使用します。

特定のボリュームで一覧表示されたすべての不具合を削除するには、コマンド tpverify -d mediatype.volume-serial-number を使用します。ここでは:

  • mediatype (オプション) は、付録A に一覧表示されている 2 文字のメディアタイプコードの 1 つです。

  • volume-serial-number は、ライブラリ内のボリュームを一意に識別する英数字の文字列です。

root@solaris:~# tpverify -d
root@solaris:~# tpverify -d ti.VOL514
root@solaris:~#