工程の確定による手動スケジュールの改善
この機能は、リリース前にスケジュールを効率的に微調整するのに役立ちます。 ユーザーは、代替リソースへの工程のオフロードを許可または禁止したり、後続の解決で考慮されるように作業オーダー工程の開始時間を修正できます。 これらの機能により、単一の生産ステージのスケジュールを手動で自由に調整し、そのステージのスケジュールを確定して、解決処理で、最終的にアップストリームとダウンストリームのステージを調整する処理に進むことができます。 スケジュールを微調整すると、より効率的になり、サイクル時間のスケジュールを短縮できます。
スケジュール計算に影響する作業オーダーおよび作業オーダー工程のプロパティ
スケジュール計算に影響を与える、作業オーダーおよび作業オーダー工程のプロパティがいくつかあります。 これらの中には、作業オーダーによって生産される品目、作業オーダーの数量、様々な工程リソース連番に必要なリソース時間、各作業オーダー工程に必要な資材と数量など、作業オーダーとその工程について簡単に説明しているものもあります。 他のプロパティには、解決処理で考慮する必要がある追加の指針が指定されています。 これらには、作業オーダー確定ステータス、作業オーダー工程確定ステータスおよび作業オーダー工程オフロード許可フラグが含まれ、後者の2つはOracle Production Schedulingでのみ使用可能です。 次の各項では、これらのプロパティの相互作用および解決処理でそれらのプロパティがどのように考慮されるかについて説明します。
これらのプロパティの値の設定方法
作業オーダー確定ステータス、作業オーダー工程確定ステータスおよび作業オーダー工程オフロード許可フラグは、表形式のスケジュール・ビューに次のように表示および設定されています:
- 作業オーダー確定ステータス: このステータスは作業オーダー表に表示されます。 最初は、スケジュールのリフレッシュ後に、スケジュール・オプションUIの「固定タイム・フェンス期間中に開始されるリリース済作業オーダーの確定」チェック・ボックスが有効になっている場合は、SCMの作業実行で確定されたすべての作業オーダー、および固定タイム・フェンス内で開始するすべてのリリース済作業オーダーに対してオンになります。 他のすべての作業オーダーに対してはオフになります。 作業オーダー表では、このスイッチのオンとオフをユーザーが切り替えることができ、それに応じて値が表示されます。
- 作業オーダー工程確定ステータス: このステータスは作業手配リスト表に表示されます。 最初は、スケジュールのリフレッシュ後に、確定作業オーダーのすべての工程のステータスが「確定」と表示され、未確定作業オーダーに属するすべての工程については空になります。 ユーザーがサイド・ドロワーで作業オーダー工程の編集機能を使用して固定開始時間を設定した場合(これは工程レベルの確定が実行されるメカニズムです)、作業オーダー確定ステータスに関係なく、変更された作業オーダー工程の固定開始時間が表示されます。
- 作業オーダー工程オフロード許可: このステータスも、作業手配リスト表に表示されます。 最初は、スケジュールのリフレッシュ後に、確定作業オーダーのすべての工程に対してはデフォルトでオフになり、未確定作業オーダーに属するすべての工程に対してはオンになります。 サイド・ドロワーの編集機能またはディスパッチ・リストのインライン編集を使用して、このスイッチのオンとオフをユーザーが切り替えることができます。
この更新では、オフロードを許可するかどうか、および現在の開始時間を確定開始時間とみなすかどうかを、作業オーダー工程レベルで制御できます。 前述のように、以前はスケジュールのリフレッシュ中に、基礎となる作業オーダー工程のプロパティがデフォルト設定されていました。 製造の作業オーダーが確定済またはすでに処理済の場合、オフロードが許可されないように工程が設定され、工程の確定ステータスが確定に設定されていました。 現在は、ガント・チャートまたは作業手配リストで工程を選択し、ガント・ツールバーや作業手配リストの「編集」アイコンをクリックしてサイド・ドロワーを開けば、選択した工程のこれらの作業オーダー工程のプロパティを1つの処理で変更できるようになりました(次の図を参照)。

ガント・チャートまたは作業手配リストで1つ以上の工程を選択し、鉛筆アイコンをクリックして工程プロパティを編集。
この例では、リソースZQ-Robot-MC2のスケジュールにユーザーが満足し、そのリソースのすべての工程を選択して、プロパティ「固定開始時間」を「はい」に設定し、「オフロード許可」を「いいえ」に設定します。「更新」をクリックすると、対応する値がバックエンドで変更されて、後続の解決処理でそれらが適切に考慮されます。 作業手配リストのデータは自動的にはリフレッシュされません。作業手配リスト内のリソースを切り替えたり、解決を実行すると、作業手配リストの「確定ステータス」と「オフロード許可」にも最新の値が表示されます。

後続の解決処理で、これらの工程レベルのプロパティを考慮。
解決処理では、リソースZQ-Robot-MC2のスケジュールが尊重され、可能な場合はアップストリームとダウンストリームの生産が調整されます。
ベスト・プラクティス
オフロードや再順序付けなどの手動スケジューリング変更を実行した後、後続の修復処理で、そのような変更が実装され、(代替リソースが現在のリソースより速いか遅い可能性があるため)適切な生産レートが確実に適用され、正しい変更が挿入されます。 これらの調整は、移動された工程の開始時間と終了時間、および場合によっては隣接する工程に影響します。 したがって、手動スケジュール変更は、修復処理が実行された後にのみ完了とみなすことができます。
前の項にリストされているプロパティに対する変更は、解決処理のみに影響し、修復処理には影響しません。 これらのプロパティはいつでも編集可能ですが、すべての手動スケジューリング変更が修理処理によって完全に実装された後にのみ、作業オーダー工程確定ステータスおよび作業オーダー工程オフロード許可を変更することをお薦めします。
解決および修復中の、これらのプロパティの相互作用および考慮の方法
作業オーダー工程確定ステータスと作業オーダー工程オフロード許可のプロパティは相互に独立していますが、両方とも作業オーダー確定ステータスと個別に相互作用します。 次の表に、様々な組合せに対する、解決および修復の動作を示します。
次の表に、作業オーダー確定ステータスおよび工程確定ステータスに応じて、解決処理または修理処理で作業オーダーの工程日付を変更できるかを示します。
| 作業オーダー確定ステータス | 工程確定ステータス | 解決 | 修復 |
|---|---|---|---|
|
オンに切替(確定) |
固定開始時間 |
固定タイム・フェンス内の日付が解決で尊重され(次のノートを参照)、固定タイム・フェンス外の日付も尊重しようとしますが、後者は必要に応じて変更されます |
作業オーダー工程日は、手動スケジューリングおよびそれに続く修復によってユーザーが変更できます |
|
オンに切替(確定) |
確定(作業オーダー確定ステータスから継承) |
固定タイム・フェンス内の日付が解決で尊重され(次のノートを参照)、固定タイム・フェンス外の日付も尊重しようとしますが、後者は必要に応じて変更されます |
作業オーダー工程日は、手動スケジューリングおよびそれに続く修復によってユーザーが変更できます |
|
オフに切替(未確定) |
固定開始時間 |
固定タイム・フェンス内の日付が解決で尊重され(次のノートを参照)、固定タイム・フェンス外の日付も尊重しようとしますが、後者は必要に応じて変更されます |
作業オーダー工程日は、手動スケジューリングおよびそれに続く修復によってユーザーが変更できます |
|
オフに切替(未確定) |
空 |
作業オーダー工程は柔軟にスケジュールされ、通常はその日付が変更されます |
作業オーダー工程日は、手動スケジューリングおよびそれに続く修復によってユーザーが変更できます |
ノート: 固定タイム・フェンス内で、確定日が相互に競合する場合は、工程確定ステータスが「確定」または確定開始時間に設定されている2つの工程間の優先度の制約が解決処理によって削除されることがあります。
ガント・ツールバーの「確定の強調表示」処理を使用すれば、ガント・チャートで確定作業オーダー工程を識別できます。 工程確定ステータスが「確定」または「固定開始時間」のすべての作業オーダー工程が強調表示されます。
次の表では、作業オーダー確定ステータスおよび工程オフロード可能の値に応じて、解決および修復処理で作業オーダー工程を代替リソースにオフロードできるかどうかについて説明します。
| 作業オーダー確定ステータス |
工程オフロード許可 |
解決 | 修復 |
|---|---|---|---|
|
オンに切替(確定) |
オンに切替(はい) |
作業オーダー工程を代替リソースにオフロードできます |
工程がまだ処理されていない場合は、作業オーダー工程を代替リソースにオフロードできます |
|
オンに切替(確定) |
オフに切替(いいえ) |
作業オーダー工程は代替リソースにオフロードされません |
作業オーダー工程は代替リソースにオフロードできません |
|
オフに切替(未確定) |
オンに切替(はい) |
作業オーダー工程を代替リソースにオフロードできます |
工程がまだ処理されていない場合は、作業オーダー工程を代替リソースにオフロードできます |
|
オフに切替(未確定) |
オフに切替(いいえ) |
作業オーダー工程は代替リソースにオフロードされません |
作業オーダー工程は代替リソースにオフロードできません |
これらの機能のデモを次に示します:
有効化のステップ
この機能を有効にするには、オプトインUIを使用します。 手順は、この文書の「新機能のオプションの取込み」の項を参照してください。
オファリング: サプライ・チェーン・プランニング
ヒントと考慮事項
「工程の確定による手動スケジュールの改善」機能を使用する場合は、その親機能である「生産スケジューリング」にオプト・インする必要があります。 この親機能をすでにオプト・インしている場合、再度オプト・インする必要はありません。
主なリソース
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「工程確定による手動スケジューリングの改善」のデモをご覧ください。
- Redwoodエクスペリエンスの詳細は、https://redwood.oracle.com/を参照してください。
アクセス要件
この権限を含む構成済ジョブ・ロールが割り当てられているユーザーは、この機能にアクセスできます。
- 生産スケジュールの編集(MSC_EDIT_PRODUCTION_SCHEDULE_PRIV)
この権限はこの更新より前に使用可能でした。