REST APIを使用した会計ハブ・インポートのきわめて大きなスケールおよびモニター

会計ハブソース・アプリケーションへのインポート中に、大量のトランザクション・セットを柔軟に並列処理できます。トランザクション処理メトリックにAPIベースでアクセスすることで、ダウンストリームの会計および転記プロセスをオーケストレーションします。これを使用すれば、モニタリング・ダッシュボードを構築して例外をより迅速に解決できます。たとえば、管理者が、正常に処理されたトランザクションの数、例外を含むトランザクションとその推奨解決策、または元帳およびソース・アプリケーション別のトランザクション処理量についてレポートできます。

きわめて大きなスケーラビリティと、より優れたインフラ管理を実現するOracle Cloud Infrastructure Data Flowサービスを、Oracle Accounting Hub Cloudで利用できるようになりました。これらの機能は、ソース・システムと容易に統合でき、カスタマイズされたダッシュボードを構築してファイル処理メトリックをモニターおよびレビューできる、一連のERPデータ統合RESTサービスによって提供されています。 ERPデータ統合RESTサービスは、ソース・システムのトランザクションを主に3つのステージで処理します。

データ検証 - ERPデータ統合サービスを使用してソース・システムのトランザクション・ファイルを会計ハブにアップロードすると、ファイルが解凍されてウイルス・スキャンが実行されます。スキャンの後、「データ検証」ステージでトランザクション情報が検証されます。
データ・インポート - トランザクション情報が正常に検証されると、「データ・インポート」ステージでトランザクションが会計ハブに自動インポートされます。
後処理 - トランザクションが会計ハブに正常にインポートされると、後処理ステージで自動的に計上されて、一般会計に転記されます。

ERPデータ統合RESTサービスを使用してトランザクション・ファイルがアップロードされる際に、「会計トランザクションのインポート」プロセスが発行されなくなりました。ただし、必要な検証はすべて、会計が作成される前に実行されます。また、「会計の作成」および「仕訳の転記」プロセスを手動で発行する必要はなく、トランザクション・データが正常に検証された後、ERPデータ統合サービスによってこれらのプロセスが自動的にオーケストレーションされます。

ERPデータ統合サービスが会計ハブ・トランザクション・データ・ファイルを使用して起動されると、応答出力にファイル識別子が返されるので、これを使用して処理ステータスおよび例外をモニターできます。

ERPデータ統合サービスを使用した会計ハブのフローの概要

会計ハブに対してサポートされているERPデータ統合サービスは次のとおりです。

サービス	説明	メソッド
ファイルをアップロードします	サーバー上の指定されたロケールにファイルをアップロードします。	Post
すべてのファイル例外を取得	すべての例外を無効なトランザクションとともにダウンロードします。	Get
指定した時間枠にアップロードされたすべてのファイルの取得	特定の時間枠にアップロードされたすべてのファイルの詳細を返します。	Get
ファイル・ステータスおよびメトリック詳細の取得	特定のファイルの処理ステータスおよび現在のステージを返します。	Get
時間枠によるすべてのファイル・メトリックの取得	指定された時間枠内に処理されたファイルの数を返します。	Get
時間枠によるすべてのトランザクション・メトリックの取得	指定された時間枠内に処理されたトランザクションの数を返します。	Get
ファイルによるすべてのトランザクション・メトリックの取得	指定されたファイル内で処理されたトランザクションの数を返します。	Get
ファイルおよびディメンション別のすべてのトランザクション・メトリックの取得	指定された時間枠の元帳やイベント・タイプなど、指定されたディメンションの組合せに対して処理されたトランザクションの数を返します。	Get
ファイルの例外詳細の取得	特定のファイルのトランザクション・ステージで発生した例外のサマリーを返します。	Get
後処理サブステージ・ステータス詳細の取得	後処理サブステージの処理ステータスを返します。	Get
トランザクションの例外詳細の取得	指定されたトランザクションで発生した例外の詳細を返します。	Get

ビジネス上の利点は次のとおりです。

きわめて大きなスケーラビリティ - 会計ハブへのファイル・インポートの一部として、非常に大きなトランザクション・セットを処理する際のパフォーマンスの向上。
タッチレス処理 - ダウンストリームの会計および転記プロセスの自動オーケストレーション。
メトリックおよびモニタリング - モニタリングおよび監視のために、様々な処理ステージでファイルおよびトランザクション処理メトリックを使用可能。
統合例外管理 - すべてのインバウンド・プロセスに対する、解決のための推奨事項付き例外レポート。

有効化のステップ

REST APIガイドのRESTサービス定義を確認して利用してください(Oracle Help Center > 対象となるアプリケーション・サービス領域 > APIおよびスキーマからアクセスできます)。 OracleのRESTサービスを初めて利用する場合は、クイック・スタートに関する項から開始してください。

この機能は自動的に有効になり、ユーザーがアプリケーション設定を実行する必要はありません。ただし、この機能を使用するための前提条件として完了する必要がある特定の環境\ POD関連の構成があります。

この機能を使用する環境\ PODは、FAaaS使用可能である必要があります。
Oracle Cloud Interface Data Flowサービスの起動をサポートするために、環境\ PODにはSpectraficationが必要です。

環境\ POD関連の構成を完了するために支援が必要な場合は、Oracle Developmentにお問い合せください。

ヒントと考慮事項

この機能を使用するときに注意する必要がある重要なヒントをいくつか示します。

アップロード時に各トランザクション・データ・ファイルの日付書式をカスタマイズできるようになりました。ファイルの処理時に使用する日付書式を指定できます。日付書式を指定しない場合、デフォルトの日付書式YYYY-MM-DDが適用されます。 ERPデータ統合でサポートされる日付書式は次のとおりです
- YYYY-MM-DD
- YYYY/MM/DD
- YYYYMMDD
- YYYY.MM.DD
- DD-MM-YYYY
- DD/MM/YYYY
- DD.MM.YYYY
- MM-DD-YYYY
- MM/DD/YYYY
- MM.DD.YYYY
- MMM-DD-YYYY
- DD-MMM-YYYY
- M-D-YYYY
- M/D/YYYY
- D-M-YYYY
- D/M/YYYY
デフォルトでは、ERPデータ統合サービスを使用して会計ハブ・トランザクション・ファイルがアップロードされる際に、会計は最終モードで作成されます。このデフォルトの動作は、トランザクションのバッチをアップロードするときにメタデータ・ファイルに"会計モード・コード : D"を追加して、トランザクションがドラフト・モードで計上されるようにすることでオーバーライドできます。これは、テスト・トランザクション・データを必要に応じて「会計の作成」プロセスで再度処理できるので、最初のテスト時またはトラブルシューティング時に非常に有用です。

メタデータ・ファイルの会計モード・コード追加

トランザクション・データ・ファイル名の最初を「XlaTransaction」というテキストにするという制限は、ERPデータ統合サービスを使用して処理する場合は適用されなくなりました。
文字13、日付、Long1列など、どの会計ハブ補助元帳ソースにも割り当てられていない追加列は、ERPデータ統合サービスには必要ありません。

また、一連の会計ハブ・オーケストレーションの改善の一部として24Aでリリースされた「単一のプロセス実行での複数元帳の処理」拡張機能を有効にして、非常に大きなペイロードの全体的な処理時間をさらに改善することをお薦めします。

主なリソース

アクセス要件

ERPデータ統合サービスを使用して会計ハブ・トランザクション・ファイル・アップロードをオーケストレーションするユーザーは、次の権限にアクセスできる必要があります。

権限名	権限コード
Import Subledger Accounting Transactions	XLA_IMPORT_SUBLEDGER_ACCOUNTING_TRANSACTIONS_PRIV

注意事項: 既存の会計ハブ統合職務(ORA_XLA_ACCOUNTING_HUB_INTEGRATION_DUTY)は、デフォルトで前述の権限を継承しています。そのため、会計ハブ統合職務へのアクセス権を持つユーザーは、ERPデータ統合サービスを使用してファイル・アップロードをオーケストレーションできます。