リコール部品を検索し、無関係のリコールを取り下げるタイム・フェンスの定義

リコール部品の受入を検証して特定のリコールが自社に関係するかどうかを判断するためのトランザクション期間をリコール・パラメータに定義できるようになりました。 また、このトランザクション期間により、施設内でリコール部品を検索することもできます。 また、「レビュー待ち」ステータスでマークされた無関係のリコール通知が自動的に取り下げられるタイム・フェンスをリコール・パラメータに定義できます。

このリリースでは、デフォルトのタイム・フェンスをリコール・パラメータで構成できるため、次のことが可能になります:

  • リコール部品を追跡するためのトランザクション履歴時間枠を設定します。
  • 「レビュー待ち」ステータスのリコール通知を自動的に取り下げるためのタイム・フェンスを定義します。

トランザクション履歴時間枠の構成

受入リコールが関連するかどうかを検証するためのデフォルトの時間枠をリコール・パラメータで設定できるようになりました。 この構成により、指定された期間内の資材トランザクション履歴をスキャンしてリコール部品を検索できます。

トランザクション履歴時間枠の構成

トランザクション履歴時間枠の構成

リコール通知が様々なソースから製品リコール管理アプリケーションに収集されるときに、アプリケーションは部品詳細を検証して正しい品目識別子を導出し、その品目が指定されたリコール追跡期間中に受け入れられたかどうかを判断します。 この検証に基づいて、リコール通知は次のように分類されます:

  • 関係ありのリコール通知: リコール通知の少なくとも1つの明細に、追跡期間に以前に受け入れられた品目識別子が含まれている場合、その通知は関係ありとして分類され、ステータス「受入待ち」が割り当てられます。これは、さらに処理が必要な可能性があることを示します。
  • 無関係のリコール通知: リコール通知のどの明細にも有効な品目識別子が含まれていない場合、または特定された品目が追跡期間に受け入れられていない場合、その通知は無関係と判断されて「レビュー待ち」に設定されます。つまり、さらなるレビューが必要でないかぎり、ただちに処理を行う必要はありません。

以前は、リコールが関係あるかどうかを追跡する期間はリコール通知に記録されている追跡開始日と終了日によって決定されていました。 このリリースでは、かわりにリコール・パラメータで構成された時間枠が使用されるようになりました。 ただし、「リコール部品の検証」スケジュール済プロセスの送信時にこのデフォルトを上書きして、「レビュー待ち」ステータスのリコール通知を再検証できます。

同様に、このリリースより前には、リコール部品を施設内で検索するために追跡開始日と終了日が使用されていました。 構成済のデフォルトの時間枠が施設での資材トランザクションの追跡に使用されるようになりました。 たとえば、時間枠を720日と構成した場合は、アプリケーションによって過去720日間の資材トランザクションがスキャンされてトレース・レコードおよびタスクが生成され、このときに様々な事業所または保管場所に対する数量が推定されます。

リコール通知の自動取下げのためのタイム・フェンスの構成

「レビュー待ち」ステータスのリコール通知を自動的に取り下げるためのデフォルトのタイム・フェンスをリコール・パラメータで定義できるようになりました。

リコール通知の自動取下げのためのタイム・フェンス

リコール通知の自動取下げのためのタイム・フェンス

以前は、無関係とみなされたリコール通知が時間の経過とともに関係ありになったかどうかを判断するために、スケジュール済プロセスによって継続的に再評価が行われていました。 このプロセスを合理化するために、構成済タイム・フェンスにより、このような通知が定義済期間後に自動的に取り下げられるようになりました。 たとえば、タイム・フェンスが365日に設定されている場合に、システム日付とリコール通知作成日との差が365日を超えるとリコール通知ステータスは自動的に「取下済」に変更されます。

  • 効率性の向上: リコールの検証および取下げのプロセスの自動化によって、手作業が減ります。
  • 正確性の向上: 関係ありのリコールのみが追跡および処理されるため、不要なワークロードが最小限に抑えられます。
  • 可視性の向上: 自社のビジネス・ニーズに基づいてリコール追跡期間を構成および制御できます。
  • 規制コンプライアンス: 履歴トランザクション・レコードがスキャンされるため、リコール部品のトレーサビリティが向上します。
  • リコール管理の最適化: 無関係のリコール通知が繰返し再評価されることがなくなるため、システム・パフォーマンスが向上します。

この機能拡張により、リコール管理の柔軟性が向上するため、企業は効率の向上を目的としてリコール追跡プロセスを改善し、処理を自動化できます。

有効化のステップ

この機能を有効にするには、次の操作を実行します。

  1. リコール・パラメータを構成します:
  2. 「設定および保守」作業領域で、次の項目に移動します。
  • オファリング: 製造およびサプライ・チェーン資材管理
  • 機能領域: 製品リコール管理
  • タスク: 製品リコール・パラメータの管理

     3. 「グローバル」タブで「リコール部品を追跡するためのトランザクション履歴時間枠」を設定してレコードを保存します。

     4. 「グローバル」タブで「レビュー待ちステータスのリコールの自動取下げのタイム・フェンス」を設定してレコードを保存します。

主なリソース

  • Oracle Supply Chain Managementガイド、製品リコール管理実装ガイド(Oracle Help Centerからアクセスできます)。

アクセス要件

次の権限が含まれる構成済ジョブ・ロールが割り当てられているユーザーは、この機能にアクセスできます:

  • 製品リコール・パラメータの管理(ENQ_MANAGE_PRODUCT_RECALL_PARAMETERS)