この章では、Oracle Big Data SQLについて説明します。この項の内容は次のとおりです。
注意
この章の手順は、Oracle Big Data SQL 2.0をインストールおよび使用するためだけのものです。
3.0へのアップグレード・パスはないため、バージョン2.0をインストールしないでください。
Oracle Big Data SQL 3.0のリファレンスとして、この章を使用しないでください。
Oracle Big Data SQL 3.0のパッチ番号、Big Data SQLの変更に関する情報および3.0の使用手順については、『Oracle Big Data SQL 3.0ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
バージョン2.0がすでにインストールされている場合、2.0をアンインストールしてからバージョン3.0をインストールする必要があります。Oracle Big Data SQL 3.0パッチのREADMEファイルに、バージョン2.0を削除する手順が記載されています。
Oracle Big Data SQLは、Apache Hive、HDFS、Oracle NoSQL Database、Apache HBaseなどの複数のデータ・ソースに格納された大量のビッグ・データに対する問合せをサポートしています。様々なデータ・ストアのすべてのデータを、Oracleデータベースに格納されているかのようにまとめて表示および分析できます。
Oracle Big Data SQLを使用すると、完全なSQL構文を使用してHadoopクラスタに格納されたデータを問い合せることができます。手動で、または既存のアプリケーションを使用して、Hadoop内のデータに対して最も複雑なSQL SELECT
文を実行し、最も重要な洞察を引き出すことができます。たとえば、Oracle Advanced Analyticsデータベース・オプションのユーザーは、Oracle Databaseに存在するデータ・マイニング・モデルをOracle Big Data Applianceに存在するデータに適用できます。
次の項に詳細を示します。
Oracle Big Data SQLは、外部表で次世代のパフォーマンス向上を実現します。外部表は、データベース外のデータの場所を識別および記述するOracle Databaseオブジェクトです。他のデータベース表に使用するのと同じSQL SELECT
構文を使用して、外部表を問い合せることができます。
外部表はアクセス・ドライバを使用して、データベース外のデータを解析します。外部データのタイプごとに一意のアクセス・ドライバが必要です。Oracle Big Data SQLのこのリリースには、ビッグ・データ用の2つのアクセス・ドライバが含まれています。Apache Hiveに格納されているデータにアクセスするためのドライバ、およびHadoop Distributed File System (HDFS)ファイルに格納されているデータにアクセスするためのドライバです。
外部表への問合せによって、データがOracleデータベースの表に格納されている場合と同様に、HDFSやHive表に格納されているデータにアクセスできます。Oracle Databaseは、外部表の作成時に指定されたメタデータを使用してデータにアクセスします。
Oracle Database 12.1.0.2は、Oracle Big Data SQL用の新しい2つのアクセス・ドライバをサポートしています。
ORACLE_HIVE
: Apache Hiveデータ・ソースに対するOracle外部表を作成できます。HDFSデータ・ソースに対してHive表がすでに定義されている場合、このアクセス・ドライバを使用します。ORACLE_HIVE
は、Hive表が定義されている他の場所(HBaseなど)に格納されているデータにもアクセスできます。
ORACLE_HDFS
: HDFSに格納されているファイルに対するOracle外部表を直接作成できます。このアクセス・ドライバはHive構文を使用してデータ・ソースを記述し、COL_1
、COL_2
などのデフォルトの列名を割り当てます。個別の手順としてHive表を手動で作成する必要はありません。
ORACLE_HIVE
と同じ方法でHiveメタデータ・ストアからメタデータを取得するのではなく、ORACLE_HDFS
アクセス・ドライバは必要な情報をすべてアクセス・パラメータから取得します。メタデータを指定するにはORACLE_HDFS
アクセス・パラメータが必要です。このパラメータは、Oracle Database内の外部表定義の一部として格納されます。
Oracle Big Data SQLは、これらのアクセス・ドライバを使用して問合せのパフォーマンスを最適化します。
通常、外部表に対する問合せには全表スキャンが必要なため、外部表には従来の索引はありません。ただし、Oracle Big Data SQLはOracle Big Data Appliance上にExadataストレージ・サーバー・ソフトウェアをインストールすることで、SmartScan機能(フィルタ述語オフロードなど)をOracle外部表に拡張します。このテクノロジを使用すると、Oracle Big Data Applianceは大部分(合計で最大99パーセント)の無関係なデータを破棄し、より小さい結果セットをOracle Exadata Database Machineに返すことができます。エンド・ユーザーが問合せの結果を得るまでの時間は大幅に短縮されます。これは、Oracle Databaseに対する負荷、およびネットワーク上のトラフィックが軽減されたことの直接的な結果です。
関連項目:
外部表の概要、およびOracle Databaseドキュメント・ライブラリ内の詳細情報への手引きについては、『Oracle Database概要』を参照してください。
Oracle Big Data SQLでは、ストレージ索引が自動的に管理され、Oracle Databaseに対して透過的です。ストレージ索引には、HDFに格納されているデータに関するハード・ディスク上のデータ分散のサマリーが含まれています。ストレージ索引により、I/O操作とフラット・ファイルからOracle Databaseブロックにデータを変換するCPUコストを減らすことができます。
ストレージ索引は、HDFSに基づいた外部表またはORACLE_HDFSドライバとORACLE_HIVEドライバのいずれかを使用して作成された外部表に対してのみ使用できます。ストレージ索引は、Apache、HBase、Oracle NoSQLなどのストレージ・ハンドラを使用する外部表に対して使用することはできません。
ストレージ索引はインメモリー領域索引を収集したもので、各領域索引には最大32列のサマリーが格納されています。各分割に領域索引が1つあります。1つの領域索引に格納されているコンテンツは、その他の領域索引とは無関係です。これにより拡張性が高まり、ラッチ競合を回避できます。
各領域索引では、ストレージ索引が領域の列の最小値と最大値を管理します。最小値および最大値は、不要なI/Oの回避に使用されます。これは、I/Oフィルタリングとも呼ばれます。V$SYSSTAT
ビューにあるストレージ索引統計別に保存されたセルのXTグラニュルI/Oバイト数は、ストレージ索引を使用して保存されたI/Oのバイト数を示したものです。
関連項目:
V$SYSSTAT
ビューの詳細は、『Oracle® Databaseリファレンス』を参照してください
次の比較を使用する問合せはストレージ索引によって改善されます。
等価(=)
不等価(<、!=または>)
以下(<=)
以上(>=)
IS NULL
IS NOT NULL
Oracle Big Data SQLサービスでは、領域内の列の最大値より大きいか、最小値より小さいという比較述語が指定された問合せを受け取った後に、ストレージ索引は自動的に作成されます。
注意:
WHERE問合せ句に頻繁に出現する列に基づいて表内の行を順序付けると、ストレージ索引の効果が上がります。
ストレージ索引は、すべての非言語データ型で動作し、非言語索引に似た言語データ型でも動作します。
例6-1 ストレージ索引を使用したディスクI/Oの回避
次の図に、表および領域索引を示します。表内の値の範囲は1から8です。一方の領域索引には最小値として1、最大値として5が格納されています。もう一方の領域索引には、最小値として3、最大値として8が格納されています。
SELECT * FROM TABLE WHERE B < 2
などの問合せの場合、最初の行セットのみが一致します。2番目の行セットの最小値と最大値は問合せのWHERE句と一致しないため、ディスクI/Oが回避されます。
例6-2 ストレージ索引による結合パフォーマンスの向上
ストレージ索引を使用すると、表の結合で不要なI/O操作をスキップできます。たとえば、次の問合せでは、I/O操作を実行し、ファクト表の最初のブロックにのみブルーム・フィルタを適用しています。
SELECT count(*) from fact, dim where fact.m=dim.m and dim.name="Hard drive"
ファクト表の2番目のブロックに対するI/Oは、最小値/最大値の範囲(5,8)がブルーム・フィルタに存在しないため、ストレージ索引によって完全に回避されます。
Oracle Big Data Applianceには、Oracle Big Data Appliance上のCDHクラスタに格納されているデータを保護するための多数のセキュリティ機能がすでに用意されています。
Kerberos認証: ユーザーおよびクライアント・ソフトウェアは、クラスタにアクセスする前に資格証明を提供する必要があります。
Apacheセキュリティ認証: データおよびメタデータにファイングレインのロールベース認証を提供します。
HDFSでの透過的暗号化: ディスクにあるデータを保護します。データの暗号化と復号化は、データを使用するアプリケーションに対して透過的です。
Oracle Audit Vault and Database Firewall監視: Oracle Big Data Appliance上のAudit Vaultプラグインは、MapReduce、HDFSおよびOozieサービスから監査およびロギング・データを収集します。そうすると、Audit Vault Serverを使用してOracle Big Data Appliance上でこれらのサービスを監視できるようになります。
Oracle Big Data SQLは、このリストに様々なOracle Databaseセキュリティ機能を追加します。リレーショナル・データに適用するHadoopデータに同じセキュリティ・ポリシーおよびルールを適用できます。
Oracle Big Data SQL 2.0は、Oracle Big Data Applianceに接続されたOracle Exadata Database Machineでのみ使用できます。Oracle Big Data SQLソフトウェアは、Oracle Database ApplianceおよびすべてのExadataノード上にインストールする必要があります。
Oracle Big Data Applianceリリース4.4には、Mammothインストール・オプションとして、Oracle Big Data SQL 2.0が含まれています。
注意:
次の手順はOracle Big Data SQL 2.0をインストールするためのものです。Oracle Big Data SQL 3.0は、Oracle Big Data Appliance 4.4でも利用できます。3.0をインストールするには、最初に2.0をアンインストールする必要があるため、3.0をインストールする場合は、次のインストールをスキップします。3.0のパッチ番号については、『Oracle Big Data SQL 3.0ユーザーズ・ガイド』を参照してください。Oracle Exadata Database Machineは、Oracle Big Data Applianceと同じインフィニバンド・サブネット上に構成し、インフィニバンド・ネットワークでOracle Big Data Applianceに接続する必要があります。
表6-1に、Oracle Big Data SQLの各リリースをインストールする場合の前提条件となるソフトウェア・バージョンを示します。
表6-1 Oracle Big Data SQL互換性マトリクス
Oracle Big Data SQLリリース | Oracle Big Data Applianceリリース | Oracle Exadata Storage Server | Oracle Databaseバージョン | 個別パッチ |
3.0 | 4.4 | 12.1.2.1.0以降 | Oracle Database 12.1.0.2以上、および January 2016 BP (12.1.0.2.160119) |
January 2016 BPに対する個別パッチ22778199。 |
2.0 | 4.4, 4.3, 4.2 | 12.1.2.1.0以降 | Oracle Database 12.1.0.2.10または12.1.0.2.13 | 個別パッチ21419192はOracle Database 12.1.0.2.10および12.1.0.2.13に適用できます。 |
1.1 | 4.2, 4.1 | 12.1.2.1.0以降 | Oracle Database 12.1.0.2.4以降 | 個別パッチ20310880はOracle Database 12.1.0.2.4に適用できます。12.1.0.2.6以降では必要ありません。 |
Oracle Big Data Applianceの各リリースには、Oracle Big Data SQLの1バージョンがインストール・オプションとしてバンドルされています。表6-2のパッチが入手できる場合は、新しいバージョンのOracle Big Data SQLをインストールすることもできます。
表6-2 バンドルされているOracle Big Data SQLとOracle Big Data Applianceのパッチ
Oracle Big Data SQLリリース | Oracle Big Data Applianceリリース |
3.0 | 4.4 (パッチあり)、リリース4.3および4.2はパッチなし |
2.0 | 4.4 (2.0が含まれる)、4.3 (2.0が含まれる)、4.2 (パッチあり) |
1.1 | 4.2 (1.1が含まれる)、4.1 (パッチあり) |
Oracle Big Data ApplianceとOracle Exadata Database MachineにOracle Big Data SQLソフトウェアをインストールするには、次の手順を実行します。
注意:
この手順はバンドル・パッチ11および12では使用しないでください。これらのパッチは、Big Data SQL 2.0との併用についてはサポートされていません。
Cloudera Managerを使用すると、Oracle Big Data SQLが稼働していることを確認できます。「Oracle Big Data SQLの管理」を参照してください。
完了したとき、クラスタがKerberosで保護されている場合は、クラスタ・ノードとOracle Exadata Database Machineの両方で追加の手順を実行する必要があります。「Kerberos化されたクラスタへのOracle Big Data SQLアクセスの有効化」を参照してください。
Oracle Big Data Applianceがバージョン4.3.0にアップグレードされた場合、Big Data SQLがすでにインストールされていると、アップグレード・プロセスによって、暗黙的にOracle Big Data SQLがバージョン2.0にアップグレードされます。ただし、Oracle Big Data Applianceのアップグレード後、顧客は、インストール後スクリプトを再実行する前に、引き続きOracle Databaseをサポートされているレベルにアップグレードする必要があります。
重要
Exadataクラスタのすべてのノードにbds-exa-install.shを実行します。まだこれを実行していない場合、BDSサービスを開始すると、RPC接続エラーが表示されます。Oracle Big Data SQLのインストール後スクリプトを実行するには、次の手順を実行します。
Oracle Big Data Applianceから各Oracle Exadata Databaseマシン上の一時ディレクトリに、bds-exa-install.sh
インストール・スクリプトをコピーします。スクリプトは、Mammothがインストールされているノード(通常はクラスタ上の第1ノード)にあります。次に例を示します。
wget http://bda1node07/bda/bds-exa-install.sh
Oracleインストール所有者の名前を確認し、このユーザーに対して実行可能ファイルを設定します。通常は、oracle
ユーザーがインストールを所有します。次に例を示します。
$ ls -l bds-exa-install.sh $ chown oracle:oinstall bds-exa-install.sh $ chmod +x bds-exa-install.sh
次の環境変数を設定します。
$ORACLE_HOME to <database home> $ORACLE_SID to <correct db SID> $GI_HOME to <correct grid home>
注意:
この手順で説明するように、$GI_HOMEを設定するかわりに、手順5で説明するように、グリッド・ホームとインストール・スクリプトを設定できます。
TNS_ADMIN
が、直接listener.ora
が実行されている場所を指していることを確認します。リスナーがデフォルトの場所のTNS_ADMIN
、$ORACLE HOME/network/admin
にある場合、TNS_ADMIN
を定義する必要はありません。リスナーがデフォルトの場所にない場合は、コマンドを使用して、正しくTNS_ADMINがこれを指すように設定する必要があります。
export TNS_ADMIN=<path to listener.ora>
ORACLE_SIDが大文字の場合、この手順のみを実行します。それ以外の場合は、次の手順に進みます。これは、小文字の場合にのみ、インストール・スクリプトがCRSデータベース・リソースをORACLE_SIDから取得するためです。大文字の場合、次の手順を実行してSIDをスクリプトに手動で渡します。
次のコマンドを実行して、すべてのリソースをリストします。
$ crsctl stat res -t
出力ノートから、ora.<dbresource>.db
リソース名を選択します。
次のコマンドを実行して、正しいora.<dbresource>.db
リソース名が返されているかどうか確認します。
$ ./crsctl stat res ora.<dbresource>.db
出力には、次のようにリソース名が表示されます。
NAME=ora.<dbresource>.db TYPE=ora.database.type TARGET=ONLINE , ONLINE STATE=ONLINE on <name01>, ONLINE on <name02>
次のようにして、--db-name=<dbresource>
をインストール・スクリプトへの追加引数として指定します。
./bds-exa-install.sh --db-name=<dbresource>
また、手順3で説明するように、次のようにして上記のコマンドを使用して$GI_HOMEを設定するかわりにグリッド・ホームを設定することができます。
./bds-exa-install.sh --db-name=<dbresource> --grid-home=<grid home>
注意:
この手順を実行済の場合、次の手順をスキップできます。
oracle
(またはその他のOracleインストール所有者)として、スクリプトを実行します。
./bds-exa-install.sh
スクリプトからoracle
ユーザーとして次に進むように求められた場合、別のセッションではスクリプトをroot
として実行する必要があります。たとえば、次のように実行します。
$ ./bda-exa-install.sh: bds-exa-install: root shell script : /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1/install/bds-root-<cluster-name>-setup.sh please run as root: /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1/install/bds-root-<rack-name>-clu-setup.sh
出力例を次に示します。
ds-exa-install: platform is Linux bds-exa-install: setup script started at : Sun Feb 14 20:06:17 PST 2016 bds-exa-install: bds version : bds-2.0-2.el6.x86_64 bds-exa-install: bda cluster name : mycluster1 bds-exa-install: bda web server : mycluster1bda16.us.oracle.com bds-exa-install: cloudera manager url : mycluster1bda18.us.oracle.com:7180 bds-exa-install: hive version : hive-1.1.0-cdh5.5.1 bds-exa-install: hadoop version : hadoop-2.6.0-cdh5.5.1 bds-exa-install: bds install date : 02/14/2016 12:00 PST bds-exa-install: bd_cell version : bd_cell-12.1.2.0.100_LINUX.X64_160131-1.x86_64 bds-exa-install: action : setup bds-exa-install: crs : true bds-exa-install: db resource : orcl bds-exa-install: database type : SINGLE bds-exa-install: cardinality : 1 bds-exa-install: root shell script : /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bds-root-mycluster1-setup.sh please run as root: /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bds-root-mycluster1-setup.sh waiting for root script to complete, press <enter> to continue checking.. q<enter> to quit bds-exa-install: root script seem to have succeeded, continuing with setup bds bds-exa-install: working directory : /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install bds-exa-install: downloading JDK bds-exa-install: working directory : /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install bds-exa-install: installing JDK tarball bds-exa-install: working directory : /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/bigdatasql/jdk1.8.0_66/jre/lib/security bds-exa-install: Copying JCE policy jars /bin/mkdir: cannot create directory `bigdata_config/mycluster1': File exists bds-exa-install: working directory : /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/bigdatasql/jlib bds-exa-install: removing old oracle bds jars if any bds-exa-install: downloading oracle bds jars bds-exa-install: installing oracle bds jars bds-exa-install: working directory : /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/bigdatasql bds-exa-install: downloading : hadoop-2.6.0-cdh5.5.1.tar.gz bds-exa-install: downloading : hive-1.1.0-cdh5.5.1.tar.gz bds-exa-install: unpacking : hadoop-2.6.0-cdh5.5.1.tar.gz bds-exa-install: unpacking : hive-1.1.0-cdh5.5.1.tar.gz bds-exa-install: working directory : /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/bigdatasql/hadoop-2.6.0-cdh5.5.1/lib bds-exa-install: downloading : cdh-ol6-native.tar.gz bds-exa-install: creating /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/bigdatasql/hadoop_mycluster1.env for hdfs/mapred client access bds-exa-install: working directory : /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/bigdatasql bds-exa-install: creating bds property files bds-exa-install: working directory : /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/bigdatasql/bigdata_config bds-exa-install: created bigdata.properties bds-exa-install: created bigdata-log4j.properties bds-exa-install: creating default and cluster directories needed by big data external tables bds-exa-install: note this will grant default and cluster directories to public! catcon: ALL catcon-related output will be written to /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_catcon_29579.lst catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon*.log files for output generated by scripts catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_*.lst files for spool files, if any catcon.pl: completed successfully bds-exa-install: granted default and cluster directories to public! bds-exa-install: mta set to use listener end point : EXTPROC1521 bds-exa-install: mta will be setup bds-exa-install: creating /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/hs/admin/initbds_orcl_mycluster1.ora bds-exa-install: mta setting agent home as : /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/hs/admin bds-exa-install: mta shutdown : bds_orcl_mycluster1 bds-exa-install: registering crs resource : bds_orcl_mycluster1 bds-exa-install: using dependency db resource of orcl bds-exa-install: starting crs resource : bds_orcl_mycluster1 CRS-2672: Attempting to start 'bds_orcl_mycluster1' on 'mycluster1bda09' CRS-2676: Start of 'bds_orcl_mycluster1' on 'mycluster1bda09' succeeded NAME=bds_orcl_mycluster1 TYPE=generic_application TARGET=ONLINE STATE=ONLINE on mycluster1bda09 bds-exa-install: patching view LOADER_DIR_OBJS catcon: ALL catcon-related output will be written to /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_catcon_30123.lst catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon*.log files for output generated by scripts catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_*.lst files for spool files, if any catcon.pl: completed successfully bds-exa-install: creating mta dblinks bds-exa-install: cluster name : mycluster1 bds-exa-install: extproc sid : bds_orcl_mycluster1 bds-exa-install: cdb : true catcon: ALL catcon-related output will be written to /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_dbcluster_dropdblink_catcon_30153.lst catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_dbcluster_dropdblink*.log files for output generated by scripts catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_dbcluster_dropdblink_*.lst files for spool files, if any catcon.pl: completed successfully catcon: ALL catcon-related output will be written to /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_default_dropdblink_catcon_30179.lst catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_default_dropdblink*.log files for output generated by scripts catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_default_dropdblink_*.lst files for spool files, if any catcon.pl: completed successfully catcon: ALL catcon-related output will be written to /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_dbcluster_createdblink_catcon_30205.lst catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_dbcluster_createdblink*.log files for output generated by scripts catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_dbcluster_createdblink_*.lst files for spool files, if any catcon.pl: completed successfully catcon: ALL catcon-related output will be written to /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_default_createdblink_catcon_30231.lst catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_default_createdblink*.log files for output generated by scripts catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_default_createdblink_*.lst files for spool files, if any catcon.pl: completed successfully catcon: ALL catcon-related output will be written to /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_catcon_30257.lst catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon*.log files for output generated by scripts catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_*.lst files for spool files, if any catcon.pl: completed successfully catcon: ALL catcon-related output will be written to /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_catcon_30283.lst catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon*.log files for output generated by scripts catcon: See /u03/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/install/bdscatcon_*.lst files for spool files, if any catcon.pl: completed successfully bds-exa-install: setup script completed all steps
詳細は、「bds-exa-installスクリプトの実行」を参照してください。
複数のインスタンス・データベースを使用している場合、データベース・インスタンスごとに手順6を繰り返します。
スクリプトが終了すると、Oracle Big Data SQLを含む次の項目が使用できるようになり、データベース・インスタンス上で実行されます。ただし、イベントによってOracle Big Data SQLエージェントが停止した場合、再起動する必要があります。「Big Data SQLエージェントの起動および停止」を参照してください。
Oracle Big Data SQLのjarのディレクトリおよび構成、環境ファイルおよびプロパティ・ファイル。
Database dba_directories。
Database dblinks。
Databaseビッグ・ファイルspfileパラメータ。
たとえば、次のようにして、dba_directoriesをSQLプロンプトから確認できます。
SQL> select * from dba_directories where directory_name like '%BIGDATA%';
bds-exa-install
スクリプトは、Oracleホーム・ディレクトリの所有者によって実行されるカスタム・インストール・スクリプトを生成します。そのセカンダリ・スクリプトは、Oracle Big Data SQLで必要なすべてのファイルを$ORACLE_HOME/bigdatasql
ディレクトリにインストールします。Oracle NoSQL Databaseのサポートには、クライアント・ライブラリ(kvclient.jar
)をインストールします。また、データベース・ディレクトリ・オブジェクト、およびマルチスレッドのOracle Big Data SQLエージェントのデータベース・リンクも作成します。
--generate-only
オプションを使用してセカンダリ・スクリプトを作成し、$ORACLE_HOME
の所有者として実行することもできます。
Exadataでインストール・スクリプトを実行する場合に問題が発生したら、次の手順を実行してOracleサポートでSRを開き詳細を確認します。
次のようにして、デバッグ内のスクリプトを実行してデバッグ出力を収集します。
$ ./bds-exa-install.sh --db-name=<dbresource> --grid-home=<grid home> --root-script=false --debug OR $ ./bds-exa-install.sh --root-script=false --debug
次のようにして、Oracle Databaseバージョンを収集します。
RDBMS-RAC Homeからopatch lsinventory
の結果を収集します。
Grid Homeからopatch lsinventory
の結果を収集します
次のSQL文の結果により、Datapatchが設定されていることを確認します。
SQL> select patch_id, patch_uid, version, bundle_series, bundle_id, action, status from dba_registry_sqlpatch;
次の環境変数から、情報を収集します。
$ORACLE_HOME
$ORACLE_SID
$GI_HOME
$TNS_ADMIN
lsnrctl status
コマンドを実行します。
Oracle Big Data SQLにKerberosが有効化されたクラスタ上のHDFSデータへのアクセス権を付与するには、アクセスを必要とする各Oracle Exadata Database MachineをKerberosクライアントにします。また、各クラスタ・ノードおよびExadata Database Machine上のoracle
アカウントでkinit
を実行し、このアカウントがKerberosによって認証されることを確認します。この手順は、次の2つの状況で必要となります。
Kerberosが有効化されたクラスタでOracle Big Data SQLを有効化する場合。
Oracle Big Data SQLがすでにインストールされているクラスタでKerberosを有効化する場合。
注意:
Oracle Big Data SQL問合せは、Oracle Databaseプロセスの所有者(つまりoracle
ユーザー)として、Hadoopクラスタ上で実行されます。したがって、oracle
ユーザーがデータにアクセスするには、有効なKerberosチケットが必要です。このチケットは、クラスタにアクセスするすべてのOracle Databaseインスタンスで必要となります。また、有効なチケットは、Oracle Big Data Appliance上で実行中の各Big Data SQL Serverプロセスにも必要です。チケットを取得するには、kinit oracle
を実行します。これらの手順を使用すると、オペレーティング・システム・ユーザーは、kinitユーティリティで認証されてから、Oracle SQL Connector for HDFSジョブを発行できます。kinitユーティリティは通常、認証用のKerberosキータブ・ファイルを使用し、パスワードに対話型プロンプトを使用しません。
クラスタの各ノードで、次の手順を実行します。
oracle
ユーザーとしてログインします。
oracleアカウントでkinit
を実行します。
$ kinit oracle
Kerberosパスワードを入力します。
プライマリ・ノードにログオンし、Oracle Big Data SQLを停止して再起動します。
$ bdacli stop big_data_sql_cluster $ bdacli start big_data_sql_cluster
クラスタへのアクセス権が必要なすべてのOracle Exadata Database Machine上で、次の手順を実行します。
Mammothがインストールされているノードから各Oracle Exadata Machine上の同じパスに、Kerberos構成ファイル/etc/krb5.conf
をコピーします。
oracle
アカウントでkinit
を実行し、Kerberosパスワードを入力します。
Oracle Big Data SQLのインストール後スクリプトを再実行します
$ ./bds-exa-install.sh
Kerberosチケットの期限切れの防止
システムではkinitをKerberosチケットの失効前に定期的に実行して、Oracle SQL Connector for HDFSによる透過的な認証を可能にする必要があります。cronまたは類似ユーティリティを使用して、kinitを実行します。たとえば、Kerberosチケットが2週間ごとに期限が切れる場合は、チケットの期限を1週間ごとに延長するようにcronジョブを設定します。
Apache Hive内のデータのOracle外部表を簡単に作成できます。Oracle Databaseはメタデータを使用できるため、Hive表に関する情報をデータ・ディクショナリに問い合せることができます。次に、PL/SQL関数を使用して、基本的なSQL CREATE TABLE EXTERNAL ORGANIZATION
文を生成できます。実行前に文を変更して、外部表をカスタマイズできます。
DBMS_HADOOP
PL/SQLパッケージには、CREATE_EXTDDL_FOR_HIVE
という名前の関数が含まれています。データ・ディクショナリ言語(DDL)を返して、Hive表にアクセスするための外部表を作成します。この関数では、Hive表に関する基本情報を指定する必要があります。
Hadoopクラスタの名前
Hiveデータベースの名前
Hive表の名前
Hive表がパーティション化されているかどうか
ALL_HIVE_TABLES
データ・ディクショナリ・ビューを問い合せることで、この情報を取得できます。Oracle DatabaseからアクセスできるすべてのHive表に関する情報が表示されます。
この例では、現在のユーザーにデフォルト・データベース内のRATINGS_HIVE_TABLE
という名前のパーティション化されていないHive表へのアクセス権があることを示します。JDOE
という名前のユーザーは所有者です。
SQL> SELECT cluster_id, database_name, owner, table_name, partitioned FROM all_hive_tables; CLUSTER_ID DATABASE_NAME OWNER TABLE_NAME PARTITIONED ------------ -------------- -------- ------------------ -------------- hadoop1 default jdoe ratings_hive_table UN-PARTITIONED
データ・ディクショナリからの情報とともに、DBMS_HADOOP
のCREATE_EXTDDL_FOR_HIVE
関数を使用できます。この例では、現在のスキーマ内のRATINGS_DB_TABLE
のデータベース表名を指定します。関数は、DDLout
という名前のローカル変数でCREATE TABLE
コマンドのテキストを返しますが、実行はしません。
DECLARE DDLout VARCHAR2(4000); BEGIN dbms_hadoop.create_extddl_for_hive( CLUSTER_ID=>'hadoop1', DB_NAME=>'default', HIVE_TABLE_NAME=>'ratings_hive_table', HIVE_PARTITION=>FALSE, TABLE_NAME=>'ratings_db_table', PERFORM_DDL=>FALSE, TEXT_OF_DDL=>DDLout ); dbms_output.put_line(DDLout); END; /
このプロシージャを実行すると、PUT_LINE
関数はCREATE TABLE
コマンドを表示します。
CREATE TABLE ratings_db_table ( c0 VARCHAR2(4000), c1 VARCHAR2(4000), c2 VARCHAR2(4000), c3 VARCHAR2(4000), c4 VARCHAR2(4000), c5 VARCHAR2(4000), c6 VARCHAR2(4000), c7 VARCHAR2(4000)) ORGANIZATION EXTERNAL (TYPE ORACLE_HIVE DEFAULT DIRECTORY DEFAULT_DIR ACCESS PARAMETERS ( com.oracle.bigdata.cluster=hadoop1 com.oracle.bigdata.tablename=default.ratings_hive_table ) ) PARALLEL 2 REJECT LIMIT UNLIMITED
この情報をSQLスクリプトで取得し、アクセス・パラメータを使用して、実行前に必要に応じてOracle表名、列名およびデータ型を変更できます。アクセス・パラメータを使用して日付書式マスクを指定することもできます。
ALL_HIVE_COLUMNS
ビューには、デフォルトの列名およびデータ型の導出方法が表示されます。この例では、Hive列の名前がC0からC7であり、Hive STRING
データ型がVARCHAR2(4000)
にマップされることを示します。
SQL> SELECT table_name, column_name, hive_column_type, oracle_column_type FROM all_hive_columns; TABLE_NAME COLUMN_NAME HIVE_COLUMN_TYPE ORACLE_COLUMN_TYPE --------------------- ------------ ---------------- ------------------ ratings_hive_table c0 string VARCHAR2(4000) ratings_hive_table c1 string VARCHAR2(4000) ratings_hive_table c2 string VARCHAR2(4000) ratings_hive_table c3 string VARCHAR2(4000) ratings_hive_table c4 string VARCHAR2(4000) ratings_hive_table c5 string VARCHAR2(4000) ratings_hive_table c6 string VARCHAR2(4000) ratings_hive_table c7 string VARCHAR2(4000) 8 rows selected.
DBMS_HADOOP
を使用するか、CREATE TABLE
文を最初から作成するかを選択できます。どちらの場合にも、ORACLE_HIVE
のデフォルトの動作を変更するように一部のアクセス・パラメータを設定する必要があります。
次の文は、HiveデータにアクセスするためにORDER
という名前の外部表を作成します。
CREATE TABLE order (cust_num VARCHAR2(10), order_num VARCHAR2(20), description VARCHAR2(100), order_total NUMBER (8,2)) ORGANIZATION EXTERNAL (TYPE oracle_hive);
この文ではアクセス・パラメータが設定されていないため、ORACLE_HIVE
アクセス・ドライバはデフォルト設定を使用して次の処理を実行します。
デフォルトのHadoopクラスタに接続します。
order
という名前のHive表を使用します。Hive表にCUST_NUM
、ORDER_NUM
、DESCRIPTION
およびORDER_TOTAL
という名前のフィールドがない場合、エラーが発生します。
CUST_NUM
値が10バイトを超えるなど、変換エラーが発生した場合は、フィールドの値をNULL
に設定します。
外部表の句のACCESS PARAMETERS
句でプロパティを設定できます。これにより、アクセス・ドライバのデフォルトの動作が上書きされます。次の句には、com.oracle.bigdata.overflow
アクセス・パラメータが含まれています。前述の例でこの句を使用する場合、エラーをスローするのではなく、100文字を超えるDESCRIPTION
列のデータが切り捨てられます。
(TYPE oracle_hive ACCESS PARAMETERS ( com.oracle.bigdata.overflow={"action:"truncate", "col":"DESCRIPTION""} ))
次の例では、ORACLE_HIVE
の使用可能なパラメータの大部分を設定します。
CREATE TABLE order (cust_num VARCHAR2(10), order_num VARCHAR2(20), order_date DATE, item_cnt NUMBER, description VARCHAR2(100), order_total (NUMBER(8,2)) ORGANIZATION EXTERNAL (TYPE oracle_hive ACCESS PARAMETERS ( com.oracle.bigdata.tablename: order_db.order_summary com.oracle.bigdata.colmap: {"col":"ITEM_CNT", \ "field":"order_line_item_count"} com.oracle.bigdata.overflow: {"action":"TRUNCATE", \ "col":"DESCRIPTION"} com.oracle.bigdata.erroropt: [{"action":"replace", \ "value":"INVALID_NUM" , \ "col":["CUST_NUM","ORDER_NUM"]} ,\ {"action":"reject", \ "col":"ORDER_TOTAL} ))
これらのパラメータは、ORACLE_HIVE
アクセス・ドライバがデータを特定してエラー条件を処理する方法で、次の変更を行います。
com.oracle.bigdata.tablename
: 表名の違いを処理します。ORACLE_HIVE
は、ORDER.DB
データベース内のORDER_SUMMARY
という名前のHive表を調べます。
com.oracle.bigdata.colmap
: 列名の違いを処理します。HiveのORDER_LINE_ITEM_COUNT
フィールドはOracleのITEM_CNT
列にマップされます。
com.oracle.bigdata.overflow
: 文字列データを切り捨てます。DESCRIPTION
列の100文字を超える値は切り捨てられます。
com.oracle.bigdata.erroropt
: 不正なデータを置換します。CUST_NUM
またはORDER_NUM
のデータのエラーにより、値がINVALID_NUM
に設定されます。
ORACLE_HIVE
アクセス・ドライバを使用して、Oracle NoSQL Databaseに格納されているデータにアクセスできます。ただし、KVStoreにアクセスするHive外部表を最初に作成する必要があります。次に、「HiveデータのOracle外部表の作成」に示されているプロセスのように、それに対してOracle Databaseの外部表を作成できます。
この項の内容は次のとおりです。
Oracle NoSQL Databaseのデータにアクセス可能にするには、Oracle NoSQL表に対してHive外部表を作成します。Oracle Big Data SQLは、HiveによるOracle NoSQL Database表形式の読取りが可能なoracle.kv.hadoop.hive.table.TableStorageHandler
という名前のストレージ・ハンドラを提供します。
Oracle NoSQL表に対するHive外部表のHive CREATE TABLE
文の基本的な構文は次のとおりです。
CREATE EXTERNAL TABLE tablename colname coltype[, colname coltype,...] STORED BY 'oracle.kv.hadoop.hive.table.TableStorageHandler' TBLPROPERTIES ( "oracle.kv.kvstore" = "database", "oracle.kv.hosts" = "nosql_node1:port[, nosql_node2:port...]", "oracle.kv.hadoop.hosts" = "hadoop_node1[,hadoop_node2...]", "oracle.kv.tableName" = "table_name");
Hive CREATE TABLEパラメータ
作成されるHive外部表の名前。
この表名はOracle Databaseで発行されるSQL問合せで使用されるため、ユーザーに適した名前を選択してください。Oracle Databaseで作成する外部表の名前は、このHive表の名前と同じである必要があります。
表、列およびフィールド名は、Oracle NoSQL Database、Apache HiveおよびOracle Databaseで大文字と小文字を区別しません。
Hive外部表の列の名前およびデータ型。Oracle NoSQL DatabaseとHive間のデータ型マッピングは、表6-3を参照してください。
Hive CREATE TABLE TBLPROPERTIES句
KVStoreの名前。大文字、小文字および数字のみが名前で有効です。
Oracle NoSQL Databaseクラスタのホスト名およびポート番号のカンマ区切りリスト。各文字列では形式hostname:portを使用します。ホストで障害が発生した場合の冗長性を提供するには、複数の名前を入力します。
Oracle Big Data SQLが有効であるOracle Big Data ApplianceのCDHクラスタのすべてのホスト名のカンマ区切りリスト。
このHive外部表のデータを格納するOracle NoSQL Databaseの表の名前。
関連項目:
次のApache Hive LanguageManual DDL
次の構文を使用して、Hive外部表を介してOracle NoSQLデータにアクセスできるOracle Databaseの外部表を作成します。
CREATE TABLE tablename(colname colType
[,colname colType
...]) ORGANIZATION EXTERNAL (TYPE ORACLE_HIVE DEFAULT DIRECTORY directory ACCESS PARAMETERS (access parameters) ) REJECT LIMIT UNLIMITED;
この構文では、列名およびデータ型を識別します。この構文の詳細は、「SQL CREATE TABLE文について」を参照してください。
Oracle Big Data SQLがOracle NoSQL Databaseからデータを取得する場合、データが次の別のデータ型に2回変換されます。
データがHive外部表の列に読み込まれる場合にHiveデータ型。
データがOracle Database外部表の列に読み込まれる場合にOracleデータ型。
表6-3に、サポートされているOracle NoSQLデータ型およびHiveとOracle Databaseデータ型のマッピングを示します。Oracle Big Data SQLは、Oracle NoSQL複合データ型の配列、マップおよびレコードをサポートしません。
表6-3 Oracle NoSQL Databaseのデータ型マッピング
Oracle NoSQL Databaseデータ型 | Apache Hiveデータ型 | Oracle Databaseデータ型 |
---|---|---|
文字列 |
STRING |
VARCHAR2 |
Boolean |
BOOLEAN |
NUMBER1 |
Integer |
INT |
NUMBER |
Long |
INT |
NUMBER |
Double |
DOUBLE |
NUMBER(p,s) |
Float |
FLOAT |
NUMBER(p,s) |
この例は、Oracle NoSQL Databaseソフトウェアで用意されているサンプル・データを使用します。
次のファイルがexamples/hadoop/table
ディレクトリにあることを確認します。
create_vehicle_table.kvs CountTableRows.java LoadVehicleTable.java
この例は、bda1node07という名前のOracle Big Data Applianceサーバーで実行され、BDAKVという名前のKVStoreを使用します。
Oracle NoSQL Databaseのサンプルの表を作成して移入するには、次の手順を実行します。
Oracle Big Data ApplianceのOracle NoSQL Databaseノードの接続を開きます。
vehicleTable
という名前の表を作成します。次の例は、load
コマンドを使用して、create_vehicle_table.kvs
のコマンドを実行します。
$ cd NOSQL_HOME
$ java -jar lib/kvcli.jar -host bda1node07 -port 5000 \
load -file examples/hadoop/table/create_vehicle_table.kvs
LoadVehicleTable.java
をコンパイルします。
$ javac -cp examples:lib/kvclient.jar examples/hadoop/table/LoadVehicleTable.java
LoadVehicleTable
クラスを実行して、表に移入します。
$ java -cp examples:lib/kvclient.jar hadoop.table.LoadVehicleTable -host bda1node07 -port 5000 -store BDAKV
{"type":"auto","make":"Chrysler","model":"PTCruiser","class":"4WheelDrive","colo
r":"white","price":20743.240234375,"count":30}
{"type":"suv","make":"Ford","model":"Escape","class":"FrontWheelDrive","color":"
.
.
.
10 new records added
vehicleTable
表には、次のフィールドが含まれています。
フィールド名 | データ型 |
---|---|
type |
STRING |
Make |
STRING |
model |
STRING |
クラス |
STRING |
color |
STRING |
price |
DOUBLE |
count |
INTEGER |
次の例では、BDAKV KVStoreのvehicleTable
にアクセスするVEHICLES
という名前のHive表を作成します。Oracle Big Data Applianceは、最初の6つのサーバー(bda1node01からbda1node06)のCDHクラスタと次の3つのサーバー(bda1node07からbda1node09)のOracle NoSQL Databaseクラスタで構成されます。
CREATE EXTERNAL TABLE IF NOT EXISTS vehicles (type STRING, make STRING, model STRING, class STRING, color STRING, price DOUBLE, count INT) COMMENT 'Accesses data in vehicleTable in the BDAKV KVStore' STORED BY 'oracle.kv.hadoop.hive.table.TableStorageHandler' TBLPROPERTIES ("oracle.kv.kvstore" = "BDAKV", "oracle.kv.hosts" = "bda1node07.example.com:5000,bda1node08.example.com:5000", "oracle.kv.hadoop.hosts" = "bda1node01.example.com,bda1node02.example.com,bda1node03.example.com,bda1node04.example.com,bda1node05.example.com,bda1node06.example.com", "oracle.kv.tableName" = "vehicleTable");
DESCRIBE
コマンドは、VEHICLES
表の列をリストします。
hive> DESCRIBE vehicles;
OK
type string from deserializer
make string from deserializer
model string from deserializer
class string from deserializer
color string from deserializer
price double from deserializer
count int from deserializer
Hive VEHICLES
表に対する問合せは、Oracle NoSQL vehicleTable
表のデータを返します。
hive> SELECT make, model, class FROM vehicletable WHERE type='truck' AND color='red' ORDER BY make, model; Total MapReduce jobs = 1 Launching Job 1 out of 1 Number of reduce tasks determined at compile time: 1 . . . Chrysler Ram1500 RearWheelDrive Chrysler Ram2500 FrontWheelDrive Ford F150 FrontWheelDrive Ford F250 RearWheelDrive Ford F250 AllWheelDrive Ford F350 RearWheelDrive GM Sierra AllWheelDrive GM Silverado1500 RearWheelDrive GM Silverado1500 AllWheelDrive
Hive表を作成した後、メタデータをOracle Database静的データ・ディクショナリ・ビューで使用できます。次のSQL SELECT
文は、前のトピックで作成されたHive表の情報を返します。
SQL> SELECT table_name, column_name, hive_column_type FROM all_hive_columns WHERE table_name='vehicles'; TABLE_NAME COLUMN_NAME HIVE_COLUMN_TYPE --------------- ------------ ---------------- vehicles type string vehicles make string vehicles model string vehicles class string vehicles color string vehicles price double vehicles count int
次のSQL CREATE TABLE
文は、ORACLE_HIVE
アクセス・ドライバを使用して、Hive VEHICLES
表に対するVEHICLES
という名前の外部表を生成します。Oracle Databaseの表の名前は、Hiveの表の名前と同じである必要があります。ただし、Oracle NoSQL DatabaseおよびOracle Databaseは、大文字と小文字を区別しません。
CREATE TABLE vehicles (type VARCHAR2(10), make VARCHAR2(12), model VARCHAR2(20), class VARCHAR2(40), color VARCHAR2(20), price NUMBER(8,2), count NUMBER) ORGANIZATION EXTERNAL (TYPE ORACLE_HIVE DEFAULT DIRECTORY DEFAULT_DIR ACCESS PARAMETERS (com.oracle.bigdata.debug=true com.oracle.bigdata.log.opt=normal)) REJECT LIMIT UNLIMITED;
このSQL SELECT
文は、Oracle NoSQL DatabaseのvehicleTable
から赤いトラックのすべての行を取得します。
SQL> SELECT make, model, class FROM vehicles WHERE type='truck' AND color='red' ORDER BY make, model; MAKE MODEL CLASS ------------ -------------------- --------------------- Chrysler Ram1500 RearWheelDrive Chrysler Ram2500 FrontWheelDrive Ford F150 FrontWheelDrive Ford F250 AllWheelDrive Ford F250 RearWheelDrive Ford F350 RearWheelDrive GM Sierra AllWheelDrive GM Silverado1500 RearWheelDrive GM Silverado1500 4WheelDrive GM Silverado1500 AllWheelDrive
ORACLE_HIVE
アクセス・ドライバを使用して、Apache HBaseに格納されているデータにアクセスすることもできます。ただし、最初にHBase表にアクセスするHive外部表を作成する必要があります。次に、それに対してOracle Databaseの外部表を作成できます。基本的な手順は、「Oracle NoSQL DatabaseのOracle外部表の作成」で説明されているものと同じです。
HBase表のデータにアクセス可能にするには、それに対してHive外部表を作成します。Apacheは、ストレージ・ハンドラおよびHiveによるHBase表形式の読取りが可能なSerDeを提供します。
HBase表に対する外部表のHive CREATE TABLE
文の基本的な構文は、次のとおりです。
CREATE EXTERNAL TABLE tablename colname coltype[, colname coltype,...] ROW FORMAT SERDE 'org.apache.hadoop.hive.hbase.HBaseSerDe' STORED BY 'org.apache.hadoop.hive.hbase.HBaseStorageHandler' WITH SERDEPROPERTIES ( 'serialization.format'='1', 'hbase.columns.mapping'=':key,value:key,value:
関連項目:
次のApache Hive LanguageManual DDL
次のHive HBaseIntegration
https://cwiki.apache.org/confluence/display/Hive/HBaseIntegration#HBaseIntegration-StorageHandlers
次のHive APIリファレンスのClass HBaseSerDe
http://hive.apache.org/javadocs/r0.13.1/api/hbase-handler/index.html
次の構文を使用して、Hive外部表を介してHBaseデータにアクセスできるOracle Databaseの外部表を作成します。
CREATE TABLE tablename(colname colType
[,colname colType
...]) ORGANIZATION EXTERNAL (TYPE ORACLE_HIVE DEFAULT DIRECTORY DEFAULT_DIR ACCESS PARAMETERS (access parameters) ) REJECT LIMIT UNLIMITED;
この構文では、列名およびデータ型を識別します。アクセス・パラメータを指定するには、「SQL CREATE TABLE文について」を参照してください。
ORACLE_HDFS
アクセス・ドライバを使用すると、HDFSに格納されている様々なタイプのデータにアクセスできますが、HDFSにはHiveメタデータはありません。テキスト・データのレコード形式を定義することも、特定のデータ形式のSerDeを指定することもできます。
HDFSファイルの外部表を手動で作成し、データを特定するためにアクセス・ドライバが必要とするすべての情報を提供して、レコードおよびフィールドを解析する必要があります。CREATE TABLE ORGANIZATION EXTERNAL
文のいくつかの例を次に示します。
次の文は、ORDER
という名前の文を作成して、HDFSの/usr/cust/summary
ディレクトリに格納されているすべてのファイル内のデータにアクセスします。
CREATE TABLE ORDER (cust_num VARCHAR2(10), order_num VARCHAR2(20), order_total NUMBER (8,2)) ORGANIZATION EXTERNAL ( TYPE oracle_hdfs DEFAULT DIRECTORY DEFAULT_DIR ) LOCATION ('hdfs:/usr/cust/summary/*');
この文ではアクセス・パラメータが設定されていないため、ORACLE_HDFS
アクセス・ドライバはデフォルト設定を使用して次の処理を実行します。
デフォルトのHadoopクラスタに接続します。
ファイルをデリミタ付きテキスト、フィールドをSTRING
タイプとして読み取ります。
HDFSファイル内のフィールドの数は、列の数と一致すると仮定します(この例では3)。
CUST_NUM
データが第1フィールド、ORDER_NUM
データが第2フィールド、ORDER_TOTAL
データが第3フィールドになるように、フィールドは列と同じ順序であることを前提とします。
値によってデータ変換エラーが発生するレコードを拒否します。CUST_NUM
の値が10文字を超える場合、ORDER_NUM
の値が20文字を超える場合、またはORDER_TOTAL
の値がNUMBER
に変換できない場合です。
ORACLE_HDFS
でも、ORACLE_HIVE
と同じアクセス・パラメータの多くを使用できます。
次の例は、「ORACLE_HIVEのデフォルト設定の上書き」に示した例に相当します。外部表は、HDFSに格納されているデリミタ付きテキスト・ファイルにアクセスします。
CREATE TABLE order (cust_num VARCHAR2(10), order_num VARCHAR2(20), order_date DATE, item_cnt NUMBER, description VARCHAR2(100), order_total NUMBER(8,2)) ORGANIZATION EXTERNAL ( TYPE oracle_hdfs DEFAULT DIRECTORY DEFAULT_DIR ACCESS PARAMETERS ( com.oracle.bigdata.colmap: {"col":"item_cnt", "field":"order_line_item_count"} com.oracle.bigdata.overflow: {"action":"TRUNCATE", "col":"DESCRIPTION"} com.oracle.bigdata.erroropt: [{"action":"replace", \ "value":"INVALID NUM", \ "col":["CUST_NUM","ORDER_NUM"]} , \ {"action":"reject", "col":"ORDER_TOTAL}] ) LOCATION ('hdfs:/usr/cust/summary/*'));
これらのパラメータは、ORACLE_HDFS
アクセス・ドライバがデータを特定してエラー条件を処理する方法で、次の変更を行います。
com.oracle.bigdata.colmap
: 列名の違いを処理します。HDFSファイル内のORDER_LINE_ITEM_COUNT
は、外部表のITEM_CNT
列と一致します。
com.oracle.bigdata.overflow
: 文字列データを切り捨てます。DESCRIPTION
列の100文字を超える値は切り捨てられます。
com.oracle.bigdata.erroropt
: 不正なデータを置換します。CUST_NUM
またはORDER_NUM
のデータのエラーにより、値がINVALID_NUM
に設定されます。
次の例では、SerDeを使用してAvroコンテナ・ファイルにアクセスします。
CREATE TABLE order (cust_num VARCHAR2(10), order_num VARCHAR2(20), order_date DATE, item_cnt NUMBER, description VARCHAR2(100), order_total NUMBER(8,2)) ORGANIZATION EXTERNAL ( TYPE oracle_hdfs DEFAULT DIRECTORY DEFAULT_DIR ACCESS PARAMETERS ( com.oracle.bigdata.rowformat: \ SERDE 'org.apache.hadoop.hive.serde2.avro.AvroSerDe' com.oracle.bigdata.fileformat: \ INPUTFORMAT 'org.apache.hadoop.hive.ql.io.avro.AvroContainerInputFormat'\ OUTPUTFORMAT 'org.apache.hadoop.hive.ql.io.avro.AvroContainerOutputFormat' com.oracle.bigdata.colmap: { "col":"item_cnt", \ "field":"order_line_item_count"} com.oracle.bigdata.overflow: {"action":"TRUNCATE", \ "col":"DESCRIPTION"} ) LOCATION ('hdfs:/usr/cust/summary/*'));
アクセス・パラメータは、次の情報をORACLE_HDFS
アクセス・ドライバうに提供します。
com.oracle.bigdata.rowformat
: アクセス・ドライバがレコードおよびフィールドを解析するために使用する必要があるSerDeを識別します。ファイルはデリミタ付きテキスト形式ではありません。
com.oracle.bigdata.fileformat
: レコードを抽出し、それらを目的の形式で出力できるJavaクラスを識別します。
com.oracle.bigdata.colmap
: 列名の違いを処理します。ORACLE_HDFS
は、外部表のITEM_CNT
列を持つHDFSファイル内のORDER_LINE_ITEM_COUNT
と一致します。
com.oracle.bigdata.overflow
: 文字列データを切り捨てます。DESCRIPTION
列の100文字を超える値は切り捨てられます。
SQLのCREATE TABLE
文には、外部表の作成に特化した句があります。この句に指定する情報により、アクセス・ドライバは外部ソースからデータを読み取り、そのデータを外部表用に準備できます。
次に外部表のCREATE TABLE
文の基本的な構文を示します。
CREATE TABLE table_name (column_name datatype, column_name datatype[,...]) ORGANIZATION EXTERNAL (external_table_clause);
他の表と同様に、列名およびデータ型を指定します。ORGANIZATION EXTERNAL
は、表を外部表として識別します。
external_table_clauseはアクセス・ドライバを識別し、データのロードに必要な情報を提供します。「外部表の句について」を参照してください。
CREATE TABLE ORGANIZATION EXTERNAL
は、引数としてexternal_table_clauseを取ります。次の従属句があります。
関連項目:
external_table_clauseの詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
TYPE
句はアクセス・ドライバを識別します。アクセス・ドライバのタイプによって、外部表定義の他の部分がどのように解釈されるかが決まります。
Oracle Big Data SQLに次の値のいずれかを指定します。
ORACLE_HDFS
: HDFSディレクトリ内のファイルにアクセスします。
ORACLE_HIVE
: Hive表にアクセスします。
注意:
ORACLE_DATAPUMP
およびORACLE_LOADER
アクセス・ドライバは、Oracle Big Data SQLには関連付けられません。
DEFAULT DIRECTORY
句はOracle Databaseディレクトリ・オブジェクトを識別します。ディレクトリ・オブジェクトは、外部表が読取りおよび書込みを行うファイルを含むオペレーティング・システム・ディレクトリを識別します。
ORACLE_HDFS
およびORACLE_HIVE
はデフォルト・ディレクトリのみを使用して、Oracle Databaseシステムにログ・ファイルを書き込みます。
ORACLE_HDFS
のLOCATION
句には、ファイルの場所のコンマ区切りのリストが含まれます。ファイルは、デフォルト・クラスタ上のHDFSファイル・システムに存在する必要があります。
場所は次のいずれかになります。
完全修飾HDFS名(/user/hive/warehouse/hive_seed/hive_types
など)。ORACLE_HDFS
はディレクトリ内のすべてのファイルを使用します。
完全修飾HDFSファイル名(/user/hive/warehouse/hive_seed/hive_types/hive_types.csv
など)。
HDFSファイルまたはファイルのセットのURL (hdfs:/user/hive/warehouse/hive_seed/hive_types/*
など)。ディレクトリ名のみは無効です。
ファイル名には、表6-4に説明されているパターン一致文字を含めることができます。
表6-4 パターン一致文字
文字 | 説明 |
---|---|
? |
任意の1文字に一致します。 |
* |
0文字以上の文字に一致します。 |
[abc] |
セット{a, b, c}内の1文字に一致します。 |
[a-b] |
範囲{a...b}内の1文字に一致します。文字は、b以下である必要があります。 |
[^a] |
文字セットまたは範囲{a}外の1文字に一致します。カレット(^)は、左カッコの直後に付ける必要があります(スペースなし)。 |
\c |
cの特別な意味を無効にします。バックスラッシュ(\)は、エスケープ文字です。 |
{ab\,cd} |
セット{ab, cd}内の文字列に一致します。エスケープ文字(\)は、パス区切りとしてのコンマの意味を無効にします。 |
{ab\,c{de\,fh} |
セット{ab, cde, cfh}内の文字列に一致します。エスケープ文字(\)は、パス区切りとしてのコンマの意味を無効にします。 |
ORACLE_HIVE
にLOCATION
句を指定しないでください。指定すると、エラーが発生します。データはHiveに格納され、アクセス・パラメータおよびメタデータ・ストアは必要な情報を提供します。
Oracle Databaseが問合せを停止し、エラーを返すまで、外部表の問合せ中に許可される変換エラーの数を制限します。
行が拒否される処理エラーは、制限に対してカウントされます。拒否制限は、各並列問合せ(PQ)プロセスに個別に適用されます。すべてのPQプロセスについて、拒否されたすべての行の合計ではありません。
ACCESS PARAMETERS
句は、アクセス・ドライバがデータを外部表に正しくロードするために必要な情報を提供します。「CREATE TABLE ACCESS PARAMETERS句」を参照してください。
アクセス・ドライバは、データを外部表にロードする際に、Hiveデータをターゲット列のデータ型に変換できることを確認します。互換性がない場合、アクセス・ドライバはエラーを返します。それ以外の場合は、適切なデータ変換を行います。
通常、Hiveは他の場所(HDFSファイル内など)に格納されているデータに表抽象化レイヤーを提供します。Hiveはシリアライザ/デシリアライザ(SerDe)を使用して、必要に応じてデータを格納されている形式からHiveデータ型に変換します。その後、アクセス・ドライバはHiveデータ型からOracleデータ型にデータを変換します。たとえば、テキスト・ファイルに対するHive表にBIGINT
列がある場合、SerDeはデータをテキストからBIGINT
に変換します。その後、アクセス・ドライバはデータをBIGINT
(Hiveデータ型)からNUMBER
(Oracleデータ型)に変換します。
2つではなく1つのデータ型変換を実行する場合、パフォーマンスが向上します。したがって、HDFSファイル内のフィールドのデータ型は、ディスク上に実際に格納されているデータを示す必要があります。たとえば、JSONはクリア・テキスト形式であるため、JSONファイル内のデータはすべてテキストです。フィールドのHiveタイプがDATE
の場合、SerDeはデータを文字列(データ・ファイル内)からHive日付に変換します。その後、アクセス・ドライバはデータをHive日付からOracle日付に変換します。ただし、フィールドのHiveタイプが文字列の場合、SerDeは変換を実行せず、アクセス・ドライバはデータを文字列からOracle日付に変換します。2番目の例では、外部表に対する問合せはより速くなります。これは、アクセス・ドライバがデータ変換のみを実行するためです。
表6-5は、データを外部表にロードするときにORACLE_HIVE
が実行できるデータ型変換を示します。
表6-5 サポートされているHiveデータ型からOracleデータ型への変換
Hiveデータ型 | VARCHAR2、CHAR、NCHAR2、NCHAR、CLOB | NUMBER、FLOAT、BINARY_NUMBER、BINARY_FLOAT | BLOB | RAW | DATE、TIMESTAMP、TIMESTAMP WITH TZ、TIMESTAMP WITH LOCAL TZ | INTERVAL YEAR TO MONTH、INTERVAL DAY TO SECOND |
---|---|---|---|---|---|---|
INT SMALLINT TINYINT BIGINT |
はい |
はい |
はい |
はい |
いいえ |
いいえ |
DOUBLE FLOAT |
はい |
はい |
はい |
はい |
いいえ |
いいえ |
DECIMAL |
はい |
はい |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
BOOLEAN |
はい2 |
はい |
はい3 |
はい |
いいえ |
いいえ |
BINARY |
はい |
いいえ |
はい |
はい |
いいえ |
いいえ |
STRING |
はい |
はい |
はい |
はい |
はい |
はい |
TIMESTAMP |
はい |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
はい |
いいえ |
STRUCT ARRAY UNIONTYPE MAP |
はい |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
Hadoopクラスタ上のデータを問い合せるユーザーには、外部表、およびクラスタ・ディレクトリを指すデータベース・ディレクトリ・オブジェクトへのOracle Database内のREAD
アクセス権が必要です。「クラスタ・ディレクトリについて」を参照してください。
デフォルトでは、列の値を計算しているときにエラーが発生した場合、問合せはデータを返しません。ほとんどのエラー(特に、列の値を計算中にスローされたエラー)の後も処理は続行します。
エラーの処理方法を決定するには、com.oracle.bigdata.erroropt
パラメータを使用します。
Oracle Big Data SQLは、Oracle Exadata Database Machineに接続されたOracle Big Data Applianceがあるシステム上で排他的に実行されます。Oracle Exadata Storage Server Softwareは、構成可能な数のOracle Big Data Applianceサーバー上にデプロイされます。これらのサーバーは、CDHノードとOracle Exadata Storage Serverの機能を結合します。
Mammothユーティリティは、Oracle Big Data ApplianceとOracle Exadata Database Machineの両方にBig Data SQLソフトウェアをインストールします。この項の情報では、MammothがOracle Databaseシステムに対して行う変更について説明します。
この項の内容は次のとおりです。
注意:
Oracle SQL Connector for HDFSは、Oracle Exadata Database Machineに接続されていないラックを含む、すべてのOracle Big Data ApplianceラックにHadoopデータへのアクセスを提供します。ただし、Oracle Big Data SQLのパフォーマンス上の利点はなく、Oracle Big Data Applianceライセンスにも含まれません。『Oracle Big Data Connectorsユーザーズ・ガイド』を参照してください。
データベース上のBig Data SQLエージェントはクラスタウェアにより管理されます。Big Data SQLのインストール中にエージェントがクラスタウェアに登録され、データベースを自動的に開始および停止します。ステータスを確認するには、GridホームまたはClusterwareホームから実行します。
mtactl check bds_databasename_clustername
共通ディレクトリには、すべてのHadoopクラスタに共通の構成情報が含まれています。このディレクトリは、Oracle DatabaseシステムのOracleホーム・ディレクトリの下にあります。oracle
ファイル・システムのユーザー(またはOracle Databaseインスタンスを所有するユーザー)は、共通ディレクトリを所有します。ORACLE_BIGDATA_CONFIG
という名前のデータベース・ディレクトリは共通ディレクトリを指します。
Mammothインストール・プロセスでは、次のファイルが作成され、共通ディレクトリに格納されます。
Oracle DBAは、必要に応じてこれらの構成ファイルを編集できます。
共通ディレクトリ内の bigdata.properties
ファイルには、HDFS内のデータにアクセスするために必要なJavaクラス・パスおよびネイティブ・ライブラリ・パスを定義するプロパティ/値のペアが含まれています。
次のプロパティを設定する必要があります。
次のリストで、bigdata.properties
で許可されているすべてのプロパティを説明します。
bigdata.properties
プロパティ | 説明 |
---|---|
bigdata.cluster.default |
デフォルトのHadoopクラスタの名前。アクセス・パラメータがクラスタを指定しない場合、アクセス・ドライバはこの名前を使用します。必須。 デフォルトのクラスタ名を変更すると、明示的なクラスタ名なしで以前に作成された外部表が使用できなくなる可能性があります。 |
bigdata.cluster.list |
Hadoopクラスタ名のコンマ区切りのリスト。オプション。 |
java.classpath.hadoop |
Hadoopクラス・パス。必須。 |
java.classpath.hive |
Hiveクラス・パス。必須。 |
java.classpath.oracle |
Oracle JXAD Java JARファイルへのパス。必須。 |
java.classpath.user |
ユーザーJARファイルへのパス。オプション。 |
java.libjvm.file |
JVM共有ライブラリ( |
java.options |
JVMに渡されるオプションのコンマ区切りのリスト。オプション。 この例では、最大ヒープ・サイズを2GBに設定し、Java Native Interface (JNI)呼出しの詳細なロギングを設定します。 Xmx2048m,-verbose=jni |
LD_LIBRARY_PATH |
Hadoopネイティブ・ライブラリを検索するためのディレクトリ・パスのコロン区切りの(:)リスト。推奨。 このオプションを設定した場合は、 |
例6-3は、サンプルのbigdata.properties
ファイルを示します。
例6-3 サンプルのbigdata.propertiesファイル
# bigdata.properties # # Copyright (c) 2014, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. # # NAME # bigdata.properties - Big Data Properties File # # DESCRIPTION # Properties file containing parameters for allowing access to Big Data # Fixed value properties can be added here # java.libjvm.file=$ORACLE_HOME/jdk/jre/lib/amd64/server/libjvm.so java.classpath.oracle=$ORACLE_HOME/hadoopcore/jlib/*:$ORACLE_HOME/hadoop/jlib/hver-2/*:$ORACLE_HOME/dbjava/lib/* java.classpath.hadoop=$HADOOP_HOME/*:$HADOOP_HOME/lib/* java.classpath.hive=$HIVE_HOME/lib/* LD_LIBRARY_PATH=$ORACLE_HOME/jdk/jre/lib bigdata.cluster.default=hadoop_cl_1
共通ディレクトリのbigdata-log4j.properties
ファイルは、外部表に対する問合せのロギング動作をJavaコードで定義します。このファイルでは、すべてのlog4j
プロパティを使用できます。
例6-4は、サンプルのbigdata-log4j.properties
ファイルと関連するlog4j
プロパティを示します。
例6-4 サンプルのbigdata-log4j.propertiesファイル
# bigdata-log4j.properties # # Copyright (c) 2014, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. # # NAME # bigdata-log4j.properties - Big Data Logging Properties File # # DESCRIPTION # Properties file containing logging parameters for Big Data # Fixed value properties can be added here bigsql.rootlogger=INFO,console log4j.rootlogger=DEBUG, file log4j.appender.console=org.apache.log4j.ConsoleAppender log4j.appender.console.target=System.err log4j.appender.console.layout=org.apache.log4j.PatternLayout log4j.appender.console.layout.ConversionPattern=%d{yy/MM/dd HH:mm:ss} %p %c{2}: %m%n log4j.appender.file=org.apache.log4j.RollingFileAppender log4j.appender.file.layout=org.apache.log4j.PatternLayout log4j.appender.file.layout.ConversionPattern=%d{yy/MM/dd HH:mm:ss} %p %c{2}: %m%n log4j.logger.oracle.hadoop.sql=ALL, file bigsql.log.dir=. bigsql.log.file=bigsql.log log4j.appender.file.File=$ORACLE_HOME/bigdatalogs/bigdata-log4j.log
クラスタ・ディレクトリには、CDHクラスタの構成情報が含まれています。Oracle DatabaseがOracle Big Data SQLを使用してアクセスする各クラスタにクラスタ・ディレクトリがあります。このディレクトリは、Oracle Databaseシステムの共通ディレクトリの下にあります。たとえば、bda1_cl_1という名前のクラスタには、共通ディレクトリに同じ名前(bda1_cl_1
)のディレクトリがあります。
クラスタ・ディレクトリには、次のようなクラスタにアクセスするためのCDHクライアント構成ファイルが含まれています。
core-site.xml
hdfs-site.xml
hive-site.xml
mapred-site.xml
(オプション)
log4j
プロパティ・ファイル(hive-log4j.properties
など)
データベース・ディレクトリ・オブジェクトはクラスタ・ディレクトリを指します。クラスタ内のデータにアクセスするユーザーには、ディレクトリ・オブジェクトの読取りアクセス権が必要です。
関連項目:
Hadoopクライアントの詳細は、「CDHへのリモート・クライアント・アクセスの提供」を参照してください。
oracle
オペレーティング・システム・ユーザー(またはOracle Databaseインストール・ディレクトリを所有するユーザー)には次の設定が必要です。
ログ・ディレクトリを指すデータベース・ディレクトリへのREAD/WRITEアクセス権。これらの権限を使用すると、アクセス・ドライバはログ・ファイルを作成し、ユーザーはそれを読み取ることができます。
Oracle Big Data Applianceで定義されている、該当するoracle
オペレーティング・システム・ユーザー。ソース・データが格納されているHDFSディレクトリへのオペレーティング・システム内の読取りアクセス権を持ちます。
falseの場合には0、trueの場合には1
FALSEは文字列FALSE
にマップされ、TRUEは文字列TRUE
にマップされます。
FALSEは0にマップされ、TRUEは1にマップされます。