目次 前 次 PDF


Oracle TSAM Plusマネージャのサイレント・インストール

Oracle TSAM Plusマネージャのサイレント・インストール
次の項では、サイレント・インストールを使用してOracle TSAM Plusマネージャをインストールする方法について説明します。
サイレント・インストールとは
サイレント・インストールでは、インストール前に作成しておいたテキスト・ファイルから構成の設定を読み取ります。インストール中にユーザーが操作を行う必要はありません。サイレント・インストールは、WindowsシステムとUNIXシステムのいずれでも利用できます。
サイレント・インストールは、インストールの構成を一度設定した上で、その構成を使用して数多くのマシンにインストールを繰り返す方法です。
レスポンス・ファイルの作成
OUI記録モードを使用して、選択したインストール・オプションに基づいて、新しいレスポンス・ファイルを作成できます。
記録モードを使用すると、OUIではインストール・セッションがレスポンス・ファイルに記録されます。コマンド行でレスポンス・ファイルの名前を指定します。記録したレスポンス・ファイルは「サマリー」ページの直後に生成されるので、レスポンス・ファイルを作成するためにOracle製品を実際にインストールする必要はありません。つまり、記録モードでインストールを開始して、「サマリー」ページが表示されるまで、インストール・オプションを続行できます。「サマリー」ページで「終了」をクリックして、インストールの続行を中止します。それでも、選択したすべてのオプションがレスポンス・ファイルに保存されます。
新規作成レスポンス・ファイルを使用して、組織にある他のコンピュータで同一インストール・セッションを実行できます。
記録モードはサイレント・インストール中にも使用できます。その場合、元のレスポンス・ファイルで指定された変数値が新しいレスポンス・ファイルに記録されます。
次の項では、WindowsシステムおよびUNIXシステムで記録モードを使用する方法を説明します。
記録モードの使用
新しいレスポンス・ファイルを記録するには:
1.
コマンド・プロンプトでcdコマンドを使用して、インストールのOUI実行可能ファイル(setup.batまたはsh ./runInstaller.sh)が含まれるディレクトリに移動します。
2.
次のコマンドを入力します。
Windowsの場合:
setup.bat -record -destinationFile <response_file_name>
UNIXの場合:
sh ./runInstaller.sh -record -destinationFile <response_file_name>
 
新しいレスポンス・ファイルの完全パスで<response_file_name>を置換します。例:
Windowsの場合:
setup.bat -record -destinationFile C:\response_files\install_oracle11g.rsp
 
UNIXの場合:
sh ./runInstaller.sh -record -destinationFile
/private/temp/install_oracle11g.rsp
3.
OUIユーザー・インタフェースを使用してインストール・オプションを選択し、記録します。
OUIで「サマリー」ページが表示されると、インストールを続行するか終了できます。OUIではコマンド行で指定したパスおよびファイル名を使用して、新しいレスポンス・ファイルを保存します。
注意:
Java Development Kit (JDK)またはJava Runtime Environment (JRE) 1.8.0が必要です。必要なJREをインストールし、それに応じて環境変数JAVA_HOMEを設定する必要があります。
レスポンス・ファイルを使用するインストール
サイレント・モードでインストールする際は、ディスク容量が十分にあり、ログインIDにOracleインベントリ・ディレクトリにアクセスするための適切な権限があることを確認する必要があります。
サイレント・インストールを実行するには、次の手順に従います。
1.
有効なデータに設定されている必要な変数を含むファイルを作成します。
2.
コマンド行プロンプトで、インストーラの実行ファイルが格納されているディレクトリに移動します。
3.
次のコマンドを入力します。
setup.bat -responseFile <filename> -silent <optional_parameters> (Windowsの場合)
sh ./runInstaller.sh -responseFile <filename> -silent <optional_parameters> (UNIXの場合)
注意:
 
サイレント・モードのすべてのオプションはレスポンス・ファイル(.rsp)に保存されます。responseFileには完全パスを指定する必要があります。指定しない場合、Oracle Universal Installerではその場所を、起動されたOracle Universal Installerに関連付けられたoraparam.iniファイルからの相対的パスだと推定します。
Java Development Kit (JDK)またはJava Runtime Environment (JRE) 1.8.0が必要です。必要なJREをインストールし、それに応じて環境変数JAVA_HOMEを設定する必要があります。
-responseFileフラグで使用できるオプション・パラメータは次のとおりです。
-waitforcompletion -waitforcompletionフラグを-silentフラグとともに使用し、javaエンジンを生成して終了するかわりに完了を待ちます。
コマンド行の使用方法のヘルプについては、実行可能ファイルが格納されたディレクトリでコマンド行に次のように入力します。
setup.bat -help (on Windows)
sh ./runInstaller.sh -help (on UNIX)
たとえば、UNIXマシンでは次のように入力します。
sh ./runInstaller.sh -responseFile /tsam/tsam_linux_silent.rsp -silent
ORACLE_HOMEが空でない場合、-forceオプションを使用して上書きしてください。上書きしない場合、次のエラーが表示されます。
SEVERE:OUI-10029: この製品のインストールに空白でないディレクトリを指定しました。空白のディレクトリか存在しないディレクトリを指定することをお薦めします。ただし、そのディレクトリにオペレーティング・システム生成ファイルやlost+foundのようなサブディレクトリが含まれている場合は、このメッセージを無視する選択ができます。
レスポンス・ファイルのキーワード
OUI関連キーワード
 
表3-1 オプションのキーワード
キーワード名
データ型
説明
UNIX_GROUP_NAME
String
インベントリ・ディレクトリに設定されるUNIXグループ。UNIXプラットフォームのみで有効です。
FROM_LOCATION
String
products.xmlへの完全パス
FROM_LOCATION_CD_LABEL
String
この変数は複数CDインストールのみで使用されます。products.xmlファイルが存在するCDのラベルが含まれます。ラベルは、products.xmlと同じディレクトリにある「disk.label」ファイルにあります。
ORACLE_BASE
String
Oracle Baseの完全パス。
SHOW_WELCOME_PAGE
Boolean
OUIの「ようこそ」ページを表示する必要がある場合はtrueに設定します。
SHOW_CUSTOM_TREE_PAGE
Boolean
OUIでカスタム・ツリー・ページを表示する必要がある場合はtrueに設定します。
SHOW_COMPONENT_LOCATIONS_PAGE
Boolean
OUIでコンポーネント位置ページを表示する必要がある場合はtrueに設定します。
SHOW_SUMMARY_PAGE
Boolean
OUIでサマリー・ページを表示する必要がある場合はtrueに設定します。
SHOW_INSTALL_PROGRESS_PAGE
Boolean
OUIでインストールの進行状況ページを表示する必要がある場合はtrueに設定します。
SHOW_REQUIRED_CONFIG_TOOL_PAGE
Boolean
OUIで必須構成アシスタント・ページを表示する必要がある場合はtrueに設定します。
SHOW_CONFIG_TOOL_PAGE
Boolean
OUIで構成アシスタント・ページを表示する必要がある場合はtrueに設定します。
SHOW_RELEASE_NOTES
Boolean
このインストールのリリース・ノートをインストールの最後に表示する必要がある場合はtrueに設定します。
SHOW_ROOTSH_CONFIRMATION
Boolean
OUIでroot.shスクリプトの実行を求める「確認」ダイアログを表示する必要がある場合はtrueに設定します。UNIXプラットフォームのみで有効です。
SHOW_END_SESSION_PAGE
Boolean
OUIでセッション最終ページを表示する必要がある場合はtrueに設定します。
SHOW_EXIT_CONFIRMATION
Boolean
OUIの終了時に確認を表示する必要がある場合はtrueに設定します。
NEXT_SESSION
Boolean
インストールを繰り返すためにユーザーが「ファイルの場所」ページに戻れるようにするにはtrueに設定します。別のレスポンス・ファイルを処理するには、このフラグもtrueに設定する必要があります(「NEXT_SESSION_RESPONSE」を参照)。
NEXT_SESSION_ON_FAIL
Boolean
現在のインストール・セッションが失敗した場合にユーザーがもう一度セッションを開始できるようにするには、trueに設定します。このフラグは、NEXT_SESSIONがtrueに設定されている場合にのみ有効です。
NEXT_SESSION_RESPONSE
Boolean
インストールを繰り返すためにユーザーが「ファイルの場所」ページに戻れるようにするにはtrueに設定します。別のレスポンス・ファイルを処理する場合にも、このフラグをTRUEに設定する必要があります。
DEINSTALL_LIST
StringList
アンインストール・セッション中にアンインストールされるコンポーネントのリスト。
#Example: DEINSTALL_LIST={"TSAM_Manager","12.2.2.0.0"}
SHOW_DEINSTALL_CONFIRMATION
Boolean
アンインストール・セッション中にアンインストールの確認が必要な場合、trueに設定します。
SHOW_DEINSTALL_PROGRESS
Boolean
アンインストール・セッション中にアンインストールの進行状況が必要な場合、trueに設定します。
CLUSTER_NODES
StringList
この変数は、インストールでユーザーが選択したクラスタ・ノード名を表します。
ACCEPT_LICENSE_AGREEMENT
Boolean
この変数をtrueに設定することにより、ライセンス契約に同意することになります。この変数はサイレント・インストールでのみ使用されます。
METALINK_LOCATION
String
この変数はOracle Metalinkの場所を表します。
METALINK_USERNAME
String
この変数はOracle Metalinkのユーザー名を表します。
METALINK_PASSWORD
String
この変数は対応するOracle Metalinkのパスワードを表します。
PROXY_HOST
String
Oracle Metalinkへの接続に使用されるプロキシ・ホスト。
PROXY_PORT
String
Oracle Metalinkへの接続に使用されるプロキシ・ポート。
PROXY_REALM
String
Oracle Metalinkへの接続に使用されるプロキシのレルム。
PROXY_USER
String
Oracle Metalinkへの接続に使用されるプロキシのユーザー名。
PROXY_PWD
String
Oracle Metalinkへの接続に使用されるプロキシのパスワード。
DONT_PROXY_FOR
String
リストでプロキシは使用できません。
TOPLEVEL_COMPONENT
StringList
現在のセッションでインストールされる最上位コンポーネント。
#Example: DEPENDENCY_LIST={"TSAM_Manager","12.2.2.0.0"}
SHOW_SPLASH_SCREEN
Boolean
OUIで最初のスプラッシュ画面を表示する必要がある場合はtrueに設定します。
SELECTED_LANGUAGES
StringList
コンポーネントのインストールに使用する言語。
COMPONENT_LANGUAGES
StringList
このコンポーネントでサポートされる言語。サポート対象言語のリストは次のとおりです。{"en","ja"}
 
表3-2 必須キーワード
キーワード名
データ型
説明
RESPONSEFILE_VERSION
String
レスポンス・ファイルのフォーマット・バージョン番号。
ORACLE_HOME
String
Oracleホームの完全パス。
ORACLE_HOME_NAME
String
Oracleホーム名。フォルダおよびサービスの作成で使用されます。
TSAM Plusマネージャ関連キーワード
 
表3-3 TSAM Plusマネージャ関連キーワード
キーワード名
データ型
説明
OVERWRITE
Boolean
このORACLE_HOMEにTSAMマネージャ製品がすでにインストールされている場合、上書きするかどうかを尋ねます。デフォルト値はtrueです。
AUTHEN_TYPE
Number
最初にデータベースか、それとも「LDAPのみ」か。0は最初にデータベース、1は「LDAPのみ」を表します。デフォルト値は0です。
LDAP_SELECTION
Boolean
AUTHEN_TYPE=0でデフォルト値がfalseの場合、LDAP構成ファイルを指定するかどうかを尋ねます。
LDAP_CONFIG_FILE
String
LDAP構成ファイルの完全パス。AUTHEN_TYPE=1またはAUTHEN_TYPE=0 && LDAP_SELECTION=trueの場合は必須です。
DB_TYPE
Number
TSAM Plusマネージャで使用するデータベース・タイプを選択します。0は既存のOracle Databaseの新規スキーマの作成、1はOracle Databaseの既存のスキーマを使用、2はバンドルされたDerbyデータベースを使用、3は既存のDerbyデータベースを使用、4はスキップしてインストール後にTSAM Plusマネージャを既存のデータベース・サーバーにデプロイを表します。デフォルト値は0です。
DB_CONNECTION
StringList
データベース接続パラメータ。DB_TYPE=0または1の場合は必須です。
書式は{<Hostname>,<port>,<databaseName>,<Database SYSDBA user>,<Database SYSDBA user password>,<TSAM plus DB user name>,< TSAM plus DB user password>,< TSAM plus DB user tablespace>, < TSAM plus DB user Max DB connection number>, <database enable partition>}です。
DB_TYPE=1の場合、<Database SYSDBA user>,<Database SYSDBA user password>< TSAM plus DB user tablespace>< TSAM plus DB user Max DB connection number>""に設定できます。
<database enable partition>では、パーティション付きでOracle Databaseスキーマを作成するかどうかを指定します。yesは、Oracle Enterprise Editionでのみ使用します(パーティション機能で)。
例: DB_CONNECTION={"bej301153","1521","sol12em12cR3","SYS","SYSPWD","tsam_oui","tsam_oui","USERS","20", "yes"}
DB_OVERWRITE
Boolean
データベース・タイプが「既存のDerbyデータベース」または「既存のOracleデータベース」で、TSAM Plusマネージャ・データベースが
指定データベース接続下にすでに存在する場合、上書きするかどうかを指定する必要があります。デフォルト値はtrueです。
GIDS
StringList
グループIDのパラメータ。書式は{<administratorGroupID>, <viewerGroupID>}です。デフォルト値は{"0","1"}です。
ADM_PWD
String
管理者のパスワード。必須パラメータです。
APP_SRV_TYPE
Number
Oracle TSAM Plusマネージャをデプロイするアプリケーション・サーバーを選択します。0は「既存のWeblogicサーバー」、1は「バンドルされたWebLogicサーバー」、2はスキップしてインストール後にTSAM Plusマネージャを既存のアプリケーション・サーバーにデプロイを表します。デフォルト値は0です。
APPSERVERDIR
String
アプリケーション・サーバー・ディレクトリ。APP_SRV_TYPE=0の場合はWebLogicサーバーです。APP_SRV_TYPE0の場合は必須です。
WLS_PARAMETERS
StringList
WebLogic Serverの接続パラメータ。書式は{<adminUrl>,<userName>,<password>}です。APP_SRV_TYPEが0の場合は必須です。
TSAM_PROPERTY
StringList
TSAM Plusマネージャのプロパティ: {最大永続性スレッド数
データ永続キュー・サイズ
タイムアウト・シャットダウン(秒)
コール・パターン計算スケジュール(「DAILY」または「HOURLY」)
コール・パターン計算遅延(分)
自動データ・パージ(trueまたはfalse)
モニタリング・データの保持日数
データ・パージ開始時間(24時間形式) }。
例: TSAM_PROPERTY= {"2","5000","30","DAILY","10","true","30","4"}。構成ファイルをインポートする場合は必須ではありません。$ORACLE_HOME/tsam12.2.2.0.0/tsam.properties
BUN_WLS_PROP
StringList
WebLogicドメインのプロパティ。書式は{<port>,<adm_name>}です。アプリケーション・サーバーがバンドルされたWebLogicの場合は必須です。
WLS_ADM_PWD
String
WebLogicドメイン管理者のパスワード。アプリケーション・サーバーがバンドルされたWebLogicの場合は必須です。
JNDI_SELECTION
Boolean
データ・ソースのJNDI名を入力するには、JNDI_SELECTIONyesに設定します。
DATA_SOURCE_JNDI_NAME
String
データ・ソースのJNDI名を表します。
IMPORT_CONFIG
Boolean
art.properties、tsam.propertiesまたはpersistence.xmlが$ORACLE_HOME/tsam12.2.2.0.0ディレクトリの下にある場合、構成ファイルをインポートするかどうかを指定します。デフォルト値はfalseです。
詳細は、「レスポンス・ファイルの完成例」を参照してください。
サイレント・モードでのOracle TSAM Plusマネージャ のアンインストール
コマンド行でインストールの実行が可能なだけでなく、コマンド行でアンインストールも実行できます。コマンド行でのアンインストールでは、Oracle Universal Installerのグラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用せずに、Oracle製品またはOracleホームをシステムから削除できます。
ダイアログ・ボックスやプロンプトをまったく表示しないか、通常はアンインストール中に使用される特定のダイアログ・ボックスを選択して表示しないことを選択できます。
次のコマンドを使用して「インベントリ」ダイアログ・ボックスをただちに表示します。これにより、Oracle Universal Installerの起動画面を表示せずに、削除する項目を選択できます。
sh ./runInstaller.sh -deinstall -silent (on UNIX)
削除中に「インベントリ」ダイアログ・ボックスを非表示にする場合、削除する製品はレスポンス・ファイルのDEINSTALL_LISTパラメータで指定できます。削除するOracleホームはREMOVE_HOMES変数で指定します。現在のOracleホームの名前はORACLE_HOME_NAMEで指定します。たとえば、UNIXマシンでは次のように入力します。
sh ./runInstaller.sh -deinstall -silent
"DEINSTALL_LIST={"TSAM_Manager","12.2.2.0.0"}"
ORACLE_HOME_NAME="OUIHome2"
REMOVE_HOMES={"/home/tuxqa/OraHome_2"}
注意:
Java Development Kit (JDK)またはJava Runtime Environment (JRE) 1.8.0が必要です。必要なJREをインストールし、それに応じて環境変数JAVA_HOMEを設定する必要があります。

Copyright ©1994, 2017,Oracle and/or its affiliates. All rights reserved