次の項では、Oracle Tuxedo System and Applications Monitor Plus (TSAM Plus)製品の概要について説明します。
Oracle Tuxedoは、ミッション・クリティカルなアプリケーションを開発および使用する企業で広く使用されています。それは、分散コンピューティング環境におけるインフラストラクチャ層として機能します。Oracle Tuxedoおよびその上で実行されるアプリケーションが複雑なため、パフォーマンスの測定作業は非常に複雑になります。
Oracle TSAM Plusは、Oracle Tuxedoのシステムおよびアプリケーションに、包括的なモニタリングおよびレポート機能を提供します。Oracle TSAM Plusは、Tuxedoがサポートするエンタープライズ・コンピューティング環境のパフォーマンスに影響する主な領域をモニターします。これを使用すると、
リアル・タイムでパフォーマンス・ボトルネックとビジネス・データの変動をモニターしたり、サービス・モデルを決定したり、事前定義済のしきい値の違反が発生したときに通知したりすることができます。Oracle TSAM Plusには、Oracle TSAM Plusエージェント、Oracle TSAM PlusマネージャおよびEnterprise Manager for Oracle Tuxedoという3つのコンポーネントが含まれています。
Oracle TSAM Plusエージェントを使用すると、アプリケーションの様々なパフォーマンス・メトリック(呼出しパス、トランザクション、サービス、システム・サーバーなど)を収集できます。Oracle TSAM Plusマネージャは、1つまたは複数のTuxedoドメインから収集されたパフォーマンス・メトリックを、関連付けたり集約したりするためのグラフィカルなユーザー・インタフェースを提供します。なお、これらの情報は
インタラクティブなリアル・タイムで表示されます。Enterprise Manager for Oracle Tuxedoを使用すると、Tuxedoの管理とモニタリングがOracle Enterprise Managerに統合され、Tuxedoのインフラストラクチャとアプリケーションのモニタリングおよび管理が他のOracle製品と同じコンソールから可能になります。
Oracle Tuxedoフレームワークおよびアプリケーションは広くデプロイされているので、包括的なモニタリングおよびレポート機能が重要になります。たとえば、次のような情報を得ることができます。
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ATMIリクエストのエンド・ツー・エンドの実行時間
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一定期間中にドメイン・ゲートウェイを通過したリクエスト数
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XAトランザクション内のすべてのパーティシパントの現在のステータス
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Oracle TSAM Plusはこの情報を提供するので、ボトル・ネックを容易に検出でき、問題を速やかに解決できます。Oracle TSAM Plusを使用すると、パフォーマンス・チューニングと容量計画を行うこともできます。
Oracle TSAM Plusにより、イベントの警告も定義できます。警告がトリガーされ、適切な処理を行うようにメッセージが表示されると、Oracle TSAM Plusコンソールがイベントを報告します。
次に、Oracle TSAM Plusの機能の一覧を示します。
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Oracle Tuxedoシステムを使用して、呼出しの転送をトラッキングします。モニターされる呼出しごとに一意の識別子が割り当てられ、呼出しパス・ツリーに複製転送されます。Oracle TSAM Plusを使用すると、複数のマシンとドメイン間の呼出しをトラッキングできます。
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モニターされるリクエストの呼出しパス・ツリーのトラッキングがリアルタイムで表示され、各段階のパフォーマンス・メトリックを利用できます。
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履歴呼出しトラッキング・データに基づき、呼出しパターンをまとめます。
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特定のOracle Tuxedoサービスをモニタリングして、そのレスポンス時間、IPCキューの長さおよび実行ステータスを確認します。最新データや履歴データを使用して、データを照会することができます。
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Oracle TuxedoのGWTDOMAIN、BRIDGEおよびGWWS全体のスループットを収集し、ビジネス・データ・フローの曲線をグラフィカルに表示します。
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XA API仕様のトランザクションをトラッキングします。各XA呼出しに使用される実行ステータスおよび時間を表示します。Oracle TSAM Plusを使用すると、グローバルな分散型トランザクションの診断が容易になります。
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Oracle TSAM Plusマネージャ・コンソールにより、事前定義されたしきい値に達したときにイベントを生成する「アラート」の定義を作成できます。イベントをOracle Tuxedoにポストして、Oracle Tuxedoのイベント・ブローカ・サブスクライバで受信することができます。
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モニターされる呼出しにパッケージされているメタデータを取得するAPIのプログラミングを行います。開発者側でアプリケーションに関する決定を動的に行うことができます。
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柔軟なモニタリング制御。サンプリングは、間隔か比率に基づいています。アプリケーションを再起動せずにモニタリングのオンとオフを動的に切り替えることができます。
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プラグイン・メカニズムを使用して、Oracle Tuxedoのインフラストラクチャ・レベルでパフォーマンス・メトリックを収集できます。Oracle TSAM Plusとその他のサード・パーティ製品間の広範な統合の機能を提供します。
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Oracle TSAM Plusマネージャに生のメトリック・データを送信する必要のない、強力なイベント・トリガー。高度なイベント・トリガー条件を得るために柔軟なFMLブール式をサポートしています。イベントは、Oracle Tuxedoイベント・ブローカやOracle TSAM Plusマネージャにポストできます。
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Oracle Tuxedo側のスケーラブルなサーバー・モニタリングは、小規模、中規模および大規模のOracle Tuxedoランタイム環境に対応できるように設計されています。
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J2EEベースのソリューション。純粋なWebベースのソリューションで、デプロイ、構成および使用が簡単です。Oracle TSAM Plusコンソールは、互換性のあるWebブラウザを使用して、どこからでもアクセスできます。
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プライベート・クラウドのサービスとしてのTuxedo。この機能はOracle Enterprise Managerに基づいており、Tuxedoシステムおよびアプリケーションのテンプレートの作成を可能にします。サービス・テンプレートは、リソース・プールの1つ以上のノードでインスタンス化できます。顧客は、このソリューションにより、WebLogic Server、Database、SOA Suiteなどの多くの様々なOracle製品で統合されたプライベートなミドルウェアPlatform-as-a-Service (PaaS)ソリューションを持つことが可能になります。
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アプリケーション・イントロスペクション。コマンド行とコンソールの両方のモードで、既存のアプリケーション・ドメインをイントロスペクトし、プライベート・クラウドやパブリック・クラウドなどの別の環境でのデプロイメント用にパッケージ化できるようにします。この機能を使用すると、環境間でTuxedoアプリケーションを非常に簡単に移行できます。
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Tuxedoトランザクションおよびサービス実行からのアプリケーション・ペイロード収集。この機能を使用すると、ペイロード収集やフィルタリング・ポリシーを定義したり、収集されたペイロードをいずれかの方法(Oracle Database、Hadoopファイル・システムまたはローカル・ファイル)で保存したり、ペイロードをさらに集計および分析するために一連のAPIやツールを使用してプレーン・テキストまたはXML形式でエクスポートできます。
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テスト・ロード・ジェネレータ 。効果的かつ効率的なロード・テストを容易にするTuxedoアプリケーション・ロード・テスト・ツールです。この機能は、ペイロード収集機能とともに動作して、ドメイン・ゲートウェイ、Webサービス・クライアントまたはアプリケーション・サーバーからの呼出しパス・メトリックやペイロード・メトリックを取得します。呼出しパスから再生定義を作成したり、標準およびストレス・テスト・モードのポリシーに基づいて再生を実行できます。
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アカウント作成およびチャージバック機能。オンライン処理中にすべてのユーザーおよびトランザクションのデータを収集し、オフライン分析を行うことが可能です。
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Oracle Tuxedo、Oracle WebLogic ServerおよびOracle Database間でエンドツーエンドのビジネス・トランザクションをモニターするOracle Business Transaction Management (BTM)との統合。
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スクリプト・ツールではJythonインタフェースを使用して、Tuxedoシステムおよびアプリケーションを管理しモニタリングするためのスクリプトを手早く記述できます。こうしたスクリプトを使用することにより、操作の自動化、実行時統計の収集、管理タスクの実行などが可能になります。
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JMXインタフェースを含むOracle Tuxedoの新しい管理インタフェース、 UBBCONFIGおよび BDMCONFIG。
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TSAM PlusマネージャのHAおよびスケーリング
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第1TSAM Plusマネージャが利用不可になった場合、TSAM PlusエージェントはバックアップTSAM Plusマネージャにフェイルオーバーします。
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複数のコンソールから、Tuxedoドメインの同じセットをモニターできます
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Enterprise Manager for Oracle TuxedoはOracle Enterprise Managerのプラグインで、Oracle Tuxedo製品ファミリをモニタリングし、管理する次の機能を提供します。
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その他のOracle製品と同じコンソールを使用しての管理とモニタリング
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同一のコンソールを使用しての複数のドメインのヘルスのモニター
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Oracle Tuxedoの管理コンソール機能のOracle Enterprise Managerコンソールへの統合
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事前定義されたプロビジョニングおよびデプロイメント・プロシージャを含む、アプリケーションの集中管理
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アプリケーションのルール・ベースのスケール・アップとスケール・アウトを目的とした、動的リソース・ブローカ
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JMX対応のターゲットとしてのOracle Tuxedoのモニタリングのサポート
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ターゲット・ノードのリアルタイム使用情報に基づくロード・バランシング・アルゴリズム
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Oracle Tuxedoファミリのすべてのコンポーネントをモニターおよび管理する機能
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Oracle Tuxedoシステムおよびユーザー・イベント・モニタリングのサポート
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Exalogic上のOracle Tuxedoアプリケーションの管理およびモニタリングの統合
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Exalogic上のTuxedoドメインのExalogicダッシュボードからのモニター機能。
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デプロイメントの最適化のための、Tuxedoアプリケーションに対するOracle Enterprise Managerのコンプライアンスおよびヘルス・チェック。
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Exalogicラック内のTuxedoドメインのワンストップ構成管理。
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Exalogicラック内のTuxedoドメインのローリング・パッチのワンストップ管理。
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Oracle TSAM Plusエージェントは、Tuxedo側のすべてのバック・エンド論理を処理します。TSAM PlusマネージャおよびEnterprise Manager for Oracle Tuxedoとともに動作します。Oracle TSAM Plusエージェントには次のサブ・コンポーネントが含まれています。
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Oracle TSAM Plus フレームワーク: このフレームワークはデータ収集エンジンです。Tuxedoインフラストラクチャと他のTSAM Plusコンポーネントの間で機能する独立レイヤーです。このモジュールは、実行時のメトリック収集、アラート評価およびモニタリング・ポリシーの実施を担当します。
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Oracle TSAM Plus プラグイン: Oracle TSAM Plusフレームワークによって呼び出される拡張可能なメカニズムです。Oracle TSAM Plusエージェントは、データをLMS (ローカル・モニター・サーバー)に送信してからOracle TSAM Plusマネージャに送信するデフォルト・プラグインを備えています。このプラグインにより、カスタム・プラグインをフックしてメトリックをインターセプトすることが可能になります。デフォルト・プラグインは割当てメモリーを使用してLMSと通信します。アプリケーションは、メトリック収集ポイントでブロックされなくなります。
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追加データを処理するために、独自のプラグインを開発できます。カスタマイズ・プラグインは、既存のプラグイン・チェーンとリンクすることも、デフォルトのプラグインを置き換えることもできます。
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ローカル・モニター・サーバー(LMS): LMSは、Oracle Tuxedoシステム・サーバーです。Oracle TSAM Plusデフォルト・プラグインがデータをLMSに送信します。続いて、LMSがOracle TSAM PlusマネージャにHTTPプロトコルでデータを渡します。ノードをモニターする必要がある場合、各Tuxedoマシン上にLMSが必要です。
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accrpt: servopts(5)の -aオプションで生成されたアカウント作成情報およびチャージバック情報を分析するユーティリティ
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JMXエージェント: Enterprise Manager for Oracle Tuxedoとともに動作するコンポーネントで、JMXインタフェース、さらにOracle Enterprise Manger Cloud Control 12cを介したOracle Tuxedoアプリケーションのモニターおよび管理を実現します。
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Oracle Tuxedo Scripting Tool: Tuxedoドメインの管理、およびモニターに使用できるコマンド行スクリプト環境。
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BTMオブザーバ: Oracle WebLogic ServerとOracle Tuxedoなどの製品間のエンドツーエンドのビジネス・トランザクションのモニターに使用されるコンポーネント。
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Oracle TSAM Plusマネージャは、J2EE技術に基づき構築されています。これには、次のコンポーネントが含まれます:
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Oracle TSAM Plusデータ・サーバー: データ・サーバーは、次の作業を担当します。
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LMSからデータを受け取り、データベースに格納します。
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プレゼンテーション層からのリクエストを受け入れ、データ処理を実行します。
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Oracle TSAM Plus コンソール: Oracle TSAM Plusのプレゼンテーション層です。これはJ2EE Webアプリケーションであり、互換性があるWebブラウザを使用してアクセスできます。Oracle TSAM Plusコンソールにログインすると、Oracle TSAM Plusのすべての機能にアクセスできます。
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Oracle TSAM Plusマネージャは、Javaアプリケーション・サーバーで実行します。サポートされるJavaアプリケーション・サーバーの詳細は、「Oracle TSAM Plusマネージャのサポート対象プラットフォーム、WebコンテナおよびDBMS」を参照してください。
Oracle TSAM Plusは、リレーショナル・データベースを使用して、次の情報を格納します。
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Oracle TSAM Plusエージェントによって収集されたパフォーマンス・メトリック
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Oracle TSAM PlusエージェントからのTuxedoコンポーネント情報
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Oracle TSAM Plusは、自動的なデータベース再接続をサポートしています。TSAM Plusマネージャのすべてのバックグラウンド・スレッド(データ永続性、呼出しパターン計算など)は、接続が回復すると、自動的にデータベースの再接続を試行します。ただし、データベース接続が切断された場合は、TSAM Plusコンソールに再度ログオンする必要があります。
Enterprise Manager for Oracle Tuxedo
Enterprise Manager for Oracle TuxedoはOracle Enterprise Managerのプラグインです。これにより、ユーザーはWeblogic ServerやOracle Databaseのような他の製品との共通のコンソールからOracle Tuxedo製品ファミリをモニターおよび管理できます。
図2には、次の主要なコンポーネントが含まれています。
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Enterprise Managerのサーバー側およびエージェント側双方のTSAM Plus。
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TuxedoとEnterprise Managerエージェントの間でプロキシおよびエージェントとして機能します。JMXエージェントが組み込まれており、関連したTuxedoドメイン内のすべてのターゲット・インスタンスが、JMXドメイン内のMBeanインスタンスに対応しています。JMXエージェントはEnterprise Managerエージェントからメトリックとジョブ・リクエストを受け取り、それらを対応するTuxedoターゲット・インスタンスに転送します。
接続されたJMXエージェントの
tlistenに埋め込まれたMBeanインスタンスと、自身が実行されているTuxedoドメインとの間に整合性があるかどうかを確認します。
Oracle Tuxedoイベント・コレクションおよびOracle ARTバッチ・システム・サーバーのために起動している必要があります。Enterprise Managerエージェント上のOracle TSAM Plusは、受信ポートの構成後、
tux_snmpdからイベント・トラップを受信します。
Tuxedoは通常、ビジネスの計算論理シナリオを行うサービスを呼び出すクライアント・プログラム(必ずしもTuxedoのクライアント処理ではない)で使用されます。サービスの実装は、呼出し側に対して完全に透過的です。このようなミドルウェアの透過性により、開発、デプロイメントおよびシステム管理に関する多くのメリットがあります。ただし、モニタリングの観点から見ると、エンド・ユーザーや管理者が「舞台裏」で行われる処理について調べるのは困難です。Oracle TSAM Plusの呼出しパス・モニタリングを使用すると、この問題を回避できます。
単純なTuxedoアプリケーション呼出しをするだけで、一連のサービス呼出しが開始されます。使用されるサービスは、ツリーを構成します(「呼出しパス・ツリー」)。呼出しパス・ツリーでは、厳密には次の要素が定義されます。
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最初のサービス要求を行うために使用されるサービスのタイプ
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サービス呼出しの深さ(つまり、呼出しパス・ツリーの深さ)
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サービスを呼び出すシーケンス例えば、クライアントAは、SVC1を呼び出します。SVC1は、SVC2およびSVC3を呼び出します。
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呼出しの転送。呼出しパス・ツリーの エッジ (情報の送受信方法)は、呼出し側からサービス・プロバイダに転送する情報を表します。情報はIPCキュー、BRIDGE接続またはDOMAIN接続を使用して転送できます。各転送にかかった経過時間も記録されます。
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呼出しパス・メトリック。Tuxedoシステム内でのメッセージ伝播では、多数のメトリックを利用できます(メッセージ・サイズ、実行ステータス、トランザクションおよびCPU消費率など)。
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「モニタリング・イニシエータ」は、呼出しパス・ツリーのトラッキングを「開始」するプロセスです。このプロセスは、Tuxedoクライアント、アプリケーション・サーバー、クライアント・プロキシ・サーバー(WSH/JSH)、Tuxedoドメイン・ゲートウェイ・サーバーまたはWebサービス・プロキシ・サーブGWWSである可能性があります。一般的なシナリオでは、モニタリング・イニシエータによって
tpcall/tpacall/tpconnectを呼び出した場合、呼出しパスのモニタリングが開始されます。この呼出しに使用されるすべてのバックエンド・サービスが、Oracle TSAM Plusコンソールの呼出しパス・ツリーに表示されます。
注意:
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現在、呼出しパスのモニタリングを開始できるのは、 tpcall/ tpacall/tpconnectのみです。その他の通信モデルはサポートされていません。
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tpconnectに関して、各種シナリオで次のような制限があります。
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共通使用シナリオでは、 service inおよびリターン呼出しセグメントのみがサポートされます。クライアントが disconnectを発行し、呼出しがブリッジによって処理されると、応答呼出しパスが欠落します。
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クライアントが tpdisconを呼び出すと、タイム・スタンプは最後の呼出しパス・セグメントより後になります。
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tpconnectが失敗した場合、Oracle TSAM Plusマネージャには何も記録されません。つまり、呼出しに関する情報は表示されません。
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Tuxedoのアプリケーション・サーバーを使って、次の2つの機能が実行できます。
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サービス実施時のすべてのサブ呼出しは、元のイニシエータのモニターで開始された呼出しパス・ツリーの一部です(受信した要求がすでにモニターされている場合)。
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これはイニシエータのモニタリングで、方針のモニタリングの定義に従ってサービス・ルーチンで行われた呼出しを使用します。
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サービスのモニタリングは、Tuxedoサービスの実行ステータスに基づいて行われます。呼出しパスのモニタリングとは異なり、呼出しの相関を考慮しません。サービスのモニタリングは、呼出しパスのモニタリングと同時に行うことも、別個に行うこともできます。Tuxedo CORBAもサービス・インフラストラクチャに基づいているので、このリリースでは、CORBAインタフェースをモニターすることもできます。
Tuxedoには、BRIDGE、GWTDOMAINおよびGWWSという重要なシステム・サーバーがあります。BRIDGEは、Tuxedoドメイン内の複数のTuxedoマシンを接続します。GWTDOMAINは、1つのTuxedoドメインを別のTuxedoドメインに接続します。GWWSはWebサービス・ゲートウェイです。システム・サーバーのモニタリングは、各ネットワーク・リンク上のメッセージのスループット、保留の送信メッセージ、および待機応答メッセージをトラッキングします。GWWSの場合、Webサービス・リクエスト統計情報が収集されます。
Tuxedoの重要な用途の一つがトランザクションのモニタリングです。TuxedoはデータベースなどのXAに対応するリソース・マネージャを使用して、分散型トランザクション内のアクティビティを調整します。Oracle TSAM Plusトランザクション・モニタリングは、トランザクション内でトリガーされる個々のXA呼出しを追跡します。これにより、グローバル分散型トランザクションのどこでボトルネックが発生するかを明確に特定できます。TSAM Plusは、トランザクション・モニタリング機能の伝播をサポートしています。つまり、トランザクション・イニシエータがモニターされる場合、トランザクション・パス上のすべてのXA呼出しがモニターされます。伝播は複数のドメインにまたがるトランザクションをサポートします。
Oracle Tuxedo Application Runtime for CICS and Batchのモニタリング
Oracle TSAM Plusを使用すると、次のOracle Tuxedo Application Runtime for CICS and Batchコンポーネントをモニターできます。
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CICSリージョン・プレゼンテーション(ステータスおよびコンポーネント)。
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CICS Transactionメトリック・モニタリング。
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Oracle TSAM Plusは、包括的なポリシー・モニタリング・メカニズムです。適切なポリシー・モニタリング設定を作成すると、アプリケーションのパフォーマンスへの影響を最小限に抑えつつ、必要なメトリックを正確に収集することができます。TSAM Plus Webコンソールを使用してポリシーを定義すると、Oracle Tuxedoアプリケーションに自動的に適用されます。Oracle TSAM Plusのポリシー・モニタリングには、次の特徴があります。
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モニタリング・カテゴリ。モニタリングの種類ごとに別々のモニタリング・ポリシーを設定できます(呼出しパスなど)。複数の対象領域をカバーすることもできます。
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有効化または無効化。Oracle TSAM Plusモニタリングは、動的にオンまたはオフにできます。モニタリングが必要な場合に、モニタリング・ポリシーをあらかじめ定義して有効化することができます。アプリケーションが実行されている間、すべての有効なモニタリング・ポリシーが、自動的にTuxedoアプリケーションに適用されます。起動されていないアプリケーションは、起動時にポリシーを取得します。
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間隔に基づくモニタリング。モニタリングは、特定の時間間隔に基づいて開始されます。呼出しパスのモニタリングがその一例です。間隔に基づくモニタリング・ポリシーにより、呼出しパスが60秒間隔でトラッキングされるように指定することができます。
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比率に基づくモニタリング。モニタリングは、実行数によって開始されます。サービスのモニタリングがその一例です。率に「5」を設定すると、サービスが5回実行されるごとにモニターされることを示します。呼出しパスのモニタリングの場合、率を「5」に設定すると、 tpcall/tpacallの呼出しが5回ごと実行されるごとにモニターされることを示します。
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ランタイム条件フィルタリング。TSAM Plusモニタリング・ポリシーは、いくつかの実行時フィルタをサポートしています。お客様は、特定のサービス、固有クライアントからのリクエストおよび一部の種類のプロセス・タイプをモニターできます。フィルタは、正規表現書式をサポートします。
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モニタリングのパフォーマンスへの影響を低減する柔軟性。Oracle TSAM Plusモニタリング制御を使用すると、使用しているアプリケーションのサイズ、負荷およびネットワーク・アクティビティに基づき、モニタリング・ポリシーを構成できます。モニタリング・ポリシーは、生のメトリックを保管しないアラート・トリガーのみをサポートできます。
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Oracle TSAM Plusパフォーマンス・メトリックは、次のとおりです。
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相関識別子: 呼出しパス・ツリーを表す一意な識別子です。相関識別子は、イニシエータのモニタリング・プラグインによって生成されます。その形式を次に示します。
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DOMAINID:MASTERHOSTNAME:IPCKEY LMID PROCESSNAME PID TID COUNTER TIMESTAMP
リスト1に、相関識別子の例を示します。モニターされた呼出しは、Tuxedoドメイン「
TUXDOM1」のマシン「
SITE1」上でプログラム「
bankclient」、プロセス
ID「8089」およびスレッド
ID 1を使用して開始されます。マスターは「
bjsol18」であり、
TUXCONFIGの IPCKEY
は、「72854」です。
TUXDOM1:bjsol18:72854 SITE1 bankclient 8089 1 99 1259309025
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サービス名: Oracle Tuxedoサービスの名前を示します。
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場所: パフォーマンス・メトリックを送信するプロセスを識別する一連のメトリック。ドメイン、マシン、グループ、プロセス名などに関する情報を含みます。
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IPCキューの長さ: IPCキュー内のメッセージ数を示します。
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IPCキュー識別子: Oracle IPCキューのTuxedo識別子を示します。
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実行時間: Oracle TuxedoサービスまたはXA呼出しの実行にかかる時間を、ミリ秒で示します。
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待ち時間: 転送段階でのメッセージの待ち時間を示します。
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CPU時間: サービス・リクエスト処理によって消費されるCPU時間を示します。1つのスレッド・サーバーにのみ適用されます。
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メッセージ・サイズ: Oracle Tuxedoメッセージのサイズを示します。
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実行ステータス: tpreturnサービスのリターン・コードを示します。実行ステータスは、Oracle Tuxedo ATMIインタフェースによって定義されます。
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呼出しフラグ: Oracle Tuxedo ATMIインタフェース内のtpcall/tpacallに渡されるフラグを示します。
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呼出しのタイプ: tpcall、tpacallまたはtpforwardを指定できます。
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経過時間: 呼出しがモニターされている経過時間を示します。
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GTRID: Oracle Tuxedoのグローバル・トランザクションIDを示します。
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保留メッセージ数: Oracle Tuxedoのネットワーク層に配信され、送信されるのを待つメッセージ数を示します。
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メッセージのスループット: システム・サーバーのモニタリング間隔ごとに蓄積されたメッセージの総数と量を示します。
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応答を待つメッセージ数: リモート・ドメインからの応答を待つGWTDOMAIN内のリクエスト数を示します。
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XAコード: トランザクション・モニタリング内のXA呼出しの戻りコードを示します。
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GWWSメトリック: GWWSスループットを測定するために使用される一連のメトリック。次を含みます。
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Oracle Tuxedo Application Runtime for CICS and Batchメトリック
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Tuxedoターゲットは、Enterprise Manager Cloud Controlで管理およびモニターされるTuxedoホスト・マシン、アプリケーション、Tuxedoファミリ・コンポーネントです。Enterprise Manager for Oracle Tuxedoは、Tuxedoターゲットのモニタリングに使用されるパフォーマンスおよびヘルス・メトリックの包括的なセットを含むプラグインで、管理者に豊富な診断情報および傾向分析データのソースを提供します。
Oracle Tuxedoアプリケーションの管理とモニターを行う前に、まずEnterprise Manager Cloud Controlを使用してTuxedoターゲットを検出する必要があります。
Tuxedo tlistenプロセスは、TuxedoとEnterprise Managerエージェントの間でプロキシおよびエージェントとして機能します。JMXエージェントが組み込まれており、関連したTuxedoドメイン内のすべてのターゲット・インスタンスが、JMXドメイン内のMBeanインスタンスに対応しています。JMXエージェントはEnterprise Managerエージェントからメトリックとジョブ・リクエストを受け取り、それらを対応するTuxedoターゲット・インスタンスに転送します。
Oracle TSAM Plusは、プライベート・クラウドを使用したTuxedoアプリケーションのデプロイおよび実行をサポートしています。Enterprise Manager for Oracle Tuxedoコンポーネントを使用すると、Tuxedoプラットフォームをサービスとして作成するためのプライベート・クラウド・リソースのプロビジョニングや管理が可能になります。OEMクラウド管理を使用すると、Tuxedoアプリケーションのプロビジョニングを制御するサービス・テンプレートを定義できます。ユーザーはこれらのテンプレートをセルフ・サービス・ポータルで選択して、完全にプロビジョニングおよび構成されたTuxedoインスタンスを作成できます。クラウド・プロバイダは、サービス割当てを使用してユーザーが利用できるリソースを制限できます。
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リソース・プロバイダ管理、割当て管理、サービス・テンプレート定義などのクラウド管理機能。セルフ・サービス・アプリケーション管理者(SSA管理者)は、これらの機能を使用して、エンド・ユーザーが利用するTuxedoクラウドやTuxedoクラウド・サービスを管理できます。
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サービス・インスタンスの作成、アプリケーション管理、デプロイメント、スケジュールされた計画やメトリックに基づく自動スケーリングなどのエンド・ユーザー操作。セルフ・サービス・アプリケーション・ユーザー(SSAユーザー)は、Tuxedoシステムや完全なアプリケーションで構成できる特定のTuxedoサービスをインスタンス化できます。
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動的リソース・ブローカは、Enterprise Manager for Oracle Tuxedoの主要な機能です。これを使用すると、特定のEnterprise Managerターゲットの柔軟なリソース割当てを実現するために、実行中のOracle TuxedoドメインにTuxedoサーバー、グループおよびマシンを手動およびポリシー主導でデプロイできます。
リソース・ブローカには、次の主要な機能が含まれます。
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Oracle Tuxedoアプリケーション機能をアプリケーション・パッケージに編成することにより管理します。
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ドメイン・エディタを使用して、アプリケーション・パッケージに基づいて新たなTuxedoドメインを作成します。
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ドメイン・エディタを使用して、既存のドメインとリソース・ブローカによって作成された新しいTuxedoドメインの両方を編集します。
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実行中のOracle Tuxedoドメインにアプリケーション・パッケージのコンテンツを動的に適用します。デプロイメントは、定義済のポリシーを使用して手動で行うことも自動で行うこともできます。
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実行中のOracle Tuxedoドメインにスレーブ・マシンを動的に追加します。デプロイメントは、定義済のポリシーを使用して手動で行うことも自動で行うこともできます。
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事前定義されているデプロイメント・ポリシーに準拠して、特定のTuxedoサーバーの台数を動的に調整します。
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動的リクエスト・ブローカは、Tuxedoロード・バランシング機能の拡張で、リクエスト・コールに対する応答時間を最短にし、(特にマルチプロセッサ(MP)ドメインで)複数のサーバー間により適切なワークロード分散を実現します。具体的には、動的リクエスト・ブローカは、新しいリクエスト・ルーティング・メトリック(サービス実行時間、ネットワーク時間など)を、UBBCONFIGファイルに設定されている静的ロード値の代替として導入するメカニズムです。したがって、サービスとネットワークのロード・レベルが動的に反映されます。さらに、MPドメインのすべての分散マシン間でメトリックを同期し、最適なリソース使用率を実現します。
Oracle TSAM PlusはOracle Tuxedo上に構築され、独自のサービス、呼出しおよびトランザクション・トラッキング機能を備えています。通常、企業では広範囲に分散されたサービスを使用しており、1つのクライアントのリクエストを処理するにも複雑なバック・エンド・サービスの調整が必要です。
管理者にとって、こうした対話の中でどのような処理が行われているかを理解するのは困難です。Oracle TSAM Plusの呼出しパス・モニタリングを使用すると、この問題を回避できます。
Oracle TSAM Plusがアプリケーションとどのように動作するかを理解するには、次の一般的なユーザー事例を参照してください。
メッセージ・ルーティングは予期したとおりに機能していますか
メッセージ・ルーティングはTuxedoの重要な概念です。これによって、システムのパフォーマンス、ビジネス・ロジック・プロセスの正確性、およびアプリケーションの信頼性と高可用性が影響を受けます。多数の要因(次に例を示します)が、Tuxedoメッセージ・ルーティングに影響する可能性があります:
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トランザクション・アフィニティ(Oracle RACサポート)
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開発ステージでは、設定を有効にするために大量のテストが必要です。TSAM Plusがない場合、正確なリクエストが目的のサービスに正しく向かっていることを示すのは困難です。TSAM Plus呼出しパスにより、各呼出しパスを明確に描写して、開発プロセスを加速できます。
Tuxedoのクライアントまたはアプリケーション・サーバーに対して呼出しパス・モニタリングを有効にすると、単純な
tpcall/
tpacallの裏にあるすべての情報を検索できます。トラッキング・ポイントは、複数のマシンとドメインにまたがっています。呼出しパス・ツリーには、次の情報が表示されます。
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IPCキューからネットワークに渡される、各メッセージ・フロー・ステップの転送コスト
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サービス・モニタリングを使用すると、サービスの応答時間、IPCキューの長さおよび実行状態を測定できます。サービス・モニタリングを使用すると、次の情報が提供されます。
Oracle TSAM Plusにより、最近または指定した時間に実行が成功、または失敗したサービスの数を判別できます。Oracle TSAM Plusにより、平均応答時間も計算できます。これらは、サービスの品質を測定する重要な要素です。
Oracle TSAM Plusにより、サービス処理の傾向も表示できます。また、ピーク時間およびサービス要求が減少する時間も判別できます。
Oracle TSAM Plusを使用すると、ローカル・ドメイン・ゲートウェイに接続されたネットワーク接続をモニターできます。ビジー状態のリンクとそのデータの変化の傾向を簡単に検索できます。部門と企業間のビジネス・データ・フロー・モデルについて、より深く理解できます。
Oracle TSAM Plusは、トランザクションのXA呼出しをモニターします。トランザクションのパーティシパントは、トランザクション・モニタリング・ページに表示されます。大規模な分散型トランザクションでは、トランザクション・ブランチが遅い場合、トランザクション全体の完了が遅れる可能性があります。Oracle TSAM Plusを使用すると、トランザクションのパーティシパント、およびXAの呼出しにかかる時間を調べることができます。複数のリソース・マネージャが関係する場合、トランザクション・モニタリングは、2相コミット・ステージにおけるボトルネックを発見する助けになります。
アプリケーションのパフォーマンスに関する問題の解決
サービスのレスポンス時間が遅くなった原因は何ですか。
特定の呼出しの呼出しパス・モニタリングをオンにして、以下の項目を調べてください。
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ネットワーク側にどれだけの時間が使用されているか。
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呼出しパス・ツリーの中で、最も時間のかかるサービスはどれか。
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サービスのルーティング先は、リモート・マシンか、ドメインか。
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クライアントが応答を受けるまでの待機時間の問題ですか。
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バック・エンド・サービスに失敗しましたが、どのサービスが失敗したかわかりません。
呼出しパス・モニタリングをオンにします。この呼出しに対するサービスの実行状態を検索できます。
アプリケーション内にある呼出しパス数は何種類ですか。
呼出しパス・モニタリングを使用して、適切なサンプリング・ポリシーをオンにします。Oracle TSAM Plusには、アプリケーションに存在する呼出しパス数(「呼出しパターン」)が表示されます。
グローバル分散トランザクション処理の完了に時間がかかるのはなぜですか。
Oracle TSAM Plusのトランザクション・モニタリングをオンにします。トランザクションのパーティシパントによって使用される実行時間を表示できます。
ローカル・トランザクションをリモート・トランザクションに結び付けるにはどうしますか。
関連するすべての処理とGWTDOMAINに対して、Oracle TSAM Plusのトランザクション・モニタリングをオンにします。Oracle TSAM Plusコンソールで、ローカルとリモート・トランザクション間のトランザクション・マッピングが表示されます。
ローカル・ドメインがリモート・ドメインからのリソースを使用するピーク時間はいつか、そしてどの程度ビジーなのか教えてください。
GWTDOMAIN上のOracle TSAM Plusのシステム・サーバー・モニタリングを使用します。Oracle TSAM Plusに情報が記録され、スループットの傾向が表示されます。
適切な方針のモニタリングを使用して、呼出しパス・モニタリングをオンにしてから「
tpgetcallinfo」を使用します。次の情報が提供されます。
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要求がサーバーIPCキューに入った時間のタイム・スタンプ
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クライアントのIPアドレス(ワークステーション・クライアント、GWWSクライアント)
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イニシエータのモニタリング処理の
tpgetcallinfo()でも、使用した総時間がわかります。
場合によっては、要求をサポートする大量のサービスがパフォーマンスのオーバーヘッドに加わる可能性があります。呼出しパス・ツリーを使用して調査します。分析の主な要素は、サービス数とツリーの深さです。
サービスの一部が、別のサービスに比べてより頻繁に呼び出されています。呼出しパス・モニタリングを使用して情報を集め、サービスのデプロイメントを再検討します。最も使用度の高いサービスをローカル・マシンおよびLANに配置することをお薦めします。ドメイン・サービス間のサービスは注意深く使用する必要があります。
Oracle TSAM Plusでは、複数のドメインをサポートするTuxedoのアプリケーションを集中的に表示します。Oracle TSAM Plusコンソールを使用すると、構成されているドメイン数、マシン数、サーバー数およびサービス数を表示できます。
システムに問題がある場合に通知を受け取る必要があります
Oracle TSAM Plusは、収集されるメトリックに基づく、包括的なアラート構成を提供します。TSAM Plusアラート評価の基盤テクノロジはTuxedo FMLブール式なので、次のように複合的な条件を組み合せてアラートを構成できます。
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実行時間が30秒を超え、実行が失敗した場合にレポートします。
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ヒューリスティック・コミットが発生する場合にアラートを報告します。
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サービスにおけるCPU時間消費が大きすぎる場合にアラートを報告します。
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サービスの実行に時間がかかり、多くのリクエスト・メッセージがIPCキューで長時間待機することがあります。リクエストを発行するクライアントが、タイムアウト通知をすでに取得済である可能性があるのに、サービスはまだ引き続きリクエストを処理しています。Oracle TSAM Plus Alertを使用すると、一部のメトリックで、リクエストの削除処理を構成できます。たとえば、メッセージの待機時間がある値を超過したときにリクエストを削除するようにできます。リクエスト・キュー内のメッセージ数があるしきい値を上回っている条件でリクエストを削除する処理を持つアラートを構成することもできます。
Oracle TSAM Plus製品の概要が理解できたら、Oracle TSAM Plusのインストール、デプロイおよび使用については、次のトピックを参照してください。
現在のOracle TSAM Plusリリースの詳細は、
『Oracle TSAM Plusリリース・ノート』を参照してください。