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テスト・ロード・ジェネレータの使用

テスト・ロード・ジェネレータの使用
この章には次のトピックが含まれます:
概要
テスト・ロード・ジェネレータは、効果的かつ効率的な負荷テストを簡単に実行できるTuxedoアプリケーションの負荷テスト・ツールです。この機能は、ペイロード収集機能とともに動作して、ドメイン・ゲートウェイ、Webサービス・クライアントまたはアプリケーション・サーバーからの呼出しパス・メトリックやペイロード・メトリックを取得します。呼出しパスから再生定義を作成したり、標準およびストレス・テスト・モードのポリシーに基づいて再生を実行できます。
 
再生用の呼出しパス・ポリシーの作成
再生は、1つ以上の呼出しパスから作成できます。
呼出しパスおよびペイロード・メトリックを収集するには、次の手順を実行して、ペイロード収集が有効なターゲット・サービスで呼出しパス・ポリシーを作成する必要があります。
1.
TSAM Plusコンソールの最上部のメニュー・バーで、「ポリシー」→「Tuxedoモニタリング・ポリシー」をクリックします。
2.
「モニタリング・ポリシー・リスト」ページで、「追加」をクリックして「ポリシーの作成」ページを表示します。
3.
「コール・パス」タブで、「有効化」を選択して呼出しパス・メトリックの収集を有効にします。
4.
ペイロード・データを収集するドメインを左側の「ドメイン」リストで選択すると、「ペイロード収集の定義」ボタンがアクティブになります。ボタンをクリックします。
5.
「ペイロード収集の定義」ページで、対応するチェック・ボックスを選択してリクエストおよびレスポンスのペイロード収集を有効にします。
「初期コールされたサービスのみ」を選択して、不要なメトリックが収集されないようにすることをお薦めします。ペイロード収集に結果フィルタを含めることはできません。
再生定義の作成
再生用の呼出しパス・ポリシーを作成した後、1つまたは複数のTuxedo呼出しを実行し、呼出しパスからソース・メトリックを収集します。次に、次の手順を実行して呼出しパスから再生定義を作成できます。
1.
TSAM Plusコンソールの最上部のメニュー・バーで、「ロード・ジェネレータ」→「再生定義」をクリックします。
2.
「追加」をクリックします。呼出しパス問合せおよび呼出しパス結果パネルが表示されます。
3.
問合せフィルタ・オプションを設定し、「問合せ」をクリックします。目的の呼出しパスが結果パネルに表示されます。
4.
リストから呼出しパスを選択し、「再生定義の作成」をクリックします。
新しく作成された再生定義が「再生定義」リストに表示されます。
再生定義属性の設定
再生定義属性を編集できます。
表8-1に、再生定義属性を示します。
 
表8-1 再生定義属性
属性
説明
デフォルト値
編集可能
name
再生定義の名前
yes
Tuxedoユーザー名
tpinit()を実行するために使用されるTuxedoユーザー名
yes
Tuxedoクライアント名
tpinit()を実行するために使用されるTuxedoクライアント名
yes
Tuxedoグループ名
tpinit()を実行するために使用されるTuxedoクライアント名
 
yes
トランザクション・コール
呼出しの開始時にtpbegin()を呼び出し、呼出しの終了時にtpcommit()を呼び出します。
From source call path metrics
yes
トランザクション・パラメータ
呼出しの開始時にtpbegin()を呼び出し、呼出しの終了時にtpcommit()を呼び出します。
From source XA metrics
いいえ
break when any call fails
いずれかの呼出しが失敗した場合に中断するかどうか。値はyesまたはnoです。
 
yes
作成時間
定義が作成された時間
いいえ
変更時間
定義が変更された時間
いいえ
再生定義を呼出しパス・メトリックから作成した場合、デフォルトのサービス呼出し属性は、(イニシエータがサーバーの場合、呼出しパスの最初に呼び出されるサービスではなく)最初に呼び出されたサービスからのものとなります。 表8-2に、再生定義のサービス・コール属性を示します。
 
表8-2 再生定義のサービス・コール属性
属性
デフォルト値
編集可能
サービス名
ソース・メトリックから
いいえ
ソース相関ID
ソース・メトリックから
いいえ
コール・フラグTPNOTRAN
From the source metrics
はい
コール・フラグTPNOCHANGE
From the source metrics
はい
コール・フラグTPNOCOPY
From the source metrics
はい
コール・フラグTPNOBLOCK
From the source metrics
はい
コール・フラグTPNOTIME
From the source metrics
はい
コール・フラグTPSIGRSTRT
From the source metrics
はい
再生の実行
再生を実行するには、エクスポートされた再生定義ファイルを使用してコマンド行で再生エージェントを実行します。TSAM Plus再生エージェントは、$TUXDIR/bin/の下にあります。次の2種類のエージェントがあります。
tsamreplayagent
tpcall()/tpacall()/tpgetrply()呼出しをサポートしています。
tsamreplaywagent
ワークステーション・モードでtpcall()/tpacall()/tpgetrply()呼出しをサポートしています。
再生を実行する前に、ターゲットTuxedoドメインが起動していることを確認します。TSAM Plusメトリックが期待される場合は、対応するポリシーをTSAM Plusで作成する必要があります。
注意:
スループット、遅延、成功/失敗数の評価単位は、再生定義内の1つの呼出しではなく、再生定義全体です。
表8-3に、再生エージェント・パラメータを示します。
 
表8-3 再生エージェント・パラメータ
パラメータ
説明
-p
再生の実行時に実行計画ファイルを呼び出します。 「実行計画ファイル」を参照してください。
-f
生成するセキュリティ・プロファイルのパス。 「再生セキュリティ・プロファイル」を参照してください。
実行計画ファイル
実行計画ファイルには、再生実行計画属性が格納されます。属性形式は、NAME=VALUEです。属性名の大文字と小文字は区別されません。
標準モードとストレス・テスト・モードの2タイプの実行計画モードがあります。表8-4に、一般属性を示します。
 
表8-4 一般属性
属性
説明
デフォルト値
definitionFile
定義ファイル名
 
 
標準モード属性
標準モードは、デフォルト・モードです。通常、ユニット・テストの実行やサービス呼出しの診断に使用します。これを使用して、パラメータconcurrency numberおよびrepeat timesを非常に大きい値に設定してストレス・テストを実行することもできます。
 
表8-5 標準モード属性
属性
説明
デフォルト値
concurrencyNumber
同時実行数
1
repeatTime
繰返し時間
1
sleepTime
秒単位で繰り返す場合のスリープ時間
0
compareReply
応答を再生定義内の応答と比較
False
実行計画ファイルの例を次に示します。
definitionFile=def1.xml
concurrencyNumber=10
repeattime=100
sleepTime=0
compareReply=true
ストレス・テスト・モード属性
3タイプのテスト・モードがあります。
スループットがそれ以上大きくならなくなるまで負荷を増加します。
実行計画ファイルの例を次に示します。
definitionFile=def1.xml
timeWindow=20
minCurrency=10
maxCurrency=1000
iniCurrency=10
totalRunTime=3600
最大/平均遅延が指定した値に達するまで負荷を増加します。パラメータmaxLatencyまたはavgLatencyを指定した場合、有効になります。
注意:
maxLatencyおよびavgLatencyの両方を指定した場合、maxLatencyは無視されます。
実行計画ファイルの例を次に示します。
definitionFile=def1.xml
timeWindow=20
minCurrency=10
maxCurrency=1000
iniCurrency=10
maxLatency=1000
avgLatency=500
totalRunTime=3600
指定したスループットで実行します。パラメータthroughputを指定した場合、有効になります。
実行計画ファイルの例を次に示します。
definitionFile=def1.xml
timeWindow=20
throughput=1000
totalRunTime=3600
 
表8-6 ストレス・テスト・モード属性
属性
説明
デフォルト値
timeWindow
負荷の増加/減少時間ウィンドウ(秒単位)。
30秒
minCurrency
最小同時実行数制限。同時実行数は常にこれ以上になります。
1
maxCurrency
最大同時実行数制限。同時実行数は常にこれ以下になります。
10240
iniCurrency
再生開始時の初期同時実行数。
1
maxLatency
最大遅延(マイクロ秒)。
 
avgLatency
平均遅延(マイクロ秒)
 
throughput
指定したスループット/秒で実行します。
 
totalRunTime
合計実行時間(秒)。
制限なし
再生セキュリティ・プロファイル
genreplayprofileは、$TUXDIR/binの下にあります。そのパスは、生成するセキュリティ・プロファイルのパスです。genreplayprofileが起動されると、Tuxedoのアプリケーション・パスワード、ユーザー名、ユーザー・パスワードの入力を求められます。これにより、入力した内容で再生セキュリティ・プロファイルが生成されます。入力した内容は、再生エージェントによってtpinit()を実行するために使用されます。再生セキュリティ・プロファイルと再生定義に異なるユーザー名が指定された場合、再生セキュリティ・プロファイルのユーザー名が有効になります。
再生の実行結果
再生の実行結果は、再生の終了または取消し後、標準出力に出力されます。
標準スケジュール・モードの結果には、次の内容が含まれます。
発行時間
終了時間
成功数
失敗数
スループット/秒
平均遅延(マイクロ秒)
同じ応答
異なる応答
ストレス・スケジュール・モードの結果には、次の内容が含まれます。
30秒の実行時間間隔ごとの詳細情報。次の情報が含まれます。
現在の成功数
失敗数
スループット
平均遅延
同時実行数
リプレイ・サマリー
発行時間
終了時間
成功数
失敗数
テスト終了時の最大スループット/秒
テスト終了時のスループット/秒
テスト終了時の最小遅延(マイクロ秒)
テスト終了時の最大遅延(マイクロ秒)
テスト終了時の平均遅延(マイクロ秒)
テスト終了時の同時実行数
自動作成されたテスト・ドメインでの再生の実行
ツールtlgdomgen.pyを使用してテスト・ドメインを作成し、ターゲット・ドメインでサービスを呼び出せます。ツールは$TUXDIR/binの下にあり、pythonまたはTuxedo Script Tool (TXST)を使用して実行できます。
構成ファイル
tlgdomgen.pyを実行する前に、ドメイン構成ファイルを作成する必要があります。
表8-7に、構成ファイルのパラメータを示します。
 
表8-7 構成ファイルのパラメータ
パラメータ
説明
LDOMPORT
必須。テスト・ドメイン内のGWTDOMAINのローカル・アクセス・ポイント・ポート
TUXDIR
必須。テスト・ドメインのTUXDIR
APPDIR
必須。テスト・ドメインのAPPDIR
RDOMID
必須。ターゲット・ドメイン内のGWTDOMAINのアクセス・ポイントID
RDOMPORT
必須。ターゲット・ドメイン内のGWTDOMAINのアクセス・ポイント・ポート
RDOMHOST
必須。ターゲット・ドメイン内のGWTDOMAINのアクセス・ポイント・ホスト名
IMPORTSERVICES
テスト・ドメインにインポートするサービス名の空白で区切られたリスト。
TSAMMGRHOST
テスト・ドメインによって接続されるTSAM Plusマネージャのホスト名。この項目を指定しない場合、LMSは構成されません。
LDOMID
テスト・ドメイン内のGWTDOMAINのアクセス・ポイントID
IPCKEY
テスト・ドメインのIPCKEY
TSAMMGRPORT
テスト・ドメインによって接続されるTSAMマネージャのポート。この項目を指定しない場合、LMSは構成されません。
構成ファイルの例を次に示します。
[Input]
LDOMPORT = 8888
TUXDIR = /home/beadev/bea_linux64.13c/tuxedo12.2.2.0.0
APPDIR = /home/beadev/applicationgrid/domains/domain4
RDOMID = DOMAIN2
RDOMPORT = 6666
RDOMHOST = localhost
tlgdomgen.pyの実行
TXSTを使用してtlgdomgen.pyを実行するには、次の手順に従います。
1.
Tuxedo環境を設定します。
$TUXDIR/tux.env
2.
TXST環境を設定します。
export CLASSPATH=$CLASSPATH:$TUXDIR/jmx/jython-standalone.jar:$TUXDIR/jmx/tmjmx_tux.jar:$TUXDIR/jmx/tmjmx_metadata.jar:$TUXDIR/udataobj/tuxj/com.bea.core.jatmi_2.0.0.0.jar
3.
tlgdomgen.pyを実行します。
java oracle.tuxedo.TXST $TUXDIR/bin/tlgdomgen.py <configuration file name>
次のファイルが生成されます。
ubbconfig.test: テスト・ドメインのUBBCONFIG
addrom.mib: GWTDOMAINアクセス・ポイントをターゲット・ドメインに追加するMIBスクリプト。
setenv.test: テスト・ドメインのsetenv
run.sh: テスト・ドメインを設定および実行する実行スクリプト。
dmconfig.test: テスト・ドメインのDMCONFIG
4.
ターゲット・ドメインで、次のコマンドを実行してテスト・ドメインをターゲット・ドメインに追加します。
. $TUXDIR/tux.env
export FLDTBLDIR32=$TUXDIR/udataobj
export FIELDTBLS32="tpadm,Usysfl32"
ud32 -C tpsysadm < addrom.mib
5.
ファイルrun.shを使用してテスト・ドメインを起動し、再生を実行します。
 
 
 
 

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