Oracle Tuxedo MQ Adapterのビルド
Oracle Tuxedo MQ Adapterのオブジェクト・ファイルは、標準のOracle Tuxedo配布キットの一部として含まれています。Oracle Tuxedo管理者は、使用するMQインストールに固有の値で
$TUXDIR/udataobj/RMファイルをカスタマイズした後で、
buildmqadapter(1)コマンドを使用してMQ Adapter実行可能ファイルをビルドします。Oracle Tuxedo管理者は
buildtms(1)コマンドを使用して、WebSphere MQリソース・マネージャのTMSをビルドする必要もあります。この章では、MQ Adapter実行可能ファイルをビルドするプロセスについて説明します。
MQ Adapter for Oracle Tuxedoソフトウェアは、現在、Oracle TuxedoのHP-UX、Solaris、AIX、LinuxおよびWindowsバージョンで使用できます。ターゲット・プラットフォームでIBMがWebSphere MQをサポートしている場合は、Oracle Tuxedoを他のプラットフォームに移植すると、MQ Adapterも一緒に移植されます。
Oracle Tuxedo管理者は、MQ AdapterのTMSおよびアダプタ・サーバーをビルドする前に、次のタスクを完了する必要があります。
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必要なWebSphere MQリソース・マネージャを設定します。
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WebSphere MQのXA準拠リソース・マネージャの設定
Oracle Tuxedoをインストールするときに、Oracle Tuxedoインストール・プログラムによって、WebSphere MQ 6.0用の重要なデフォルト行が
$TUXDIR/udataobj/RMファイルに追加されます。たとえば、32ビットSolarisの場合、インストール・プログラムによって次の行が追加されます。
MQSeries_XA_RMI:MQRMIXASwitchDynamic: /opt/mqm/lib/libmqmxa.so /opt/mqm/lib/libmqm.so
(他のハードウェア・プラットフォームでは、デフォルト・ライブラリの接尾辞や場所が異なる場合があります。)
Oracle Tuxedo管理者はこの情報を確認して、使用するインストールで適切かどうかを判断してください。場合によっては、RMファイルの情報を変更する必要があります。
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WebSphere MQが標準以外の場所にインストールされている場合。
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アプリケーションを、WebSphere MQサーバー・ライブラリではなく、WebSphere MQクライアント・ライブラリにリンクさせる場合。
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アプリケーションで、動的なXAスイッチMQRMIXASwitchDynamicのかわりに、静的なXAスイッチMQRMIXASwitchを使用する方がよい場合。
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Windows NTでは、WebSphere MQの標準のインストール先がないため、
%TUXDIR%\udataobj\RMファイルで変数
%MQMDIR%が使用されます。MQ Adapterサーバーをビルドする前に、この変数を設定してください。
64ビット・バージョンのOracle Tuxedoを使用する場合は、32ビットのlibディレクトリではなく、WebSphere MQ lib64ディレクトリにあるライブラリにリンクさせ、mqmxaライブラリではなくmqmxa64ライブラリにリンクするようにしてください。
Oracle Tuxedo MQ Adapterサーバーのビルド
MQ Adapterサーバーをビルドするには、
$TUXDIR/binディレクトリの書込み許可を持つOracle Tuxedo管理者として、次のコマンドを実行します。
このコマンドでは、TM_MQI、TM_MQO、およびTMQUEUE_MQMサーバーが
$TUXDIR/binディレクトリにインストールされます。-vオプションは、buildmqadapterが、3つのサーバーのリンクに使用されたbuildserverおよびコンパイラ・コマンドの行を、出力の一部として書き込むことを指定しています。
注意:
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ビルド・ユーティリティを使用して、Oracle Tuxedo MQ Adapterサーバーをビルドする必要があります。
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かわりに、次のコマンドを使用すると、MQ Adapterサーバーを一度に1つずつビルドできます。
buildTM_MQI -v -o $TUXDIR/bin/TM_MQI
buildTM_MQO -v -o $TUXDIR/bin/TM_MQO
buildTMQUEUE_MQM -v -o $TUXDIR/bin/TMQUEUE_MQM
(サーバーを一度に1つずつビルドする場合は、出力ディレクトリとして$TUXDIR/binのかわりに $APPDIRを指定できます。)
WebSphere MQリソース・マネージャのTMSサーバーをビルドする
リソース・マネージャの実行可能ファイルを作成するには、
$TUXDIR/bin ディレクトリで次のコマンドを実行します。
buildtms -o MQXA -r MQSeries_XA_RMI
(必要に応じて、MQXAのかわりに別のファイル名を指定できます。出力ファイルは$TUXDIR/binまたは$APPDIRに配置できます。)
注意:
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buildtmsコマンドを使用して、TMSサーバーをビルドする必要があります。
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UBBCONFIGファイルでMQ Adapterサーバー・グループを指定する
MQ Adapter for Oracle Tuxedoサーバーで使用されるグループに関する次の行を、UBBCONFIGファイルの
*GROUPSセクションに追加します。
MQ_GROUP_NAME TMSNAME=MQXA TMSCOUNT=3
OPENINFO="MQSeries_XA_RMI:BEA.TEST.MANAGER"
上の例で、
MQ_GROUP_NAMEはMQ Adapterサーバーが定義されているグループの名前です。アプリケーションでは、このグループに対してどんな名前でも使用できます。このグループのTMSサーバーの数は3です。BEA.TEST.MANAGERは使用されるキュー・マネージャの名前です。キュー・マネージャの名前が異なる場合は、別の名前に置き換えてください。
シングル・スレッドおよびマルチ・スレッドのTM_MQIのビルド
シングル・スレッドの
TM_MQIの構成および動作は、以前のリリースと変わりません。シングル・スレッドの
TM_MQIをビルドするには、
$TUXDIR/udataobj/RM、
buildmqadapter、
buildTM_MQIのいずれのコマンド行オプションも変更する必要はありません。
マルチ・スレッドの
TM_MQIの構築には、コマンド行オプションとRMファイル用に特別な構成が用意されています。コマンド行で、追加のオプション"-t"を
buildmqadapterや
buildTM_MQIに追加して、新規のマルチ・スレッド
TM_MQIを生成できます。次のコマンドを使用して、マルチ・スレッド
TM_MQIをビルドできます。
buildTM_MQI -t -v -o $TUXDIR/bin/TM_MQI
MQスレッド・ライブラリへのリンクを追加して、
$TUXDIR/udataobj/RMファイルを変更する必要があります。たとえば、32ビットSolarisの場合、構成は次のとおりです。
MQSeries_XA_RMI:MQRMIXASwitchDynamic: /opt/mqm/lib/libmqmxa_r.so /opt/mqm/lib/libmqm_r.so
管理者はこの情報を精査して、正しいかどうかを確かめる必要があります。
新規のライブラリの
libtuxmq_c*は、Tuxedo MQアダプタ上でのIBM MQクライアントのみのインストールをサポートするために用意されています。Tuxedo MQアダプタをビルドする時、追加のオプション"-c"を使用して、関連する
libtuxmq_c*とMQクライアント・ライブラリを関連付けることができます。ビルド例は、
リスト2‑1を参照してください。
buildTM_MQI -c -o $TUXDIR/bin/TM_MQI
buildTM_MQO -c -o $TUXDIR/bin/TM_MQO
buildTMQUEUE_MQM -c -o $TUXDIR/bin/ TMQUEUE_MQM
加えて、MQクライアント・ライブラリを含むMQアダプタをビルドするには、
$TUXDIR/udataobj/RMを変更する必要があります。たとえば、64ビットSolarisの場合、構成は次のとおりです。
MQSeriesXA_RMI:MQRMIXASwitchDynamic: /opt/mqm/lib64/libmqcxa64.so /opt/mqm/lib64/libmqic.so
buildmqadapterコマンドおよび
buildTM_MQIコマンドの
-tと
-cオプションを同時に使用して、MQクライアント・ライブラリを含むマルチ・スレッドTM_MQIを生成することもできます。この場合、RMファイルが必要なマルチ・スレッド・ライブラリにリンクされるように
$TUXDIR/udataobj/RM構成を変更する必要があります。たとえば、64ビットSolarisの場合、構成は次のとおりです。
MQSeries_XA_RMI:MQRMIXASwitchDynamic: /opt/mqm/lib64/libmqcxa64_r.so /opt/mqm/lib64/libmqic_r.so
クライアント・パッケージを使用するには、
UBBCONFIGファイルを設定する必要があります。*GROUPSセクションで、MQアダプタに対するグループの
OPENINFOを次のように変更します。
OPENINFO="MQSeries_XA_RMI:channel=<YOUR_CHANNEL_NAME>,AXLIB=<PATH_TO_LIBTUX.SO>,trptype=TCP,conname=<MQ_SERVER_IPADDRESS(PORT)>,qmname=<Q_MANAGER_NAME>,tpm=TUXEDO"
LMID=simple GRPNO=2 TMSNAME=TMS_MQ OPENINFO="MQSeries_XA_RMI:qmname=SIMPLE.QMANAGER,channel=CHANNEL1,trptype=TCP,AXLIB=/opt/tuxedo12.1.1.0/lib/libtux.so,conname=10.10.10.2(1414),tpm=Tuxedo"
MQ Adapter for Oracle Tuxedoのインストール手順が完了したら、MQ Adapterの構成手順に進む前に、次の項目が完了していることを確認してください。
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使用するWebSphere MQプログラムがビルド済で、アクセスおよび実行可能な状態であり、(必要な場合は)トリガーを定義済あることが必要です。
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使用するすべてのWebSphere MQキューが定義済で、アクセス可能な状態であることが必要です。これらの手順の詳細については、WebSphere MQのドキュメントを参照してください。
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