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トランザクションの管理

トランザクションの管理
このトピックには次の項が含まれます:
始める前に、第1章「トランザクションの紹介」を読む必要があります。
注意:
管理情報は、Oracle Tuxedo ORBに対する初期オブジェクト参照を取得するために、BootstrapオブジェクトまたはCORBA Interoperable Naming Service (INS)のいずれを使用している場合でも適用されます。
Oracle Tuxedo CORBA JavaクライアントとOracle Tuxedo CORBA JavaクライアントORBはTuxedo 8.1で非推奨になり、サポートされなくなりました。すべてのOracle Tuxedo CORBA JavaクライアントおよびOracle Tuxedo CORBA JavaクライアントORBのテキスト・リファレンスとコード・サンプルは、サード・パーティ製のJava ORBライブラリを実装または実行する際の参考や、プログラマの参照用としてのみ使用してください。
サード・パーティのCORBA Java ORBのテクニカル・サポートは、各ベンダーによって提供されます。Oracle Tuxedoでは、サード・パーティのCORBA Java ORBに関する技術的なサポートまたはドキュメントは提供していません。
UBBCONFIGファイルをトランザクションに対応させて変更する
このトピックには次の項が含まれます:
手順の要約
アプリケーションのUBBCONFIGファイルをトランザクションに対応させるには、RESOURCESMACHINESGROUPS、およびINTERFACESまたはSERVICESセクションを変更する必要があります。
RESOURCESセクションでは、アプリケーション全体で設定できるトランザクションの数、およびコミット制御フラグの値を指定します。
MACHINESセクションでは、各マシンのTLOG情報を作成します。
GROUPSセクションでは、各リソース・マネージャおよびトランザクション・マネージャ・サーバーに関する情報を指定します。
INTERFACESセクション(Oracle Tuxedo CORBAアプリケーションのみ)またはSERVICESセクション(Oracle Tuxedo ATMIアプリケーションのみ)では、自動トランザクション・オプションを有効にします。
UBBCONFIGファイルのこれらのセクションの変更については、『Oracle Tuxedoアプリケーションの設定』の「構成ファイルの作成」を参照してください。
ステップ1 : RESOURCESセクションでアプリケーション全体のトランザクションを指定する
表5-1では、構成ファイルのRESOURCESセクションで指定可能なトランザクション関連のパラメータを説明しています。
 
表5-1 RESOURCESセクションのトランザクション関連のパラメータ
パラメータ
意味
MAXGTT
一度に1台のマシン上で設定できるグローバル・トランザクション識別子(GTRID)の数を制限します。指定可能な最大値は2048、最小値は0、デフォルトは100です。MACHINESセクションで、マシンごとにこの値をオーバーライドできます。
グローバル・トランザクションがアクティブな間だけ、表内にそのエントリがあるため、このパラメータには同時トランザクションの数に制限を設ける効果があります。
CMTRET
TP_COMMIT_CONTROL特性の初期設定を指定します。デフォルトはCOMPLETEです。次のいずれかの設定が可能です。
LOGGED - TP_COMMIT_CONTROL特性はTP_CMT_LOGGEDに設定されます。すべての参加リソースが正常にプリコミットを行った場合にtpcommit()が返されることを示します。
COMPLETE - TP_COMMIT_CONTROL特性はTP_CMT_COMPLETEに設定されます。すべての参加リソースが正常にコミットするまでtpcommit()が返されないことを示します。
注意:
RMベンダーに問い合せて、適切な設定を決める必要があります。アプリケーションに、XA標準のレイト・コミット実装を使用するリソース・マネージャがある場合、COMPLETEに設定します。すべてのリソース・マネージャがアーリー・コミット実装を使用する場合、パフォーマンス上の理由によりLOGGEDに設定します。この設定はtpscmt()を使用してオーバーライドできます。
ステップ2 :トランザクション・ログ(TLOG)を作成する
ここでは、トランザクションが終了するまで、トランザクションに関する情報が保持されているトランザクション・ログ(TLOG)の作成について説明します。
UDLを作成する
汎用デバイス・リスト(UDL)は、Oracle Tuxedoファイル・システムの地図のようなものです。UDLは、アプリケーションの起動後、共有メモリーにロードされます。UDL内にTLOGデバイス用のエントリを作成するには、グローバル・トランザクションを使用して各マシンにUDLを作成します。TLOGDEVICEが2台のマシン間でミラーリングされる場合、両方のマシンにこれを行う必要はありません。BBLは、起動時にTLOGを初期化して開きます。
UDLを作成するには、アプリケーションを起動する前に次の形式のコマンドを実行します。
tmadmin -c crdl -z config -b blocks
説明:
 
-z config
UDLの作成場所となるデバイスのフルパス名を指定します。
-b blocks
デバイスに割り当てられるブロック数を指定します。
config
これは、UBBCONFIGファイルのMACHINESセクションにあるTLOGDEVICEパラメータの値と一致している必要があります。
注意:
通常、blocksで指定する値は、TLOGSIZEより小さい値にはしません。たとえば、TLOGSIZEに200ブロックが指定されている場合、-b 500を指定すると、パフォーマンスは低下しません。
TLOGの格納方法については、『Oracle Tuxedoシステムのインストール』を参照してください。
MACHINESセクションでトランザクション関連のパラメータを定義する
UBBCONFIGファイルのMACHINESセクションでパラメータをいくつか設定して、グローバル・トランザクション・ログ(TLOG)を定義できます。TLOGDEVICEのデバイス・リストのエントリは、TLOGが必要な各マシンで手動で作成する必要があります。これは、TUXCONFIGがロードされる前でも後でも作成できますが、必ずシステムを起動する前に作成してください。
注意:
トランザクションを使用しない場合、TLOGパラメータは不要です。
表5-2では、構成ファイルのMACHINESセクションで指定可能なトランザクション関連のパラメータを説明しています。
 
表5-2 MACHINESセクションのトランザクション関連のパラメータ
パラメータ
意味
TLOGNAME
このマシンのDTPトランザクション・ログの名前を指定します。
TLOGDEVICE
このマシンのDTPトランザクション・ログ(TLOG)を格納するOracle TuxedoまたはOracle Tuxedoのファイル・システムを指定します。このパラメータを指定しない場合、そのマシンにはTLOGがないものとみなされます。文字列の最大値は64文字です。
TLOGSIZE
TLOGファイルのサイズを物理ページ単位で指定します。この値には、1 - 2048の範囲の値を設定します。デフォルト値は100です。この値を指定した時点で、未処理トランザクションをマシン上で十分保持できるサイズにします。1ページにつき1つのトランザクションがログに記録されます。ほとんどのアプリケーションでは、デフォルト値で十分です。
TLOGOFFSET
TLOGDEVICEの始めから、このマシンのトランザクション・ログを含むVTOCの開始までのページのオフセット(ページ数)を指定します。この値は0以上で、デバイス上のページ数より小さい値でなければなりません。デフォルトは0です。
TLOGOFFSETが必要になることはほとんどありません。ただし、2つのVTOCが同じデバイスを共有したり、VTOCが別のアプリケーションに共有されるデバイス(ファイル・システムなど)上に格納される場合は、TLOGOFFSETを使用してデバイスのアドレスに関連する開始アドレスを指定できます。
Domainsトランザクション・ログを作成する(Oracle Tuxedo ATMIサーバーのみ)
ここで説明することは、ATMIサーバーにのみ適用されます。
Domainsゲートウェイ・グループを開始する前に、次のコマンドでDomainsトランザクション・ログを作成できます。
dmadmin(1) crdmlog (crdlog) -d local_domain_name
Domainsトランザクション・ログは、現在のマシン(dmadminを実行中のマシン)の指定されたローカル・ドメインに作成してください。このコマンドでは、DMCONFIGファイルで指定したパラメータが使用されます。指定のローカル・ドメインが現在のマシン上でアクティブであるか、ログがすでに存在する場合は、このコマンドは失敗します。トランザクション・ログがない場合は、Domainsゲートウェイ・グループの起動時に作成されます。
ステップ3 : GROUPSセクションでリソース・マネージャ(RM)とトランザクション・マネージャ・サーバーを定義する
GROUPSセクションへの追加は、次の2つのカテゴリに分類されます。
グローバル・トランザクションを制御するほとんどの作業を実行するトランザクション・マネージャ・サーバーの定義。
TMSNAMEパラメータは、実行可能なサーバー名を指定します。
TMSCOUNTパラメータは、起動するトランザクション・マネージャ・サーバーの数(最小2、最大10、デフォルト3)を指定します。
NULLトランザクション・マネージャ・サーバーは、リソース・マネージャと通信しません。このサーバーは、回復可能な実際の環境でアプリケーションをテストする前に、トランザクションに関与するプリミティブをアプリケーションで実際に使用するために使用します。TMSと呼ばれるこのサーバーは、リソース・マネージャと会話せずに単純にトランザクションを開始、コミット、および終了します。
各リソース・マネージャの情報のオープンおよびクローズを定義するには、次のパラメータを使用します。
OPENINFOは、リソース・マネージャを開く際に使用する情報の文字列です。
CLOSEINFOは、リソース・マネージャを閉じる際に使用します。
GROUPSセクションの例
次のGROUPSセクションの例は、bankapp銀行取引アプリケーションから抜粋したものです。
BANKB1 GRPNO=1 TMSNAME=TMS_SQL TMSCOUNT=2
OPENINFO=���TUXEDO/SQL:<APPDIR>/bankdl1:bankdb:readwrite���
表5-3では、このGROUPSセクションの例で指定したトランザクション値について説明します。
 
表5-3 サンプルUBBCONFIGファイルのGROUPSセクションのトランザクション値
トランザクション値
意味
BANKB1 GRPNO=1 TMSNAME=TMS_SQL\ TMSCOUNT=2
トランザクション・マネージャ・サーバーの名前(TMS_SQL)と、グループBANKB1で起動するサーバーの数(2)を指定します。
TUXEDO/SQL
リソース・マネージャの公開名です。
<APPDIR>/bankdl1
デバイス名を指定します。
bankdb
データベース名
readwrite
アクセス・モード
TMSNAME、TMSCOUNT、OPENINFO、およびCLOSEINFOパラメータの特性
表5-4では、TMSNAMETMSCOUNTOPENINFOおよびCLOSEINFOパラメータの特性を説明します。
 
表5-4 TMSNAME、TMSCOUNT、OPENINFO、およびCLOSEINFOパラメータの特性
パラメータ
特性
TMSNAME
実行可能なトランザクション・マネージャ・サーバーの名前です。
トランザクションの構成では必須のパラメータです。
TMSは、NULLトランザクション・マネージャ・サーバーです。
TMSCOUNT
トランザクション・マネージャ・サーバーの数(2 - 10)。
デフォルトは3です。
OPENINFO
CLOSEINFO
リソース・マネージャを開く、または閉じるための情報を表します。
内容は、リソース・マネージャによって異なります。
リソース・マネージャの名前で始まります。
この値を省略すると、リソース・マネージャが開くための情報を必要としないことを示します。
ステップ4 :トランザクションを開始するためのインタフェースを有効にする
トランザクションを開始するためのインタフェースを有効にするには、UBBCONFIGファイル内のセクションを変更します。変更対象のセクションは、Oracle Tuxedo CORBAサーバーを構成するか、Oracle Tuxedo ATMIサーバーを構成するかによって異なります。
INTERFACESセクションの変更(Oracle Tuxedo CORBAサーバー)
UBBCONFIGファイルのINTERFACESセクションは、Oracle Tuxedo CORBAインタフェースをサポートします。
オペレーション呼出しを受信したときにトランザクションを自動的に開始する場合、各CORBAインタフェースに対して、AUTOTRANYに設定します。AUTOTRAN=Yは、インタフェースがすでにトランザクション・モードにある場合は無効です。デフォルトはNです。AUTOTRANに値を指定した場合の効果は、実装構成ファイル(ICF)でインタフェースの開発者が指定したトランザクション・ポリシーによって異なります。このトランザクション・ポリシーは実行時に、関連するT_IFQUEUE MIBオブジェクトのトランザクション・ポリシーの属性になります。この値がアプリケーションの動作に影響するのは、開発者がoptionalトランザクション・ポリシーを指定した場合だけです。
注意:
この機能を正しく動作させるには、設計者と管理者の間の共同作業が不可欠です。インタフェースのICFで開発者が定義したトランザクション・ポリシーを知らずに、管理者がこの値をYに設定すると、パラメータを実際に実行した場合の影響がわからなくなる可能性があります。
AUTOTRANYに設定されている場合、TRANTIMEパラメータを設定する必要があります。これは、作成するトランザクションに対するタイムアウト値(秒)を指定します。0 - 2,147,483,647 (231 - 1
つまり約70年)の値を指定してください。0は、トランザクションにタイムアウトが設定されていないことを示します。デフォルト値は30秒です。
表5-5では、AUTOTRANTRANTIMEおよびFACTORYROUTINGパラメータの特性を説明します。
 
表5-5 AUTOTRAN、TRANTIME、およびFACTORYROUTINGパラメータの特性
パラメータ
特性
AUTOTRAN
インタフェースをトランザクションのイニシエータにします。
この機能を正しく動作させるには、システム設計者とシステム管理者の間の共同作業が不可欠です。ICFで開発者が定義したトランザクション・ポリシーを確認しないで、管理者がこの値をYに設定すると、パラメータを実際に実行した場合の影響がわからなくなる可能性があります。
この値がアプリケーションの動作に影響するのは、開発者がoptionalトランザクション・ポリシーを指定した場合だけです。
トランザクションがすでに存在している場合、新しいトランザクションは開始しません。
デフォルトはNです。
TRANTIME
AUTOTRANトランザクションのタイムアウトを表します。
有効な値は0 - 231 - 1の範囲です。
0はタイムアウト値がないことを示します。
デフォルト値は30秒です。
FACTORYROUTING
このCORBAインタフェースのファクトリ・ベース・ルーティングに使用するルーティング条件の名前を指定します。
ファクトリ・ベース・ルーティングをリクエストしているインタフェースに対してFACTORYROUTINGパラメータを指定する必要があります。
SERVICESセクションの変更(Oracle Tuxedo ATMIサーバー)
次の3つのパラメータは、SERVICESセクションに指定するトランザクション関連のパラメータです。
クライアントではなくサービスでトランザクションを開始する場合、AUTOTRANフラグをYに設定する必要があります。この設定は、サービスが大規模なトランザクションの一部でない場合や、トランザクションの決定に関わるクライアント側の負担を軽減したい場合に役立ちます。既存のトランザクションがある場合にサービスが呼び出されると、この呼出しは既存のトランザクションの一部になります。デフォルト値はNです。
注意:
通常、サービスは大規模なトランザクションに参加する可能性があるため、トランザクションのイニシエータとしてはクライアントが最も適しています。
AUTOTRANYに設定されている場合、TRANTIMEパラメータを設定する必要があります。これは、作成するトランザクションに対するタイムアウト値(秒)です。0 - 2,147,483,647 (231 - 1、つまり約70年)の値を指定してください。0は、トランザクションにタイムアウトが設定されていないことを示します。デフォルト値は30秒です。
データ依存型ルーティングをリクエストするトランザクションには、ROUTINGパラメータを指定する必要があります。
表5-6では、AUTOTRANTRANTIMEおよびROUTINGパラメータの特性を説明します。
 
表5-6 AUTOTRAN、TRANTIME、およびROUTINGパラメータの特性
パラメータ
特性
AUTOTRAN
トランザクションのイニシエータとしてサービスを指定します。
トランザクションに関するクライアントの負荷を軽減します。
トランザクションがすでに存在している場合、新しいトランザクションは開始しません。
デフォルトはNです。
TRANTIME
AUTOTRANトランザクションのタイムアウトを表します。
有効な値は0 - 231 - 1の範囲です。
0は、タイムアウトが発生しないことを示します。
デフォルト値は30秒です。
ROUTING
このサービスをリクエストするトランザクションにデータ依存型ルーティングが指定されているROUTINGセクション内のエントリを指します。
トランザクションをサポートするようにドメイン構成ファイルを変更する(Oracle Tuxedo CORBAサーバー)
このトピックには次の項が含まれます:
ドメインを介してトランザクションを有効にするには、ドメイン構成ファイル(DMCONFIG)のDM_LOCAL_DOMAINSおよびDM_REMOTE_SERVICESセクション内のパラメータを設定する必要があります。DM_LOCAL_DOMAINSセクションのエントリでは、ローカル・ドメインの特性を定義します。DM_REMOTE_SERVICESセクションのエントリでは、インポートされたサービスや、リモート・ドメインで使用可能なサービスに関する情報を定義します。
DMTLOGDEV、DMTLOGNAME、DMTLOGSIZE、MAXRDTRAN、およびMAXTRANパラメータの特性
ドメイン構成ファイルのDM_LOCAL_DOMAINSセクションでは、ローカル・ドメインおよびそれに関連するゲートウェイ・グループを指定します。このセクションは、ゲートウェイ・グループ(ローカル・ドメイン)ごとにエントリを持つ必要があります。各エントリは、そのグループで実行されているDomainsゲートウェイ・プロセスで必要なパラメータを指定します。
表5-7では、このセクションの5つのトランザクション関連パラメータ(DMTLOGDEVDMTLOGNAMEDMTLOGSIZEMAXRDTRAN、およびMAXTRAN)を説明します。
 
表5-7 DMTLOGDEV、DMTLOGNAME、DMTLOGSIZE、MAXRDTRAN、およびMAXTRANパラメータの特性
パラメータ
特性
DMTLOGDEV
このマシンのDomainsトランザクション・ログ(DMTLOG)を含むOracle Tuxedoファイル・システムを指定します。DMTLOGは、Oracle TuxedoシステムのVTOC表としてデバイスに格納されています。このパラメータを指定しない場合、Domainsゲートウェイ・グループはリクエストをトランザクション・モードで処理できません。同じマシン上で実行するローカル・ドメインは、同じDMTLOGDEVファイル・システムを共有できますが、ローカル・ドメインごとに、DMTLOGNAMEキーワードで指定した個別のログ(DMTLOGDEVの表)を作成する必要があります。
DMTLOGNAME
このドメインのDomainsトランザクション・ログの名前を指定します。この名前は、複数のローカル・ドメインで同じDMTLOGDEVを使用する場合、ユニークでなければなりません。値を指定しない場合は、デフォルトでDMTLOG文字列が設定されます。名前は、30文字以内にする必要があります。
DMTLOGSIZE
このマシンのDomainsトランザクション・ログのサイズをページ数単位で指定します。0より大きく、Oracle Tuxedoファイル・システム上の空き領域より小さい値を指定します。値を指定しない場合は、デフォルトで100ページが設定されます。
注意:
トランザクション内のドメインの数により、DMTLOGSIZEパラメータで指定するページ数が決まります。トランザクションは、必ずログ・ページと同じわけではありません。
MAXRDTRAN
トランザクションに含めることのできるドメインの最大数を指定します。0より大きく、32,768未満の値を指定します。値を指定しない場合、デフォルト値は16です。
MAXTRAN
このローカル・ドメイン上で同時に実行できるグローバル・トランザクションの最大数を指定します。0以上で、TUXCONFIGファイルに定義されているMAXGTTパラメータ以下の値を指定します。値を指定しない場合は、デフォルトのMAXGTTが指定されます。
AUTOTRANおよびTRANTIMEパラメータの特性(Oracle Tuxedo CORBAおよびATMIサーバー)
ドメイン構成ファイルのDM_REMOTE_SERVICESセクションでは、インポートされ、リモート・ドメインで使用可能になったサービスに関する情報を示します。各リモート・サービスは、特定のリモート・ドメインに関連付けられています。
表5-8では、このセクションの2つのトランザクション関連パラメータ(AUTOTRANおよびTRANTIME)について説明します。
 
表5-8 AUTOTRANおよびTRANTIMEパラメータの特性
パラメータ
特性
AUTOTRAN
リモート・サービスのトランザクションを自動的に開始/終了するために、ゲートウェイが使用します。この機能は、リモート・サービスに対して、信頼性のあるネットワーク通信を行う場合に必要です。この機能を指定するには、対応するリモート・サービス定義の中のパラメータAUTOTRANYに設定します。
TRANTIME
関連するサービスに対するトランザクションを自動的に開始するまでのデフォルトのタイムアウト値を秒単位で指定します。値には、0以上2147483648未満を指定します。デフォルトは30秒です。0は、マシンの最大タイムアウト値を示します。
トランザクションを使用する分散アプリケーションの例
このトピックには次の項が含まれます:
ここでは、トランザクションを有効にし、アプリケーションを3つのサイトに分散するサンプルCORBAアプリケーションのサンプル構成ファイルを説明します。このアプリケーションには、次の機能があります。
ACCOUNT_IDに対してデータ依存型ルーティングが実行されます。
データが3つのデータベースに分散されます。
ATMIインタフェースを使用してシステムと通信するBRIDGEプロセスが実行されます。
1つのサイトからシステムを管理します。
構成ファイルは、7つのセクション(RESOURCESMACHINESGROUPSNETWORKSERVERSSERVICES、およびROUTING)で構成されます。
RESOURCESセクション
RESOURCESセクション(リスト5-1を参照)は、次のパラメータを指定します。
MAXSERVERSMAXSERVICES、およびMAXGTTはデフォルトより少ない値です。これによって、掲示板のサイズが小さくなります。
MASTERSITE3で、バックアップ・マスターはSITE1です。
MODELMPに設定されており、OPTIONSLANMIGRATEに設定されています。これにより、ネットワーク接続された構成を使用して移行を行うことができます。
BBLQUERYが180に設定されており、SCANUNITが10に設定されています。DBBLはリモートのBBLを1800秒おき(30分おき)にチェックします。
リスト5-1 RESOURCESセクションの例
*RESOURCES
#
IPCKEY 99999
UID 1
GID 0
PERM 0660
MAXACCESSERS 25
MAXSERVERS 25
MAXSERVICES 40
MAXGTT 20
MASTER SITE3, SITE1
SCANUNIT 10
SANITYSCAN 12
BBLQUERY 180
BLOCKTIME 30
DBBLWAIT 6
OPTIONS LAN, MIGRATE
MODEL MP
LDBAL Y
 
MACHINESセクション
リスト5-2で示されているMACHINESセクションは次のパラメータを指定します。
TLOGDEVICEおよびTLOGNAMEは、トランザクションが行われることを示します。
TYPEパラメータはすべて異なりますが、これはマシン間で送られるすべてのメッセージにエンコード/デコードが行われることを示します。
リスト5-2 MACHINESセクションの例
*MACHINES
Gisela       LMID=SITE1
              TUXDIR=���/usr/tuxedo���
              APPDIR=���/usr/home���
              ENVFILE=���/usr/home/ENVFILE���
              TLOGDEVICE=���/usr/home/TLOG���
              TLOGNAME=TLOG
              TUXCONFIG=���/usr/home/tuxconfig���
              TYPE=���3B600���

romeo        LMID=SITE2
              TUXDIR=���/usr/tuxedo���
              APPDIR=���/usr/home���
              ENVFILE=���/usr/home/ENVFILE���
              TLOGDEVICE=���/usr/home/TLOG���
              TLOGNAME=TLOG
              TUXCONFIG=���/usr/home/tuxconfig���
              TYPE=���SEQUENT���

juliet       LMID=SITE3
              TUXDIR=���/usr/tuxedo���
              APPDIR=���/usr/home���
              ENVFILE=���/usr/home/ENVFILE���
              TLOGDEVICE=���/usr/home/TLOG���
              TLOGNAME=TLOG
              TUXCONFIG=���/usr/home/tuxconfig���
              TYPE=���AMDAHL���
 
GROUPSセクションおよびNETWORKセクション
リスト5-3に示されているGROUPSセクションとNETWORKセクションは、次のパラメータを指定します。
TMSCOUNTは2に設定されますが、これはグループ当たり2つのTMS_SQLトランザクション・マネージャ・サーバーだけが起動されることを示します。
OPENINFO文字列は、アプリケーションがデータベース・アクセスを行うことを示します。
リスト5-3 GROUPSおよびNETWORKセクションの例
*GROUPS
DEFAULT:        TMSNAME=TMS_SQL       TMSCOUNT=2
BANKB1          LMID=SITE1            GRPNO=1
OPENINFO=���TUXEDO/SQL:/usr/home/bankdl1:bankdb:readwrite���
BANKB2          LMID=SITE2            GRPNO=2
OPENINFO=���TUXEDO/SQL:/usr/home/bankdl2:bankdb:readwrite���
BANKB3          LMID=SITE3            GRPNO=3
OPENINFO=���TUXEDO/SQL:/usr/home/bankdl3:bankdb:readwrite���

*NETWORK
SITE1            NADDR=���0X0002ab117B2D4359���
                 BRIDGE=���/dev/tcp���
                 NLSADDR=���0X0002ab127B2D4359���

SITE2            NADDR=���0X0002ab117B2D4360���
                 BRIDGE=���/dev/tcp���
                 NLSADDR=���0X0002ab127B2D4360���

SITE3            NADDR=���0X0002ab117B2D4361���
                 BRIDGE=���/dev/tcp���
                 NLSADDR=���0X0002ab127B2D4361���
 
SERVERS、SERVICES、およびROUTINGセクション
リスト5-4に示されているSERVERSセクション、SERVICESセクション、およびROUTINGセクションは、次のパラメータを指定します。
TLRサーバーには、tpsrvrinit()関数に渡される-T numberがあります。
サービスに対するすべてのリクエストはACCOUNT_IDフィールドでルーティングされます。
AUTOTRANモードではサービスは行われません。
リスト5-4 SERVERS、SERVICESおよびROUTINGセクションの例
*SERVERS
DEFAULT: RESTART=Y MAXGEN=5 REPLYQ=N CLOPT=���-A���
TLR      SRVGRP=BANKB1 SRVID=1 CLOPT=���-A -- -T 100"
TLR      SRVGRP=BANKB2 SRVID=3 CLOPT=���-A -- -T 400"
TLR      SRVGRP=BANKB3 SRVID=4 CLOPT=���-A -- -T 700"
XFER     SRVGRP=BANKB1 SRVID=5 REPLYQ=Y
XFER     SRVGRP=BANKB2 SRVID=6 REPLYQ=Y
XFER     SRVGRP=BANKB3 SRVID=7 REPLYQ=Y

*SERVICES
DEFAULT:    AUTOTRAN=N
WITHDRAW        ROUTING=ACCOUNT_ID
DEPOSIT         ROUTING=ACCOUNT_ID
TRANSFER        ROUTING=ACCOUNT_ID
INQUIRY         ROUTING=ACCOUNT_ID

*ROUTING
ACCOUNT_ID FIELD=ACCOUNT_ID BUFTYPE=���FML���
                     RANGES=���MON - 9999:*,
                     10000 - 39999:BANKB1
                     40000 - 69999:BANKB2
                     70000 - 100000:BANKB3
                        ������
 
 

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