はじめに

ここでは、Oracle Tuxedo製品でCORBA環境用に用意されているUniversityサンプル・アプリケーションについて説明します。サンプル・アプリケーションでは、クライアント/サーバー・プログラマに、CORBA環境を使用して分散クライアント/サーバー・アプリケーションを開発する基本概念を提供し、Oracle Tuxedo製品のより高度なCORBAの機能を多数紹介します。

このトピックには次の項が含まれます:

•	Universityサンプル・アプリケーションの概要

•	Universityサンプル・アプリケーションの命名規則

注意:	Oracle Tuxedo CORBA JavaクライアントとOracle Tuxedo CORBA JavaクライアントORBはTuxedo 8.1で非推奨になり、サポートされなくなりました。すべてのOracle Tuxedo CORBA JavaクライアントおよびOracle Tuxedo CORBA JavaクライアントORBのテキスト・リファレンスとコード・サンプルは、サード・パーティ製のJava ORBライブラリを実装または実行する際の参考や、プログラマの参照用としてのみ使用してください。

サード・パーティのCORBA Java ORBのテクニカル・サポートは、各ベンダーによって提供されます。Oracle Tuxedoでは、サード・パーティのCORBA Java ORBに関する技術的なサポートまたはドキュメントは提供していません。

Universityサンプル・アプリケーションの概要

Oracle Tuxedoソフトウェア・キットには、大学で実装されるクライアント/サーバー・アプリケーションに基づくCORBAサンプル・アプリケーション・スイートが含まれています。各Universityサンプル・アプリケーションでは、前の例から得た経験を基にビルドを進めながら、一連のCORBAの新機能を説明します。Universityサンプル・アプリケーションは、Oracle Tuxedo製品の特定のCORBA機能の使用に関連した手順やプロセスのみを説明するため、意図的に単純化されています。

表1-1では、Universityサンプル・アプリケーションを説明しています。

 

表1-1 Universityサンプル・アプリケーション

University サンプル・アプリケーション	説明
Basic	CORBAクライアント/サーバー・アプリケーションの作成方法、CORBAアプリケーションの構成方法、およびBasicサンプル・アプリケーションに含まれるクライアント/サーバー・アプリケーションのビルドおよび実行方法を説明します。CORBA C++サーバー・アプリケーションに加えて、CORBA C++クライアント・アプリケーションも提供されています。
Security	Basicサンプル・アプリケーション内のCORBAクライアント・アプリケーションと、CORBAアプリケーションの構成に、アプリケーション・レベルのセキュリティを追加します。
トランザクション	Basicサンプル・アプリケーション内のCORBAクライアント/サーバー・アプリケーションにトランザクション・オブジェクトを追加します。トランザクション・サンプル・アプリケーションでは、実装構成ファイル(ICF)を使用して、CORBAオブジェクト用のトランザクション・ポリシーを定義する方法を説明します。
Wrapper	ATMIアプリケーションをCORBAオブジェクトとしてラッピングする方法を説明します。
Production	CORBAサーバー・アプリケーションのレプリケート、ステートレスCORBAオブジェクトの作成、およびCORBAサーバー・アプリケーションでのファクトリ・ベースのルーティングの実装を説明します。

Universityサンプル・アプリケーションを次のマニュアルとともに使用します。

•	Oracle Tuxedo CORBAアプリケーション・スタート・ガイド

•	CORBAクライアント・アプリケーションの作成

•	CORBAサーバー・アプリケーションの作成

Universityサンプル・アプリケーションの命名規則

表1-2で説明している命名規則は、Universityサンプル・アプリケーションのコードで使用されます。

 

表1-2 Universityサンプル・アプリケーションで使用される命名規則

規則	説明
crs	course(コース)の省略形。
syn	synopsis(概要)の省略形。
det	details(詳細)の省略形。
lst	list(リスト)の省略形。
enum	enumerator(列挙子)の省略形。
stu	student(学生)の省略形。
num	number(番号)の省略形。
cur	current(現行)の省略形。
_oref	CORBA::Object参照。
_ref	型付きオブジェクト参照。
p_	ptrの省略形。
v_	varの省略形。
s_	ファイルの静的データの省略形。
m_	クラス・メンバー・データの省略形。
メソッド名および変数名	名前にはすべて小文字を使用し、メソッド名内の単語はアンダースコアで区切ります(たとえば、m_v_crs_syn_listは、コースの概要リストを保持する変数であるメンバー・データです)。
タイプ名	大文字で始まり、タイプ名を持つ単語を区切るには小文字を使用します。タイプ名には省略形を使用しません。タイプ名の例は、UniversityB::CourseSynopsisEnumerator_varです。