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Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAソリューションの理解

Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Solutionの理解
今日の急速に変化する環境では、企業は対応するコンピュータ・インフラストラクチャを調整することでビジネス・ニーズの変化に対処し続ける必要があります。パッケージ・アプリケーションによって、財務、製造、人事に関するタスクなど数多くの社内業務が自動化されます。しかし、これらのアプリケーションのデータ形式およびインタフェース・プロトコルは会社固有のものである場合があり、アプリケーションの機能の多くは公開されているアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)からアクセスできないことがあります。そのため、これらのシステムは孤立し、柔軟性がなく、後からの変更が不可能です。
効率的な運用やWebへの拡張のためにビジネス・システムが情報および機能を共有する必要がある場合、統合の問題が表面化します。企業では、組織内でデータベース・レベルとプロセス・レベルの両方で通信するシステムとの間のみでなく、顧客やサプライヤのシステムとの間でも大量の情報交換が必要です。企業は、すでに購入、開発または継承しているシステムを保持しながら、オープンで堅牢かつ、変化に柔軟に対応できるシステムを開発する必要があります。
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAの概要
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAを使用すると、Application-to-Transaction Monitor Interface (ATMI)アプリケーションがメインフレームと通信できるようになります。Oracle Tuxedo Mainframe Adapter製品は、リモートのトランザクション処理(TP)システムを外部ドメインとして管理できるドメイン準拠のゲートウェイを提供します。
Tuxedo Mainframe Adapterドメイン・アーキテクチャは、企業の地理上または組織上の境界を越えてトランザクション処理を連携できるよう、ATMIプラットフォームのスコープを拡張したものです。各ドメイン内では、他の特定のドメインで使用できるローカル・サービスを管理者が決定することで、クライアント・アプリケーションがそれらのサービスをリクエストできるようになります。
このドメイン・ゲートウェイ・アーキテクチャは、他のドメインのサービスをアプリケーション・プログラマに公開するATMIアプリケーション管理者を対象に設計されています。ただし、個々のドメイン内のアプリケーションの存在は、アプリケーション・プログラマに対して完全に透過的です。ATMIのプログラミング・パラダイムを使用して、他のドメインで提供されているサービスをローカル・アプリケーション内で提供されているサービスのようにリクエストできます。
ATMIアプリケーション管理者は、リモート・ドメインがローカル・サービスのサブセットにアクセスできるようにします。このサブセットはローカル・ドメインと呼ばれます。ローカル・ドメインにより、管理者はアプリケーションを監視して安全を保証できます。
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Gatewayでは、LU6.2のセッションおよび会話型通信を使用して、独立した論理ユニット(LU)間の通信が行われます。ATMIプラットフォームとSystem Network Architecture (SNA)ベースのアプリケーションの間のマルチドメイン接続性、双方向リクエスト/レスポンスおよび会話型通信が導入されます。CICSplex環境でのDPLおよびDTPトランザクションがサポートされます。SNAベースのApplication Program-to-Program Communication (APPC)アプリケーションへのアクセスが提供されるとともに、Customer Information Control System/Enterprise System Architecture (CICS/ESA)とのシステム間通信が提供されます。CICS/ESAシステムにアクセスする際、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAはCICS/ESAリージョンとして機能し、同期レベル2の次の機能をサポートできます。
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAのアーキテクチャ
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAは、SNAソリューション、ゲートウェイおよびCommunications Resource Manager (CRM)を提供するように構成できる2つの主要なコンポーネントで構成されます。これらのコンポーネントは双方向のリンクを提供し、Oracle TuxedoなどのATMIプラットフォームが、CICS/ESAおよびIMSの暗黙的なLU6.2を使用するか、IBMがサポートする任意のApplication Program-to-Program Communication (APPC)またはCICS/ESAインタフェースを使用して、クライアントまたはサーバーとしてメインフレーム・アプリケーションと対話できるようにします。図1-1に、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAのアーキテクチャを示します。
ゲートウェイ(GWSNAX)はATMIプラットフォーム環境で実行され、Communications Resource Manager (CRM)はネイティブのUNIX環境で実行することも、Virtual Telecommunications Access Method (VTAM)アプリケーションとしてメインフレームに分散することもできます。CRMは、ATMIプラットフォームから独立した別のUNIXシステムに分散することもできます。
一般に、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAドメインは他のATMIドメイン・ゲートウェイと類似しています。これは、DMADMおよびGWADMサーバーを管理に使用します。Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAシステム内では、その他のサーバーおよびプロセスにより、ピアのCICS/ESAおよびIMS接続性および同期レベル2がサポートされます。
注意:
図1-1 Tuxedo Mainframe Adapter for SNAのアーキテクチャ
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Gateway
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Gatewayは、CRMと通信するATMIドメイン・ゲートウェイです。このゲートウェイはCRMと連携してATMIとメインフレームの間のリクエストおよびレスポンスを処理します。メインフレームからのリクエストがATMIサービスにマップされるのに対して、ATMIからのリクエストは、CICS分散プログラム・リンク(DPL)または分散トランザクション処理(DTP)アプリケーションを使用して実行できるか、Information Management System (IMS)キューから起動できるメインフレーム・プログラムにマップされます。
Communications Resource Manager
CRMは、独立したネイティブ・プロセスとして実行されます。これにより、APPC会話型通信およびDPLプロトコルがATMI環境に出入りできます。CRMはその構成をゲートウェイから取得します。CRMが実行されているもの以外のプラットフォームでゲートウェイが実行されている場合は、ゲートウェイの構成で指定されたアドレスがモニタリングされるように、ATMIプラットフォームを起動する前にCRMを起動する必要があります。
CRMがATMI環境(分散モード)に依存せずに実行されている場合を除いて、CRMがメインフレームと通信するには、適切に構成されたSNAプロトコル・スタックが必要です。
 

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