図2-1に示すように、ローカル構成はTuxedo ATMIプラットフォーム、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter Gateway、CRMおよびSNAスタック(PU2.1サーバー)を同じUNIXプラットフォーム上に集めたものです。ローカル構成は、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA GatewayとCRM間で、広範に使用されているTCP/IP接続性を提供するとともに、高パフォーマンスの通信インタフェースを提供します。メインフレーム側では、CRMはスタックを使用し、System Network Architecture (SNA)インタフェースを介してホスト・システムと通信します。この構成では次のことが可能です。
この分散構成では、図2-2に示すようにCRMをz/OSにデプロイします。ホストとの接続性にはTCP/IPが使用されるため、ローカルのSNAスタックが不要になります。この構成は、ローカル構成に比べて、複雑でないだけでなく、高速のネットワーク・インタフェースを提供します。
この分散構成では、図2-3に示すようにCRMおよびスタックをUNIXまたはLinuxプラットフォームにデプロイします。Oracle Tuxedo Mainframe Adapter GatewayとCRMの接続性にはTCP/IP、ホストとの接続性にはSNAが使用されます。この構成では、様々なスタック・ベンダーからの複数のスタックを使用できます。ATMIプラットフォームについては、選択可能なUNIXベースまたはWindowsプラットフォーム・メーカーはさらに広範になります。
2.
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UBBCONFIGファイルを編集してロードし、バイナリを作成します。
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3.
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DMCONFIGファイル(およびメインフレームにCRMを個別に構成する必要がある場合にはCRM構成ファイル)を編集し、 DMCONFIGをロードして、バイナリを作成します。
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DMTYPEファイルはASCIIファイルです。任意のテキスト・エディタを使用してこのファイルを編集します。
UBBCONFIGファイルはASCIIファイルであり、任意のテキスト・エディタで編集できます。
UBBCONFIGファイルを編集するには、次のタスクを完了します。
1.
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アプリケーションごとにUBBCONFIGファイルを作成します。 UBBCONFIGファイルの詳細は、該当する ATMIプラットフォーム製品ドキュメントの構成に関する項を参照してください。
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2.
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UBBCONFIGファイルでATMIシステムのドメインおよびゲートウェイ管理用サーバーを定義して、新規のゲートウェイ構成を設定するか既存のゲートウェイ構成を修正します。
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4.
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UBBCONFIGファイルの*SERVERSセクションにエントリを追加して、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Gatewayを設定します。詳細は、付録A 「管理コマンド・リファレンス・ページ」の 「GWSNAX」を参照してください。 UBBCONFIGファイルでは、次のゲートウェイ機能を有効にできます。
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5.
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tmloadcfを使用して UBBCONFIGファイルをロードする手順については、該当するATMIプラットフォーム・ドキュメントを参照してください。
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*GROUPS
SNAGRP LMID=mysys
GRPNO=4
LOCGRP LMID=mysys
BRPNO=5
*SERVERS
DEFAULT: CLOPT = “-A”
DMADM SRVGRP=LOCGRP
SRVID=14
GWADM SRVGRP=SNAGRP
SRVID=14
REPLYQ=Y
RESTART=N
GRACE=0
SNACRM SRVGRP=SNAGRP
SRVID=15
CLOPT=“-A--//dalhps2:4452 SNAGRP”
RESTART=Y
RCMD=rstsnagrp
GRACE=120
MAXGEN=2
GWSNAX SRVRGRP=SNAGRP
SRVID=16
RQADDR=”SNADOM”
REPLYQ=N
RESTART=Y
RCMD=rstsnagrp
GRACE=120
MAXGEN=2
DMCONFIGファイルに指定する構成は、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Gateway (GWSNAX)の操作の多くを制御します。このファイルのサンプルがOracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA製品ソフトウェアのインストール・ディレクトリに用意されています。
3.
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次の項で説明するDMCONFIGファイルの各パラメータを設定し、 DMCONFIGファイルをロードします。 dmloadcfを使用して DMCONFIGファイルをロードする手順については、該当するATMIドキュメントを参照してください。
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a.
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*DM_LOCAL_DOMAINSセクションを更新します
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LDOM必須パラメータ {オプション・パラメータ}
各LDOMエントリにおいて、
TYPEパラメータの値は他のゲートウェイ・タイプと異なるゲートウェイ・タイプを明示的に指定します。現在、以前のリリースで使用されていた値
SNADOMのかわりに
SNAXを使用しています。このパラメータ・エントリは次の形式を取ります。
LDOMエントリ用に値
TYPE=SNAXを選択します。
b.
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*DM_REMOTE_DOMAINSセクションを更新します
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各RDOMエントリにおいて、
TYPEパラメータの値ではリモート・ドメインがSNAプロトコルを使用して通信することを指定します。このパラメータ・エントリは次の形式を取ります。
注意:
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eLink Adapter for Mainframeの以前のリリースで使用されていた* DM_SNADOMセクションのかわりに、 *DM_SNACRM、* DM_SNASTACKSおよび* DM_SNALINKSセクションが使用されるようになりました。 * DM_SNACRM、* DM_SNASTACKSまたは* DM_SNALINKSセクションを変更した場合は、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAドメインのコールド・スタートが必要です。Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAドメインをコールド・スタートしないと、ドメインの起動時に、構成変更にはコールド・スタートが必要であるというエラーが表示されます。
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*DM_SNACRMセクションには、3つのキーワードを指定します。これらを使用して、特定のドメインとそのパートナにATMIトランザクション・セマンティクスを提供するCRMを識別することになります。エントリの一般形式は次のとおりです。
このエントリの<CRMName>は、この
SNACRM定義のローカルに認識される名前で、後続のセクションでこの
SNACRMを参照する際に使用されます。この名前は1~30文字のASCII文字列です。パラメータは定義を構成するキーワードと値のペアです。
SNACRM定義が有効であるためには、すべてのキーワードが必要です。キーワードの順序は任意です。
LDOMは、この
SNACRMを定義済のローカル・ドメインと関連付けます。
<LocalDomainName>は、
*DM_LOCAL_DOMAINSセクションのエントリへの参照です。この名前は1~30文字のASCII文字列です。このパラメータは必須です。このパラメータにデフォルトはありません。
SNACRMADDRには、ドメイン・ゲートウェイが
SNACRMと通信するために使用するソケット・アドレスを指定します。このアドレスは、CRMが実行されるマシンおよびポートを示します。ローカル構成では、このアドレスはローカル・プラットフォームです。分散構成では、このアドレスはリモート・プラットフォームです。このアドレスは
SNACRMコマンド行で使用する必要があります。このパラメータは必須で、デフォルト値は設定されていません。
FFFFはプロトコル・ファミリの16進値で、INETファミリの場合は常に
0x0002です。
PPPPは、未使用のTCP/IPポートの16進値です。
AAAAAAAAは、
SNACRMを実行しているマシンのIPアドレスの16進値です。
<デバイス名>はネットワークへのアクセスに使用する論理名です。次に例を示します。
DM_SNASTACKSセクションには、5つのキーワードを指定します。これらを使用して、特定のドメインとそのパートナ間に接続を確立する場合に使用されるサードパーティのSNAスタックを識別することになります。エントリの一般形式は次のとおりです。
このエントリの<StackReference>は、このスタック定義のローカルに認識される名前で、後続のセクションでこのスタックを参照する際に使用されます。この名前は1~30文字のASCII文字列です。パラメータは定義を構成するキーワードと値のペアです。キーワードの順序は任意です。スタック定義が有効であるためには、すべてのキーワードが必要です。
LOCALLUでは、サードパーティのSNAスタックで定義されているLU別名への参照を指定します。
<LocalLUAlias>は、サードパーティのSNAスタック構成で指定されたローカルLU定義の識別に使用される名前です。この名前は、LU6.2接続の終了ノードを表します。このパラメータの値は、長さが1~8文字のASCII文字列です。このパラメータは必須です。このパラメータにデフォルトはありません。サードパーティのSNAスタックには、ローカルLUの対応する定義が必要です。
LTPNAMEは、このスタック定義を使用して、
SNACRMのサービスを受けるインバウンド・トランザクション・プログラムを識別します。
<LocalTransactionProgramName>は、アタッチを受け入れるインバウンド・トランザクション・プログラムの識別に使用される名前です。唯一有用な値はアスタリスクで、すべてのインバウンド・アタッチが受け入れられることを示します。このパラメータは必須です。このパラメータにデフォルトはありません。TP名の一部のみを指定することはできません。サードパーティのSNAスタックには、インバウンドTP名の対応する定義が必要です。
SNACRMでは、関連付けられた
SNACRM定義を参照するための名前を指定します。
<CRMName>は、*
DM_SNACRM定義をこの*
DM_SNASTACKSエントリに関連付けるために使用する名前です。このパラメータの値は、長さが1~30文字のASCII文字列です。このパラメータは必須です。このパラメータにデフォルトはありません。
STACKPARMSはドメイン・ゲートウェイが必要なすべてのパラメータをサードパーティのSNAスタックに渡す方法を指定します。
<サードパーティのSNAスタックに必要なパラメータ>は1~128文字のASCII文字列です。現在使用されている唯一の値は、サードパーティのSNAスタックを実行するマシンのTCP/IPホスト名です。このパラメータは必須です。このパラメータにデフォルトはありません。
*DM_SNALINKSセクションは11のキーワードを指定して、タイプSNAのドメインに必要とされるSNAリンク情報を定義します。エントリの一般形式は次のとおりです。
このエントリの<リンク名>は、ローカル・ドメイン(
LDOM)とリモート・ドメイン(
RDOM)間の接続を指定する識別子の値です。この名前は1~30文字のASCII文字列です。パラメータは定義を構成するキーワードと値のペアです。キーワードの順序は任意です。
LSYSIDはこのリンクの4文字の識別子です。これは、パートナのCICS/ESAがこのリンクを越えて
SNACRMと通信するために使用するCICS/ESAリソース定義の接続IDと一致する必要があります。マクロ定義を使用する場合、これは
DFHTCTマクロの
SYSIDNTオプションでの4文字の名前になります。
RSYSIDはパートナのリモート・システムIDで、4文字です。これは通常CICS/ESAリージョンのシステムIDですが、IMS制御リージョンのサブシステムIDである場合もあります。このパラメータはリモート・パートナの実際のシステムIDと一致する必要があります。この名前は
DFHSITの
SYSIDNTとなるか、CICS/ESA起動の値によってオーバーライドされます。
RLUNAME値は、リモート・アプリケーションのVTAM
ネットワーク名を解決するサードパーティのSNAスタックに認識される別名を指定します。このリモート・アプリケーションには通常CICS/ESAリージョンのVTAM
applidを指定しますが、IMSとともに使用するよう定義されたAPPC/MVS LUを指定することもできます。値はSNAネットワーク内で一意である必要があります。値
nameは1~8文字である必要があります。このパラメータは必須です。このパラメータにデフォルトはありません。サードパーティのスタック構成を使用するには、対応する定義が必要です。
MODENAMEは、サードパーティのSNAスタックにあわせて定義されたVTAMモード・エントリです。CICS/ESAリンクの場合、このエントリは該当する接続用のセッション定義またはプロファイル・エントリと両立する必要があります。IMS接続の場合、このエントリはIMSスケジューラにアクセスするためのLU定義の
DLOGMODエントリと両立する必要があります。値
nameは1~8文字のASCII文字である必要があります。このパラメータは必須です。このパラメータはサードパーティのSNAスタック構成と適合する必要があるとともに、VTAMまたはCICS(あるいはその両方)にあわせて定義された該当エントリと両立する必要があります。
SECURITYでは、CICS/ESA接続リソース定義のセキュリティ設定を指定します。これには外部セキュリティ・マネージャによってCICS/ESA下で実行されるセキュリティのレベルを指定します。正しい値は
LOCAL、
IDENTIFY、
VERIFY、
PERSISTENTまたは
MIXIDPEです。デフォルト設定は
LOCALです。
PERSISTENTおよび
MIXIDPEはリモート接続定義の設定を指定するものですが、このリリースのOracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAの
VERIFYオプションと同じです。
この値は競合の勝者の最小数です。通常、この値はMAXSESSの半分の値です。この数値と、接続に対するCICS/ESAセッション定義の勝者数との合計は、
MAXSESS値と等しくなる必要があります。デフォルト値は
MINWIN=0です。
このオプションにより、トランザクション対応リンクに対してリカバリ・モードが設定されます。AUTOに設定した場合は、システムがトランザクションのログからリカバリした構成およびリンク・データを使用して再起動されます。
COLDに設定した場合は、現在の
DMCONFIGファイルから取得された構成データが使用され、実行中のリンクのデータは失われます。
DMCONFIGファイルのパラメータを変更して
AUTOスタートを行うと、変更したパラメータが次回のコールド・スタートまで無視されるという警告メッセージが出力されます。
f.
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*DM_LOCAL_SERVICESセクションを更新します
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*DM_LOCAL_SERVICESセクションは各ローカル・ドメインによってエクスポートされるサービスについての情報を指定します。エントリの一般形式は次のとおりです。
このエントリの<ローカル・サービス名>は、エクスポートされるサービスのローカル名です。この名前は1~15文字のASCII文字列です。パラメータは定義を構成するキーワードと値のペアです。キーワードの順序は任意です。パラメータの詳細は、付録A
「管理コマンド・リファレンス・ページ」の
「DMCONFIG」を参照してください。
RNAMEオプションはリモートのCICS/ESAリージョンからインポートするローカル・サービス名です。この名前は、CRMがローカル・サービスを選択する場合に使用されます。
RNAMEでインバウンドDPLリクエストに対して明示的添付ファイルの代替ミラー・トランザクション識別子を指定する場合、RNAMEは次の形式のような代替ミラー
TRANSIDとCICS/ESAプログラム名の組合せである必要があります。
AAAAは1~4文字の代替ミラーTRANSIDです。
コロンは、TRANSIDとプログラム名の組合せであることを示すために必須です。
TRANSIDは使用可能なCICS/ESA文字で構成されている必要があります。
g.
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*DM_REMOTE_SERVICESセクションを更新します
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*DM_REMOTE_SERVICESセクションはリモート・ドメインにインポートして使用可能にするサービスについての情報を指定します。エントリの一般形式は次のとおりです。
このエントリの<リモート・サービス名>は、特定のリモート・サービスのローカル・アプリケーションに使用される名前です。この名前は1~15文字のASCII文字列です。パラメータは定義を構成するキーワードと値のペアです。キーワードの順序は任意です。パラメータの詳細は、付録A
「管理コマンド・リファレンス・ページ」の
「DMCONFIG」を参照してください。
FUNCTIONオプションが追加され、アウトバウンドATMIサービス・リクエストがAPPCトランザクション・プログラムまたはCICS/ESA DPLプログラムにマップできるようになりました。デフォルト値は
APPCです。
RNAMEオプションはホストTP_NAMEの名前です。CICS/ESA以外のシステムでは、この名前は最大64文字です。CICS/ESAシステムでは、この名前は、
FUNCTION=APPCの場合はトランザクションID、
FUNCTION=DPLリクエストの場合はプログラム名です。CICS/ESAのトランザクションID名は4文字を超えることはできず、CICS/ESAのプログラム名は8文字を超えることができません。
RNAMEオプションはこれらの要件を満たしている必要があります。
RNAMEでアウトバウンドDPLリクエストに対して明示的添付ファイルの代替ミラー・トランザクション識別子を指定する場合、RNAMEは次の形式のような代替ミラー
TRANSIDと公開されているリモートCICS/ESAプログラム名の組合せである必要があります。
AAAAは1~4文字の代替ミラーTRANSIDです。
コロンは、TRANSIDとプログラム名の組合せであることを示すために必須です。
TRANSIDは使用可能なCICS/ESA文字で構成されている必要があります。
具体的には、TMAではDM_SNASTACKSが
DMCONFIGで構成されているかどうかが自動的に確認されます。構成されている場合、TMAは
DMCONFIGの
DM_SNASTACKSおよび
DM_SNALINKS構成を使用します。そうでない場合、TMAはメインフレーム上のCRM構成を使用します。メインフレーム上にCRM構成がない場合、TMAはシャットダウンし、
ULOGにエラーが記録されます。
•
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この機能は、VIEWのSTRINGおよび CARRAYのフィールド・タイプのみをサポートしています。フィールド・タイプが CARRAYの場合、TMAはそれを16進数文字の大文字で表し、その長さを倍にします(2文字が1バイトになります)。
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このサポートが有効になるようにCALLID_FIELDS_CFGを設定します。そのように設定しないと、このサポートは有効になりません。
CALLID_FIELDS_CFGには、構成ファイルの場所およびフィールド名も指定します。絶対ファイル・パスと相対ファイル・パスの両方がサポートされています。
このシナリオでは、DMCONFIGに定義されているTuxedoローカル・サービスを次のように構成しています。ここで
OUTBUFTYPEでは、着信コールのメッセージ・フォーマットを定義しています。
DMCONFIGファイルの
DM_REMOTE_SERVICESセクションおよび
DM_LOCAL_SERVICESセクションの次のサービス・パラメータは、サービス定義パラメータです。
次のDMCONFIG要素は、Oracle Tuxedoメタデータ・リポジトリ・キーワードにマップする必要があります。
メタデータ・リポジトリのキーワードservicetypeを再利用して、
CONVを格納します。
servicetype=convを使用して、
DMCONFIGで
CONV=Y要素をマップする必要があります。そうしないと、
CONV=N要素がマップされます。
キーワードinbufを使用して、バッファ・タイプを格納します。また、
inviewを使用して、入力バッファのバッファ・サブタイプを格納します(オプション)。
キーワードoutbufを使用して、バッファ・タイプを格納します。また、
outviewを使用して、出力バッファのバッファ・サブタイプを格納します(オプション)。
キーワードsnaiscを使用して、
FUNCTIONの値を格納します。これは、リモート・サービスにのみ使用でき、ローカル・サービスには存在しません。
また、DM_LOCAL_SERVICESセクションに定義されているサービスの場合、
servicemode値を
tuxedoに設定します。
DM_REMOTE_SERVICESセクションに定義されているサービスの場合、
servicemode値を
snaに設定します。