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システムの構成および起動

システムの構成および起動
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAを使用するには、システムのアーキテクチャに基づいた適切な構成が必要です。この項の内容は次のとおりです。
注意:
構成の準備
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Gatewayならびに、CICSおよびIMSアプリケーションと通信するCRMを適切に構成するには、事前に次の前提条件を満たしておく必要があります。
システム・アーキテクチャの決定
システムのアーキテクチャを決定するには、アーキテクチャ内でのOracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAコンポーネントの場所を決定する必要があります。
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAコンポーネント
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAシステムの次の基本コンポーネントが、システムを構成する際のファクタになります。
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter Gatewayは、トランザクション対応SNAゲートウェイです。ATMIドメイン・ゲートウェイとして実装され、ATMI環境を使用します。このゲートウェイは、Transmission Control Protocol/Internet Protocol (TCP/IP)接続でCRMと通信します。
Communications Resource Manager (CRM)はSNAスタックを使用してSNAネットワークと通信します。これは、ゲートウェイを介してOracle Tuxedo Mainframe Adapterクライアントと通信します。
スタックは、SNAネットワークへの接続性を提供する、ベンダー提供のソフトウェアです。
システム構成
システム・アーキテクチャには、次の基本的なOracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA構成のいずれかを反映させます。
ローカル構成
図2-1に示すように、ローカル構成はTuxedo ATMIプラットフォーム、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter Gateway、CRMおよびSNAスタック(PU2.1サーバー)を同じUNIXプラットフォーム上に集めたものです。ローカル構成は、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA GatewayとCRM間で、広範に使用されているTCP/IP接続性を提供するとともに、高パフォーマンスの通信インタフェースを提供します。メインフレーム側では、CRMはスタックを使用し、System Network Architecture (SNA)インタフェースを介してホスト・システムと通信します。この構成では次のことが可能です。
注意:
図2‑1 Unix/LinuxプラットフォームでのOracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAのローカル構成
分散構成—CRMをz/OSホストへ
この分散構成では、図2-2に示すようにCRMをz/OSにデプロイします。ホストとの接続性にはTCP/IPが使用されるため、ローカルのSNAスタックが不要になります。この構成は、ローカル構成に比べて、複雑でないだけでなく、高速のネットワーク・インタフェースを提供します。
図2-2 z/OSプラットフォームへのCRMの分散構成
分散構成 - Unix/Linux上のCRM
この分散構成では、図2-3に示すようにCRMおよびスタックをUNIXまたはLinuxプラットフォームにデプロイします。Oracle Tuxedo Mainframe Adapter GatewayとCRMの接続性にはTCP/IP、ホストとの接続性にはSNAが使用されます。この構成では、様々なスタック・ベンダーからの複数のスタックを使用できます。ATMIプラットフォームについては、選択可能なUNIXベースまたはWindowsプラットフォーム・メーカーはさらに広範になります。
図2-3 UNIX/LinuxプラットフォームへのCRMの分散構成
ローカル・ホストの構成
該当するスタック用にローカルLUを構成することで、ローカル・ホストがリモート・ホストとの操作を実施できるようにします。
このタスクの詳細は、『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA CRM管理ガイド』を参照してください。
リモート・ホストの構成
次のタスクを完了することで、リモート・ホストがATMIローカル・ドメインとの操作を実施できるようにします。
1.
2.
3.
これらのタスクの詳細は、『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA CRM管理ガイド』を参照してください。
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Gatewayの構成
概要
次のリストは、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Gateway (GWSNAX)を構成するためのタスクをまとめたものです。
1.
DMTYPEファイルを編集します。
2.
UBBCONFIGファイルを編集してロードし、バイナリを作成します。
3.
DMCONFIGファイル(およびメインフレームにCRMを個別に構成する必要がある場合にはCRM構成ファイル)を編集し、DMCONFIGをロードして、バイナリを作成します。
4.
5.
また、すべてのOracle Tuxedo Mainframe Adapter着信コール・メッセージからカスタマイズされた呼出しIDを取得する場合は、次の手順を実行します。
ステップ1: DMTYPEファイルの編集
DMTYPEファイルはASCIIファイルです。任意のテキスト・エディタを使用してこのファイルを編集します。
1.
$TUXDIR/udataobjディレクトリにあるDMTYPEファイルに次の行を挿入します。
UNIXの場合:
SNAX::::
Windowsの場合:
SNAX;;;;
2.
DMCONFIGファイルを編集する前に、$TUXDIR/udataobj/DMTYPEファイルが存在することを確認します。詳細は、付録A「管理コマンド・リファレンス・ページ」「dmloadcf」を参照してください。
ステップ2: UBBCONFIGファイルの編集
UBBCONFIGファイルはASCIIファイルであり、任意のテキスト・エディタで編集できます。UBBCONFIGファイルを編集するには、次のタスクを完了します。
1.
アプリケーションごとにUBBCONFIGファイルを作成します。UBBCONFIGファイルの詳細は、該当するATMIプラットフォーム製品ドキュメントの構成に関する項を参照してください。
2.
UBBCONFIGファイルでATMIシステムのドメインおよびゲートウェイ管理用サーバーを定義して、新規のゲートウェイ構成を設定するか既存のゲートウェイ構成を修正します。
3.
ローカル構成でCRMをATMIサーバーとして実行する場合は、UBBCONFIGファイルの*SERVERSセクションにCRMエントリを追加します。詳細は、『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA CRM管理ガイド』を参照してください。
注意:
CRMをATMIプロセスとして起動する場合は、UBBCONFIGファイル内でCRMがGWSNAXエントリより上にある必要があります。
4.
UBBCONFIGファイルの*SERVERSセクションにエントリを追加して、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Gatewayを設定します。詳細は、付録A「管理コマンド・リファレンス・ページ」「GWSNAX」を参照してください。UBBCONFIGファイルでは、次のゲートウェイ機能を有効にできます。
5.
tmloadcfを使用してUBBCONFIGファイルをロードする手順については、該当するATMIプラットフォーム・ドキュメントを参照してください。
リスト2-1 CRMをATMIサーバーとして指定するサンプルのUBBCONFIGファイル・エントリ
*GROUPS
SNAGRP LMID=mysys
GRPNO=4

LOCGRP LMID=mysys
BRPNO=5

*SERVERS
DEFAULT: CLOPT = “-A”

DMADM SRVGRP=LOCGRP
SRVID=14

GWADM SRVGRP=SNAGRP
SRVID=14
REPLYQ=Y
RESTART=N
GRACE=0

SNACRM SRVGRP=SNAGRP
SRVID=15
CLOPT=“-A--//dalhps2:4452 SNAGRP”
RESTART=Y
RCMD=rstsnagrp
GRACE=120
MAXGEN=2

GWSNAX SRVRGRP=SNAGRP
SRVID=16
RQADDR=”SNADOM”
REPLYQ=N
RESTART=Y
RCMD=rstsnagrp
GRACE=120
MAXGEN=2
 
ステップ3: DMCONFIGファイルの編集(およびメインフレームにCRMを個別に構成する場合にはCRM構成ファイルも編集)
このステップを行うには、2つのオプションがあります。ニーズに最も適した方を選択してください。
メインフレームにCRMを個別に構成する必要がない場合は、この部分の指示に従ってこのステップを完了してください。
メインフレームにCRMを個別に構成する必要がある場合は、この部分の指示に従ってこのステップを完了してください。
オプションA: DMCONFIGファイルの編集
DMCONFIGファイルに指定する構成は、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Gateway (GWSNAX)の操作の多くを制御します。このファイルのサンプルがOracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA製品ソフトウェアのインストール・ディレクトリに用意されています。
注意:
1.
2.
インストール・ディレクトリにアクセスするファイル権限と、サンプルのDMCONFIGファイルにアクセスするファイル権限があることを確認します。
3.
次の項で説明するDMCONFIGファイルの各パラメータを設定し、DMCONFIGファイルをロードします。dmloadcfを使用してDMCONFIGファイルをロードする手順については、該当するATMIドキュメントを参照してください。
a.
*DM_LOCAL_DOMAINSセクションを更新します
このセクションでは、ローカル・ドメインとその関連するゲートウェイ・グループを指定します。このセクションでは、ゲートウェイ・グループ(ローカル・ドメイン)ごとにエントリが必要です。エントリの形式は次のとおりです。
LDOM必須パラメータ {オプション・パラメータ}
このエントリのLDOMは、各ローカル・ドメインを指定する識別子の値です。オプション・パラメータおよび必須パラメータの詳細は、付録A「管理コマンド・リファレンス・ページ」「DMCONFIG」を参照してください。
LDOMエントリにおいて、TYPEパラメータの値は他のゲートウェイ・タイプと異なるゲートウェイ・タイプを明示的に指定します。現在、以前のリリースで使用されていた値SNADOMのかわりにSNAXを使用しています。このパラメータ・エントリは次の形式を取ります。
TYPE={SNAX | OSITP | TDOMAIN}
LDOMエントリ用に値TYPE=SNAXを選択します。
SNAXが(CRMの再起動時に) CRMに自動的に再接続するようにするには、CONNECTION_POLICYON_STARTUPに設定し、RETRY_INTERVALを指定します(デフォルト値は60秒)。次に例を示します。
CONNECTION_POLICY=ON_STARTUP
RETRY_INTERVAL=60
b.
*DM_REMOTE_DOMAINSセクションを更新します
このセクションは認識されるリモート・ドメインとその特性のセットを指定します。エントリの形式は次のとおりです。
RDOM必須パラメータ
このエントリのRDOMは、この構成で認識される各リモート・ドメインを指定する識別子の値です。必須パラメータの詳細は、付録A「管理コマンド・リファレンス・ページ」「DMCONFIG」を参照してください。
RDOMエントリにおいて、TYPEパラメータの値ではリモート・ドメインがSNAプロトコルを使用して通信することを指定します。このパラメータ・エントリは次の形式を取ります。
TYPE={SNAX | OSITP | TDOMAIN}
RDOMエントリ用に値TYPE=SNAXを選択します。
c.
*DM_SNACRMセクションを追加します
注意:
eLink Adapter for Mainframeの以前のリリースで使用されていた*DM_SNADOMセクションのかわりに、*DM_SNACRM、*DM_SNASTACKSおよび*DM_SNALINKSセクションが使用されるようになりました。

*DM_SNACRM、*DM_SNASTACKSまたは*DM_SNALINKSセクションを変更した場合は、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAドメインのコールド・スタートが必要です。Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAドメインをコールド・スタートしないと、ドメインの起動時に、構成変更にはコールド・スタートが必要であるというエラーが表示されます。
*DM_SNACRMセクションには、3つのキーワードを指定します。これらを使用して、特定のドメインとそのパートナにATMIトランザクション・セマンティクスを提供するCRMを識別することになります。エントリの一般形式は次のとおりです。
<CRMName>パラメータ
このエントリの<CRMName>は、このSNACRM定義のローカルに認識される名前で、後続のセクションでこのSNACRMを参照する際に使用されます。この名前は1~30文字のASCII文字列です。パラメータは定義を構成するキーワードと値のペアです。SNACRM定義が有効であるためには、すべてのキーワードが必要です。キーワードの順序は任意です。
LDOM=<LocalDomainName> (必須)
LDOMは、このSNACRMを定義済のローカル・ドメインと関連付けます。<LocalDomainName>は、*DM_LOCAL_DOMAINSセクションのエントリへの参照です。この名前は1~30文字のASCII文字列です。このパラメータは必須です。このパラメータにデフォルトはありません。
SNACRMADDR=<HexSocketAddress> (必須)
SNACRMADDRには、ドメイン・ゲートウェイがSNACRMと通信するために使用するソケット・アドレスを指定します。このアドレスは、CRMが実行されるマシンおよびポートを示します。ローカル構成では、このアドレスはローカル・プラットフォームです。分散構成では、このアドレスはリモート・プラットフォームです。このアドレスはSNACRMコマンド行で使用する必要があります。このパラメータは必須で、デフォルト値は設定されていません。
<HexSocketAddress>はファミリ、ポート、アドレスの形式の//hostname:port_addrまたはsockaddr_を使用したTCP/IPアドレスです。
<0xFFFFPPPPAAAAAAAA>
このエントリでは、引数およびオプションは次のように定義されています。
FFFFはプロトコル・ファミリの16進値で、INETファミリの場合は常に0x0002です。
PPPPは、未使用のTCP/IPポートの16進値です。
AAAAAAAAは、SNACRMを実行しているマシンのIPアドレスの16進値です。
このため、CRMがIPアドレス206.189.43.13myhostというマシンで実行されていて、CRMにポート6000を使用する場合は、SNACRMADDRは次のようになります。
//myhost:6000または0x00021770CEBD2B0D
NWDEVICE=<デバイス名>(必須)
<デバイス名>はネットワークへのアクセスに使用する論理名です。次に例を示します。
/dev/tcp
d.
*DM_SNASTACKSセクションを追加します
DM_SNASTACKSセクションには、5つのキーワードを指定します。これらを使用して、特定のドメインとそのパートナ間に接続を確立する場合に使用されるサードパーティのSNAスタックを識別することになります。エントリの一般形式は次のとおりです。
<StackReference> parameters
このエントリの<StackReference>は、このスタック定義のローカルに認識される名前で、後続のセクションでこのスタックを参照する際に使用されます。この名前は1~30文字のASCII文字列です。パラメータは定義を構成するキーワードと値のペアです。キーワードの順序は任意です。スタック定義が有効であるためには、すべてのキーワードが必要です。
LOCALLU=<LocalLUAlias> (必須)
LOCALLUでは、サードパーティのSNAスタックで定義されているLU別名への参照を指定します。<LocalLUAlias>は、サードパーティのSNAスタック構成で指定されたローカルLU定義の識別に使用される名前です。この名前は、LU6.2接続の終了ノードを表します。このパラメータの値は、長さが1~8文字のASCII文字列です。このパラメータは必須です。このパラメータにデフォルトはありません。サードパーティのSNAスタックには、ローカルLUの対応する定義が必要です。
LTPNAME=<LocalTransactionProgramName> (必須)
LTPNAMEは、このスタック定義を使用して、SNACRMのサービスを受けるインバウンド・トランザクション・プログラムを識別します。<LocalTransactionProgramName>は、アタッチを受け入れるインバウンド・トランザクション・プログラムの識別に使用される名前です。唯一有用な値はアスタリスクで、すべてのインバウンド・アタッチが受け入れられることを示します。このパラメータは必須です。このパラメータにデフォルトはありません。TP名の一部のみを指定することはできません。サードパーティのSNAスタックには、インバウンドTP名の対応する定義が必要です。
SNACRM=<CRMName> (必須)
SNACRMでは、関連付けられたSNACRM定義を参照するための名前を指定します。<CRMName>は、*DM_SNACRM定義をこの*DM_SNASTACKSエントリに関連付けるために使用する名前です。このパラメータの値は、長さが1~30文字のASCII文字列です。このパラメータは必須です。このパラメータにデフォルトはありません。
STACKPARMS=<サードパーティのSNAスタックに必要なパラメータ>(必須)
STACKPARMSはドメイン・ゲートウェイが必要なすべてのパラメータをサードパーティのSNAスタックに渡す方法を指定します。<サードパーティのSNAスタックに必要なパラメータ>は1~128文字のASCII文字列です。現在使用されている唯一の値は、サードパーティのSNAスタックを実行するマシンのTCP/IPホスト名です。このパラメータは必須です。このパラメータにデフォルトはありません。
STACKTYPE={hp62 | vt210}
このオプションは、どのベンダーSNAスタックが使用中であるかを示すために使用します。また、特定のOracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAシステム・ライブラリの名前を決定する場合にも使用します。このため、このオプションの値は正しくコーディングする必要があります。これらの値は、同等のOracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAシステム・ライブラリにマップされます。
e.
*DM_SNALINKSセクションを追加します
*DM_SNALINKSセクションは11のキーワードを指定して、タイプSNAのドメインに必要とされるSNAリンク情報を定義します。エントリの一般形式は次のとおりです。
<リンク名>パラメータ
このエントリの<リンク名>は、ローカル・ドメイン(LDOM)とリモート・ドメイン(RDOM)間の接続を指定する識別子の値です。この名前は1~30文字のASCII文字列です。パラメータは定義を構成するキーワードと値のペアです。キーワードの順序は任意です。
STACKREF=<スタック参照(必須)
この必須パラメータでは、このリンクの確立に使用されるスタックを定義します。STACKREF文字列は*DM_SNASTACKSセクションで以前に設定した当該の定義に使用されているタグです。
RDOM=<name>
各リンクは、SNAネットワークで接続するATMIシステム・アプリケーションとリモート・システムの接続を定義します。リモート・システムは、ATMIの用語ではリモート・ドメインです。RDOMオプションは、リンクをリモート・ドメインと関連付けます。このリモート・ドメインはTYPE=SNAXオプションを使用して構成しておく必要があります。RDOM名は、*DM_REMOTE_DOMAINSセクションで以前に指定されたRDOM値と一致する必要があります。
LSYSID=<name>
LSYSIDはこのリンクの4文字の識別子です。これは、パートナのCICS/ESAがこのリンクを越えてSNACRMと通信するために使用するCICS/ESAリソース定義の接続IDと一致する必要があります。マクロ定義を使用する場合、これはDFHTCTマクロのSYSIDNTオプションでの4文字の名前になります。
RSYSID=<name>
RSYSIDはパートナのリモート・システムIDで、4文字です。これは通常CICS/ESAリージョンのシステムIDですが、IMS制御リージョンのサブシステムIDである場合もあります。このパラメータはリモート・パートナの実際のシステムIDと一致する必要があります。この名前はDFHSITSYSIDNTとなるか、CICS/ESA起動の値によってオーバーライドされます。
RLUNAME=<name>(必須)
RLUNAME値は、リモート・アプリケーションのVTAMネットワーク名を解決するサードパーティのSNAスタックに認識される別名を指定します。このリモート・アプリケーションには通常CICS/ESAリージョンのVTAMapplidを指定しますが、IMSとともに使用するよう定義されたAPPC/MVS LUを指定することもできます。値はSNAネットワーク内で一意である必要があります。値nameは1~8文字である必要があります。このパラメータは必須です。このパラメータにデフォルトはありません。サードパーティのスタック構成を使用するには、対応する定義が必要です。
MODENAME=<name>(必須)
MODENAMEは、サードパーティのSNAスタックにあわせて定義されたVTAMモード・エントリです。CICS/ESAリンクの場合、このエントリは該当する接続用のセッション定義またはプロファイル・エントリと両立する必要があります。IMS接続の場合、このエントリはIMSスケジューラにアクセスするためのLU定義のDLOGMODエントリと両立する必要があります。値nameは1~8文字のASCII文字である必要があります。このパラメータは必須です。このパラメータはサードパーティのSNAスタック構成と適合する必要があるとともに、VTAMまたはCICS(あるいはその両方)にあわせて定義された該当エントリと両立する必要があります。
SECURITY={LOCAL | IDENTIFY | VERIFY | PERSISTENT | MIXIDPE}
SECURITYでは、CICS/ESA接続リソース定義のセキュリティ設定を指定します。これには外部セキュリティ・マネージャによってCICS/ESA下で実行されるセキュリティのレベルを指定します。正しい値はLOCALIDENTIFYVERIFYPERSISTENTまたはMIXIDPEです。デフォルト設定はLOCALです。PERSISTENTおよびMIXIDPEはリモート接続定義の設定を指定するものですが、このリリースのOracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAのVERIFYオプションと同じです。
MAXSESS=<number>
この数は、このリンクで同時に取得できるセッションの最大数を表します。これは、4以上で、SNAスタックで構成できるセッションの最大数以下である必要があります。同時セッションの実際の数は、両方のシステム構成によって決まり、どちらかのシステムで許可されている最大セッション数のうち最も低い値になります。デフォルト値はMAXSESS=64です。
MINWIN=<number>
この値は競合の勝者の最小数です。通常、この値はMAXSESSの半分の値です。この数値と、接続に対するCICS/ESAセッション定義の勝者数との合計は、MAXSESS値と等しくなる必要があります。デフォルト値はMINWIN=0です。
STARTTYPE={AUTO|COLD}
このオプションにより、トランザクション対応リンクに対してリカバリ・モードが設定されます。AUTOに設定した場合は、システムがトランザクションのログからリカバリした構成およびリンク・データを使用して再起動されます。COLDに設定した場合は、現在のDMCONFIGファイルから取得された構成データが使用され、実行中のリンクのデータは失われます。DMCONFIGファイルのパラメータを変更してAUTOスタートを行うと、変更したパラメータが次回のコールド・スタートまで無視されるという警告メッセージが出力されます。
MAXSYNCLVL={0 | 1 | 2}
この値は、このリンクでサポートできる最大同期レベルの対話を表します。デフォルトは、同期レベル2です。トランザクション・サポートは、同期レベル2でのみ使用可能です。
Sync-level 0
値がゼロ(0)の場合、このリンクはトランザクション非対応ということになります。この値を使用すると、APPC/MVS透過性インタフェースを介してIMSからメッセージを送受信できます。
Sync-level 1
同期レベル0の機能に加えて、CICS/ESAシステムとのSYNCONRETURN分散プログラム・リンク(DPL)(TPNOTRANを使用したアウトバウンドATMI tpcall()リクエスト)のサポートを可能にします。
Sync-level 2
ログを交換し状態を比較できるシステムに対して、同期レベル0および同期レベル1のすべての機能をサポートします。また、同期レベル2で完全同期ポイント同期がサポートされています。
f.
*DM_LOCAL_SERVICESセクションを更新します
*DM_LOCAL_SERVICESセクションは各ローカル・ドメインによってエクスポートされるサービスについての情報を指定します。エントリの一般形式は次のとおりです。
<ローカル・サービス名>パラメータ
このエントリの<ローカル・サービス名>は、エクスポートされるサービスのローカル名です。この名前は1~15文字のASCII文字列です。パラメータは定義を構成するキーワードと値のペアです。キーワードの順序は任意です。パラメータの詳細は、付録A「管理コマンド・リファレンス・ページ」「DMCONFIG」を参照してください。
RNAME=<name> (必須)
RNAMEオプションはリモートのCICS/ESAリージョンからインポートするローカル・サービス名です。この名前は、CRMがローカル・サービスを選択する場合に使用されます。
RNAMEでインバウンドDPLリクエストに対して明示的添付ファイルの代替ミラー・トランザクション識別子を指定する場合、RNAMEは次の形式のような代替ミラーTRANSIDとCICS/ESAプログラム名の組合せである必要があります。
RNAME=AAAA:BBBBBBBB
この文では、引数およびオプションは次のように定義されています。
AAAAは1~4文字の代替ミラーTRANSIDです。
BBBBBBBBは1~8文字のCICS/ESAプログラム名です。
コロンは、TRANSIDとプログラム名の組合せであることを示すために必須です。TRANSIDは使用可能なCICS/ESA文字で構成されている必要があります。
A-Za-z0-9$@#./-_%&Q¢?!|”=,;<>
アプリケーション間プログラミングの考慮事項に関する項の、DPLのトランザクションIDの特別な扱いに関する項を参照してください。
g.
*DM_REMOTE_SERVICESセクションを更新します
*DM_REMOTE_SERVICESセクションはリモート・ドメインにインポートして使用可能にするサービスについての情報を指定します。エントリの一般形式は次のとおりです。
<リモート・サービス名>パラメータ
このエントリの<リモート・サービス名>は、特定のリモート・サービスのローカル・アプリケーションに使用される名前です。この名前は1~15文字のASCII文字列です。パラメータは定義を構成するキーワードと値のペアです。キーワードの順序は任意です。パラメータの詳細は、付録A「管理コマンド・リファレンス・ページ」「DMCONFIG」を参照してください。
FUNCTION={APPC | DPL}
FUNCTIONオプションが追加され、アウトバウンドATMIサービス・リクエストがAPPCトランザクション・プログラムまたはCICS/ESA DPLプログラムにマップできるようになりました。デフォルト値はAPPCです。
RNAME=<name>
RNAMEオプションはホストTP_NAMEの名前です。CICS/ESA以外のシステムでは、この名前は最大64文字です。CICS/ESAシステムでは、この名前は、FUNCTION=APPCの場合はトランザクションID、FUNCTION=DPLリクエストの場合はプログラム名です。CICS/ESAのトランザクションID名は4文字を超えることはできず、CICS/ESAのプログラム名は8文字を超えることができません。RNAMEオプションはこれらの要件を満たしている必要があります。
RNAMEでアウトバウンドDPLリクエストに対して明示的添付ファイルの代替ミラー・トランザクション識別子を指定する場合、RNAMEは次の形式のような代替ミラーTRANSIDと公開されているリモートCICS/ESAプログラム名の組合せである必要があります。
RNAME=AAAA:BBBBBBBB
この文では、引数およびオプションは次のように定義されています。
AAAAは1~4文字の代替ミラーTRANSIDです。
BBBBBBBBは1~8文字のCICS/ESAプログラム名です。
コロンは、TRANSIDとプログラム名の組合せであることを示すために必須です。TRANSIDは使用可能なCICS/ESA文字で構成されている必要があります。
A-Za-z0-9$@#./-_%&Q¢?!|”=,;<>
『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAリファレンス・ガイド』の、アプリケーション間プログラミングの考慮事項に関する項の、DPLのトランザクションIDの特別な扱いに関する項を参照してください。
オプションB: DMCONFIGファイルおよびCRM構成ファイルの編集
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAでは、CRM関連の構成(CICSLINKSおよびSNASTACKS)をメインフレームで個別に格納および管理する作業を柔軟に行うことができます。
具体的には、TMAではDM_SNASTACKSDMCONFIGで構成されているかどうかが自動的に確認されます。構成されている場合、TMAはDMCONFIGDM_SNASTACKSおよびDM_SNALINKS構成を使用します。そうでない場合、TMAはメインフレーム上のCRM構成を使用します。メインフレーム上にCRM構成がない場合、TMAはシャットダウンし、ULOGにエラーが記録されます。
この柔軟性を生かすには、SNA側とCRM側の両方で次の手順を実行します。
この側では、「オプションA: DMCONFIGファイルの編集」にリストされている手順のうち、*DM_SNASTACKSセクションを追加します」および「*DM_SNALINKSセクションを追加します」を除き、すべての手順を実行します。
この側では、『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA CRM管理ガイド』メインフレームでのCRMの個別の構成に関する項にリストされている手順を実行します。
カスタマイズされた呼出しIDサポートの構成
すべてのOracle Tuxedo Mainframe Adapter着信コール・メッセージからカスタマイズされた呼出しIDを取得できます。CHANNEL/CONTAINER、VIEW、FML32など多くのバッファ・タイプがこの機能をサポートしています。呼出しIDは、フィールドで構成されています。構成ファイルで各呼出しIDに1つ以上のフィールドを配置することもできます。Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Gatewayは、初期化時に構成ファイルをロードして解析し、インバウンド・リクエストをデコードする際にその結果に応じて呼出しIDを生成し、この呼出しIDをメッセージに設定します。
呼出しIDの最大長は64バイトです。これを超える文字は切り捨てられます。末尾のスペースは、現在の長さとは関係なく切り捨てられます。
各フィールドの長さを指定できます。フィールドの最大長は64バイトです。実際の長さが指定よりも短い場合は、スペースで埋められます。
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Gatewayに対して環境変数CALLID_FIELDS_CFGおよび呼出しID構成ファイルが正しく設定され、かつSNA GatewayでOracle Tuxedo System and Applications Monitor Plus (TSAM Plus)呼出しパスが有効である場合、呼出しIDがTSAM Plus呼出しパスのECIDフィールドに収集されます。詳細は、Oracle Tuxedo System and Applications Monitor Plusコンソール・ユーザーズ・ガイド呼出しパスに関する項を参照してください。
このサポートを使用するには、次の手順を実行します。
1.
このサポートが有効になるように環境変数CALLID_FIELDS_CFGを設定し、さらに構成ファイルの場所およびフィールド名も指定します。
2.
カスタマイズされた呼出しIDの構成のサンプルについては、「サンプル」を参照してください。
注意:
この機能は、VIEWのSTRINGおよびCARRAYのフィールド・タイプのみをサポートしています。フィールド・タイプがCARRAYの場合、TMAはそれを16進数文字の大文字で表し、その長さを倍にします(2文字が1バイトになります)。
環境変数CALLID_FIELDS_CFGの設定
このサポートが有効になるようにCALLID_FIELDS_CFGを設定します。そのように設定しないと、このサポートは有効になりません。CALLID_FIELDS_CFGには、構成ファイルの場所およびフィールド名も指定します。絶対ファイル・パスと相対ファイル・パスの両方がサポートされています。
export CALLID_FIELDS_CFG=/APPDIR/callid.ini
構成ファイルCALLFLDSの設定
構文
[<Service_Name>]
CALLFLDS = <View_Name_1>:<Field_Name_1>:<Offset_begin_1>-<Offset_end_1> [,...,<View_Name_n>:<Field_Name_n>:<Offset_begin_n>-<Offset_end_n>]
説明
 
この名前は、DMCONFIGDM_LOCAL_SERVICESセクションに定義されているローカル・サービス名に一致する必要があります。ネストされたVIEWの場合、この名前はこのフィールドを含む最も近いVIEW名です。チャネル/コンテナの場合、コンテナ名がVIEW名にマップされるため、その2つの名前は同じです。
これは、DMCONFIGにあるDM_LOCAL_SERVICESセクションのOUTBUFTYPEに定義されている名前と同じである必要があります。そうでない場合、エラーが報告されていなくても、構成は無効です。
これは、VIEWファイルのcnameと同じ名前である必要があります。そうでない場合、エラーが報告されていなくても、構成は無効です。
注意:
どのセパレータも必須です。フィールド定義のいずれかでセパレータ":"の合計数が2でない場合、エラーが報告されます。
サンプル
このシナリオでは、DMCONFIGに定義されているTuxedoローカル・サービスを次のように構成しています。ここでOUTBUFTYPEでは、着信コールのメッセージ・フォーマットを定義しています。
リスト2‑2 シナリオ: DMCONFIGに定義されているTuxedoローカル・サービス
[RECVIEW]
CONV=N
RNAME="RECVIEW"
INBUFTYPE="VIEW32:flat1"
OUTBUFTYPE="VIEW32:nest"
 
また、ネストされたVIEWをbufview.vに次のように定義しています。
リスト2‑3 シナリオ: bufview.vに定義されているネストされたVIEW
#type cname fbname count flag size null
VIEW ECvw
carray Eca ECA 1 - 20 -
END
 
VIEW EDvw
string EDCstr EDCSTR 1 - - -
END
 
VIEW Evw
string ECstr ECSTR 1 - - -
short EBsh EBSH 1 - - -
struct ECvw ECVW 1 - - -
struct EDvw EDVW 1 - - -
END
 
VIEW nest
char Ach ACH 1 - - -
short Bsh BSH 1 - - -
string Cstr CSTR 1 - 41 -
long Dlo DLO 1 - - -
struct Evw EVW 1 - - -
 
END
 
次に、環境変数を次のように設定する必要があります。
export CALLID_FIELDS_CFG=/APPDIR/callid.ini
また、構成ファイルを次のように定義します。
[RECVIEW]
CALLFLDS= nest: Cstr:0-2, Evw: ECstr :3-7, EDvw: EDCstr:8-15, ECvw: Eca:16-63
Oracle Tuxedoサービス・メタデータ・リポジトリの使用
TMA SNA Gatewayがインポートおよびエクスポートしたサービスは、DMCONFIGファイルのDM_REMOTE_SERVICESセクションおよびDM_LOCAL_SERVICESセクションに構成されます。サービス構成には、サービス定義とサービス・デプロイメントの両方が含まれています。
DMCONFIGファイルのDM_REMOTE_SERVICESセクションおよびDM_LOCAL_SERVICESセクションの次のサービス・パラメータは、サービス定義パラメータです。
Oracle Tuxedoメタデータ・リポジトリは、Oracle Tuxedoサービス定義を保持する集中型リポジトリです。TMA SNAのサービス定義は、DMCONFIGファイルまたはOracle Tuxedoメタデータ・リポジトリに構成できます。
Tuxedoメタデータ・リポジトリのサービス・レベル・キーワード
TMA SNAがOracle Tuxedoメタデータ・リポジトリのサービス定義を使用できるようにするには、Oracle Tuxedoメタデータ・リポジトリの次のサービス・レベル・キーワードを対応するTMA SNAサービス用に構成する必要があります。
詳細は、「Oracle Tuxedoサービス・メタデータ・リポジトリの管理」「サービス・レベルのキーワードと値を使う」を参照してください。
DMCONFIG要素とTuxedoメタデータ・リポジトリ・キーワードとのマッピング
次のDMCONFIG要素は、Oracle Tuxedoメタデータ・リポジトリ・キーワードにマップする必要があります。
CONV = { Y | N } (DM_LOCAL_SERVICESセクションおよびDM_REMOTE_SERVICESセクションに定義)
メタデータ・リポジトリのキーワードservicetypeを再利用して、CONVを格納します。servicetype=convを使用して、DMCONFIGCONV=Y要素をマップする必要があります。そうしないと、CONV=N要素がマップされます。
INBUFTYPE = type[:subtype] (DM_LOCAL_SERVICESセクションおよびDM_REMOTE_SERVICESセクションに定義)
キーワードinbufを使用して、バッファ・タイプを格納します。また、inviewを使用して、入力バッファのバッファ・サブタイプを格納します(オプション)。
OUTBUFTYPE = type[:subtype] (DM_LOCAL_SERVICESセクションおよびDM_REMOTE_SERVICESセクションに定義)
キーワードoutbufを使用して、バッファ・タイプを格納します。また、outviewを使用して、出力バッファのバッファ・サブタイプを格納します(オプション)。
FUNCTION = {APPC|DPL} (DM_REMOTE_SERVICESセクションにのみ定義)
キーワードsnaiscを使用して、FUNCTIONの値を格納します。これは、リモート・サービスにのみ使用でき、ローカル・サービスには存在しません。
また、DM_LOCAL_SERVICESセクションに定義されているサービスの場合、servicemode値をtuxedoに設定します。DM_REMOTE_SERVICESセクションに定義されているサービスの場合、servicemode値をsnaに設定します。
GWSNAXサーバー構成
Oracle Tuxedoメタデータ・リポジトリを使用するには、-MパラメータでGWSNAXサーバーを構成する必要があります。
注意:
Oracle Tuxedoメタデータ・リポジトリ・サーバーTMMETADATA (5)を構成し、GWSNAXサーバーよりも先に起動する必要があります。
システムの起動
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAシステムを起動するには、次の項の説明に従い、最初にCRMを起動し、次にATMIサーバーを起動する必要があります。
ステップ1: CRMの起動
CRMを分散モードで実行するかコマンド行から実行する場合は、ATMIプロセスから独立して起動する必要があります。次のいずれかの方法でCRMを起動します。
CRM [parameters] <HexSocketAddress> <group name>
注意:
HP-UXプラットフォームで、CRMがSNA管理者グループsnaのメンバーであるユーザーIDで実行されていることを確認します。
このコマンドの詳細は、付録A「管理コマンド・リファレンス・ページ」「CRM」を参照してください。
ステップ2: ATMIサーバーの起動
該当するATMIプラットフォーム・ドキュメントの説明に従ってtmbootを実行し、ATMIサーバーを起動します。それがすでに実行されている場合は、tmshutdownを実行してからtmbootを実行します。
関連項目

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