この付録では、各種サードパーティー製品との SMC の対話について説明します。
z/OS 向けの Computer Associates Unicenter CA-MIA Tape Sharing (テープ共有) では、SSI24 時に EDL を直接変更することにより、割り振りイベント時に要求の対象となるテープドライブを決定します。ただし、SMC では、通常の割り振り処理の一部として、EDL が直接変更されることはありません。CA-MIA テープ共有との適切な共存を可能にするには、ALLOCDef
コマンドの MIAcompat
パラメータを ON
に設定します。
Computer Associates Real Time Stacking 製品では、SSI24 時に DEFER
処理が実行されます。一方、SMC では通常、SSI78 時に DEFER
処理が実行されます。CA1-RTS との適切な共存を可能にするには、ALLOCDef
コマンドの CA1rts
パラメータを ON
に設定します。
Computer Associates の CA-Vtape は、CA-Vtape の処理をアクティブにしたり有効にしたりする、SMC のためのユーザー出口 02 および 08 を提供します。通常、ユーザー出口 02 および 08 は、適用可能な SMC POLICY
オブジェクトが割り振りイベントに適用された場合は呼び出されません。CA-Vtape によって提供されたユーザー出口が呼び出されるようにするための代替手段がいくつか存在します。
SMC TREQDEF
定義ファイルでデフォルトの SMC TAPEREQ
文を指定しないでください。デフォルトの SMC TAPEREQ
文が見つからず、その他のすべての TAPEREQ
が SMC で制御された特定の割り当てイベントをターゲットにしている場合は、指定されたユーザー出口が呼び出され、SMC で制御されていない割り当てイベントを CA-Vtape に送信するかどうかが判定されます。
デフォルトの SMC TAPEREQ
文を指定しない場合は、従来の TAPEREQ
定義を使用してテープポリシーを定義し、デフォルトの TAPEREQ
定義を POLICY
オブジェクトに送信しないでください。そのため、デフォルトの TAPEREQ
文で仮想メディアを指定する場合は、最後の TAPEREQ
文を次のように指定します。
TAPEREQ JOB(*) MEDIA VIRTUAL
通常であれば、次のように指定します。
TAPEREQ JOB(*) POLICY VIRTPOL
ここで、ポリシー VIRTPOL
は MEDIA VIRTUAL
を指定します。
起動時に、SMCCMDS
または SMCPARMS
データセットのどちらかで ALLOCDef CAVTAPe(ON)
を指定します。ALLOCDef CAVTAPe(ON)
が指定されていると、適用可能な SMC POLICY
オブジェクトが割り当てイベントに適用された場合でも、ユーザー出口 02 および 08 が呼び出されます。
IBM プログラムの Fault Analyzer for z/OS は、アプリケーションの異常終了原因を解明できます。これは、StorageTek ELS ソフトウェア製品も実行しているシステムにインストールできますが、ELS コードで発生した異常終了への適用は推奨しません。ELS コードが実行されるサブシステム環境は複雑であるため、Fault Analyzer 自体が異常終了する可能性があります。
ELS システムに Fault Analyzer for z/OS をインストールする場合は、この製品が ELS 製品の異常終了を無視するよう、次の更新を指定することを強く推奨します。
Fault Analyzer がインストールされている場合は、SYS1.PARMLIB(IDICNF00)
への次の更新を実行します。
EXCLUDE (NAME(
HSC
) NAME(
SMC
) NAME(
CSC
))
ここでは:
HSC
は、HSC コンソールによって開始されるタスク名です。
SMC
は、SMC コンソールによって開始されるタスク名です。
CSC
は、MVS/CSC コンソールによって開始されるタスク名です。
あるいは、コンソールで起動されたすべてのタスクを Fault Analyzer による評価から除外するために EXCLUDE (TYPE(STC))
を指定できます。ただし、使用している環境では、このような全般的な除外方法が適切ではない場合があります。
使用している MVS セキュリティーパッケージ (たとえば、RACF、TopSecret など) で、MVS スワップメッセージへの応答に必要な権限が SMC に付与されるように構成してください。
Open Type J マクロは SMC メッセージの処理中はサポートされません。
また、MVS Open Type J マクロを使用している場合、SMC 割り振りの拡張機能が動作しない場合があります。これは、このマクロが、オープン時にボリュームシリアル番号またはデータセット名の変更を可能にするため、Job Step Allocation (ジョブステップの割り振り) 時に利用可能な情報が SMC によってインターセプトされた時点では誤った情報となる可能性があるためです。
注:
一部の他社製ソフトウェア製品では、MVS Open Type J が使用されています。他社製のソフトウェア製品を用いて、予期しない割り振り結果が生じた場合は、Open Type J が使用されているかどうかを製造者に問い合わせ、次の推奨事項を実行してください。オープン時に変更された可能性のある情報により、SMC 割り振りが MVS 割り振りに誤った影響を及ぼしていることが考えられます。この問題を回避するには、Open Type J マクロの使用時、JCL または該当する TAPEREQ
制御文や POLicy
コマンドで、適切なエソテリックを指定します
Sterling Software 製の SAMS DISK (DMS) には、次の 2 とおりのトランスポート割り振り方法があります。
セッション開始時にトランスポートを割り振り、セッション中はトランスポートを保持して Open Type J を使用する方法 (Open Type J を参照)
動的割り振り (DYNALLOC
) を用いて、必要時にトランスポートを割り振る方法
動的割り振りを用いることにより、SMC によって正しい割り振りが実行されます。したがって、後者のトランスポート割り振り方法が推奨されます。