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Oracle Enterprise Pack for Eclipse Oracle Mobile Application Framework (OEPE Edition)でのモバイル・アプリケーションの開発
リリース2.3.0
E77213-01
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10 MAFアプリケーションでのライフサイクル・リスナーの使用方法

この章では、MAFアプリケーション・エディタとMAF機能エディタを使用してモバイル・アプリケーションのSpringboardおよびナビゲーション・バーの表示動作を定義し、アプリケーション機能を埋め込むことでコンテンツを指定する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

10.1 MAFアプリケーションのライフサイクル・リスナーの概要

ライフサイクル・リスナーは、アプリケーションの固有のイベントに応じて実行されるコードを記述するために便利な場所です。MAFは、アプリケーションまたはアプリケーション機能イベントに応じたコードを記述できるライフサイクル・リスナーを備えています。アプリケーション・ライフサイクル・リスナー・メソッドの標準的な実装としては、第19章「MAF AMXでのローカル・データベースの使用方法」に示されているように、アプリケーションの起動時にアプリケーションのデータベースを初期化するコードを記述するか、または第29.5.6項「実行時の名前付き接続の接続属性の更新方法」に示されているように、URLパラメータからセキュリティ構成を更新します。

MAFは、イベント通知と通信するために実装できる次の2つのインタフェースを備えています。

  • oracle.adfmf.application.LifeCycleListener

    このインタフェースには、アプリケーション・ライフサイクル・リスナーが実装する必要のある次のメソッドを指定します。

    • activate()

    • deactivate()

    • start()

    • stop()

  • oracle.adfmf.feature.LifeCycleListener

    このインタフェースには、機能ライフサイクル・リスナーが実装する必要のある次のメソッドを指定します。

    • activate()

    • deactivate()

ライフサイクル・リスナーを作成するには、適切なインタフェースを実装するJavaクラスを作成し、第10.2項「MAFアプリケーションまたはアプリケーション機能のライフサイクル・リスナーの登録」に示されているように、MAFアプリケーションの実装を登録します。

新規作成するMAFアプリケーションは、図10-1に示されているように、アプリケーション・プロジェクトにapplication.LifeCycleListenerImpl.javaクラスをデフォルトで作成することによって、oracle.adfmf.application.LifeCycleListenerインタフェースを実装します。

図10-1 アプリケーション・ライフサイクル・リスナーの実装

図10-1については周囲のテキストで説明しています。

アプリケーション・ライフサイクル・リスナーは、匿名ユーザーによって実行されます(つまり、そのリスナーのメソッドにはどのユーザーも関連付けられず、セキュアなWebサービスもコールされません)。

表10-1は、アプリケーションの起動時、シャットダウン時および休止時にアプリケーション・ライフサイクル・メソッドをMAFが起動する特定の時刻を示しています。

表10-1 MAFによるアプリケーション・ライフサイクル・メソッドの起動タイミング

メソッド タイミング いつコールされるか 使用方法

start

MAFアプリケーションがアプリケーション機能を完全にロードした後、ユーザーに最初のアプリケーション機能またはSpringboardを表示する直前にコールされます。これはブロック化コールです。

アプリケーションの処理が開始されたとき。

次の使用方法があります。

  • MAFアプリケーションの更新があるかどうかを確認する。

  • ローカル・データベースにデータをダウンロードするよう、リモート・サーバーにリクエストする。

stop

MAFアプリケーションがシャットダウンを開始するときにコールされます。

アプリケーションの処理が終了したとき。

次の使用方法があります。

  • 任意のリモート・サービスからログオフする。

  • アプリケーションが終了する前に、データの変更をサーバーにアップロードする。

activate

MAFアプリケーションを背景にある(休止)状態からアクティブ化するときにコールされます。これはブロック化コールです。

startメソッドがコールされた後。

次の使用方法があります。

  • キャッシュ・ストアを読み取り、再移入する。

  • Webサービス・リクエストを処理する。

  • 必要なリソースを取得する。

deactivate

MAFアプリケーションを非アクティブ化し、背景に移動(休止)するときにコールされます。これはブロック化コールです。

stopメソッドがコールされる前。

次の使用方法があります。

  • リストア可能な状態を書き込む。

  • データベース・カーソルとデータベース接続を閉じる。


表10-2は、機能のアクティブ化および非アクティブ化時にMAFが機能ライフサイクル・メソッドを起動する特定のタイミングを示しています。

表10-2 MAFによる機能ライフサイクル・メソッドの起動のタイミング

メソッド タイミング いつコールされるか 使用方法

activate

現在のアプリケーション機能がアクティブ化される前にコールされます。

ユーザーがMAFアプリケーションの起動後に初めてアプリケーション機能を選択したとき、またはアプリケーション機能が再選択されたとき(つまり、フォアグラウンドに戻されたとき)にコールされます。

次の使用方法があります。

  • applicationScope変数を読み取る。

  • 最初のMAF AMXビューにおける現在の行を設定する。

deactivate

次のアプリケーション機能がアクティブ化される前、またはアプリケーション機能が終了する前にコールされます。

ユーザーが別のアプリケーション機能を選択したときにコールされます。

たとえば、deactivateイベントを使用して、applicationScope変数や、次のアプリケーション機能が使用するその他の状態情報を記述できます。


oracle.adfmf.application.LifeCycleListenerインタフェースおよびoracle.adfmf.feature.LifeCycleListenerインタフェースの詳細は、Oracle Mobile Application Framework Java APIリファレンスを参照してください。

LifecycleEventsサンプル・アプリケーションは、アプリケーションおよび機能の両方のインタフェースを実装するリスナー・クラスの宣言を示しています。これらのリスナー・クラスはMAFアプリケーションのmaf-application.xmlファイルとmaf-feature.xmlファイルに登録されます。このサンプル・アプリケーションおよびその他のサンプル・アプリケーションの詳細は、第1.4項「サンプルのMAFアプリケーション」を参照してください。

10.2 MAFアプリケーションまたはアプリケーション機能のライフサイクル・リスナーの登録

MAFアプリケーション・エディタを使用してアプリケーション・ライフサイクル・リスナーを登録し、MAF機能エディタを使用して機能ライフサイクル・リスナーを登録します。

アプリケーション・ライフサイクル・リスナーを登録するには:

  1. プロジェクト・エクスプローラで、アセンブリ・プロジェクトを展開してMAFを展開し、MAFアプリケーション・エディタをダブルクリックします。

  2. 「アウトライン」でアプリケーション・ノードを選択し、「アプリケーション」タブの「ライフサイクル・イベント・リスナー」フィールドで、oracle.adfmf.application.LifeCycleListenerインタフェースを実装するJavaクラスを指定します。


    注意:

    ライフサイクル・イベント・リスナーのラベルにマウス・ポインタを置くと、リスナー・クラスを説明するツールチップが表示されます。

    図10-2 アプリケーション・イベント・リスナーの取得

    この図は周囲のテキストで説明しています

アプリケーション機能ライフサイクル・リスナーを登録する手順:

  1. プロジェクト・エクスプローラで、ビュー・プロジェクトを展開してMAFを展開し、MAF機能エディタをダブルクリックします。

  2. 機能ライフサイクル・リスナーを登録する機能を「機能」リストで選択します。

  3. 「ライフサイクル・イベント・リスナー」フィールドに、oracle.adfmf.feature.LifeCycleListenerインタフェースを実装するJavaクラスを指定します。

10.3 ライフサイクル・リスナー登録時の処理

デフォルトでは、作成するMAFアプリケーションは、アプリケーションのアプリケーション・プロジェクトでのapplication.LifeCycleListenerImpl.javaクラスの作成を介して、アプリケーション・ライフサイクル・リスナーを実装します。maf-application.xmlファイルのlistener-class属性は、次の例に示されているように、このクラスを登録します。

<adfmf:application xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"                    xmlns:adfmf="http://xmlns.oracle.com/adf/mf"
                   version="1.0" name="NewMAFapp" id="com.company.NewMAFapp"
    appControllerFolder="ApplicationController" listener-class="application.LifeCycleListenerImpl">
...
</adfmf:application>

機能ライフサイクル・リスナーを登録すると、OEPEでは、listener-class属性用のmaf-feature.xmlファイルにエントリを書き込みます。次の例は、付録E「サンプルのMAFアプリケーション」で説明されているLifecycleEventsサンプル・アプリケーションのエントリを示しています。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<adfmf:features xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xmlns:adfmf="http://xmlns.oracle.com/adf/mf">
  <adfmf:feature id="Feature1" name="Feature1" listener-class="mobile.Feature1Handler">
    <adfmf:description>This is a sample feature to show the feature lifecycle handlers.
    </adfmf:description>
    <adfmf:content id="Feature1.1">
      <adfmf:amx file="Feature1/feature1.amx"/>
    </adfmf:content>
  </adfmf:feature>
...
</adfmf:features>