Oracle Fusion Middleware Oracle E-Business Suite Adapterユーザーズ・ガイド 12c (12.2.1.1) 部品番号 E79307-01 | 目次 | 前 | 次 |
Oracle E-Business Suite Adapterを使用すると、離散データを意味のあるビジネス・プロセスに統合したり、Oracle E-Business Suite内の様々なインタフェース・タイプに対してWebサービスを作成できます。Oracle E-Business Suiteに対するサービス・プロバイダのロールを担っており、異種環境におけるビジネス・パートナ、プロセス、アプリケーションおよびエンド・ユーザー間のシームレスな統合を可能にします。
Oracle E-Business Suite Adapterには次の機能が備えられており、各機能についてこの章で詳しく説明します。
Oracle E-Business Suite Adapterは、Oracle E-Business Suiteで使用される非常に柔軟な統合インタフェースです。Oracle E-Business Suiteアプリケーションを統合する、次のインタフェース・タイプがサポートされています。
PL/SQL API
これらのAPIを使用すると、PL/SQLを使用してOracle E-Business Suiteにデータを挿入および更新できます。
ビジネス・イベント
ビジネス・イベントとは、システム内の他のオブジェクトや外部エージェントにとって重要な、インターネット・アプリケーション内のオカレンスです。ビジネス・イベントの例には、新規発注の作成や既存受注の変更があります。
ビジネス・イベント・システムは、Oracle Advanced Queuing (AQ)インフラストラクチャを活用してシステム間でビジネス・イベントを伝達するアプリケーション・サービスです。ビジネス・イベント・システムは、重要なイベントへのサブスクリプションを登録できるようにするイベント・マネージャで構成されます。
ローカル・イベントが発生すると、イベントを発生させたコードと同じトランザクションでサブスクライブ・コードが実行されます。サブスクリプション処理には、イベント情報のカスタム・コードの実行、ワークフロー・プロセスへのイベント情報の送信、他のキューまたはシステムへのイベント情報の送信が含まれます。
ビジネス・イベント・グループ
ビジネス・イベント・グループは、個別のビジネス・イベントのセットが含まれるイベント・タイプです。イベント・グループを一度定義すると、イベント・グループに登録されていたサブスクリプションは、そのグループ内のいずれかの個別イベントがトリガーされると実行されます。
ビジネス・イベント・グループのサポートにより、イベント・グループに属する別々のビジネス・イベントを、単一のパートナ・リンクを経由して扱えるようになります。イベント・グループ用に作成されたサービスは、グループ内の任意のイベントに対応するペイロードをデキューできます。
オープン・インタフェース表
インタフェース表を使用すると、Oracle E-Business Suiteにデータを挿入または更新できます。インタフェース表から実表にデータを移動するには、関連するコンカレント・プログラムが動作している必要があります。
コンカレント・プログラム
コンカレント・プログラムを使用すると、インタフェース表から実表へのデータ移動や任意のアプリケーション・ロジックの実行が可能となります。
Oracle XML Gateway
XML Gatewayは、Oracle E-Business Suiteと双方向に統合できます。これは、Oracle E-Business Suiteのデータの挿入や取得に役立ちます。XML Gatewayは、一般的に使用されるOracle E-Business Suiteビジネス・オブジェクトおよびビジネス・インタフェースに対応したOAGIS形式のXMLドキュメントを公開する、よりレベルの高いインタフェースです。XML Gatewayは、インタフェース表、Oracle Workflowビジネス・イベント・システム(BES)およびインタフェース・ビューと統合し、Oracle E-Business Suiteのデータの挿入や取得を行います。また、基礎となる表データをXMLにマップします(その逆も行います)。
Oracle E-Commerce(EDI) Gateway
Oracle E-Commerce Gatewayは、Oracle E-Business Suiteとサード・パーティ・アプリケーションとの電子データ交換(EDI)統合のための共通の標準的アプローチを提供します。
インタフェース・ビュー
インタフェース・ビューを使用すると、アプリケーション表を使用してOracle E-Business Suiteからデータを取得できます。
ここで、Oracle E-Business Suite Adapterは、Oracle Integration Repositoryではなく、Oracle E-Business Suiteモジュール・ブラウザが公開している次のカスタム統合インタフェース・タイプもサポートしていることに注意してください。
カスタムPL/SQL API
カスタム・ビジネス・イベント
注意: ビジネス・イベント統合インタフェース・タイプも、Oracle Integration RepositoryではなくOracle E-Business Suiteモジュール・ブラウザにより公開されます。
カスタムXML Gatewayマップ
カスタマイズされたコンカレント・プログラム
Oracle Integration RepositoryはOracle E-Business Suiteに不可欠な機能であり、Oracle E-Business Suiteで提供される様々なパブリック統合インタフェースの情報のビルトイン・カタログです。Oracle E-Business Suite全体を一体化した統合インタフェースの包括的なビューが備えられています。
Oracle Integration Repositoryが提供できるのは、開発者が公開のために特に注釈を付けた統合インタフェースに関する情報のみです。Oracle E-Business Suite Adapterは、作成済みのアノテーションを利用して、Oracle E-Business Suiteモジュール・ブラウザに次の統合インタフェース・タイプを表示します。
XML Gatewayメッセージ・マップ
PL/SQL API
コンカレント・プログラム
オープン・インタフェース表
インタフェース・ビュー
E-Commerce Gateway EDIメッセージ
これらの統合インタフェースはWebサービスとして公開され、Oracle BPEL Process Managerを介したプロセスの統合に利用できます。
Oracle Integration Repositoryの詳細は、Oracle E-Business Suite統合SOAゲートウェイ・ユーザーズ・ガイドのOracle Integration Repositoryのナビゲートに関する項を参照してください。このガイドは、Oracle Technology Network(OTN)上でアクセスできるOracle E-Business Suite Documentation Libraryの一部です。
注意: Oracle Integration Repositoryは、リリース12.0以降のOracle E-Business Suiteに統合されます。
Oracle E-Business Suite Adapterでは、Integration Repository for Oracle E-Business Suiteリリース11.5.10およびリリース12が統合コンテンツの真のソースとして利用されます。
Oracle E-Business Suite Adapterは、次のバージョンのE-Business Suiteで、Integration Repositoryからのカスタム統合インタフェースの選択をサポートします。
ヒント: Oracle E-Business Suiteの各種バージョンのサポートには次の条件があります。
Oracle E-Business Suite Adapter 12cで必要なOracle E-Business Suiteデータベースのバージョンは次のとおりです。
Oracle Databaseのリリース | Oracle Database 11 gリリース1 | Oracle Database 11 gリリース2 | Oracle Database 12c リリース1 |
---|---|---|---|
必要最低限のデータベースのバージョン | 11.1.0.7以上 | 11.2.0.3以上 | 12.1.0.1以上 |
Oracle E-Business Suite Adapterは、Oracle E-Business Suiteリリース11.5.10 (OWF.G.Rollup 7が必要)およびリリース12.0以上をサポートしています。
J2EEデータ・ソースを使用したネイティブOracle E-Business Suite接続機能を使用するには、Oracle E-Business Suiteリリース11i では11i.ATG_PF.H.Delta.6(RUP6)、Oracle E-Business Suiteリリース12ではリリース12.0.4が最小限の要件となります。
詳細は、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント787637.1を参照してください。
ビジネス・サービスの作成時と実行時で、パッケージがAPPSスキーマで使用できるかぎり、Oracle E-Business Suite AdapterではカスタムPL/SQL APIがサポートされます。Oracle E-Business Suiteモジュール・ブラウザでは、統合を目的として、これらのカスタムPL/SQL APIを設計時に公開できます。
Oracle E-Business Suiteリリース12のサポート
リリース12からは、Oracle Integration RepositoryがOracle E-Business Suiteに同梱されています。これにより、Oracle E-Business Suite AdapterからOracle Integration Repositoryの本番データベースに直接接続し、publicインタフェースを問い合せて、カスタム統合インタフェースのリストをOracle E-Business Suiteモジュール・ブラウザの「その他インタフェース」→「カスタム・オブジェクト」ノードの下に表示できます。
リリース12におけるカスタム統合インタフェースのサポート
Oracle E-Business Suite Adapterでは、Oracle E-Business Suiteに接続する本番データベースからIntegration Repositoryデータファイルを抽出し、Integration Repositoryデータ・ファイルのローカル・コピーをワークプレイスに作成できることに注意してください。次回にpublicインタフェースを検索する際には、システムでワークプレイス内のキャッシュからデータを取得できます。
Oracle E-Business Suiteリリース12への接続の詳細は、各統合インタフェースの「パートナ・リンクの作成」または「パートナ・リンクの追加」設計時タスクを参照してください。
Oracle E-Business Suiteリリース11.5.10のサポート
Oracle E-Business Suiteリリース11.5.10をサポートするために、Oracle E-Business Suite Adapterでは、製品の一部としてバンドルされたIntegration Repositoryデータ・ファイルがXMLフォーマットで用意されています。設計時に、Oracle E-Business Suite Adapterは、Adapterに同梱された統合リポジトリのネイティブXMLデータにpublicインタフェースを問合せます。カスタム統合インタフェースは本番データベースに直接問合せられ、モジュール・ブラウザで「その他インタフェース」→「カスタム・オブジェクト」ノードの下に表示されます。
リリース11.5.10におけるカスタム統合インタフェースのサポート
Oracle E-Business Suite Adapterは、ベースとなるOracle Database AdapterおよびOracle AQ Adapterの機能に完全に依存することにより高可用性をサポートし、Real Application Cluster (RAC)データベース構成やクラスタ化構成などのシナリオに対応します。
Oracle Database AdapterおよびOracle AQ Adapterの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Technology Adaptersユーザー・ガイド』を参照してください。
潜在的な構成の問題を効率的に診断、トラブルシューティングするために、アダプタ構成レポートを有効化し、Oracle Fusion Middleware Controlに表示することができます。
このような構成レポートの詳細は、『Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』「Oracle JCAアダプタのモニタリング」を参照してください。
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