Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド 12c (12.2.1.1.0) E77227-02 |
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モデル・チェック・マネージャを使用して、Oracle BIサマリー・アドバイザと集計の永続性エンジンに影響を及ぼす可能性のあるモデリングの問題をチェックする方法について説明します。
この項では、次の項目について説明します。
モデル・チェック・マネージャを使用して、Oracle BIサマリー・アドバイザと集計の永続性エンジンの正常な実行に影響を及ぼす可能性のある問題についてリポジトリ・メタデータをチェックできます。
モデル・チェック・マネージャの実行のユーザー・エクスペリエンスは、整合性チェック・マネージャの実行に非常によく似ていますが、これら2つのツールには、次のような3つの主な違いがあります。
モデル・チェック・マネージャは、整合性チェック・マネージャとは異なり、一部のチェックのために、サマリー統計表(「統計によるフィルタ処理」の使用時)およびバックエンドのデータ・ソースへのアクセスを必要とします。バックエンド問合せの一部は高負荷になる可能性があるため、モデル・チェック・マネージャはオフピーク時に実行することをお薦めします。
モデル・チェック・マネージャは、オンライン・モードでのみ実行できます。
モデル・チェック・マネージャは、リポジトリ・メタデータに何も変更を加えません。問題の可能性があることを示すフラグを設定するだけです。
モデル・チェック・マネージャは、整合性チェック・マネージャと同様に、エラー・メッセージと警告メッセージの両方を返します。モデル・チェック・マネージャによって特定されたエラーを修正する必要があります。そうしないと、Oracle BIサマリー・アドバイザによる推奨事項が正しくないものになったり、集計の永続性エンジンによる集計の作成が失敗したりすることがあります。警告を修正することをお薦めしますが、必須ではありません。警告で特定された問題は、Oracle BIサマリー・アドバイザによる推奨事項の的確性を損なったり、集計の永続性エンジンのパフォーマンスを低下させたりすることにつながります。
モデル・チェック・マネージャは、パフォーマンス改善のために、データベースに対してパラレル問合せを実行します。デフォルトでは、24個のスレッドが有効になっています。モデル・チェック・マネージャのデフォルトのスレッド数を変更するには、オペレーティング・システムの環境変数としてMODEL_CHECKER_MAX_THREADS
を作成し、設定します。指定可能な最大スレッド数は100です。
Oracle BIサマリー・アドバイザに対しては、Oracle BIサマリー・アドバイザ・ウィザードの実行前ではなく、サマリー・アドバイザ統計の収集後にモデル・チェック・マネージャを実行します。
集計の永続性に対しては、集計の永続性・ウィザードの実行直前にモデル・チェック・マネージャを実行します。モデル・チェック・マネージャは、初期の集計作成の失敗後に、選択したオブジェクトの問題を特定するために使用できます。
管理ツールを使用してグローバルに実行するには、「ファイル」メニュー、「モデルのチェック」の順に選択します。サブメニューから次のいずれかのオプションを選択します。
完全: Oracle BIリポジトリのビジネス・モデルとマッピング・レイヤーにあるすべてのオブジェクトをチェックします。
統計によるフィルタ処理: 統計表に従ってアクティブな問合せの対象となった、ビジネス・モデルとマッピング・レイヤーにあるファクト表オブジェクトおよび関連するディメンションのみをチェックします。大規模なリポジトリに対するプロセスを高速化するには、このオプションを選択します。
このオプションは、Oracle Exalytics Machineでのみ使用可能です。Exalytics以外のシステムで統計によるフィルタ処理を実行しようとしたり、統計表が使用可能でないときにフィルタ処理を実行しようとしたりすると、モデル・チェック・マネージャは統計によるフィルタ処理を行うことができないことを説明する警告が表示されます。
サマリー・アドバイザの統計表の設定の詳細は、後続のセクションを参照してください。
管理ツールを使用して選択したオブジェクトに対してモデル・チェック・マネージャを実行するには、1つまたは複数のビジネス・モデル、ディメンション・オブジェクトまたは論理ファクト表を右クリックし、「モデルのチェック」を選択します。そして、前述のように、サブメニューから「完全」または「統計によるフィルタ処理」を選択します。「統計によるフィルタ処理」メニュー・オプションは、ファクト表オブジェクトおよびビジネス・モデル・オブジェクトでのみ使用可能であることに注意してください。
大規模なリポジトリでモデル・チェック・マネージャを使用する場合は、パフォーマンスを向上させるために、「統計によるフィルタ処理」を使用するか、選択したオブジェクトに対してのみモデル・チェック・マネージャを実行することをお薦めします。
1つまたは複数のオブジェクトに対してモデル・チェック・マネージャを実行すると、「モデル・チェック・マネージャ」ダイアログが開いて、リポジトリのエラーを修正できるようになります。
モデル・チェック・マネージャの結果で、行をダブルクリックして「プロパティ」ダイアログを開くか、行を選択して「移動」をクリックします。
「エラーの説明」に示された情報を使用して、問題を修正します。
モデル・チェック・マネージャを再度実行して、すべての問題が解決されたことを確認します。
Oracle BIサーバーのvalidaterpdユーティリティを使用し、-Lオプションを指定して、コマンドラインからモデルをチェックできます。
-L
を指定してこのユーティリティを実行すると、管理ツールでモデル・チェック・マネージャがチェックする場合と同様のモデル・チェックを実行できます。validaterpd
ユーティリティは、WindowsシステムとUNIXシステムの両方で使用できます。
モデル・チェック・モードでvalidaterpd
を実行するには、実行中の管理ツールのDSNを指定する必要があります。
validaterpd
ユーティリティの場所は、次のとおりです。
BI_DOMAIN/bi/bitools/bin
整合性チェック・モードでのvalidaterpd
の実行の詳細は、validaterpdユーティリティを使用したリポジトリの整合性チェックを参照してください。
構文
validaterpd
ユーティリティは、モデル・チェック・モードで次のパラメータを取ります。
validaterpd -L -D DSN_name -U DSN_user_name [-P DSN_password] {-O output_txt_file_name |-C output_csv_file_name | -X output_xml_file_name} [-W] [-S] [-8]
説明:
-L:
モデル・チェック・モードを指定します。
-D:
実行中のOracle BIサーバーのDSN。
-U:
Oracle BIサーバーのDSNのユーザー名。
-P:
Oracle BIサーバーのDSNのパスワード。
パスワード引数はオプションです。パスワード引数を指定しなかった場合、コマンドの実行時にパスワードを入力するように求められます。セキュリティ侵害のリスクを最小限にとどめるために、パスワード引数をコマンドラインやスクリプトで指定しないことをお薦めします。
注意:
パスワード引数のサポートは下位互換性の保持を目的としており、将来のリリースでは削除される予定です。スクリプト上の理由から、標準入力によってパスワードを指定できます。
-O:
結果をテキスト・ファイルで出力するには、このオプションを使用します。
-C:
結果をCSVファイルで出力するには、このオプションを使用します。
-X:
結果をXMLファイルで出力するには、このオプションを使用します。
-8:
UTF-8出力を指定するには、このオプションを使用します(オプション)。
-W:
オプションとして、ホワイトリストされたオブジェクト・ファイルを含めることができます。このテキスト・ファイルでは、チェックする必要のある論理オブジェクトの限定数が指定されます。各論理オブジェクトの完全修飾名を1行に入力します。-W
が指定されていない場合は、すべての論理オブジェクトがチェックされます。
-S:
統計表に従ってアクティブな問合せの対象となったオブジェクトのみをチェックするには、このオプションを使用します。-S
が指定されていない場合は、すべてのオブジェクトがチェックされます。-W
も同時に指定された場合、ホワイトリスト・ファイルにはビジネス・モデルと論理ファクト表のみが含まれます。その他のオブジェクトはチェックされません。このオプションは、Oracle Exalytics Machineでのみ使用可能です。
例
validaterpd -L -D DSNName -U Username -O results.txt Give password: my_dsn_password
前出の例では、DSNName接続を使用してRPDに接続し、RPD内のすべてのモデルをチェックし、出力をresults.txtに書き込んでいます。
validaterpd -L -D DSNName -U Username -O results.txt -W whitelist.txt -S Give password: my_dsn_password
前出の例では、DSNName接続を使用してRPDに接続し、モデル・チェックを実行して、出力をresults.txtに書き込んでいます。whitelist.txtにリストされたオブジェクトのみがチェックされます。また、-Sが指定されているため、統計表に従ってアクティブな問合せの対象となったオブジェクトのみがチェックされます。
-Wと-Sを同時に指定した場合、ホワイトリストにはビジネス・モデルと論理ファクト表のみを含めることができます。その他のオブジェクトはチェックされません。