| Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド 12c (12.2.1.1.0) E77227-02 |
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プロジェクトを使用すると、メタデータを集中管理できます。
プロジェクトは、関連するメタデータを持つ論理スターのグループとして、個別に定義されたリポジトリ・メタデータのサブセットで構成されます。プロジェクトの特性は次のとおりです。
該当するビジネス・モデルの論理ファクト表によって大部分が定義されます。
抽出時に、関連する論理ディメンション表およびその他のメタデータを追加します。
1対多の論理ファクト表を含む場合があります。
初期のプロジェクトについては、必要な物理表および結合の定義をすべて含むリポジトリで開始することをお薦めします。このリポジトリに、ビジネス・モデルとマッピング・レイヤーのプレースホルダとして論理ファクト表を作成し、プレゼンテーション・レイヤーのプレースホルダとしてサブジェクト・エリアを作成します。ビジネス・モデルとサブジェクト・エリアのメタデータを追加すると、個々のサブジェクト・エリアおよび論理ファクトに基づくプロジェクトを新しく作成できます。
プロジェクトを設定するときは、次のガイドラインに従います。
マスター・リポジトリにプロジェクトを作成できるのは、一度に1人だけです。
プロジェクトは、アクティブな開発の対象でなくなった場合以外は削除しないでください。
プロジェクトを作成するときは、プロジェクト名を慎重に選択します。プロジェクトの名前は変更しないでください。
プロジェクトからオブジェクトを削除するときは慎重に行い、リポジトリの抽出またはチェックアウトで問題が発生しないようにしてください。
この項では、次の項目について説明します。
プロジェクトは、プレゼンテーション・レイヤーのサブジェクト・エリアおよび関連するビジネス・モデルの論理ファクト、ディメンション、グループ、ユーザー、変数および初期化ブロックで構成できます。
管理者は、複数の開発者や開発者のグループが担当分野のプロジェクトで作業できるようにプロジェクトを作成できます。
プロジェクトを作成する主な理由は、マルチユーザー開発をサポートすることです。開発プロセスでは、各プロジェクト・グループがメタデータの異なる部分にアクセスできるようにメタデータをプロジェクトに抽出することによって、社内の異なるチーム間で作業(メタデータ)を分割できます。
マルチユーザー開発に加えて、ライセンス上の理由からプロジェクトを作成することもあります。新しいソフトウェア・バージョンをリリースする前に、ライセンスされたアプリケーションに関連するメタデータのみをプロジェクトに抽出し、すべての整合性と完全性が確保されるようにすることができます。そのためには、アプリケーションに関連するファクト表のみを追加します。
プロジェクトの抽出は、ファクト表を中心とします。これによって、プロジェクトの抽出の一貫性が確保され、ライセンスの管理がはるかに容易になります。
「プロジェクト」ダイアログでは、プロジェクトの作成に使用できるオブジェクトが左ペインに表示されます。
右ペインのオブジェクトはすべて、(直接的または間接的に)選択したオブジェクトで、それぞれの追加の一貫性を確保する完全なデータ・セットを表します。たとえば、左側のツリーの最上位ノードからサブジェクト・エリアを選択してプロジェクトに追加した場合、必要に応じて、他のサブジェクト・エリアの基礎となるファクト表が自動的に追加され、抽出の一貫性が確保されます。
次に、「プロジェクト」ダイアログの左ペインについて説明します。
ビジネス・モデルまたはサブジェクト・エリア別にファクト表をグループ化できるため、必要なファクト表を容易に選択できます。通常、特定のサブジェクト・エリアで使用されるファクト表に従ってグループ化するほうが、プロジェクトのファクト表を選択する際に便利です。1つのファクト表を複数のサブジェクト・エリアに関連付けることができます。そのファクト表は、1つのビジネス・モデルにのみ属すことができます。
サブジェクト・エリア別にファクトをグループ化すると、最上位ノードからサブジェクト・エリアを追加できるように見えますが、実際には、基礎となるファクト表のみが追加されます。サブジェクト・エリアは、プロジェクトに必要な要素を追加しやすくするために選択肢としてのみ表示されます。さらに、抽出の一貫性を確保するために必要な他のオブジェクトも追加されます。実際のサブジェクト・エリアを追加するには、ツリーの下部にある「プレゼンテーション」ノードを使用します。
ビジネス・モデル別にグループ化した場合、ビジネス・モデルに属するファクトのみが左ペインに表示されます。
「プレゼンテーション」ノードには、プレゼンテーション・レイヤー・オブジェクトが表示されます。これらのオブジェクトを操作するには、明示的にプロジェクトに追加する必要があります。自動的には追加されません。
ファクト表に関連しないプレゼンテーション・オブジェクトをプロジェクトに追加した場合、「OK」をクリックすると、警告が表示されます。整合性チェッカでもその不一致が通知されます。
「プロジェクト」ダイアログの右ペインには、ファクト表(「ビジネス・モデル」フォルダ内)、プレゼンテーション・レイヤー・オブジェクト(「プレゼンテーション」フォルダ内)、ユーザー、アプリケーション・ロール、変数および初期化ブロックなど、抽出するように選択したオブジェクトが表示されます。「OK」をクリックすると、それらのオブジェクトが抽出されます。
この図は、「プロジェクト」ダイアログを示しています。
プロジェクトを作成するときは、通常、サブジェクト・エリアとその選択したサブジェクト・エリアに関連する論理ファクト表のサブセットを選択します。その後、管理ツールによって関連するビジネス・モデルおよび物理レイヤー・オブジェクトが自動的に追加されます。
1つのオブジェクトを複数のプロジェクトの一部にできます。かわりに、ビジネス・モデル別にファクトをグループ化することを選択する場合は、特定のビジネス・モデル、または1つのビジネス・モデルの一部である論理ファクト表のセットを選択できます。また、プレゼンテーション・レイヤー・オブジェクトをプロジェクトの一部にする場合は、それらを明示的に追加する必要があります。
プロジェクト定義自体には物理レイヤー・オブジェクトは含まれませんが、プロジェクト定義によってこれらのオブジェクトが抽出および特定されます。
作成されたプロジェクトはメタデータの一部となり、同じマスター・リポジトリで開発作業を実行する必要がある複数の開発者が利用できます。そのように定義されていれば、開発者がプロジェクトをチェックアウトし、新しいリポジトリ・ファイルとして保存した後、プロジェクトは通常、一貫性のあるリポジトリとなります。
マルチユーザー開発環境のプロジェクトを作成するには:
10.1.3.2より前のバージョンのOracle Business Intelligenceからリポジトリをアップグレードすると、プロジェクト定義がアップグレードされます。
アップグレード時には、プロジェクト定義、サブジェクト・エリア、ターゲット・レベル、リスト・カタログおよび既存のファクト表が、次のようにして単純なファクト表へと自動的に変換されます。
修飾キーを使用して、ターゲット・レベルに関連するプレゼンテーション列を取得します。
修飾キーを使用して、リスト・カタログに関連するプレゼンテーション列を取得します。
サブジェクト・エリアに関連するプレゼンテーション列を取得します。
すべてのプレゼンテーション列からすべての論理列を取得します。
プロジェクト内のファクト表からすべての論理列を取得します。
すべての論理列からファクト表を取得します。
アップグレード後、プロジェクトには単純なファクト表のみが含まれます。セキュリティ・オブジェクトはすべて、元のまま保持されます。
さらに、12c (12.2.1)より前のバージョンのリポジトリ内のプロジェクトは、プレゼンテーション・レイヤー・オブジェクトを明示的に含むようにアップグレードされます。以前のリリースでは、プレゼンテーション・レイヤー・オブジェクトは、プロジェクトに含まれているユーザーの権限に基づいて暗黙的に追加されていました。