Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド 12c (12.2.1.1.0) E77226-02 |
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診断ログ・ファイルおよびログ構成ファイルは、システム機能をトラブルシューティングおよび調査するための手段となります。
この項では、診断ログ・ファイルと診断ログ構成ファイルについて説明します。内容は次のとおりです。
診断ログ・ファイルは、Oracle Business Intelligence Serverによって生成されるメッセージ情報を格納するためのファイルです。
これらのログ・ファイルは、次の場所に保存されています。
BI_DOMAIN/servers/INSTANCE_KEY/logs
(システム・コンポーネント用)
BI_DOMAIN/servers/WLS_SERVER_NAME/logs
(JEEコンポーネント用)。
例:
oraclehome/user_projects/domains/bi/servers/obis1/logs
(BIサーバー用)
oraclehome/user_projects/domains/bi/servers/AdminServer/logs
(JEE管理サーバー用)
Oracle Business Intelligenceでは、次の診断ログ・ファイルが使用されます。
プレゼンテーション・サービス
\CatalogCrawler\sawcatalogcrawlerlogsysn.log - カタログ・クローラのログ・ファイル。Fusion Middleware Controlログ・ビューアで検索できません。
sawlogn.log - 診断ログ出力の最新部分に相当し、Fusion Middleware Controlログ・ビューアで検索できる、プレゼンテーション・サービスのログ・ファイル。
プレゼンテーション・サービスのロギングの詳細は、Oracle BIサーバーでのロギングを参照してください。
Oracle BIサーバー
obis<n>_query.log - Oracle BIサーバー問合せログ。Fusion Middleware Controlログ・ビューアで検索できません。
たとえば、<n> = -1、-2などです。
注意: 日付およびタイムスタンプはログ・ファイルにあります。
nqserver<n>.log - Oracle BIサーバー・メイン診断ログ。Fusion Middleware Controlログ・ビューアで検索できます。
たとえば、<n> = 1、2などです
注意: 日付およびタイムスタンプはログ・ファイルにあります。
nqsadmintool.log - Oracle BI管理ツールのログ。
Oracle BIサーバー・ユーティリティ - たとえば、biserverxmlexecやequalizerpdsも、実行時に独自のログを生成します。
JavaHost
jh.log - JavaHost Serverのメイン診断ログ。Fusion Middleware Controlログ・ビューアで検索できます。
注意: 日付およびタイムスタンプはログ・ファイルにあります。
Oracle BIスケジューラ
nqscheduler.log - Oracle BIスケジューラのログ・ファイル。Fusion Middleware Controlログ・ビューアで検索できます。
注意: 日付およびタイムスタンプはログ・ファイルにあります。
クラスタ・コントローラ
nqcluster.log - Oracle BIクラスタ・コントローラの診断ファイル。Fusion Middleware Controlログ・ビューアで検索できます。
注意: 日付およびタイムスタンプはログ・ファイルにあります。
BI JEEログ(アクション・サービスおよびセキュリティ・サービス)。次のログ・ファイルは両方とも、Fusion Middleware Controlログ・ビューアで検索できます。
AdminServer-diagnostic.log
bi_server1-diagnostic.log
注意:
ログ・ファイルnqcluster.log、nqscheduler.logおよびnqserver<n>.logについては、ファイルにログ記録されるメッセージにタイムゾーンを設定できません。メッセージは、グリニッジ標準時(GMT)でファイルにログ記録されます。Fusion Middleware Controlログ・ビューアでメッセージを表示する際は、ローカルのタイムゾーンでメッセージが表示されます。診断ログ構成ファイルは、Oracle Business Intelligenceの診断ログ・ファイルへの出力を制御します。
注意:
変更が後で上書きされる可能性があるため、1つのコンポーネントの診断ログ構成ファイルを編集することはしないでください。
Oracle Business Intelligenceのログ構成ファイルは、次の場所に保存されています。
BI_DOMAIN/config/fmwconfig/biconfig/BI_COMPONENT_NAME
例:
oraclehome/user_projects/domains/bi/config/fmwconfig/biconfig
./OBICCS/ccslogconfig.xml
./OBIJH/logging_config.xml
./OBIPS/instanceconfig.xml
./OBSCH/schedulerconfig.xml
./OBIS/logconfig.xml
診断ログ構成ファイルの形式について
診断ログ構成ファイルは、見かけは多少異なる場合がありますが、ODL(Oracle Diagnostic Log)標準に準拠します。
例6-1 BIサーバー診断ログ構成ファイルの形式 — 例1
<server> <ServerInstance> <Log> <MaximumFileSizeKb>10000</MaximumFileSizeKb> <MaximumLogAgeDay>60</MaximumLogAgeDay> <Format>ODL-TEXT</Format> <Level> <IncidentError>1</IncidentError> <Error>1</Error> <Warning>16</Warning> <Notification>1</Notification> <Trace>16</Trace> </Level> </Log> <UserLog> <MaximumFileSizeKb>10000</MaximumFileSizeKb> <MaximumLogAgeDay>10</MaximumLogAgeDay> <Format>ODL-TEXT</Format> </UserLog> </ServerInstance> </server>
例6-2 JavaHost Server診断ログ構成ファイルの形式 — 例2
<?xml version = '1.0' encoding = 'utf-8'?> <logging_configuration> <log_handlers> <log_handler name='odl-handler' class='oracle.core.ojdl.logging.ODLHandlerFactory'> <property name='path' value='C:\oracle_bi_ee_BIFNDNPTPSNT0911060426S-Release\jhlogs\javahost.log'/> <property name='maxFileSize' value='1000000'/> <property name='maxLogSize' value='5000000'/> </log_handler> </log_handlers> <loggers> <logger name='saw' level='NOTIFICATION:1' useParentHandlers='false'> <handler name='odl-handler'/> </logger> </loggers> </logging_configuration>
Oracle Business Intelligenceコンポーネントは、ログ構成ファイル内のサーバー固有の設定を使用して、診断ログ・ファイルを制御します。例:
Oracle BIプレゼンテーション・サービス・ログ構成ファイル
- writerClassId
設定によって、sawlog.logファイルに書き込まれるメッセージが構成されます。
Oracle BIサーバー・ログ構成ファイル
- Log
設定によって、nqserver.logファイルに書き込まれるメッセージが構成されます。
詳細は、「システム・ログ内のメッセージ」を参照してください。
- UserLog
設定によって、nqquery.logファイルに書き込まれるメッセージが構成されます。
詳細は、問合せログの管理を参照してください。
Oracle BIスケジューラ・ログ構成ファイル
- Log
設定によって、nqscheduler.logファイルに書き込まれるメッセージが構成されます。
JavaHost Serverログ構成ファイル
- log_handlers
要素とサブ要素では、ログ・ファイルのローテーション・ポリシーを構成してログ・ファイル名とその位置を指定できます。
- loggers
要素とサブ要素では、JavaHost Serverログ・レベルを標準のODL(Oracle Diagnostic Log)ログ・レベルにマップすることによって、Javaコンポーネント(JavaHost Server)のログ・レベルを適切に処理できます。
ログ・ファイル・メッセージのカテゴリとレベルによって、ログ・ファイルに書き込まれるメッセージの詳細度と重要度のレベルが決まります。
Fusion Middleware Controlを使用すると、logconfig.xmlファイル内のこれらの設定を制御できます。
Oracle Business Intelligenceのログ・ファイル内の各メッセージ・カテゴリは、1 - 32の間の固有のデフォルト値に設定されており、ログ・レベル以下のレベルのメッセージのみが記録されます。
この表は、ログ・ファイル・メッセージのカテゴリを示しています。
カテゴリ:レベル | 説明 |
---|---|
IncidentError:1 |
原因不明の重大な問題が発生しました。問題を解決するには、Oracleサポート・サービスに問い合せてください。 パフォーマンスへの影響はありません。 |
Error:1 |
システム管理者による対応が必要な問題が発生しました。 パフォーマンスへの影響はありません。 |
Warning:1 |
エラーの発生を回避するための確認を必要とし、場合によっては対応が必要となる処理が実行されたか、状況が検出されました。 パフォーマンスへの影響はありません。 |
Notification:1 |
通常のアクションまたはイベントのレポートが発生しました。ログイン完了などのユーザー操作や、ログ・ファイルのローテーションなどの自動操作です。 パフォーマンスへの影響はありません。 |
Notification:16 |
構成関連のメッセージが生成されたか、問題が発生しました。 パフォーマンスへの影響はわずかです。本番環境でこのレベルを広範囲にわたって有効にしても、ソフトウェアのパフォーマンスに大きな影響はありません。 |
Trace:1 |
デバッグやパフォーマンス監視に使用されるトレースまたはデバッグ・メッセージが書き込まれました。通常、このメッセージには詳細なイベント・データが含まれており、内部の実装の詳細がわからなくても理解できます。 パフォーマンスに少し影響します。このレベルは、ソフトウェアに関する問題をデバッグするために、本番環境で広範囲にわたって有効にすることもできます。このレベルのロギングを有効にすると、パフォーマンスに少し影響する場合がありますが、ソフトウェアが使用できなくなるほどではありません。 |
Trace:16 |
かなり詳細なトレースまたはデバッグ・メッセージが書き込まれました。メッセージは明確に記述されており、製品に関する豊富な知識を持つOracleサポート・サービスの技術者であれば、内部の実装の詳細を完全に把握していなくても理解できます。 パフォーマンスに大きく影響します。このレベルは、ソフトウェアの問題をデバッグする特別な状況を除いて、本番環境では有効にしないでください。 |
Trace:32 |
非常に詳細なトレースまたはデバッグ・メッセージが書き込まれました。このソフトウェアを使用し、メッセージを生成するサブシステムの実装の詳細を十分に把握しているOracle開発者を対象としています。 パフォーマンスに非常に大きな影響があります。このレベルは本番環境では有効にしないでください。開発者がテスト環境または開発環境でこのソフトウェアをデバッグするときのみ使用してください。 |
次のログ構成ファイルの例の場合、Notificationメッセージ・カテゴリではレベル1のメッセージのみが記録されます。ログ・レベルが0に設定されている場合、そのメッセージ・カテゴリでは何も記録されません。
<Level> <IncidentError>1</IncidentError> <Error>1</Error> <Warning>1</Warning> <Notification>1</Notification> <Trace>1</Trace> </Level>
ログ・ファイル内のデフォルト設定を手動で変更することは避けてください。変更する場合は、Fusion Middleware Controlを使用します。詳細は、「ログ・ファイルのローテーション・ポリシーを構成しログ・レベルを指定するためのFusion Middleware Controlの使用」を参照してください。
ログ・ファイル・ローテーションとは、ログ・ファイルが指定されたしきい値や日付を超えたときに新しいログ・ファイルが作成されることを言います。
例として、Oracle BIスケジューラのコンポーネント・ログ構成ファイルのMaximumFileSizeKb設定を考えてみましょう。この設定で指定されるサイズをログ・ファイルが超えると、既存のスケジューラ・ログ・ファイルの名前が変更され、新しいログ・ファイルが作成されます。また、MaximumLogAgeDayの設定より古いログ・ファイル日付も削除されます。
Oracle BIコンポーネントはそれぞれ異なるログ・ファイル名を持ち、ログ構成ファイルの設定が異なります。たとえば、スケジューラのファイル・ネーミング規則は次のとおりです。
nqscheduler.log - 最新のログ・ファイル。
nqscheduler-<n>.log - 名前が変更された、以前のログ・ファイル。
<n> = 日付とタイムスタンプ(例: nqscheduler-20100909-2135.log)
詳細は、「ログ・ファイルのローテーション・ポリシーを構成しログ・レベルを指定するためのFusion Middleware Controlの使用」を参照してください。
Oracle BIサーバーでは、構成設定に基づいてnqserver.logファイルにメッセージが書き込まれます。
このログ・ファイルへのメッセージの書込みに加えて、Oracle BIサーバーによって、UNIXシステムのシステム・ログ・ファイルに、特定の重大なメッセージも書き込まれます。Oracle BIサーバーによってシステム・ログ・ファイルに書き込まれるメッセージの種類は、次のとおりです。
Oracle BIサーバーが起動できない場合(たとえば、別のサーバーがすでに起動しているため)、システム・ログ・ファイルには次のようなメッセージが書き込まれます。
@1%lsおよびポート@2%ls上で別のサーバーがすでに実行されています。
メモリーの問題が発生した場合、システム・ログ・ファイルには次のようなメッセージが書き込まれます。
低断片化ヒープを有効にできませんでした。
コンピュータのハード・ディスクがいっぱいの場合、システム・ログ・ファイルには次のようなメッセージが書き込まれます。
ディスクの空き容量不足です。