Oracle® Fusion Middleware Oracle Reportsレポート作成のためのユーザーズ・ガイド 12c (12.2.1.1) E79319-01 |
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この章では、マルチバイト・キャラクタを含むレポートについて説明します。この章の手順に従うと、図38-1および図38-2に示すようなPDFレポート出力を生成できます。
概要
Oracle Reportsに組み込まれているマルチバイト・キャラクタ・サポートによって、グローバルな企業は任意の言語でレポートを公開できます。簡体字中国語、繁体字中国語、日本語、韓国語などのマルチバイト文字およびUnicodeで表示されるテキストのレポートを生成できます。
Oracle Reportsでは、PDFを含む様々な出力フォーマットでマルチバイト・キャラクタがサポートされています。この章では、UTF8文字セットを使用してマルチバイト文字セット・レポートを作成し、PDF出力を生成します。
Oracle Reportsを使用して、移植可能なPDFファイルを生成できます。フォントのサブ設定やフォント埋込みなどのPDF機能によって、特別なフォントがインストールされていないエンド・ユーザーのコンピュータでも表示できるPDFファイルを生成できます。
注意: PDF出力を表示するには、コンピュータにAcrobat Readerをインストールする必要があります。 |
PDFのフォント埋込みを使用する場合、PDFファイルにフォント・セット全体を組み込みます。
Oracle ReportsでのPDFのフォント埋込みは、シングルバイトのType1フォント用であり、TrueTypeフォント用ではありません。したがって、特定のTrueTypeフォントをレポートに組み込む場合は、最初に、使用可能なサード・パーティ製ツールのいずれかを使用してこれらのフォントをType1フォントに変換する必要があります。
ヒント: 出力PDFファイルにフォントを埋め込む前にフォントに必要なライセンスを所有していることを確認してください。 |
PDFのフォントのサブ設定とフォント埋込みは相互に排他ですが、PDFのフォントのサブ設定は、PDFのフォント埋込みの一種です。PDFのフォントのサブ設定は、シングルバイト・フォントでもマルチバイト・フォントでも機能するため、マルチバイト・レポートの作成に適しています。
フォントのサブ設定では、PDF出力ファイルに、ドキュメントに表示される文字の情報のみが含まれるようになります。したがって、この機能のほうが、ファイル・サイズの点でより効率的な出力が生成されます。フォント埋込みとサブ設定のいずれを使用しても、コンピュータに特定のフォントをインストールする必要がなくなります。
注意: 詳細は、『Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』の「Oracle ReportsでのPDFの使用」の章を参照してください。 |
使用例
この例では、米国、日本およびポーランドに事務所を置いて、国際的な取引を行っています。この組織では、現地の責任者が倉庫の在庫を管理しています。様々な場所にある事務所では、それぞれ適した言語で製品リストを印刷する必要があります。マルチバイト・キャラクタを含むPDFフォーマットのレポートを作成し、Webおよびペーパー出力します。
このサンプル・レポートの作成過程では、次を行います。
レポート・ウィザードを使用したマルチバイト・レポートの問合せおよびペーパー・レイアウトの作成
UTF8 TrueTypeフォントを使用したレポートでのマルチバイト・キャラクタの表示
サンプルのマルチバイト文字セット・レポートを表示するには、サンプル・フォルダmultibyte
を開き、Oracle Reportsのサンプルmultibyte_utf8.rdf
を開きます。このファイルの開き方の詳細は、「はじめに」の「サンプル・レポートへのアクセス」を参照してください。