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Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド
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12.7 Unicode PDF出力の生成

表12-8に、宛先フォーマットがPDFフォント・サブセットを使用して作成されたUnicode PDFである場合におけるクロス・プラットフォーム配布シナリオを示します。PDFのフォント機能の詳細は、第11章「Oracle ReportsでのPDFの使用」を参照してください。

表12-8 クロス・プラットフォームの配布 - シナリオ5

開発プラットフォーム 配布プラットフォーム 宛先フォーマット

Windows

UNIX

PDF (Unicode)


ここでは、Unicode PDF出力を想定したレポートの設計および配布を、次の項で説明します。

12.7.1 Motifツール・キット・メカニズムを使用する11gより前のバージョンでのレポートの設計

UNIXプラットフォームにレポートを配布する前に、次の手順を実行してレポートを準備します。

  1. Unicodeフォントを使用して新しいレポートを作成します。この例では、Arial Unicode MSフォントなどを使用します。

  2. レポートで使用するフォントについて、次の項目を確認します。

    • レポートで使用するUnicode文字の範囲全体をカバーするフォントを使用します。

    • UNIXで使用可能なフォントを使用します。Windows (TTFファイル)で使用可能なすべてのフォント・ファイルが、UNIX (AFMファイルまたはTFMファイル)でも使用できるとは限りません。UNIXプラットフォームで使用できる適切なAFMまたはTFMフォント・ファイルがある場合は、そのフォント・ファイルを使用できます(PostScriptの場合はAFMファイル、PCLの場合はTFMファイル)。


      注意:

      AFMがサポートされるのは、日本語エンコードを除き、シングルバイトのPostScriptファイル生成時のみです。

      AFMファイルに対してサポートされるコード体系は、次のとおりです。

      • AdobeStandardEncoding

      • ExtJIS12-88-CFEncoding

      • FontSpecific

      • HRoman

      • ISOLatinHebrew

      • JIS12-88-CFEncoding

      • JIS12e-88-CFEncoding


    • 適切に拡大または縮小可能なフォントを使用します。たとえば、Tahomaは異なるフォント・サイズに適切に拡張または縮小できますが、MS Sans Serifはできません。これは、MS Sans Serifがラスター・フォントであるためです。ラスター・フォントは任意のサイズに変更できず、一般的に表示が粗くなる問題があります。一方、TahomaはTrueTypeフォントであり、MS Sans Serifフォントと非常に似ています。またTahomaはベクトル・フォントであるため、任意のサイズに変更したり、適切な角度にフォントを回転したりできます。

12.7.2 Motifツール・キット・メカニズムを使用する11gより前のバージョンでのレポートの配布

UNIX上に使用可能なAFMフォント・ファイルがない場合、または文字の不揃いなどレポート出力にフォントの問題が発生した場合は、ttf2pt1など、サード・パーティの無料ユーティリティを使用してWindowsのTTFファイルを変換し、AFMファイルを生成できます。TFMファイルには変換しないでください。予測したとおりの結果にならない場合があります。

レポートをUNIXプラットフォームに配布するには、次の手順を実行します。

  1. レポートに使用されているフォントに対応するTTFファイルを探します。これらのTTFファイルをAFMに変換して、レポートに使用されているフォント用のAFMファイルを作成します。

    TTFファイルからAFMファイルへの変換には、TrueTypeからType1へのフォント変換ユーティリティを使用します。たとえば、ttf2pt1です。

  2. 変換後、AFMファイルの名前から拡張子.afmを削除します。例:

    表12-9 変換後のフォント・ファイル名

    変換前 変換後 変更した名前

    ARIALUNI.TTF

    arialuni.afm

    ArialUnicodeMS


  3. レポートに使用したWindowsのTTFファイルを、UNIXマシンのフォント・ディレクトリにコピーします。たとえば、$ORACLE_HOME/fontsにコピーします。

  4. REPORTS_PATH環境変数にTTFファイルへのパスを追加します。この例では、ARIALUNI.TTFです。

  5. AFMファイルを$ORACLE_HOME/guicommon/tk/admin/AFMディレクトリにコピーします。この例では、ArialUnicodeMSです。

  6. 任意のテキスト・エディタを使用して、screenprinter.ppdファイルを編集します。


    注意:

    $DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/ReportsToolsComponent/<reports_tools_name>/guicommon/tk/admin/uiprint.txtにエントリを追加してデフォルトのプリンタを定義している場合は、プリンタのPPDファイル(PostScriptプリンタ)またはHPDファイル(PCLプリンタ)に適切なエントリが必要です。

    Oracle Reports 10g (9.0.4)以降、デフォルトのプリンタを設定していないと、画面を擬似実行するデフォルト・プリンタ・サーフェス(screenprinter.ppd)がフォーマットで使用されるようになりました。デフォルトのプリンタを設定していない場合は、screenprinter.ppdファイルに必要なフォントや解像度のエントリも追加する必要があります。

    PPDファイルとHPDファイルは次の場所にあります。

    • $DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/ReportsToolsComponent/<reports_tools_name>/guicommon/tk/admin

    • $ORACLE_HOME/guicommon/tk/admin

    Oracle Reportsは、HPDファイルまたはPPDファイルをまずOracleインスタンスの場所で検索し、それからOracleホームの場所で検索します。

    screenprinter.ppdファイルの詳細は、第10.8.1項「ScreenPrinter」を参照してください。


    使用するPPD/HPDファイルに、レポートに使用されているAFMファイルまたはTFMファイルすべてのエントリがあることを確認します。PPD/HPDファイルはプリンタ・ドライバの設定を含む構成ファイルであり、そのプリンタでサポートされるすべてのフォントがリストされています。

    PPDファイルのFont Informationセクションに移動して、必要なフォント・ファイルのエントリを次のような形式で追加します。

    *FONTNAME:ENCODING:VERSION:LOCATION
    

    例:

    *Font Arial: Standard "(Version 2.76)" Standard ROM
    *Font CourierNew: Standard "(Version 2.76)" Standard ROM
    

    PPDファイルに指定されているフォント名とAFMファイル名とが正確に一致していることを確認します。Oracle Reportsでは、PPDファイルのフォント名に基づいてAFMファイルを検索します。

  7. uiprint.txtに、次のような適切なPPDファイルのエントリがあることを確認します。

    printer name:PostScript:2:test:ppd file
    

    この例では、次のようになります。

    printer1:PostScript:2:test:hpljet42.ppd
    
  8. 任意のテキスト・エディタを使用して、hpljet42.ppdファイルを編集します。


    注意:

    PPDファイルをORACLE_HOME/guicommon/tk/admin/PPDから次の場所にコピーします。

    $DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/ReportsToolsComponent/<reports_tools_name>/guicommon/tk/admin/PPD


  9. 使用するPPD/HPDファイルに、レポートに使用されているAFMファイルまたはTFMファイルすべてのエントリがあることを確認します。

    Font Informationセクションに移動して、新しいAFMファイルに必要なエントリを次のような形式で追加します。

    *FONTNAME:ENCODING:VERSION:LOCATION
    

    例:

    *Font ArialUnicodeMS: Standard "(Version 2.76)" Standard ROM
    
  10. [PDF:Subset]セクションで、次のエントリを追加し、レポートに使用するフォントのサブセットを作成します。

    例:

    [ PDF:Subset ]
    "Arial Unicode MS" = "ARIALUNI.TTF"
    

    PDFサブセット機能を使用してレポートからマルチバイトPDF出力を生成し、PDFレポートを移植できるようにします。これにより、レポートを配布するマシンにインストールされているフォントに依存しなくなります。

  11. レポートをPDFで実行して表示します。

    http://mywebserver.com:reports/rwservlet?server=myserver+report=
    "/home/myreports/test.rdf"+authid=hr/hr@mydb+desformat=PDF+destype=cache
    

    PDFには、レポートで使用されているUnicodeフォントが含まれているはずです。この例では、Arial Unicode MSなどを使用します。

12.7.2.1 トラブルシューティング情報

配布に関する問題が発生した場合は、次のトラブルシューティング情報を参照してください。

  • PDF出力でフォントが正しく表示されない場合は、環境変数DEBUG_SLFINDを、debug.txtなどのログ・ファイル名に設定してからレポートを実行します。PPDファイルと使用されているフォントの解析時に参照されるフォント・ファイルが、ログ・ファイルdebug.txtに書き込まれます。特に次の項目について確認してください。

    1. 変更したPPDファイルが参照されているはずです。参照されていない場合は、構成に問題があります。詳細は、第9章「Oracle Reportsでのフォントの管理」を参照してください。

    2. 次に、AFMディレクトリにコピーしたAFMファイルが参照されているはずです。

    DEBUG_SLFINDの詳細は、第11章「Oracle ReportsでのPDFの使用」を参照してください。

12.7.3 よくある質問

この項では、レポートをUnicode PDF出力に配布する作業に関連したよくある質問(FAQ)に回答します。

質問

UNIXでUnicodeフォントを使用する場合、レポートのフォーマットが正しく表示されなかったり、テキストの位置が変わるのはなぜですか。

回答

ttf2pt1を使用してAFMファイルを作成する場合、ttf2pt1には、そのフォントの最初の256文字のみのメトリック情報を使用してAFMファイルを作成するという制約があります。複数の言語をレポートで使用する際にArial Unicode MSのようなUnicodeフォントを設定し、UNIX用のAFMファイルを作成すると、最初の256文字を超える文字にはメトリック情報がありません。Oracle Reportsでは、AFMファイルにない文字をレポートで検出した場合、AFMファイルにあるデフォルト・メトリック情報を使用します。これらのデフォルトのメトリック情報は、レポートに使用されている文字のメトリックと一致しない場合があります。そのため、フォーマットが正しく行われません。256文字以上のフォントを使用する場合にフォーマットの問題を解決するには、すべての文字が同じ幅になる固定幅フォントを使用します。