Oracle® Fusion Middleware Oracle Real-Time Integration Business Insightの理解 12c (12.2.1.1.0) E79340-01 |
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モデルに関連付けられたコンソールで、ビジネス所有者はビジネス・パフォーマンスの詳細を把握できます。デフォルト・コンソールには、ビジネス・アプリケーションのモデルについて収集された詳細なメトリックが、マイルストンにフォーカスして表示されます。モデルがアクティブ化されると、ビジネス所有者はビジネス・パフォーマンスに関する有用な洞察を得ることができます。また、モデル内で定義されているインジケータに基づいて独自のダッシュボードを作成することもできます。これにより、ビジネス所有者はビジネスに固有のメトリックを追跡できます。
メイン・コンソールには、統合アプリケーションのマイルストン・パフォーマンスに関する情報が表示されます。たとえば、アプリケーションのモデルが作成されてアクティブ化されると、ビジネス所有者はアプリケーション内のボトルネックを特定し、キー・メトリックを即時かつリアルタイムで追跡できます。
デフォルトのダッシュボードは、マイルストン情報のみを表示するため、マイルストン・ダッシュボードとも呼ばれます。これらのダッシュボードには、ビジネス・モデルの様々なインスタンスの実行の進捗が表示されます。インジケータの値を確認するため、ユーザーはカスタム・ダッシュボードを作成するか、ビジネス・トランザクション・ダッシュボードとインスタンス詳細の機能を使用できます。
ステータス領域は「ダッシュボード」ページの縮小可能なセクションであり、モデルのアクティブ状態と非アクティブ状態が最後に切り替わった時間が常に表示されます。この領域には検索ツールも表示されます。(モデルの作成中に定義された)モデルのアイコン、モデルの説明、および単一インスタンスと複数インスタンスの説明が表示されます。
関連項目:
モデルが定義されてアクティブ化されると、Insightは実行中のインスタンスに関するメトリックの収集を即時に開始します。その後、ビジネス・ユーザーは、マイルストン・ダッシュボードを使用して統合アプリケーションの状態の評価を開始できるようになります。これらのダッシュボードは、アプリケーションとともにデフォルトで提供されています。マイルストン・ダッシュボードには、指定したフィルタ基準を満たす範囲でマイルストンが通過した回数の詳細が表示されます。
Oracle Real-Time Integration Business Insightには、次のマイルストン・ダッシュボードがあります。
マイルストン・タイミングダッシュボードには、あるマイルストンから次のマイルストンへの移動、および前のマイルストンから現在のマイルストンへの移動にかかる時間が表示されます。このダッシュボードのデフォルト・ビューはダイアグラム・ビューです。ダッシュボードの「フォーマット」を「表」に変更して、表形式でデータを表示することもできます。
「渡されたマイルストン」ダッシュボードには、特定の日に通過したマイルストンの数が、各日の開始時間別に棒で表示されます。
「アクティブ・インスタンス」ダッシュボードには、現在アクティブなインスタンスの数が、開始日別および各日の開始時間別に積上げ棒で表示されます。
「インスタンス・エラー」ダッシュボードには、最終マイルストンがエラー・マイルストンとして定義されたインスタンスの数が円で表示されます。
「平均インスタンス完了時間」ダッシュボードには、完了したインスタンスと失敗したインスタンスがバブルで表示されます。
次の図に、各種のマイルストン・ダッシュボードを示します。
詳細は、『Oracle Real-Time Integration Business Insightの使用』のマイルストン・ダッシュボードに関する項を参照してください。
「コンソール」ページで(画面左端の「マイルストン・ダッシュボード」アイコンの下にある)「カスタム・ダッシュボード」アイコンをクリックすると、「カスタム・ダッシュボード」ページにナビゲートします。デフォルトのコンソール・ページに表示されない詳細なデータを表示するために、視覚化(チャート)を作成できます。このデータは概して、ビジネス・モデルに構成されている様々なインジケータの値に関するデータです。
デフォルトのダッシュボードとは異なり、カスタム・ダッシュボードは各ビジネス・モデルに固有です。既存のカスタム・ダッシュボードの表示、新しいカスタム・ダッシュボードの作成、または既存のカスタム・ダッシュボードの削除が可能です。行った変更はすべて永続的です。「元に戻す」ボタンや「保存」ボタンは使用できません。詳細は、「チャート・タイプ」を参照してください。
アプリケーションにログインするユーザーに関係なく、同じモデルのコンソールの「カスタム・ダッシュボード」ページには、最後の作成/削除操作の後に存在していたのと同じダッシュボードが表示されます。
インスタンスは、関連付けられたモデルのアクティビティを表します。単一インスタンスとは、定義されたモデルの1回の一意の出現です。インスタンスは、モデルの初期マイルストンの1つを通過するたびに開始され、モデルの終了マイルストンまたは終了エラー・マイルストンの1つを通過するたびに終了します。このアクティビティは、より一般的には、モデル・メタデータ内で定義されているモデル固有の単数形および複数形のインスタンス名(例: "order"と"orders")を使用して記述されます。
アプリケーション・インスタンスは、次のような条件下において次の状態で存在します。
アクティブ: インスタンスが直前に初期マイルストンまたは標準マイルストンを通過したとき、そのインスタンスはこの状態であるとされます
エラー: インスタンスが直前にエラー・マイルストンを通過したとき、そのインスタンスはこの状態であるとされます
完了: インスタンスが直前に終了マイルストンを通過したとき、そのインスタンスはこの状態であるとされます
失敗: インスタンスが直前に終了エラー・マイルストンを通過したとき、そのインスタンスはこの状態であるとされます
このリストには、Insightにより収集された、そのインスタンスに関連付けられた情報(開始日、終了日、最後に通過したマイルストン、および様々なインジケータの値を含む)が表示されます。ビジネス・トランザクション・ダッシュボードでは、一意の識別子によって1つのインスタンスを検索できます。適切なロール権限を持つユーザーは、ビジネス・トランザクション・ダッシュボードから、検索基準と一致するインスタンスのリストを調べることができます。このリストから、インスタンスにドリルダウンして詳細なメタデータを調べることができます。
詳細は、Oracle Real-Time Integration Business Insightの使用のビジネス・トランザクション・ダッシュボードを参照してください。
インスタンスのフィルタリング
集約メトリックの傾向を考慮する際や、特定のインスタンス・セットを検索しようとする際に、指定した基準と一致するインスタンスに制限することが必要な場合がよくあります。Insightでは、複数の異なるコンテキストにおいて高度なフィルタ基準セットがサポートされているため、ビジネス所有者は関心の高いビジネス・データにフォーカスできます。フィルタ基準は、次のコンテキストで指定できます。
マイルストン・ダッシュボード(コンソール)
ビジネス・トランザクション・ダッシュボード
カスタム・ダッシュボード
マイルストン・ダッシュボードでは、マイルストンに関連するフィルタ基準のみ(インスタンスの開始日、終了日、期間、通過したマイルストンなど)を指定できます
ビジネス・トランザクション・ダッシュボードでは、ビジネス・ユーザーがフィルタ可能とマークされたインジケータに基づいて基準を指定することもできます。
インスタンス詳細ページの基本的な用途は、表示する特定のインスタンスの詳細な時系列フローを確認することです。
ユーザーは、ビジネス・トランザクション・ダッシュボードで、失敗したインスタンス、実行中インスタンス、またはその他のフィルタされたインスタンス・リストを検索する場合、最終的にこれらの各インスタンスを精査して、同じものに対する原因を調べようと思うことがあります。ビジネス・トランザクション・ダッシュボードの各インスタンスの最後の列には、その特定インスタンスの詳細を(どのマイルストンにいつ到達したかを示す)タイムライン形式で表示するインスタンス詳細ページにドリルダウンするための横向き矢印が含まれます。また、識別子をクリックすることもできます。
また、インスタンス詳細ページには、関連付けられたマイルストンに従って分類されたインジケータのリストと、これらのインジケータの値も表示されます。
図4-3 インスタンス詳細ページへの移動
次の図に示すようなインジケータをクリックすると、詳細にドリルダウンできます。
図4-4 特定のインスタンスの詳細
詳細は、Oracle Real-Time Integration Business Insightの使用のインスタンス詳細ページを参照してください。
ITへの問題のレポート
Insightの重要な機能の1つは、個々のインスタンスに関する問題をサポートのためにITにレポートできることです。ITとビジネス・ユーザーの間のコミュニケーションが語彙の違いによって妨げられることは少なくありません。ビジネス所有者はビジネスのパフォーマンス(たとえば、「自分の注文がどこにあるか」)に関心があり、ITはアプリケーションとサービスの技術的なパフォーマンス(たとえば、「どのサービスによって、どのような例外がスローされたか」)に着目します。
Insightを使用すると、ビジネス所有者はビジネス・コンテキストと技術的な詳細の両方を使用してビジネスの失敗をITにエスカレートできるため、このギャップを埋めることができます。
ビジネス所有者は、インスタンス全体または個々のマイルストンについて、インスタンス詳細ページの「問題を報告」機能を使用できます。この機能を使用すると、電子メールが生成され、これによってIT管理者はビジネス・コンテキスト(つまり、どのマイルストンを通過したか)を把握し、インスタンスの技術的な詳細に即時にアクセスできます。技術的な詳細は、Enterprise Manager Fusion Middleware Controlのランタイム・インスタンス・フロー・トレースへのリンクの形式で提供されます。
インスタンスの失敗マイルストンに対して生成された電子メールの例を次に示します。
Subject: Incident ID 174 [Insight Report]
A Problem has been reported by a user in the Real-Time Integration Business Insight console.
Reported Milestone:
Ticket Rejected - Terminal Milestone - 02/24/2016 01:37:09 - ServiceRequest [1.0] < rejectionService < receiveInput - http://e5bfd4595c28:7001/em/faces/ai/soa/messageFlowLauncher?target=/Domain_soainfra/soainfra==weblogic_domain=0000L9Ng_uPFw0H6yvrY6G1M_eV0000043
上記のメッセージ内のリンクにアクセスできるのは、適切な権限を持つユーザーのみです。