Mediatorは、Oracle SOA Suiteのコンポーネントであり、選択的ルーティング、トランスフォーメーション、検証などの仲介機能を備え、同期、非同期、イベントのパブリッシュ、イベントのサブスクリプションといった様々なメッセージ交換パターンに対応しています。Oracle Mediatorは、サービスおよびイベントの各種プロバイダとコンシューマを仲介するフレームワークを提供します。メディエータ・サービス・エンジンは、SOAサービス・インフラストラクチャのJava EEアプリケーションと連携して動作します。
注意:
SOA Suiteの詳細は、Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発を参照してください。
Oracle Mediatorの詳細は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』のOracle Mediatorのサービス・コンポーネントとエンジンの管理を参照してください。
ほとんどのビジネス環境では、顧客データは、取引先、レガシー・アプリケーション、エンタープライズ・アプリケーション、データベース、カスタム・アプリケーションなど、様々なソースに点在しています。こうしたデータを効率的に統合するという課題は、Oracle Mediatorを使用することで解決できます。Oracle Mediatorは、同じデータの更新やその他の処理を共通して行うすべてのアプリケーションに対して、リアルタイムのデータ・アクセスを実現します。
注意:
Oracle Mediatorプロパティのチューニングを始める前に、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』のOracle Mediatorのサービス・コンポーネントとエンジンの管理にあるOracle Mediatorに関する項を必ず読み、内容を理解しておいてください。
表13-1に、パフォーマンスのためにチューニングできるパラメータ値を示します。パフォーマンスを改善するためにMediatorをチューニングする必要があることはあまりないことに注意してください。
表13-1 重要なMediatorチューニング・ノブ
パラメータ | チューニングに関する推奨事項 |
---|---|
デフォルト: 20行 |
1回の反復でDBから遅延メッセージ処理をより多く取得する場合は、デフォルト値を大きくします。 Mediatorではこのパラメータは必ずパラレル・ルーティング・ルールとともに使用されることに注意してください。 |
デフォルト: 2秒 |
遅延メッセージが合計メッセージのなかで占めている割合が小さい場合、デフォルト値を大きくして、遅延メッセージを取得するためのDBへのトリップ実行を少なくします。 一部のユースケース・シナリオでは、3600秒(60分)のアイドル時間を利用できます。 |
デフォルト: |
DMSメトリック・データを収集する必要がない場合、このパラメータを無効にするとパフォーマンスを改善できます。 |
各パラメータの詳細は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』のOracle Mediatorのサービス・コンポーネントとエンジンの構成を参照してください。
リシーケンサは、関連性はあるが順序が正しくないメッセージのストリームを再配置して順序どおりに戻すために使用します。ランダムな順序で届く着信メッセージを順序付けし、ターゲット・サービスに正しい順序で送信します。
表13-2に、Mediatorのリシーケンサに対するチューニング可能なパラメータを示します。『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』のOracle Mediatorサービス・エンジン・プロパティの構成に関する項で説明されているいずれかの方法を使用して、「メディエータ・サービス・エンジン・プロパティ」ページまたはシステムMBeanブラウザにアクセスすることによって、次のパラメータをチューニングできます。
表13-2 Mediatorのリシーケンサに対する重要なチューニング・ノブ
パラメータ | チューニングに関する推奨事項 |
---|---|
デフォルト: 4行 |
1回の反復でデータベースからロックするリシーケンサ・グループを増やす場合は、デフォルト値を大きくします。 |
デフォルト: 10秒 |
リシーケンサ・グループが合計グループおよびメッセージのなかで占めている割合が小さい場合、デフォルト値を大きくして、リシーケンサ・グループをロックするためのデータベースへのトリップ実行を少なくします。 |
デフォルト: |
正常実行後にメッセージを削除するため、値を デフォルト値を |
Mediatorのリシーケンサの詳細は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』のリシーケンスされた・メッセージの構成に関する項を参照してください。