プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle B2BおよびHealthcareのインストールと構成
12c (12.2.1.1)
E79349-01
目次へ移動
目次

前
次

1 Oracle B2B and Healthcareのインストールの理解

この項では、Oracle B2B and Healthcareの標準インストールの理解に役立つように、この製品の標準的なトポロジについて説明します。

製品のインストールまたはドメイン構成の実行中または実行後に問題が発生しないように、次のトピックを十分に検討してください。

1.1 Oracle B2BおよびOracle SOA Suite for Healthcare Integrationについて

Oracle B2BおよびOracle SOA Suite for Healthcare Integrationは、ドキュメントとデータの交換を可能にする2つの別々のSOA準拠製品です。この項では、これらの使用とインストールに関する特別な考慮事項について説明します。

Oracle B2Bは、企業と取引パートナ間における安全で信頼性の高いビジネス・ドキュメントの交信を可能にするE-Commerceゲートウェイです。Oracle B2Bでサポートされている業界標準のE-Commerceプロトコルのリストについては、Oracle B2Bのユーザーズ・ガイドのB2Bでサポートされているプロトコルに関する項を参照してください。

Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationでは、Oracle SOA Suiteの複数の機能を使用して、医療データを処理するアプリケーションの設計、作成、管理ができます。このソフトウェアは、Healthcare Integration JDeveloperアダプタとHealthcare Integrationユーザー・インタフェースで構成されており、カスタマイズされたWebベースのコンソールを使用してHL7ドキュメントを設計、監視、管理できます。

Oracle B2BとOracle SOA Suite for Healthcare Integrationは同じインストーラを使用しますが、ユーザーは必要に応じてこれらの製品を個別にまたは組み合わせてインストールおよび構成することを選択できます。これらの製品の構成オプションの詳細は、Oracle B2B and Healthcareの構成オプションの理解で説明しています。

注意:

B2B機能が動作するようにするには、B2BインストールからB2Bをインストールする必要があります。SOAのインストール後、B2BのUIがアクティブになりますが、B2Bの機能(コンポジット、B2B UIまたはB2Bランタイム・エンジン)を使用する場合にはB2Bを別途インストールする必要があります。

1.2 Oracle B2B and Healthcareの構成オプションの理解

通常のOracle SOA Quick Startインストールでは、ユーザーはOracle B2Bの限定機能であるカスタム・ドキュメントを交換することのみできます。この機能がビジネスのニーズを満たす場合、Oracle B2Bをインストールする必要はありません。

詳細は、完全なインストールなしの限定的なOracle B2Bインタフェースをアクティブ化する方法を参照してください。

ヘルスケアに関係しないエンタープライズおよびビジネス・パートナー間でビジネス・ドキュメントを交換する機能については、完全なOracle B2Bをインストールする必要があります。

注意:

B2B機能が動作するようにするには、B2BインストールからB2Bをインストールする必要があります。SOAのインストール後、B2BのUIがアクティブになりますが、B2Bの機能(コンポジット、B2B UIまたはB2Bランタイム・エンジン)を使用する場合にはB2Bを別途インストールする必要があります。

ヘルスケアのビジネスでは、Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationソフトウェアを利用して機密のメディカル・データを交換できます。Healthcareのユーザーには2つの構成オプションがあります。

  • X12 HIPAAユーザーは、Healthcare Integrationで構成された完全なOracle B2Bをインストールする必要があります。

  • HL7ドキュメントを使用するHealthcareプロバイダは、完全なOracle SOA Suite for Healthcare Integrationソフトウェアをインストールする必要があります。

このインストール・ガイドでは、Oracle B2B and Healthcareを次のように構成する方法について説明します。

  • WebLogicドメイン内のOracle B2B

    このオプションは、ヘルスケア以外のビジネス用です。B2Bインストール・タイプを選択した後、構成時にB2Bテンプレートを選択して標準のWebLogicドメインを作成します。

  • WebLogicドメイン内のHealthcare

    このオプションは、HL7ドキュメントを使用するヘルスケア・ビジネス用です。Healthcareインストール・タイプを選択した後、構成時にHealthcareテンプレートを選択してHealthcare用の標準のWebLogicドメインを作成します。

  • HIPAA準拠のHealthcare

    このオプションは、X12 HIPAAユーザー向けです。インストール中にB2Bインストール・タイプを選択します。構成中に、HealthcareとB2Bの両方のテンプレートを選択します。ドメインを構成した後でも、B2Bユーザー・インタフェースを使用してHIPAA (healthcare)ドキュメントを交換できます。B2Bだけを構成し、Healthcareライブラリを構成せずにHealthcareを利用したい場合は、この構成オプションを使用できます。

Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationのインタフェースについて

Oracle SOA Suite for Healthcare IntegrationをOracleホームにインストールすると、Oracle B2Bユーザー・インタフェースがデフォルトになります。Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationユーザー・インタフェースを使用する場合は、インストール後と構成時に次の2つのタスクを実行する必要があります。

  1. ドメイン構成ウィザードを実行する前に、RCUを使用してカスタム変数を設定します。

  2. ドメインの構成時に、Oracle SOA Suite for Healthcare Integration固有のテンプレートを選択します。

この2つのタスクを実行しないと、Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationユーザー・インタフェースは正しく機能しません。これらの構成の詳細は、Healthcare Integrationカスタム変数についてで説明されています。

1.3 開始点としての標準インストール・トポロジの使用方法

標準インストール・トポロジは、開始点として本番環境で使用できる柔軟なトポロジです。

このガイドの情報はOracle B2B and Healthcareの標準インストール・トポロジの作成に役立ちます。後で標準インストール・トポロジを拡張して、セキュアで可用性の高い本番環境を作成できます。

標準インストール・トポロジは、この製品のサンプル・トポロジです。この製品がサポートする唯一のトポロジではありません。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の標準インストール・トポロジの理解に関する項を参照してください。

1.3.1Oracle B2Bの標準インストール・トポロジの理解

このトポロジは、2台の管理対象サーバーを含む1つのクラスタと管理サーバーが1台の標準的なWebLogic Serverドメインを示しています。

次の図は、Oracle B2Bの標準インストール・トポロジを示しています。

このトポロジの要素については、表1-1の情報を参照してください。

図1-1 Oracle B2Bの標準インストール・トポロジ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Oracle B2Bの標準インストール・トポロジ」の説明

1.3.2 Healthcareの標準インストール・トポロジの理解

このトポロジは、1台の管理対象サーバーを含む1つのクラスタと管理サーバーが1台の標準的なWebLogic Serverドメインを示しています。

次の図は、Healthcareの標準インストール・トポロジを示しています。

図1-2 Healthcareの標準インストール・トポロジ

図1-2の説明が続きます。
「図1-2 Healthcareの標準インストール・トポロジ」の説明

1.3.3 標準インストール・トポロジ図の要素について

通常、標準インストール・トポロジには、共通の要素が含まれています。

次の表では、トポロジの図の要素をすべて説明しています。

表1-1 標準インストール・トポロジの要素の説明

要素 説明と関連ドキュメントへのリンク
APPHOST アプリケーション層をホストしているマシンを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語。
DBHOST データベースをホストしているマシンを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語。
WebLogicドメイン Javaコンポーネント(この場合、管理サーバー、管理対象サーバーおよび他の関連ソフトウェア・コンポーネント)の論理的に関連したグループです。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle WebLogic Serverドメインの概要に関する項を参照してください。

管理サーバー WebLogicドメインの集中管理エンティティです。ドメインの構成オブジェクトを保持し、構成の変更を管理対象サーバーに分散します。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理サーバーの概要に関する項を参照してください。

Enterprise Manager Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlは、ドメインを管理する主要ツールです。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlに関する項を参照してください。

クラスタ 同時に稼働し連携する、複数のWebLogic Serverインスタンスの集合。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

マシン 1つまたは複数のWebLogic Serverインスタンス(サーバー)をホストするコンピュータを論理的に表現するもの。マシンは管理対象サーバーとノード・マネージャを論理的に結び付けるものでもあります。ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動または停止するには、管理対象サーバーとマシンを関連付けます。
管理対象サーバー アプリケーション、アプリケーション・コンポーネント、Webサービスおよび関連リソースのホスト。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

インフラストラクチャ 次のものを含むサービスの集合:
  • メタデータ・リポジトリ(MDS)には、Oracle Fusion Middlewareのコンポーネント(Oracle Application Developer Frameworkなど)のメタデータが格納されます。詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のメタデータ・リポジトリの概要に関する項を参照してください。

  • Oracle Application Developer Framework (Oracle ADF)

  • Oracle Web Services Manager(OWSM)

1.4 セカンダリ・トポロジの理解

セカンダリ・トポロジには、標準トポロジに加えて追加のインストール手順または構成手順が必要なコンポーネントの構成が含まれます。

このガイドのメイン・セクションでは、標準インストール・トポロジのインストールおよび構成方法を説明しています。セカンダリ・トポロジには、標準インストール・トポロジでは識別されない、または含まれない製品がいくつか含まれます。

セカンダリ・トポロジのインストールと構成のガイドラインについては、Oracle B2Bのセカンダリ・トポロジを参照してください。

1.5 このドキュメントを使用した既存のドメインの拡張

このドキュメントの手順には、新しいドメインの作成方法が記載されています。システムに他のOracle Fusion Middleware製品は何もインストールされていないことを前提としています。

他のOracle Fusion Middleware製品がシステムにインストールおよび構成されている場合(たとえば、Fusion Middleware Infrastructureでドメインが稼働している場合)、同じ手順を使用して既存のドメインを拡張します。既存のドメインを拡張することを選択した場合は、詳細について、Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングの同じドメインへの複数の製品のインストールに関する項をお読みください。

1.6 アップグレード・シナリオでのこのドキュメントの使用

アップグレード手順の一部としてOracle B2B and Healthcareをインストールする場合は、このドキュメントの手順に従ってソフトウェアをインストールしてください。ただし、構成ウィザードを実行してWebLogicドメインを作成しないでください。

ソフトウェアのインストール後に、『Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのアップグレード』を参照してください。