使用するOracle HTTP ServerをこのリリースのOracle Fusion Middlewareにアップグレードする前に、いくつかの主要な違いを考慮する必要があります。
表1-1は、Oracle HTTP Server 11gと12cの主な違いを表しています。
表1-1 Oracle HTTP Server 11gと12cの違い
Oracle HTTP Server 11g: | Oracle HTTP Server 12c: |
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通常、Oracle HTTP Serverインスタンスは、11g Middlewareホームとは別のOracleインスタンス・ディレクトリに構成されます。 | Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用して、Oracle HTTP ServerインスタンスをOracle WebLogic Serverドメインの一部として構成できます。 |
Oracle HTTP Serverインスタンスは、Oracle Process Manager and Notification Server (OPMN)管理ソフトウェアを使用して管理されます。必要に応じて、Oracle HTTP ServerインスタンスをWebLogicドメインと関連付けることもできます。 | Oracle Application Server Infrastructureドメインの一部として構成した場合、Oracle HTTP Serverインスタンスは、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlとOracle WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用して管理できます。 Oracle Fusion Middleware 12cでは、ノード・マネージャ・エージェントが、Oracle HTTP Serverインスタンスへの管理リクエストの委任と実行を担当します。 |
mod_ossoはサポート対象で、Oracle HTTP Server 11gに含まれます。 mod_ossoは、12cではサポートされないため、11gで使用した場合はアップグレード後に無効化されます。 |
mod_ossoはサポート対象外で、Oracle HTTP Server 12cには含まれません。 かわりに、Oracle WebGateを使用することをお薦めします。WebGateをOracle HTTP Serverにインストールできます。Oracle HTTP ServerでのWebGateの構成の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle HTTP Serverのインストールと構成を参照してください。 |
Oracle Fusion Middleware 12cにおけるOracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントの構成および管理方法に関する変更点と、Oracle Fusion Middleware 12cにおけるその他の重要な変更点の詳細は、次を参照してください。
12cの新機能と変更された機能
12cの新しい用語と非推奨用語
WebLogic Management Frameworkとは
このトピックでは、Oracle HTTP Serverを含むOracle Fusion Middleware 11g Application Developerの標準アップグレード・トポロジと、このガイドのアップグレード手順実行後のOracle Fusion Middleware 12c Infrastructureトポロジを示します。
図1-1 Oracle HTTP Serverを含むInfrastructureの標準アップグレード・トポロジ
表1-2 Oracle HTTP Serverを含むInfrastructureの標準アップグレード・トポロジの要素の説明
要素 | 説明と追加ドキュメントへのリンク |
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Oracle HTTP Serverを含む11g Application Developerトポロジ |
これは図1-1の左側のラベルです。これは、Oracle Fusion Middleware 11g Application Developerインストーラを使用して作成された一般的な単一ホスト・トポロジを示します。 これは、2つの管理対象サーバーのクラスタと管理サーバーが含まれる単一ドメインで構成されます。また、スキーマとともにオプションのファイルベースのストアまたはデータベースが存在します。 図1-1には、11gドメインの一部としてのOracle HTTP Serverインスタンスも示します。 このドキュメントでは、このトポロジを、Oracle Fusion Middleware 12c Infrastructureディストリビューションを使用して作成した同等のトポロジにアップグレードする方法について順を追って説明します。 |
Oracle HTTP Serverを含む12c Infrastructureの標準インストール・トポロジ |
これは図の右側のラベルです。これは、Oracle Fusion Middleware 12c Infrastructureディストリビューションを使用して作成された一般的な単一ホスト・トポロジを示します。 Application Developer 11gトポロジと同様に、これも、2つの管理対象サーバーのクラスタと管理サーバーが含まれる単一ドメインで構成されます。 図1-1には、12cドメインの一部としてのOracle HTTP Serverインスタンスも示します。 |
「ドメインに関連付けられた」Oracle HTTP Server |
Oracle WebLogic Serverドメインに「関連付ける」ように構成されているOracle HTTP Server 11gインスタンス。Oracle Fusion Middleware 11gでは、Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネント・インスタンスは、Oracle Universal Installerベースの構成ウィザードで構成され、Oracle Process Manager and Notification Serverを使用して管理されます。 |
Oracle HTTP Server |
図の左側のOracle HTTP Server 11gインスタンスと異なり、12cトポロジに示すOracle HTTP Server 12cインスタンスは、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用してドメインの一部として構成されます。これは、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control、Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)およびOracle WebLogic Serverノード・マネージャ・ソフトウェアを使用して管理されます。 |
Oracle HTTP Serverは、Oracle Fusion MiddlewareのWebサーバー・コンポーネントです。これは、Oracle WebLogic Serverのリスナーと、Web上で静的ページ、動的ページ、およびアプリケーションをホストするためのフレームワークを提供します。WebLogic Serverドメイン内に構成したOracle HTTP Serverは、管理対象Oracle HTTP Serverと呼ばれます。これは、Oracle HTTP Serverインスタンスが、Enterprise Manager Fusion Middleware Control、WLSTコマンド行インタフェースまたはWebLogic Serverノード・マネージャを使用して、WebLogic Serverドメイン内にある他の要素と同様に管理できるためです。Oracle HTTPソフトウェアを、Oracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールせずに個別のOracleホームにインストールする方法は、スタンドアロン・モードと呼ばれます。
アップグレードするOracle HTTP Serverが管理対象またはスタンドアロンのどちらかを判断するには、次の点を確認します。
11gユーザーの場合: ファイル$ORACLE_INSTANCE/config/OPMN/opmn/instance.properties
内のregistered
プロパティを確認します。trueに設定されている場合はインスタンスが登録されています。管理対象Oracle HTTP Serverは登録されるので、登録されていない場合はスタンドアロンOracle HTTP Serverです。
12cユーザーの場合: ファイル$DOMAIN_HOME/init-info/domain-info.xml
内の要素extention-template-ref
とその属性name
を確認します。名前がOracle HTTP Server (Standalone)の要素が見つかった場合は、スタンドアロンOracle HTTP Serverです。また、名前がOracle HTTP Server (Collocated)の要素が見つかった場合はコロケートOHSです。