プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle HTTP Serverのアップグレード
12c (12.2.1.1)
E77367-01
目次へ移動
目次

前
前へ
次
次へ

7 管理対象Oracle HTTP Serverのアップグレード(11gから12c)

この章では、管理対象Oracle HTTP Serverを11gから12cにアップグレードするための手順について説明します。このアップグレードの有効な開始ポイントは、11gのリリース11.1.1.7以降です。

7.1 管理対象12c (12.2.1.1.0) Oracle HTTP Serverのインストール

既存の管理対象Oracle HTTP Server 12c (12.1.2、12.1.3または12.2.1)コンポーネントをアップグレードする前に、まずOracle HTTP Serverリリース12.2.1.1.0をインストールする必要があります。

Oracle HTTP Serverをインストールする手順は次のとおりです。
  1. Oracle HTTP Serverをインストールするホストにログインします。
  2. Oracle HTTP Server製品ディストリビューション(fmw_12.2.1.1.0_ohs_linux64.bin|.exe)を、ホスト・システム上でOracle Technology NetworkまたはOracle Software Delivery Cloudからダウンロードします。
  3. 使用するマシンが次の要件を満たしていることを確認します。
    • システム、パッチ、カーネルおよびその他の要件が、Oracle HTTP Serverのインストールと構成に指定された内容を満たしていることを確認します。
    • Oracle HTTP Serverはデフォルトではポート7777にインストールされるので、ノード上のどのサービスでもポート7777を使用していないことを確認する必要があります。このポートが使用されているかどうかを確認するには、Oracle HTTP Serverをインストールする前に次のコマンドを実行します。このポートが使用されている場合は、解放する必要があります。

      netstat -an | grep 7777

  4. UNIXプラットフォームで、/etc/oraInst.locファイルが存在する場合はその内容が正しいことを確認します。具体的には、インベントリ・ディレクトリが正しいこと、またそのディレクトリに対する書込み権限が付与されていることを確認します。
    /etc/oraInst.locファイルが存在しない場合は、この手順をスキップできます。
  5. Oracle HTTP Serverディストリビューションは.binファイルです。以下のコマンドを入力して、インストーラを実行します。
    ./distribution_filename.bin
  6. 「インストール・インベントリの設定」画面の「インベントリ・ディレクトリ」フィールドで、中央インベントリを作成する場所を指定します。
    この画面で選択したオペレーティング・システム・グループ名に、中央インベントリの場所への書込み権限があることを確認してください。「OK」をクリックします。

    注意:

    Windowsオペレーティング・システムでは、この画面は表示されません。中央インベントリの詳細は、Oracle Universal InstallerによるソフトウェアのインストールでOracle中央インベントリの理解を参照してください。
  7. 「ようこそ」画面で情報を確認し、「次へ」をクリックします。
  8. 「自動更新」画面で次のいずれかのオプションを選択し、「次へ」をクリックします。
    • この時点でソフトウェアの更新をシステムで確認しないようにする場合は、「自動更新をスキップ」を選択します。
    • パッチ・ファイルをダウンロードした場合は、「ディレクトリからパッチを選択」を選択して、ローカル・ディレクトリに移動します。
    • My Oracle Supportアカウントを持っている場合にソフトウェアの更新を自動でダウンロードするには、「My Oracle Supportで更新を検索」を選択します。Oracle Supportの資格証明を入力して、「検索」をクリックします。インストーラがMy Oracle Supportにアクセスするようにプロキシ・サーバーを構成するには、「プロキシ設定」をクリックします。「接続のテスト」をクリックして接続をテストします。
  9. 「インストールの場所」画面でOracleホーム・ディレクトリの場所を指定して、「次へ」をクリックします。
    ここでは、WebLogic Serverドメインに同じ場所に配置(コロケート)されたOracle HTTP Serverの標準的なインストール・トポロジをインストールしているため、既存のOracle Fusion Middleware InfrastructureのOracleホームへのパスを入力します。
    Oracle Fusion Middlewareディレクトリ構造の詳細は、Oracle Fusion Middlewareインストールの計画のインストールと構成のディレクトリの選択を参照してください。
  10. 「インストール・タイプ」画面で、「同じ場所に配置されたHTTPサーバー(WebLogic Server経由で管理)」を選択し、「次へ」をクリックします。
    インストール・タイプについて詳しくは、Oracle HTTP Serverのインストールと構成のOracle HTTP Serverの標準インストール・トポロジの概要を参照してください。
  11. 「前提条件チェック」画面で、システムが必要な最低要件を満たしていることを確認して「次へ」をクリックします。警告またはエラー・メッセージが表示された場合は、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様を参照してください。
    この画面に表示される他のオプションの詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。
  12. 「インストール・サマリー」画面で、選択したインストール・オプションを確認します。
    これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を入力します。レスポンス・ファイルを使用して、サイレント・インストールを実行できます。「インストール」をクリックします。
  13. 「インストールの進行状況」画面のプログレス・バーに100%が表示されたら、「次へ」をクリックします。
    インストールに成功した場合は、「インストール完了」画面に「Oracle HTTP Server (OHS)が正常にインストールされました。」というメッセージが表示されます。「終了」 をクリックしてインストーラを終了します。
これで、Oracle HTTP Serverのコロケート・モードでのインストールが完了しました。

7.2 アップグレード前の必要なスキーマの作成

Oracle HTTP Server 11gからアップグレードする場合は、アップグレードの開始前に、必要な12cスキーマを作成する必要があります。Oracle HTTP Serverに必要なスキーマは、サービス表(STB)およびOracle Platform Security Services (OPSS)です。

注意:

この手順は、データベースに対して完全な管理者権限を持つSYSまたはSYSDBAユーザーが行うことを前提としています。限られたデータベース権限しかない場合は、データベース権限が制限されたユーザーとしてのスキーマの作成の手順に従ってください。RCUの使用の詳細は、リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成を参照してください。
12cスキーマを作成する手順は次のとおりです。
  1. 次のディレクトリに移動します。
    12c_Oracle_Home/oracle_common/bin/
  2. 次のコマンドを入力してRCUを実行します。
    ./rcu
  3. ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。
  4. 「リポジトリの作成」画面で「リポジトリの作成」を選択し、「システム・ロードおよび製品ロード」を選択します。「次へ」をクリックします。
  5. 「データベース接続の詳細」画面で「データベース・タイプ」をクリックして、次の詳細を入力します。

    表7-1 Oracle Databaseと、エディションベースで再定義されるOracle Databaseに対する接続資格証明

    オプション 説明と例
    ホスト名

    データベースが実行されるサーバーの名前を、次の書式で指定します。

    examplehost.exampledomain.com

    Oracle RACデータベースの場合は、このフィールドにVIP名またはいずれかのノード名を指定します。

    ポート

    データベースのポート番号を指定します。Oracleデータベースのデフォルトのポート番号は1521です。

    サービス名

    データベースのサービス名を指定します。通常、サービス名はグローバル・データベース名と同じです。

    Oracle RACデータベースの場合、このフィールドにいずれかのノードのサービス名を指定します。次に例を示します。

    examplehost.exampledomain.com

    ユーザー名 データベースのユーザー名を入力します。デフォルトのユーザー名はSYSです。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。
    ロール

    ドロップダウン・リストからデータベース・ユーザーのロールを選択します。

    標準またはSYSDBA

    表7-2 MySQLデータベースに対する接続資格証明

    オプション 説明と例
    ホスト名

    データベースが稼働しているサーバーのホスト名、IPアドレスまたは詳細なサーバー名を、host\server形式で指定します。

    ポート

    データベースのポート番号を指定します。

    データベース名

    データベースの名前を指定します。

    ユーザー名 管理者権限を持つユーザーの名前を指定します。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。

    表7-3 Microsoft SQL Serverデータベースに対する接続資格証明

    オプション 説明と例
    Unicodeのサポート

    ドロップダウン・リストから「はい」または「いいえ」を選択します。

    サーバー名 データベースが稼働しているサーバーのホスト名、IPアドレスまたは詳細なサーバー名を、host\server形式で指定します。
    ポート

    データベースのポート番号を指定します。

    データベース名

    データベースの名前を指定します。

    ユーザー名 管理者権限を持つユーザーの名前を指定します。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。

    表7-4 IBM DB2データベースに対する接続資格証明

    オプション 説明と例
    サーバー名 データベースが稼働しているサーバーのホスト名、IPアドレスまたは詳細なサーバー名を、host\server形式で指定します。
    ポート

    データベースのポート番号を指定します。

    データベース名

    データベースの名前を指定します。

    ユーザー名 DB所有者の権限が付与されているユーザーの名前を指定します。IBM DB2データベースのデフォルトのユーザー名はdb2adminです。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。
    前提条件のチェックに成功したら、「OK」をクリックして次のページに進みます。チェックが失敗した場合は、入力した詳細を確認して再試行します。
  6. 「コンポーネントの選択」画面で「新規接頭辞の作成」を選択して、11gスキーマと同じ接頭辞を入力します。
    カスタム接頭辞は、これらのスキーマをこのドメインで使用するために論理的にまとめてグループ化するために使用されます。
    「AS共通スキーマ」を選択します。このセクションのすべてのスキーマが自動的に選択されます。「次へ」をクリックします。
    インストールするコンポーネントの接頭辞とスキーマ名は忘れないでください。製品インストールの構成中に必要になります。これらの値はメモしておくことをお薦めします。
  7. 前提条件のチェックが成功したことを確認します。「OK」をクリックして次のページに進みます。
  8. 「スキーマ・パスワード」画面で、スキーマの所有者のパスワードを入力します。
    この画面で入力したパスワードは忘れないでください。製品インストールの構成中に必要になります。これらの値はメモしておくことをお薦めします。
  9. 「表領域のマップ」画面で、作成するスキーマの目的の表領域マッピングを構成します。
    「次へ」をクリックすると、別のダイアログ・ウィンドウが開き、これらの表領域の作成を確認するように求められます。「OK」をクリックして先に進み、このダイアログ・ウィンドウを閉じます。
    表領域作成の進行状況を示す2番目のダイアログ・ウィンドウが表示されます。この処理が完了したら、「OK」をクリックしてこのウィンドウを閉じ、次の画面に進みます。
  10. 「サマリー」画面で情報を確認し、「作成」をクリックしてスキーマの作成を開始します。
    この画面には、このRCU操作で作成されたログ・ファイルに関する情報が表示されます。特定のログ・ファイルの名前をクリックして、そのファイルの内容を表示できます。
  11. 「完了サマリー」画面の情報を確認し、操作が正常に完了したことを確かめます。「閉じる」をクリックして、スキーマの作成を完了し、RCUを終了します。

7.3 再構成ウィザードを使用した11gドメインの再構成

12cの再構成ウィザードを使用して、11g Oracle HTTP Serverドメインをアップグレードする必要があります。

ドメインを再構成する手順は次のとおりです。
  1. ドメインが存在するシステムにサインインします。
  2. エディション・ベースのデータベース・ユーザーのみ: エディション・ベースの再関連付けを有効にしてスキーマを構成した場合は、再構成ウィザードを実行する前に、デフォルトのエディション名を手動で指定する必要があります。
    デフォルトのエディションを設定するには、次のSQLコマンドを入力します。
    ALTER DATABASE DEFAULT EDITION = edition_name;

    ここで、edition_nameは、デフォルトのデータベース・エディションの名前です。

  3. 次のコマンドを入力して再構成ウィザードを実行します。
    UNIXオペレーティング・システムの場合:
    $ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/reconfig.sh
    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    %ORACLE_HOME%\oracle_common\common\bin\reconfig.cmd

    注意:

    reconfig.cmdまたはreconfig.shコマンドを実行すると、デフォルトのキャッシュ・ディレクトリが無効であることを示す次のエラー・メッセージが表示される場合があります。

    *sys-package-mgr*: パッケージ・キャッシュ・ディレクトリを作成できません。

    コマンドに-Dpython.cachedir=valid_directoryパラメータを含めることで、キャッシュ・ディレクトリを変更できます。

    再構成ウィザードを開始する際に、次の例に示すように"log"オプションを指定することをお薦めします。
    ./reconfig.sh -log=/$ORACLE_HOME/logs/reconfig.log -log_priority=ALL
    要件に応じてlog_priorityを設定できます。
  4. 「ドメインの選択」画面でアップグレードするドメインの場所を指定するか、「参照」をクリックして移動し、ドメイン・ディレクトリを選択します。「次へ」をクリックします。
  5. 「再構成セットアップの進行状況」画面には、設定プロセスの進行状況が表示されます。完了したら、「次へ」をクリックします。
    このプロセスでは次の処理が行われます。
    • Fusion Middleware製品を含む、インストール済製品の再構成テンプレートが自動的に適用されます。これにより、config.xml、config-groups.xml、security.xmlなどの様々なドメイン構成ファイルが更新されます。

    • Fusion Middleware製品をサポートするスキーマ、スクリプトおよび他のファイルが更新されます。

    • ドメイン・アップグレードが検証されます。

  6. 「ドメイン・モードおよびJDK」画面で、ドメインで使用するJDKを選択するか、「参照」をクリックして使用するJDKに移動します。「次へ」をクリックします。

    注意:

    ここでは「ドメイン・モード」は変更できません。
    特定のプラットフォームでサポートされているJDKのリストは、Oracle Fusion Middlewareでサポートされているシステム構成を参照してください。
  7. JDBCデータ・ソースには、データ・ソース・インスタンスの作成時、デプロイ時もしくはターゲット指定時、またはサーバー起動時に作成されるデータベース接続のプールが含まれます。
    アプリケーションはJNDIツリーでデータ・ソースをルックアップしてから、接続をリクエストします。アプリケーションに接続する必要がなくなった場合は、接続がデータ・ソースの接続プールに戻されます。
    ドメイン・ソースに定義されているJDBCデータ・ソースは「JDBCデータ・ソース」画面で構成できます。ドメインを作成する製品に関連付けられるJDBCデータ・ソースは、画面の下半分にリスト表示されます。
    設定を指定するデータ・ソースを「データソース名」ドロップダウン・リストから選択します。指定した値は、選択されたデータ・ソースのデータ・ソース・リストの適切な列に表示されます。
    データ・ソースがOracle RAC構成の場合は、次の3つのオプションのいずれかを選択できます。
    • GridLinkへ変換
    • RACマルチ・データ・ソースへ変換
    • 変換しない

    各オプションの詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。

    詳細を指定したら、「次へ」をクリックします。
    「JDBCデータ・ソース」画面でデータ・ソースを選択しないと、次の警告を示すポップアップが表示されます。
    ドライバがありません
    「OK」をクリックして検証せずに続行するか、「取消」をクリックして「JDBCデータ・ソース」ページに戻ります。
    この場合、「OK」をクリックしてもデータ・ソースは検証されません。
  8. 「JDBCデータ・ソース・テスト」画面で、「JDBCデータ・ソース」画面で構成したデータ・ソース接続のチェック・ボックスを選択し、「選択された接続のテスト」をクリックしてデータ・ソース接続をテストします。

    注意:

    データベース接続をテストするには、接続するデータベースが起動している必要があります。接続をテストしない場合は、データ・ソースを選択しません。「次へ」をクリックして続行します。
  9. 「データベース構成タイプ」画面で、「RCUデータ」を選択します。
    RCUサービス表(STB)スキーマ資格証明を使用してデータベース接続の詳細を入力するか、「RCU構成の取得」をクリックします。
    再構成ウィザードは、この接続を使用してドメイン内のコンポーネントに必要なデータ・ソースを自動的に構成します。
    チェックに成功したら、「次へ」をクリックします。チェックが失敗した場合は、接続の詳細を正しく入力し直して再試行します。
  10. 「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面で、すべてのコンポーネント・スキーマを選択して「選択された接続のテスト」をクリックして、各スキーマの接続をテストします。
    チェックが終了したら、「次へ」をクリックします。
  11. 「ノード・マネージャ」画面は、再構成するドメインで、ホストごとのノード・マネージャが使用されている場合にのみ表示されます。
    「ノード・マネージャ」画面で、再構成したドメインで使用するノード・マネージャ構成を選択します。結果として生成される構成は、「ノード・マネージャ・タイプ」および「ノード・マネージャ構成」で選択したオプションの組合せに応じて異なります。

    表7-5 ノード・マネージャ画面のフィールドの説明

    オプション 説明
    ドメインごとのデフォルトの場所

    このオプションを選択すると、ノード・マネージャ・ホームが$domain_name/nodemanagerに再定義され、ノード・マネージャ・ホームを編集できなくなります。

    ドメインごとのカスタムの場所

    このオプションは、このドメインの特定の場所に、ドメインごとのノード・マネージャ構成ファイルを作成する場合に選択します。「ノード・マネージャ・ホーム」フィールドでディレクトリを指定するか、「参照」をクリックしてナビゲーション・ツリーを使用してその場所を選択します。指定するディレクトリは空である必要があります。このディレクトリに、nodemanager.propertiesおよびnodemanager.domainsファイルが作成されます。

    ノード・マネージャ・ホーム

    ドメインごとのカスタムの場所オプションを選択した場合は、「参照」をクリックして、ドメインごとのノード・マネージャ構成の格納に使用するディレクトリの場所に移動します。

    手動ノード・マネージャ・セットアップ

    このオプションを選択した場合は、ドメインのノード・マネージャ構成の作成がスキップされ、残りのフィールドはすべて変更できなくなるため、ドメインでノード・マネージャを使用する場合はノード・マネージャ構成の実行の説明に従って、ノード・マネージャを手動で構成する必要があります。再構成されたドメインでは、ホストごとのノード・マネージャ構成が引き続き使用されます。

    既存のドメインがノード・マネージャを使用するように構成されておらず、再構成されたドメインでノード・マネージャを使用しない場合も、このオプションを選択する必要があります。

    ノード・マネージャ構成の詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』を参照してください。

    ノード・マネージャ構成 次の2つのオプションから1つを選択します。「手動ノード・マネージャ・セットアップ」を選択した場合は、次のフィールドを使用できません。
    新規構成の作成 nodemanager.propertiesのデフォルトの設定を使用して、再構成されたドメインに、ドメインごとのノード・マネージャ構成が自動的に作成されます。ドメインが正常に再構成された後に、必要に応じて、nodemanager.propertiesを変更できます。
    既存の構成を移行 すでに存在するホストごとのノード・マネージャ構成が、再構成されたドメインのドメインごとの構成に移行されます。これには、ListenAddress、ListenPort、StartScriptName、JavaHomeおよびLogFileの環境固有の設定は含まれません。
    ノード・マネージャ・ホーム 「既存の構成を移行」オプションを選択した場合は、再構成したドメインの移行先にするノード・マネージャのホーム・ディレクトリを入力するか、参照してください。
    Oracle推奨デフォルトの適用

    このチェック・ボックスは、「既存の構成を移行」オプションを選択した場合に、nodemanager.propertiesファイルに指定されているOracle推奨のデフォルトを使用するときに選択します。移行されるnodemanager.propertiesファイルの設定を引き続き使用する場合は、このチェック・ボックスの選択を解除してください。

    推奨されるプロパティのデフォルト値は次のとおりです。

    LogLimit=0
    AuthenticationEnabled=true
    LogLevel=INFO
    DomainsFileEnabled=true
    NativeVersionEnabled=true
    LogToStderr=true
    SecureListener=true
    LogCount=1
    StopScriptEnabled=false
    QuitEnabled=false
    LogAppend=true
    StateCheckInterval=500
    CrashRecoveryEnabled=false
    StartScriptEnabled=true
    LogFormatter=weblogic.nodemanager.server.LogFormatter
    ListenBacklog=50
    ノード・マネージャ資格証明: ユーザー名、パスワード 再構成されたドメインで、ノード・マネージャの起動に使用するユーザー名とパスワードを指定します。
  12. 「拡張構成」画面で、拡張構成を実行するすべてのカテゴリを選択できます。選択したカテゴリごとに、詳細構成を行うことができる適切な構成画面が表示されます。

    注意:

    「拡張構成」画面に表示されるカテゴリは、ドメインで選択したテンプレートに定義されているリソースによって異なります。
    このアップグレードでは、オプションを選択せずに「次へ」をクリックします。
  13. 「構成のサマリー」画面で、ドメインの詳細な構成を確認してから続行します。
    「表示」ドロップダウン・リストからフィルタ・オプションを選択すると、右側のパネルに表示される項目を制限できます。
    構成を変更するには、「戻る」をクリックして適切な画面に戻ります。ドメインを再構成するには、「再構成」をクリックします。

    注意:

    ドメインの再構成時には、ドメインの場所は変更されません。
  14. 「再構成の進行状況」画面に、再構成プロセスの進行状況が表示されます。
    このプロセスでは次の処理が行われます。
    • ドメイン情報が抽出、保存および更新されます。

    • Fusion Middleware製品をサポートするスキーマ、スクリプトおよび他のファイルが更新されます。

    プログレス・バーに100%が表示されたら、「次へ」をクリックします。
  15. 「構成の終了」画面に、再構成プロセスが成功して完了したか、または失敗したかどうかが示されます。管理サーバーURL(リスニング・ポートを含む)とともに再構成されたドメインの場所も表示します。再構成が成功した場合は、Oracle Weblogic Serverの再構成に成功しましたと表示されます。
    再構成プロセスが成功して完了しなかった場合は、その理由を示すエラー・メッセージが表示されます。問題を解決するための適切な措置を講じます。問題を解決できない場合は、My Oracle Supportに連絡してください。
    今後の操作での使用に備えて、ドメインの場所と管理サーバーのURLを記録しておきます。

7.4 Upgrade Assistantを使用したコンポーネント構成のアップグレード

管理対象ドメインのコンポーネントを含むOracleホームからUpgrade Assistantを実行する場合、「WebLogicコンポーネント構成」アップグレード・オプションを使用できます。

Oracle HTTP Serverのコンポーネント構成をアップグレードする手順は次のとおりです。
  1. 次のコマンドを入力して、Upgrade Assistantを12.2.1.1のOracleホームから実行します。
    UNIXオペレーティング・システムの場合:
    $Oracle_Home/oracle_common/upgrade/bin/ua
    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    %Oracle_Home%\oracle_common\upgrade\bin\ua.bat
  2. 「ようこそ」画面にUpgrade Assistantの概要と、アップグレード前のいくつかの重要なタスクについての情報が示されます。「次へ」をクリックします。
    Upgrade Assistantの使用の詳細は、Upgrade Assistantの画面で「ヘルプ」をクリックしてください。
  3. 「WebLogicコンポーネント」画面で、「WebLogicコンポーネント構成」オプションを選択して、管理対象WebLogic Serverドメインのコンポーネント構成をアップグレードします。ドメインを管理しているWebLogic管理サーバーに接続するために必要な接続詳細を入力して、「次」をクリックします。
  4. 「コンポーネント・リスト」画面で、ドメイン内でアップグレードするコンポーネントがすべてリストされていることを確認し、「次へ」をクリックします。
    アップグレードするコンポーネントがリストに含まれていない場合は、「戻る」をクリックして前の画面に戻り、別のドメインを指定します。
  5. 「前提条件」画面ですべてのチェック・ボックスを選択して、前提条件を満たしていることを確認します。「次へ」をクリックします。

    注意:

    Upgrade Assistantでは、前提条件が満たされているかどうかの確認は行われません。
  6. 「調査」画面には、各コンポーネントを調査し、コンポーネントのアップグレード準備が整っていることを検証するUpgrade Assistantのステータスが表示されます。ステータスが「調査が終了しました。」になっている場合は、「アップグレード」をクリックします。
    調査フェーズが失敗した場合は、「調査失敗」ダイアログ・ボックスの「いいえ」をクリックして、アップグレードをキャンセルすることをお薦めします。「ログの表示」をクリックしてエラーの原因を確認し、共通するアップグレード・エラーの解決に関する情報をアップグレードのトラブルシューティングで参照します。

    注意:

    • 確認フェーズ中に検出された問題を、アップグレードを進めずに解決した場合は、バックアップからリストアを再び行わずにUpgrade Assistantを開始できます。ただし、「調査失敗」ダイアログ・ボックスで「はい」をクリックしてアップグレードを続行していた場合は、Upgrade Assistantを再開する前に、バックアップからアップグレード前の環境をリストアする必要があります。

    • 調査プロセスを取り消してもスキーマまたは構成データに影響はありませんが、将来のアップグレード・セッションでは、Upgrade Assistantが収集した情報を再収集する必要があります。

  7. 「アップグレード・サマリー」画面でツリーを展開して、選択したオプションの概要を確認します。
    アップグレードに進む前に、ソース・バージョンとターゲット・バージョンを参照して、両方のバージョンが正しいことを確認してください。
    レスポンス・ファイルには、Upgrade Assistantのグラフィカル・ユーザー・インタフェース画面で入力したすべての情報が収集して格納され、後でサイレント・アップグレードを実行するために使用できます。サイレント・アップグレードは、Upgrade Assistantウィザードとまったく同じ機能を実行しますが、データを手動で再入力する必要はありません。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合、「保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの名前および場所を指定します。
    「アップグレード」をクリックして、アップグレード・プロセスを開始します。
  8. 「アップグレードの進行状況」画面に、アップグレード・プロセスのステータスと、アップグレードが成功した後のコンポーネントの予測ターゲット・バージョンが表示されます。「次へ」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントにはアップグレードを実行するための十分な時間を与えてください。やむを得ない場合を除き、アップグレード操作は取り消さないでください。これを行うと、環境が不安定になる可能性があります。
    正しくアップグレードされていないコンポーネントがある場合は、Upgrade Assistantのログ・ファイルで情報を確認します。
  9. アップグレードに成功すると、「アップグレード成功」画面が表示されます。「閉じる」をクリックすると、アップグレードが完了しウィザードが終了します。
    新規インストールでコンポーネントを機能させるために手動で実行する必要のあるタスクが、アップグレード後のアクションのウィンドウに表示されます。これはオプションのウィンドウで、コンポーネントにアップグレード後の手順がある場合にのみ表示されます。
  10. アップグレードに失敗すると、「アップグレード失敗」画面が表示されます。これは、1つ以上のコンポーネントのアップグレードに失敗したことを示します。今行った操作では、コンポーネントをアップグレードできません。
    「ログの表示」をクリックすると、エラーの表示およびトラブルシューティングを行えます。
    Upgrade Assistantを再び起動する前に、アップグレード前の環境の問題を修正します。アップグレード前の環境をバックアップからリストアし(元のバックアップ・ファイルは必ず別の場所に保持してください)、問題を修正し、Upgrade Assistantを再起動します。

7.5 アップグレード後のタスク

アップグレード後のタスクには、ノード・マネージャの起動、管理サーバーの起動、Oracle HTTP Serverの起動および11gから12cへのアップグレードが成功したかどうかの確認などが含まれます。

7.5.1 ノード・マネージャの起動

WebLogic Serverの本番環境では、サーバー・インスタンスが複数のドメイン、マシン、および地理的な場所にまたがって分散することがよくあります。ノード・マネージャは、離れた場所から管理サーバー・インスタンスや管理対象サーバー・インスタンスを起動、停止、および再起動できるWebLogic Server付属のユーティリティです。

Windowsオペレーティング・システムの場合は、ノード・マネージャを起動サービスとして実行するように構成することをお薦めします。これによって、システムが再起動されるたびに、ノード・マネージャが自動で起動されます。詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』の起動サービスとしてのノード・マネージャの実行に関する項を参照してください。

注意:

UNIXプラットフォームでは、ノード・マネージャをルート・ユーザーとして実行しないでください。
ノード・マネージャを起動するには:
  1. 次のディレクトリに移動します。
    UNIXオペレーティング・システムの場合:
    $ORACLE_HOME/wlserver/server/bin/
    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    %ORACLE_HOME%\wlserver\server\bin\
  2. UNIXオペレーティング・システムで次のコマンドを実行して、ノード・マネージャを起動します。
    nohup ./startNodeManager.sh > nm.out&
    この例のnohupとnm.outはサンプル出力ファイルです。
    Windowsオペレーティング・システムで次のコマンドを実行して、ノード・マネージャを起動します。
    startNodeManager.cmd
    「スタート」メニューのショートカットからでもノード・マネージャを起動できます。「ツール」に続いて「ノード マネージャ」をクリックします。

7.5.2 管理サーバーの起動

各ドメインでは、1つのWebLogic Serverインスタンスが管理サーバーの役割を担います。管理サーバーではWebLogic Serverドメインを一元的に管理できます。ドメイン内の他のすべてのWebLogic Serverインスタンスは、管理対象サーバーと呼ばれます。1つのWebLogic Serverインスタンスしか含まれないドメインでは、そのサーバーが管理サーバーおよび管理対象サーバーとして機能します。

通常、開発環境では、管理サーバーを起動し、アプリケーションをすぐにその管理サーバーにデプロイすれば十分です。しかし、本番環境では、アプリケーションを実行する管理対象サーバーの作成をお薦めします。

管理サーバーを起動する手順は次のとおりです。
  1. 次のディレクトリに移動します。
    $DOMAIN_HOME/DOMAIN_NAME
    ここで、DOMAIN_NAMEは、ドメインを配置したディレクトリの名前です。
  2. Windowsオペレーティング・システムで次のコマンドを実行して、管理サーバーを起動します。
    startWebLogic.cmd
    Windowsオペレーティング・システムでは、作成した管理サーバーを起動するためのショートカットが、構成ウィザードによって「スタート」メニューに作成されます。
    UNIXオペレーティング・システムで次のコマンドを実行して、管理サーバーを起動します。
    ./startWebLogic.sh

    注意:

    サーバーがユーザー名とパスワードの入力を要求する場合は、サーバーを起動する許可を持つWebLogic Serverユーザーの名前を入力します。

7.5.3 Oracle HTTP Serverの起動

Oracle HTTP Serverを起動、停止および再起動するには、Enterprise Manager Fusion Middleware Controlまたはopmnctlコマンドを使用できます。

7.5.3.1 Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用したOracle HTTP Serverの起動

Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用してOracle HTTP Serverを起動する手順は次のとおりです。
  1. Oracle HTTP Serverのホーム・ページへ移動します。
  2. 「Oracle HTTP Server」メニューから次の手順を実行します。
    1. 制御を選択します。
    2. 「コントロール」メニューから「起動」を選択します。
    または
  3. 「ターゲット・ナビゲーション」ツリーから次の手順を実行します。
    1. 起動するOracle HTTP Serverインスタンスを右クリックします。
    2. 制御を選択します。
    3. 「コントロール」メニューから「起動」を選択します。
7.5.3.1.1 opmnctlを使用したOracle HTTP Serverの起動
opmnctlを使用してOracleインスタンス内のOracle HTTP Serverコンポーネントを起動するには、次を実行します。
  1. 次のディレクトリに移動します。
    ORACLE_INSTANCE/bin
  2. 次のコマンドを実行して、Oracleインスタンス内のすべてのOracle HTTP Serverコンポーネントを起動します。
    opmnctl startproc process-type=OHS
7.5.3.1.2 opmnctlを使用したOracle HTTP Serverコンポーネントのステータスの判定
Oracle HTTP Serverコンポーネントのステータスを判定する手順は次のとおりです。
  1. 次のディレクトリに移動します。
    ORACLE_INSTANCE/bin
  2. 次のコマンドを入力します。
    opmnctl status
    サンプル出力は次のようになります。
    Processes in Instance: instance1
    ---------------------------------+--------------------+---------+---------
    ias-component                    | process-type       |     pid | status  
    ---------------------------------+--------------------+---------+---------
    webcache1                        | WebCache-admin     |   19556 | Alive   
    webcache1                        | WebCache           |   19555 | Alive   
    ohs1                             | OHS                |    7249 | Alive 
    

7.5.4 Oracle HTTP Serverインストール成功の確認

管理コンソールとEnterprise Manager Fusion Middleware Controlにログインできれば、Oracle HTTP Serverは正常にインストールされています。

ソフトウェア・パッチが正常にインストールされていることを確認する手順は、次のとおりです。
  1. 次のURLにログインします。
    http://MachineName.us.oracle.com:7777
  2. Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにアクセスするには、次のように指定します。
    http://MachineName.us.oracle.com:7001/em