プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle HTTP Serverのインストールと構成
12c (12.2.1.1)
E77352-02
目次へ移動
目次

前
次

1 Oracle HTTP Serverのインストールについて

この項では、この製品の標準トポロジを説明することで、Oracle HTTP Serverの標準的なインストールについて説明します。

製品のインストールまたはドメイン構成の実行中または実行後に問題が発生しないように、次のトピックを十分に検討してください。

1.1 Oracle HTTP Serverについて

Oracle HTTP Serverは、Oracle Fusion MiddlewareのWebサーバー・コンポーネントです。

Oracle HTTP Serverでは次のサービスが提供されます。

  • Oracle WebLogic Serverの組込みプロキシ・プラグインを介して Oracle WebLogic ServerのHTTPリスナーを提供します

  • Oracle Fusion MiddlewareのWebサーバー・コンポーネントを提供します

  • HTML、JavaScript、イメージなどの静的Webコンテンツや、CGI/FastCGIベースのアプリケーションで構築された動的Webコンテンツに対応します。

詳細は、Oracle HTTP Serverの管理のOracle HTTP Serverの概要を参照してください。

Oracle HTTP Serverは、既存のOracleホームまたはスタンドアロン・ドメインにインストールできます。

1.2 開始点としての標準インストール・トポロジの使用方法

標準インストール・トポロジは、本番環境で開始点として使用できる柔軟なトポロジです。

このガイドの情報はOracle HTTP Serverの標準インストール・トポロジの作成に役立ちます。後で標準インストール・トポロジを拡張して、セキュアで可用性の高い本番環境を作成できます。

標準インストール・トポロジは、この製品のサンプル・トポロジです。この製品がサポートする唯一のトポロジではありません。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の標準インストール・トポロジの理解に関する項を参照してください。

1.2.1 WebLogic ServerドメインにおけるOracle HTTP Serverの標準的なインストールのトポロジの理解

Oracle HTTP Serverは、既存のOracleホームにインストールするか、WebLogic Serverドメインと同じ場所に配置してインストールできます。

このタイプのインストールでは、WebLogic Serverドメインの他の要素と同様にOracle HTTP Serverインスタンスを管理できます。具体的には、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control、WLSTコマンド行インタフェースおよびWebLogic Server Node ManagerからOracle HTTP Serverインスタンスを管理できます。

図1-1は、同じドメイン・ホーム内に配置されたOracle HTTP Serverインスタンスを含む標準的なOracle Fusion Middleware Infrastructureのトポロジを示しています。このトポロジを使用して、複数のマシンにわたる高可用性環境にスケールアウトすることもできることに、留意してください。

図1-1 WebLogic ServerドメインにおけるOracle HTTP Serverインストールのトポロジ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 WebLogic ServerドメインにおけるOracle HTTP Serverインストールのトポロジ」の説明

この図は、Oracle HTTP Serverインスタンスを含むOracle Fusion Middleware Infrastructureの標準的なインストールのトポロジを示しています。Oracle Fusion Middleware Infrastructureドメインには、管理サーバーと、2つの管理対象サーバーおよびOracle HTTP Serverインスタンスを含むクラスタが含まれ、すべてが同じInfrastructureドメイン内に構成されています。

1.2.1.1 Oracle HTTP Serverの標準インストール・トポロジにおける要素の理解

通常、標準インストール・トポロジには、共通の要素が含まれています。

表1-1は、トポロジ図のすべての要素を説明しています。

表1-1 Oracle HTTP Serverの標準インストール・トポロジにおける要素の説明

要素 説明と追加ドキュメントへのリンク
APPHOST アプリケーション層をホストしているマシンを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語。
DBHOST データベースをホストしているマシンを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語。
WebLogicドメイン Javaコンポーネント(この場合、管理サーバー、管理対象サーバーおよび他の関連ソフトウェア・コンポーネント)の論理的に関連したグループです。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle WebLogic Serverドメインの概要に関する項を参照してください。

管理サーバー ドメインの構成オブジェクトをメンテナンスし、管理対象サーバーへの構成変更を分散させる、ドメインの中央制御エンティティ。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理サーバーの概要に関する項を参照してください。

Enterprise Manager Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlは、ドメインを管理する主要ツールです。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlに関する項を参照してください。

Oracle HTTP Server Oracle HTTP ServerバイナリおよびOracle HTTP Serverインスタンス。
クラスタ 同時に稼働し連携する、複数のWebLogic Serverインスタンスの集合。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

マシン 1つまたは複数のWebLogic Serverインスタンス(サーバー)をホストするコンピュータを論理的に表現するもの。マシンは、管理対象サーバーとノード・マネージャを論理的につなぐ機能でもあります。ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動または停止するには、管理対象サーバーをマシンと関連付ける必要があります。
管理対象サーバー アプリケーション、アプリケーション・コンポーネント、Webサービスおよび関連リソースのホスト。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

インフラストラクチャ 次を含むサービスの集合。
  • メタデータ・リポジトリ(MDS)には、Oracle Application Developer FrameworkなどのOracle Fusion Middlewareコンポーネントのメタデータが含まれます。詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のメタデータ・リポジトリの概要に関する項を参照してください。

  • Oracle Application Developer Framework (Oracle ADF)

  • Oracle Web Services Manager(OWSM)

1.2.1.2 完全JRFモードおよび制限付きJRFモードの理解

同じ場所に配置されたOracle HTTP Serverを完全JRFと制限付きJRFのどちらかで構成できます。

表1-2は、これら2つのモードの比較を示しています。

表1-2 完全JRFモードと制限付きJRFモードの比較

操作モード 説明 推奨される使用例

完全ドメイン(または完全JRF)

完全JRFモードは、データベース接続に依存します。

ドメインで上位のスタック機能(Oracle SOA SuiteやOracle Web Services Managerなど)にアクセスする場合、この操作モードが最善です。

制限付きJRF

制限付きJRFモードは、データベース接続なしで機能します。

ユーザーは依然としてOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを介してすべての製品を管理できますが、クロス・コンポーネント・ワイヤリングを使用することはできません。

ドメインでOracle Traffic DirectorおよびOracle HTTP Serverのみにアクセスする場合、この操作モードが最善です。

現在、制限付きJRFから完全JRFへの移行はサポートされていません。

これら2つの操作モードの機能の詳細は、Oracle HTTP Serverの管理のドメイン・タイプを参照してください。

1.2.2 スタンドアロン・ドメインにおけるOracle HTTP Serverの標準的なインストールのトポロジの理解

Oracle HTTP Serverは、専用のOracleホーム内のスタンドアロン・ドメインにインストールできます。 

システム・コンポーネントの管理のみに特化したスタンドアロンOracle HTTP Serverドメインを作成できます。スタンドアロン構成は、インストール・プロセス中に作成する専用のOracleホームに存在し、つまり、スタンドアロンのOracle HTTP Serverトポロジは、Oracle Fusion Middleware Infrastructureなしでインストールおよび構成可能です。

スタンドアロン・ドメインはFusion Middleware Controlを使用して管理できません。スタンドアロンOracle HTTP Serverドメインは、WLSTコマンド行や、スタンドアロン・ドメインで利用可能な他の機能を使用して管理できます。

図1-2は、Web Tierにおける標準的なOracle HTTP Serverインスタンスを示しています。

図1-2 スタンドアロン・ドメインにおけるOracle HTTP Serverのトポロジ

図1-2の説明が続きます。
「図1-2 スタンドアロン・ドメインにおけるOracle HTTP Serverのトポロジ」の説明

表1-3は、このトポロジの要素を説明しています。

表1-3 Oracle HTTP Serverのスタンドアロン・インストールのトポロジにおける要素の説明

要素 説明と追加ドキュメントへのリンク

WEBHOST

これは個別のホストで、WebLogic Serverドメインにリクエストを送信します。

スタンドアロン・ドメイン

詳細は、Oracle HTTP Serverの管理のスタンドアロン・ドメインを参照してください。

Oracle HTTP Server

Oracle HTTP Serverインスタンスで、これはスタンドアロン・ドメインで利用可能な管理ツールによって作成および管理されます。

このトポロジへのアクセスに関する詳細なロードマップは、スタンドアロン・ドメインにおけるOracle HTTP Serverのインストールおよび構成のロードマップを参照してください。

注意:

スタンドアロン・ドメインの一般的な詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のスタンドアロン・ドメインの概要を参照してください。

1.3 アップグレード・シナリオでのこのドキュメントの使用

Oracle HTTP Serverをアップグレード手順の一部としてインストールする場合は、このドキュメントの手順に従ってソフトウェアをインストールしてください。ただし、構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成は実行しないでください。

ソフトウェアをインストールした後に、Oracle HTTP Serverのアップグレードを参照してください。