この章には次の項が含まれます:
このドキュメントは以下の読者を対象にしています。
Java EEアプリケーションまたはアプリケーション・モジュールを、WebLogic Serverインスタンスまたはクラスタにデプロイする管理者。通常の本番環境では、複数のWebLogic Serverインスタンスまたはクラスタが複数のマシン上で動作しています。また、1つまたは複数のアプリケーション・モジュール・アーカイブ・ファイルがすでにテストされ、本番サーバーにデプロイできる状態にあることも想定しています。
開発環境でのアプリケーションのデプロイメント、管理者またはデプロイヤへの配信を目的としたアプリケーションのパッケージ化、テスト環境、ステージング環境、または本番環境へのデプロイメントを目的としたアプリケーションの構成の作成およびエクスポート、などを行う開発者。
この章「概要とロードマップ」,では、このガイドの構成を説明し、WebLogic Serverのこのリリースで導入されている新しいデプロイメント機能に焦点を当てています。
「WebLogic Serverデプロイメントの理解」では、WebLogic Serverで使用されるデプロイメント機能の概要を示します。
「アプリケーションおよびモジュールのデプロイメント準備」では、アプリケーションおよびモジュール・ファイルをWebLogic Serverへのデプロイメントのために準備する方法について説明します。
「本番デプロイメントのためのアプリケーションの構成」では、特定のWebLogic Serverの環境にデプロイするためにアプリケーションを構成する方法について説明します。
「新しい環境にデプロイするためのアプリケーションのエクスポート」では、アプリケーションのWebLogic Serverデプロイメント構成をカスタム・デプロイメント・プランにエクスポートする方法について説明します。カスタム・デプロイメント・プランは、アプリケーションを非開発環境にデプロイする際に使用します。
「weblogic.Deployerによるアプリケーションおよびモジュールのデプロイ」では、WebLogic Serverにアプリケーションをデプロイするための基本的な技術および高度な技術について説明します。
「開発ドメインへのアプリケーションの自動デプロイ」では、単一サーバーの開発環境で評価またはテストを行うために、スタンドアロン・サーバー(管理サーバー)にアプリケーションを迅速にデプロイする方法について説明します。
「本番環境でのアプリケーションの再デプロイメント」では、本番環境にデプロイしたアプリケーションを安全に更新、再デプロイ、および再構成する方法について説明します。
「デプロイされたアプリケーションの管理」では、デプロイされたアプリケーションおよびモジュールを管理する際に管理者が実行する一般的なタスクについて説明します。
「リソース・グループ・テンプレートへのアプリケーションのデプロイ」では、リソース・グループ・テンプレートおよびドメイン・リソース・グループへのアプリケーションのデプロイについて説明し、これにはデプロイ操作の実行でサポートされているデプロイ・クライアントの情報も含まれます。
「weblogic.Deployerコマンド行リファレンス」では、weblogic.Deployer
ツール構文に関する詳細なリファレンスを提供します。
「weblogic.PlanGeneratorコマンド行リファレンス」では、weblogic.PlanGeneratorユーティリティを使用して基本的なデプロイメント・プランを作成する方法について説明します。
「デプロイメントでのWebLogic Mavenプラグインの使用」では、アプリケーションのデプロイ、再デプロイ、更新、起動および停止などを実行するための、WebLogic Mavenプラグインの使用について説明します。
WebLogic Serverは、Java EE 7仕様を実装しています。Java EE 7には、デプロイメント仕様JSR-88が含まれています。この仕様には、アプリケーションをアプリケーション・サーバーに構成およびデプロイする際に、デプロイメント・ツールおよびアプリケーション・サーバー・プロバイダで使用する標準APIが記述されています。
WebLogic Serverは、Java EEデプロイメント仕様に準拠するように、JSR-88サービス・プロバイダ・インタフェース(SPI)プラグインとモデル・プラグインの双方を実装しています。WebLogic Serverに対してJava EEアプリケーションおよびモジュールを構成、デプロイ、および再デプロイするには、(APIのWebLogic Server拡張を使用せずに) WebLogic Serverプラグインとともに基本的なJava EEデプロイメントAPIデプロイメント・ツールを使用できます。『Oracle WebLogic Serverの理解』のWebLogic Serverの互換性に関する項を参照してください。
このドキュメントでは、一貫して次のWebLogic Serverデプロイメント用語が使用されます。
アプリケーション - エンド・ユーザーがコンピューティング・タスクを実行するために集合的に使用する1つまたは複数のソフトウェア・プログラム。
アプリケーション・インストール・ディレクトリ: アプリケーションまたはモジュール用の、デプロイメント・ファイルおよび生成されたデプロイメント構成アーティファクトの整理を支援するために設計された、WebLogic Serverディレクトリ構造。アプリケーション・ルート・ディレクトリとも言います。
アプリケーション・モジュール: JMSまたはJDBCリソースの構成に使用するXMLドキュメント。アプリケーション・モジュールには以下の2種類があります。
スタンドアロン - リソースはグローバルJNDIツリーにバインドされます。
アプリケーション・スコープ - エンタープライズ・アプリケーションの一部としてバンドルされ、アプリケーション自体にスコープされます。
アプリケーション・バージョン: デプロイされたアプリケーションのバージョンを識別する文字列値。バージョン文字列を使用する互換性のあるアプリケーションでは、WebLogic Server本番再デプロイメント戦略を使用できます。
デプロイメント構成: 特定のWebLogic Serverドメインにアプリケーションをデプロイするために必要となるデプロイメント記述子の値を定義するプロセス。アプリケーションまたはモジュールに関するデプロイメント構成は、Java EEデプロイメント記述子、WebLogic Server記述子、およびWebLogic Serverデプロイメント・プランという、3種類のXMLドキュメントに格納されます。
デプロイメント記述子 - デプロイメント時にアプリケーションまたはモジュールのJava EE動作またはWebLogic Server構成を定義するのに使用される、XMLドキュメント。
デプロイメント・プラン: 特定のWebLogic Server環境(開発環境、テスト環境、本番環境など)用に、アプリケーションのWebLogic Serverデプロイメント構成を定義するために使用するXMLドキュメント。デプロイメント・プランは、アプリケーションのアーカイブ・ファイルの外部にあり、アプリケーションの既存のWebLogic Serverデプロイメント記述子をオーバーライドするデプロイメント・プロパティを格納します。デプロイメント・プランを使用すると、既存のデプロイメント記述子を修正することなく、特定の環境についてのアプリケーションのWebLogic Server構成を簡単に変更できます。複数のデプロイメント・プランを使用すると、単一のアプリケーションを、複数の様々なWebLogic Server環境にデプロイされるように再構成できます。
配布 - WebLogic Serverが、デプロイメント・ソース・ファイルをデプロイメントのターゲット・サーバーにコピーするプロセス。
本番再デプロイメント - 新しいバージョンの本番アプリケーションを、それより前のバージョンと一緒にデプロイする一方で、HTTP接続を自動的に管理してクライアント・アクセスが中断しないようにする、WebLogic Server再デプロイメント戦略。
ステージング・モード: デプロイメント・ファイルを、ドメイン内のターゲット・サーバーで使用できるようにするために、WebLogic Serverで使用される方法。ステージング・モードにより、ファイルをデプロイ前にターゲット・サーバーに配布(コピー)するかどうかが判断されます。
アプリケーションおよびモジュールのWebLogic Serverへのデプロイの詳細は、次のドキュメントを参照してください。
WebLogicデプロイメントAPIの理解 - Java EE仕様を実装および拡張するWebLogic ServerデプロイメントAPIについて説明します。このAPIは、すべてのWebLogic Serverデプロイメント・ツールで使用します。
『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』では、wldeploy
Antタスクを使用して開発中にアプリケーションをデプロイする方法を説明し、エンタープライズ・アプリケーションのWebLogic Serverデプロイメント記述子に関する情報を提供します。
WebLogic Server Java EEプログラミングに関するガイド群。各Java EEアプリケーションおよびモジュールで使用されるJava EEおよびWebLogic Serverデプロイメント記述子について説明します。
Oracle WebLogic Server Webアプリケーション、サーブレット、JSPの開発
Oracle WebLogic Server Enterprise JavaBeansバージョン2.1の開発
Oracle WebLogic Serverリソース・アダプタの開発
Oracle WebLogic Server JAX-WS Webサービスの開発
WebLogic Deployment APIによるアプリケーションのデプロイ
『Oracle WebLogic Server JDBCアプリケーションの開発』では、JDBCアプリケーション・モジュールのXMLデプロイメント記述子について説明します。
『Oracle WebLogic Server JMSアプリケーションの開発』では、JMSアプリケーション・モジュールのXMLデプロイメント記述子について説明します。
このリリースのWebLogic Serverでは、次のサポートが追加されました。
リソース・グループ・テンプレートおよびリソース・グループにアプリケーションとライブラリをドメイン・レベルやパーティション・レベルでデプロイして、リソース・グループ・テンプレートのアプリケーション構成をオーバーライド。詳細は、「アプリケーションのリソース・グループおよびテンプレートへのデプロイ」を参照してください。
起動時間および実行後デプロイメント時間を改善するパラレル・デプロイメント。詳細は、「アプリケーションおよびモジュールのパラレル・デプロイメントの有効化」を参照してください
FastSwapとJava EE Contexts and Dependency Injection (CDI)仕様との連携を可能にするFastSwap拡張機能。詳細は、「FastSwapデプロイメントによる再デプロイメントの最小化」を参照してください
このリリースで導入されたWebLogic Serverの新機能の包括的な一覧は、Oracle WebLogic Serverの新機能 12.2.1.1.0を参照してください。