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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic ServerにデプロイされたアプリケーションへのWebLogicロギング・サービスの追加
12c (12.2.1.1.0)
E79365-01
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2 アプリケーション・ロギングおよびWebLogicロギング・サービス

アプリケーション・ロギングにWebLogicロギング・サービスを使用できます。どのユーザーが特定のアプリケーション・コンポーネントを呼び出すかを記録したり、エラー状態を報告したり、アプリケーションを本番環境にリリースする前にデバッグしたりできます。

この章には次の項が含まれます:

WebLogicロギング・サービスについて

WebLogicロギング・サービスは、サーバーおよびアプリケーション・イベントに関する情報を提供します。またアプリケーションは、WebLogicロギング・サービスを使用してステータスを伝えたり特定のイベントに応答できます。Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理のWebLogicロギング・サービスについてを参照してください

アプリケーションにとって利点となり得るWebLogicロギング・サービスの2つの特徴は、拡張性と国際化のサポートです。

独自のログ・メッセージ・カタログを作成し、WebLogicユーティリティによって、アプリケーション・コードで使用できるJavaクラスを生成できます。アプリケーションから生成されたログ・メッセージは、サーバーによって生成されたログ・メッセージと統合され、同じように扱われます。WebLogic Serverログへのメッセージの書込みを参照してください。

作成するログ・メッセージ・カタログは、任意の言語で記述でき、これに様々なロケール用の翻訳を付けることができます。WebLogicにおける国際化のサポートにより、WebLogic Serverが実行されている現在のロケール向けの適切な言語で記述されたログ・メッセージが存在できるようになります。WebLogic Serverの国際化およびローカライゼーションを参照してください。

アプリケーション・ロギングを、WebLogicロギング・フレームワークに統合することで得られる主なメリットは、管理がしやすくなることです。WebLogic Server管理コンソールを使用して、すべてのログ・ファイルおよび関連オプションを管理できます。詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプログの表示と構成を参照してください。

アプリケーション・ロギングとWebLogicロギング・サービスの統合: 主な手順

アプリケーションからのログ・メッセージを生成し、WebLogicロギングに統合するには、いくつかの方法があります。

  • WebLogicツールを使用してカスタム・ログ・メッセージ・カタログおよび関連のJava APIをビルドします。アプリケーションは、これらのインタフェースによって公開されたログ・メソッドを呼び出して、ログ・メッセージを生成できます。メッセージ・カタログは、簡単に国際化できます。詳細は、WebLogic Serverでのメッセージ・カタログの使い方を参照してください。

  • WebLogicの非カタログ・ロガーを使用して、ログ・メッセージを生成します。カタログからメッセージを呼び出すかわりにNonCatalogLoggerを使用することで、メッセージ・テキストをアプリケーション・コードに直接配置します。「NonCatalogLogger APIの使用」を参照してください。

  • javax.servlet.ServletContextにおいてサーブレットおよびJSPで利用可能なlog()メソッドを使用します。詳細は、ServletContextの使用を参照してください。

WebLogicメッセージ・カタログ、NonCatalogLogger、またはサーブレット・ロギングを使用しないアプリケーション開発者には、以下のことが可能です。

  • Java Logging APIを使用して、メッセージを生成および配信します。

  • Log4Jを使用してメッセージを生成し、Log4JまたはデフォルトのJava Loggingを使用してメッセージを配信するようサーバーを構成します。

  • Commons APIを使用してメッセージを生成します。

    詳細については、http://jakarta.apache.org/commons/logging/api/index.htmlorg.apache.commons.loggingを参照してください。

  • サーバー・ロギング・ブリッジのハンドラ(Javaロギングの場合)またはアペンダ(Log4Jの場合)を使用します。これにより、アプリケーションのログ・メッセージがWebLogicロギング・サービスにリダイレクトされます。

WebLogic Serverロガーへのアクセス

WebLogicロギング・インフラストラクチャでは、独自のアプリケーションおよびサブシステムによって生成されたログ・イベントを収集するロガーを、各サーバー上でサポートしています。WebLogic Serverは、管理サーバー上のドメイン・ロガーだけでなく、各サーバー上のロガーへの直接アクセスもサポートしています。

デフォルトでは、WebLogicロギング・サービスはJava Logging APIに基づいた実装を使用しています。LoggingHelperクラスを使用すると、サーバー・ロギング用のjava.util.logging.Loggerオブジェクトへのアクセスが可能になります。詳細は、LoggingHelper Javadocを参照してください。

別の方法としては、Java Loggingのかわりに、WebLogicロギング・サービスでLog4jを使用することもできます。Log4jが有効化されていると、weblogic.logging.log4j.Log4jLoggingHelperクラスから、サーバーが使用しているorg.apache.log4j.Loggerへの参照を取得できます。Log4j Logger参照により、独自のカスタム・アペンダ(ハンドラ)をアタッチしてログ・イベントを受け取ったり、Logger参照を使用してWebLogicロギング・サービスにログ・リクエストを発行したりすることができます。詳細は、Log4jLoggingHelper Javadocを参照してください。

加えて、WebLogicロギング・サービスでは、Jakarta Commons LogFactoryおよびLogインタフェースも提供しているので、Commons APIに対するプログラミングを行って、ログ・メッセージをサーバー・ログ・ファイルまたは登録されている任意の宛先に送ることができます。このAPIにより抽象化が行われ、基底のロギング実装(Log4jまたはJava Logging)に直に触れなくて済みます。

サーバー・ロギング・ブリッジの詳細は、Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタリングのサーバー・ロギング・ブリッジを参照してください。

詳細(例を含む)は、Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタリングの次の項を参照してください。

  • WebLogicロギング・サービスでのLog4jの使い方

  • WebLogicロギング・サービスでのCommons APIの使い方

  • ベスト・プラクティス: WebLogicロギング・サービスへのJavaロギングまたはLog4jの統合

  • サーバー・ロギング・ブリッジ