この章には次の項が含まれます:
このドキュメントは、WebLogic Server環境で動作するトランザクション対応Javaアプリケーションの構築に関心のあるアプリケーション開発者を対象としています。読者は、WebLogic Serverプラットフォーム、Java Platform, Enterprise Edition (Java EE)プログラミング、およびトランザクション処理の概念に精通していることが前提となっています。
この章「概要とロードマップ」では、このドキュメントの構成を紹介します。
「トランザクションについて」では、WebLogic Server環境で動作するEJBおよびRMIアプリケーションにおけるトランザクションについて紹介します。また、この章では、エンタープライズ・アプリケーションの分散トランザクションと2フェーズ・コミット・プロトコルについて説明します。
「トランザクションの構成」では、WebLogic Server環境でのトランザクションの管理方法について説明します。
「トランザクションの管理」では、トランザクションの管理に使用される管理タスクについて説明します。
「トランザクション・サービス」では、WebLogic Serverトランザクション・サービスについて説明します。
「複数サイトまたはデータ・センターにわたるトランザクション・リカバリ」では、物理的サイト全体にわたるWebLogicドメインのXAトランザクションの障害回復においてアクティブ・アクティブ型障害回復(AADR)を実現するためのベスト・プラクティスを紹介します。
「ドメイン間およびドメイン内トランザクションのセキュアな通信の構成」では、トランザクションの際のサーバー間でのセキュアな通信を構成する方法を説明します。
「Java Transaction APIとOracle WebLogicの拡張機能」では、Java Transaction API (JTA)の概要を説明します。
「EJBアプリケーションのトランザクション」では、EJBアプリケーション内でトランザクションを実装する方法について説明します。
「RMIアプリケーションのトランザクション」では、RMIアプリケーション内でトランザクションを実装する方法について説明します。
「WebLogic ServerでのJDBC XAドライバの使い方」では、トランザクションにおいてサード・パーティのXAドライバを構成する方法および使用する方法について説明します。
「WebLogic Serverトランザクション・マネージャでのXAResourceの調整」では、サード・パーティ・システムを構成して、WebLogic Serverトランザクション・マネージャが調整するトランザクションに参加する方法について説明します。
「サード・パーティ・トランザクション・マネージャで管理されるトランザクションへの参加」では、外部で管理されるトランザクションに対する構成および参加のプロセスについて説明します。
「トランザクションのトラブルシューティング」では、JTAを使用するアプリケーションに対するトラブルシューティング作業の実行方法について説明します。
このドキュメントには、JTA固有の設計および開発上の情報が含まれています。WebLogic Serverアプリケーションを開発、デプロイ、およびモニターするための包括的なガイドラインについては、以下のドキュメントを参照してください。
『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』は、WebLogic Serverアプリケーションの開発ガイドです。
『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』は、WebLogic Serverアプリケーションのデプロイメントについての主要な情報源です。
このマニュアルの他にも、トランザクション対応アプリケーションの開発に関する様々なコード・サンプルやチュートリアルがオプションで用意されています。それらのサンプルとチュートリアルはWebLogic Serverの動作を例示し、主要なアプリケーション開発タスクを実行する実際的な手順を示します。サンプル・サーバーをORACLE_HOME
\user_projects\domains\wl_server
ディレクトリから起動できます。この場合、ORACLE_HOME
はOracle WebLogic ServerをインストールしたときにOracle Homeとして指定したディレクトリです。詳細は、Oracle WebLogic Serverの理解のサンプル・アプリケーションおよびサンプル・コードに関する項を参照してください。
MedRecはWebLogic Serverに付属したエンドツーエンドのサンプルJava EEアプリケーションであり、一元的で独立した医療記録管理システムをシミュレートします。MedRecアプリケーションには、患者、医師、および管理者に対して、様々なクライアントを使用して患者のデータを管理するフレームワークが用意されています。
MedRecはWebLogic ServerとJava EEの機能を例示し、Oracle推奨のベスト・プラクティスを重要点として示します。MedRecはオプションで、WebLogic Serverインストールにインストールされます。MedRecをORACLE_HOME
\user_projects\domains\medrec
ディレクトリから起動できます。この場合、ORACLE_HOME
はOracle WebLogic ServerをインストールしたときにOracle Homeとして指定したディレクトリです。詳細は、Oracle WebLogic Serverの理解のサンプル・アプリケーションおよびサンプル・コードに関する項を参照してください。
このリリースには、次の新しいJTA機能と変更されたJTA機能が含まれています。
XAトランザクション・アフィニティにより、サーバー・インスタンスで、関連リクエストを他のメンバー・サーバーにロード・バランシングするのではなく、グローバル・トランザクションに参加することによってこれらのリクエストを処理できるようになったため、パフォーマンスが向上します。「XAトランザクション・クラスタ・アフィニティ」を参照してください
XAトランザクションの範囲が単一のトランザクション・マネージャ(TM)である場合、TLogを除去することによりXAトランザクションのパフォーマンスが向上します。TLogが存在しない場合は、トランザクション・リカバリの際にXAトランザクション・リソース(決定子)が使用されます。「トランザクションTLog書込みなしのXAトランザクション」を参照してください
障害回復(DR)ソリューションの一部としての、物理的サイト全体にわたるWebLogicドメインのXAトランザクション・リカバリのサポートについては、 「複数サイトまたはデータ・センターにわたるトランザクション・リカバリ」を参照してください
WebLogic Serverのこのリリースに追加された新機能の一覧については、「Oracle WebLogic Serverの新機能」を参照してください。