Exadata Cloud Machineのネットワーク要件について説明します。
ネットワーク要件
Exadata Cloud Machineは、様々なネットワークを利用して、各種のアプリケーションおよび管理機能にセキュアで信頼できるネットワーク接続を提供します。 次のリストは、Exadata Cloud Machineシステムをインストールするための最低限のネットワーク要件の概要を示しています。
注意:
以降で説明している各ネットワークでは、独自の個別のVLANおよびサブネットが必要となります。Oracle Cloud管理ネットワーク
このネットワークは、Exadata Cloud MachineをExadata Cloud Control Planeに接続し、Exadata Cloud MachineのOracleで管理されているすべてのインフラストラクチャ・コンポーネントの管理作業に使用されます。 サーバーおよびネットワーク・スイッチがラックのEthernetスイッチに接続されます。
各データベース・サーバーおよびExadata Storage Serverには、管理用の2つのネットワーク・インタフェースがあります。 1つは、組込み1/10 GbE Ethernetポートの1つ(NET0)を介してサーバーへの管理アクセスを提供します。 もう1つは、専用ILOM Ethernetポートを介してILOM (Integrated Lights-Out Management)サブシステムへのアクセスを提供します。 Exadata Cloud Machineは、ILOMポートおよびNET0ポートがラックのEthernetスイッチに接続された状態で出荷されます。 データベース・サーバーのNET0ポートは、クライアントまたはアプリケーションのネットワーク・トラフィックに使用しないでください。 これらのインタフェースのケーブル配線または構成の変更は、許可されません。
Exadata Cloud MachineラックのEthernetスイッチからExadata Cloud Control Planeに1つのアップリンク、および各電力配分装置(PDU)に1つのアップリンクが必要となります。 これらの接続には、次のオプションを使用できます。
Exadata Cloud MachineのラックのEthernetスイッチとExadata Cloud Control Planeのスイッチの直接接続。
単一のサブネットを使用したカスタマ・スイッチを介した接続。
Exadata Cloud MachineおよびExadata Cloud Control Planeの異なるサブネットを持つルーティングを使用したカスタマ・スイッチを介した接続。
クライアント・アクセス・ネットワーク
このネットワークは、Exadata Cloud Machineデータベース・サーバーを既存のクライアント・ネットワークに接続し、データベース・サーバーへのクライアント・アクセスのために使用されます。 アプリケーションは、SCAN (Single Client Access Name)およびOracle RAC仮想IP (VIP)アドレスを使用し、このネットワークを介してデータベースにアクセスします。
データベース・サーバーは、チャネル・ボンディングをサポートし、より広い帯域幅、またはExadata Cloud Machineへのクライアント接続の可用性を提供します。 クライアント・アクセス・ネットワークにチャネル・ボンディングを使用することをお薦めします。 デフォルトでは、クライアント・アクセス・ネットワークは、デュアルポートの10 GbE PCIe 2.0ネットワーク・カード(PCI1/PORTAおよびPCI1/PORTB)のインタフェースを使用します。 ネットワーク・インタフェースを個別のネットワーク・スイッチに接続して、物理ネットワーク内に単一点障害が存在しないようにすることをお薦めします。
バックアップ・ネットワーク
このネットワークは、Exadata Cloud Machineデータベース・サーバーを既存のネットワークに接続するため、クライアント・アクセス・ネットワークに似ています。 様々な目的(バックアップ、一括データ転送など)でデータベース・サーバーにアクセスするために使用できます。
バックアップ・ネットワークではチャネル・ボンディングがサポートされ、より広い帯域幅または可用性が提供されます。バックアップ・ネットワークにチャネル・ボンディングを使用することをお薦めします。 デフォルトでは、バックアップ・ネットワークは2つの組込み1/10 GbE Ethernetポート(NET2およびNET3)を使用します。 ネットワーク・インタフェースを個別のネットワーク・スイッチに接続して、物理ネットワーク内に単一点障害が存在しないようにすることをお薦めします。
カスタマ管理ネットワーク
このネットワークは、Exadata Cloud Machineデータベース・サーバーを既存のネットワークに接続します。 組込み1/10 GbE Ethernetポートの1つ(NET1)を介して、各データベース・サーバーでユーザー・ドメイン(DomU)をサポートする仮想マシンへの管理アクセスを提供します。
このネットワークは管理の目的で提供されており、クライアントまたはアプリケーションのネットワーク・トラフィックに使用しないでください。
InfiniBandプライベート・ネットワーク
このネットワークは、ラックのInfiniBandスイッチを使用してデータベース・サーバーとExadata Storage Serverを接続します。 各サーバーには、ラックのInfiniBandスイッチに接続されている2つのInfiniBandネットワーク・インタフェース(IB0およびIB1)があります。 Oracle Databaseは、Oracle RACクラスタ・インターコネクトのトラフィック、およびExadata Storage Server上のデータへのアクセスに、このネットワークを使用します。 このルーティング不可のネットワークは、Exadata Cloud Machineに完全に含まれており、既存のネットワークに接続しません。
データ・センター・ネットワーク・サービス
Exadata Cloud Machineでは、次のデータ・センター・ネットワーク・サービスが必要となります。
DNSサーバー
デプロイメント手順の一部として、お客様はオラクル社と協力して作業し、Exadata Cloud Machineをデプロイするときに使用するホスト名およびIPアドレスを決定します。
Oracle Cloud管理ネットワーク、クライアント・アクセス・ネットワーク、バックアップ・ネットワークおよびカスタマ管理ネットワークのホスト名およびIPアドレスは、デプロイメントの前にDNS (Domain Name System)に登録する必要があります。 また、すべてのSCAN (Single Client Access Name)アドレスおよびVIPアドレスをデプロイメントの前にDNSに登録する必要があります。
SCANは、3つのIPアドレスを持つ単一の名前としてクライアント・アクセス・ネットワークに定義します。 3つのSCANアドレスによって、クライアントがExadata Cloud Machineにサービス・アクセスできます。 SCAN名から3つのSCANアドレスへのラウンド・ロビン解決を行うようにDNSを構成します。
DNSに登録されているすべてのアドレスは、正引き解決および逆引き解決の両方のために構成する必要があります。 逆引きは、正引きおよび逆引きのDNSエントリが相互に一致するように、正引きで確認される(forward-confirmed reverse DNS)必要があります。
NTPサーバー
少なくとも1つの信頼できるNTPサーバーが必要であり、Oracle Cloud管理ネットワークおよびカスタマ管理ネットワークでアクセス可能である必要があります。 デプロイメント時に、Exadata Cloud Machineのすべてのサーバーおよびスイッチは、同じNTPサーバーを参照するように構成され、サーバーが同時に同期されます。 NTPサーバーの構成は、必要に応じて、初期デプロイメント後に変更することもできます。