Oracle Database Exadata Cloud Machineは、異なるデータベース間でI/Oリソースの優先順位付けを可能にするExadata I/Oリソース管理(IORM)のためのインタフェースを提供します。
Exadata IORMにより、ユーザーが定義したポリシーに従って、複数のワークロードやデータベースでI/Oリソースを自動的に共有することが可能になります。 Exadata Cloud Machineには、複数のデータベースを対象としたIORMを可能にするシンプルなインタフェースが用意されています。
この機能は、Exadataシステムで実行するすべてのデータベースに共有を割り当てるという仕組みを使用しています。 各データベースには、1(最小)から32(最大)の範囲の共有値が割り当てられます。 この共有値は、各データベースの相対的な重要度を表します。
各データベースには、デフォルトの共有値である1が自動的に割り当てられます。 この状態のとき、各データベースには使用可能なI/Oリソースを均等に分割した共有が割り当てられます。 特定のデータベースの共有値を増やすと、その相対的な重要度が上がり、その結果他のデータベースで使用可能なI/Oの量が減ります。
たとえば、Exadataシステムの4つのデータベースにそれぞれ1つの共有がデフォルトで割り当てられるとします。 これにより、IORMによる対処が必要な程度までシステムの負荷が高まると、4つのI/Oのうち1つが各データベースに割り当てられます。 あるデータベースの共有値が2に変更されると、共有の合計数は5に増えます。 ここで、IORMが必要な状況になった場合、共有値が2のデータベースには5つのI/Oのうち2つが割り当てられ、共有値が1のデータベースには5つのI/Oのうち1つが割り当てられます。
I/Oリソースへのアクセスの優先度を付けることに加えて、共有値は、Exadataフラッシュ・ストレージ・リソースへのアクセスの優先度も決定します。 割り当てられた共有の合計数に応じて、使用可能なフラッシュ・ストレージ領域が分割され、各データベースの共有値に応じて領域が割り当てられます。 結果として、共有値が大きいデータベースには、それに比例してより大きいフラッシュ・ストレージ領域へのアクセスが与えられます。
データベースのIORM共有値の調整
データベースのIORM共有値を調整するには、次のようにします。
Oracle Database Cloud Serviceコンソールを開きます。
詳細な手順は、「My ServicesダッシュボードおよびOracle Database Cloud Serviceコンソールへのアクセス」を参照してください。
Exadata Cloud Machineデータベース・デプロイメント用のメニューから、Update Exadata IORMを選択します。
「Exadata I/O Resource Management」ダイアログが表示されます。
「Exadata I/O Resource Management」ダイアログの「Shares」フィールドを使用して、Exadataシステムの各データベース・デプロイメントの共有値を指定します。
問題がなければ、「Save」をクリックして設定を実装します。 または、「Cancel」をクリックして共有値を更新せずにダイアログを閉じます。
カスタムIORMポリシーの実装
データベースに優先度を付けることの他に、Exadata IORMでは、カスタムIORMポリシーを使用して、単一のデータベース内や複数のデータベース間で様々なワークロード・カテゴリのリソースを管理できます。 カスタムIORMポリシーを実装するには、Oracleサポートにサービス・リクエストを発行する必要があります。 サービス・リクエストを発行する際は、Exadata Storage Serverに適用するALTER IORMPLAN
コマンドを指定して、実装するカスタムIORMポリシーを指定する必要があります。 ポリシーが有効になると、サービス・リクエストを介して通知を受けます。
サービス・リクエストの送信の詳細については、「Oracle Database Exadata Cloud Serviceのサービス構成をリクエストする方法」を参照してください。 また、ALTER IORMPLAN
コマンドの詳細については、「Oracle Exadata Storage Serverソフトウェア・ユーザー・ガイド」を参照してください。