3 Oracle XML Developer's Kit for Javaの開始

XDK for Javaの使用を開始する方法について説明します。

トピック:

3.1 XDK for Javaコンポーネントのインストール

XDK for Javaコンポーネントは、Oracle Databaseに付属しています。この章では、Oracle DatabaseとともにXDKをインストールし、Oracle Database Examplesメディアからデモ・プログラムをインストールしたと想定します。

XDKディレクトリ構造の詳細は、「XDKのインストールについて」を参照してください。

例3-1に、Java用のOracleホーム・ディレクトリ下の主なディレクトリを示します(これは、UNIXディレクトリ構造です)。サブディレクトリの内容は、例の後に個々に示します。

binディレクトリには、次のコンポーネントが含まれます。

         orajaxb
         orapipe
         oraxml
         oraxsl
         transx

libディレクトリには、次のJARファイルおよびZIPファイルが含まれます。

         classgen.jar
         jdev-rt.zip
         oraclexsql.jar
         transx.zip
         xml.jar
         xml2.jar
         xmldemo.jar
         xmlmesg.jar
         xmlparserv2.jar
         xschema.jar
         xsqlserializers.jar
         xsu12.jar

jlibディレクトリには、次のJARファイルが含まれます。

         orai18n.jar
         orai18n-collation.jar
         orai18n-mapping.jar
         orai18n-utility.jar

jdbcディレクトリには、次のlibサブディレクトリが含まれます。

         | - lib/
              ojdbc6.jar

rdbmsディレクトリには、次のjlibサブディレクトリが含まれます。

         | - jlib/
              xdb.jar

また、xdkディレクトリには、次のdemoサブディレクトリが含まれます。

         | demo/
            | - java/
                 | - classgen/
                 | - jaxb/
                 | - parser/
                 | - pipeline/
                 | - schema/
                 | - transviewer/
                 | - tranxs/
                 | - xsql/
                 | - xsu/

/xdk/demo/javaサブディレクトリには、XDK for Javaコンポーネントのサンプル・プログラムとデータ・ファイルが含まれます。「Oracle XML Developer's Kit for Java」の章では、これらのプログラムを使用して最も重要なJavaの機能を学習する方法について説明します。

関連項目:

表1-1では、個々のXDK for Javaコンポーネントについて説明します。

例3-1 Oracle XML Developer's Kit for Javaのライブラリ、ユーティリティおよびデモ

- $ORACLE_HOME
    | - bin/
    | - lib/
    | - jlib/
    | - jdbc/
    | - rdbms/
    | - xdk/

3.2 XDK for Javaコンポーネントの依存性

Java Development Kit (JDK)を使用する場合のXDK for Javaコンポーネントの依存性について説明します。

XDK for Javaコンポーネントは、JDKバージョン5および6で動作保証およびサポートされています。それより前のJavaはサポートが終了しました。図3-1に、JDK 5を使用する場合のXDK for Javaコンポーネントの依存性を示します。

図3-1 JDK 5の場合のOracle XML Developer's Kit for Javaコンポーネントの依存性

図3-1の説明が続きます
「図3-1 JDK 5の場合のOracle XML Developer's Kit for Javaコンポーネントの依存性」の説明

XDK for Javaコンポーネントには、表3-1のライブラリが必要です。一部のライブラリはXDKに固有ではなく、他のOracle Databaseコンポーネント間で共有されます。

表3-1 Oracle XML Developer's Kit for JavaコンポーネントのJavaライブラリ

ライブラリ ディレクトリ 内容 . . .

classgen.jar

$ORACLE_HOME/lib

Javaランタイム・クラス用Extensible Markup Language (XML) Class Generator。

注意: このライブラリは、下位互換性のみを目的として保持されています。かわりに、xml.jar内のJava Architecture for XML Binding (JAXB) Class Generatorを使用してください。

jdev-rt.zip

$ORACLE_HOME/lib

Java Development Environment (JDE)でデモを利用する際に使用するJavaグラフィカル・インタフェース(GUI)。

ojdbc6.jar

$ORACLE_HOME/jdbc/lib

Java 6用Oracle Java Database Connectivity (JDBC)ドライバ。このJava Archive (JAR)では、8ビット・エンコーディングのUnicode (UTF-8)、ISO8859-1またはJA16SJIS以外のマルチバイト・キャラクタ・セットを使用する場合、キャラクタ・セット・サポートはorai18n.jarに依存します。

oraclexsql.jar

$ORACLE_HOME/lib

XSQLページの作成に必要なXSQLサーブレット・クラスの大部分。

注意: このJARはxml.jarに置き換えられており、下位互換性のみを目的として保持されています。

orai18n.jar

$ORACLE_HOME/jlib

JDK 1.2以上に対するグローバリゼーション・サポート。これは、他のすべてのグローバリゼーションJARのラッパーであり、キャラクタ・セット・コンバータを含みます。UTF-8、ISO8859-1またはJA16SJIS以外のマルチバイト・キャラクタ・セットを使用する場合は、XML SQL Utility (XSU)、TransX Utility、XSQLサーブレットのいずれかを使用したXMLファイルのロード中にJDBCが入力ファイルのキャラクタ・セットをデータベースキャラクタ・セットに変換できるように、このアーカイブをCLASSPATHに含めます。

orai18n-collation.jar

$ORACLE_HOME/jlib

グローバリゼーション照合機能: OraCollatorクラス、lx3*.glbファイルおよびlx4001[0-9].glbファイル。

orai18n-mapping.jar

$ORACLE_HOME/jlib

グローバリゼーション・ロケールとキャラクタ・セット名のマッピング: OraResourceBundleクラスとlx4000[0-9].glbファイル。このアーカイブは、ロケール名のマッピング表のみを必要とする製品で主に使用されます。

orai18n-utility.jar

$ORACLE_HOME/jlib

グローバリゼーション・ロケール・オブジェクト: OraLocaleInfoクラス、OraNumberFormatクラス、OraDateFormatクラスおよびlx[01]*.glbファイル。

transx.zip

$ORACLE_HOME/lib

TransX Utilityクラス。

注意: このアーカイブはxml.jarに置き換えられており、下位互換性のみを目的として保持されています。

xdb.jar

$ORACLE_HOME/rdbms/jlib

xml.jarXMLTypeにアクセスするために必要なクラス、Oracle XML DBリポジトリへのアクセスに必要なクラス、およびDOMツリーの操作に使用するXMLType Document Object Model (DOM)クラス。

xml.jar

$ORACLE_HOME/lib

JAXBおよびパイプライン・プロセッサ・クラス、および次のライブラリのクラス。

  • oraclexsql.jar

  • xsqlserializers.jar

  • transx.jar

xmldemo.jar

$ORACLE_HOME/lib

ビジュアルなJavaBeans: XMLTreeViewXMLTransformPanelXMLSourceViewおよびDBViewer

xmlmesg.jar

$ORACLE_HOME/lib

XMLパーサーを英語以外の言語で使用する場合のサポート。

xmlparserv2.jar

$ORACLE_HOME/lib

次のもののアプリケーション・プログラミング・インタフェース。

  • DOMおよびSimple API for XML (SAX)パーサー

  • XML Schema Processor

  • Extensible Stylesheet Language Transformation (XSLT)プロセッサ

  • XMLの圧縮

  • Java API for XML Processing(JAXP)

  • XMLSAXSerializerや非同期DOMビルダーなどのユーティリティ機能

このライブラリにはxschema.jarが含まれています。

xschema.jar

$ORACLE_HOME/lib

xmlparserv2.jarに含まれるXML Schemaクラス。

注意: このJARファイルは、下位互換性のみを目的として保持されています。

xsqlserializers.jar

$ORACLE_HOME/lib

XSQLサーブレットでPDFなどのシリアライズされた出力に必要なクラス。

注意: このアーカイブはxml.jarに置き換えられており、下位互換性のみを目的として保持されています。

xsu12.jar

$ORACLE_HOME/lib

XSUを実装するクラス。これらのクラスでは、XMLTypeアクセスはxdb.jarに依存します。

関連項目:

3.3 XDK for Java環境の設定

XDK for Java環境は、環境変数またはコマンドライン・オプションを使用して設定できます。

XDK for Java環境を設定するには、次のいずれかを行います。

  • XDKのOracle Databaseインストール時、環境変数$CLASSPATH (UNIX)または%CLASSPATH% (Windows)を手動で設定します。

  • コマンドラインでJavaプログラムをコンパイルおよび実行する際に-classpathオプションを設定します。

トピック:

3.3.1 UNIXでのXDK for Java環境変数の設定

XDK for Javaコンポーネントに必要なUNIX環境変数について説明します。

表3-2 Oracle XML Developer's Kit for JavaコンポーネントのUNIX環境変数

変数 説明

$CLASSPATH

次のものが含まれます。

.:${CLASSPATHJ}:${ORACLE_HOME}/lib/xmlparserv2.jar:
${ORACLE_HOME}/lib/xsu12.jar:${ORACLE_HOME}/lib/xml.jar

注意: 現在のディレクトリを表すピリオド(.)はオプションです。

$CLASSPATHJ

JDK 5の場合、次のように設定します。

CLASSPATHJ=${ORACLE_HOME}/jdbc/lib/ojdbc6.jar:${ORACLE_HOME}/jlib/orai18n.jar

特定のキャラクタ・セットにはorai18n.jarが必要です。

$JAVA_HOME

Java JDK, Standard Editionのインストール・ディレクトリ。Java SDKにリンクするパスを変更します。

$LD_LIBRARY_PATH

OCI/JDBC接続用:

${ORACLE_HOME}/lib:${LD_LIBRARY_PATH}

$PATH

${JAVA_HOME}/bin

UNIXでのXDK for Java環境の設定後、表3-3に説明するコマンドライン・ユーティリティを使用できます。

表3-3 Oracle XML Developer's Kit for Java UNIXユーティリティ

実行可能ファイル/クラス ディレクトリ/JAR 説明

xsql

$ORACLE_HOME/bin

XSQLコマンドライン・ユーティリティ。このスクリプトは、oracle.xml.xsql.XSQLCommandLineクラスを実行します。このシェル・スクリプトは、使用する前に環境に合せて編集します。

OracleXML

$ORACLE_HOME/lib/xsu12.jar

XSUコマンドライン・ユーティリティ

orajaxb

$ORACLE_HOME/bin

JAXBコマンドライン・ユーティリティ

orapipe

$ORACLE_HOME/bin

Pipelineコマンドライン・ユーティリティ

oraxml

$ORACLE_HOME/bin

XML Parserコマンドライン・ユーティリティ

oraxsl

$ORACLE_HOME/bin

XSLT Processorコマンドライン・ユーティリティ

transx

$ORACLE_HOME/bin

TransXコマンドライン・ユーティリティ

3.3.2 UNIXでのXDK for Java環境のテスト

XDK Java環境をテストするためのUNIXシェル・スクリプトが用意されています。

環境が正しく設定されている場合は、例3-2のUNIXシェル・スクリプトによって、表3-3のユーティリティ用のバージョンと使用方法に関する情報が生成されます。

例3-2 UNIXでのOracle XML Developer's Kit for Java環境のテスト

#!/usr/bin/tcsh
echo;echo "BEGIN TESTING";echo
echo;echo "now testing the XSQL utility...";echo
xsql
echo; echo "now testing the XSU utility...";echo
java OracleXML
echo;echo "now testing the JAXB utility...";echo
orajaxb -version
echo;echo "now testing the Pipeline utility...";echo
orapipe -version
echo;echo "now testing the XSLT Processor utility...";echo
oraxsl
echo;echo "now testing the TransX utility...";echo
transx
echo;echo "END TESTING"

3.3.3 WindowsでのXDK for Java環境変数の設定

XDK for Javaコンポーネントに必要なMicrosoft Windows環境変数について説明します。

表3-4に、XDK for Javaコンポーネントに必要なWindows環境変数を示します。

表3-4 Oracle XML Developer's Kit for JavaコンポーネントのWindows環境変数

変数 説明

%CLASSPATH%

次のものが含まれます。

.;%CLASSPATHJ%;%ORACLE_HOME%\lib\xmlparserv2.jar;
%ORACLE_HOME%\lib\xsu12.jar;%ORACLE_HOME%\lib\xml.jar;
%ORACLE_HOME%\lib\xmlmesg.jar;%ORACLE_HOME%\lib\oraclexsql.jar

注意: 現在のディレクトリを表すシングル・ピリオド"."は必須ではありませんが、役に立つ場合があります。

%CLASSPATHJ%

JDK 5の場合、次のように設定します。

CLASSPATHJ=%ORACLE_HOME%\jdbc\lib\ojdbc6.jar:%ORACLE_HOME%\lib\orai18n.jar

特定のキャラクタ・セットをサポートするには、orai18n.jarが必要です。

%JAVA_HOME%

Java Software Developer's Kit (SDK), Standard Editionのインストール・ディレクトリ。Java SDKにリンクするパスを変更します。

%PATH%

%JAVA_HOME%\bin

WindowsでのXDK for Java環境の設定後、表3-5に説明するコマンドライン・ユーティリティを使用できます。

表3-5 Oracle XML Developer's Kit for Java Windowsユーティリティ

バッチ・ファイル/クラス ディレクトリ/JAR 説明

xsql.bat

%ORACLE_HOME%\bin

XSQLコマンドライン・ユーティリティ。このバッチ・ファイルは、oracle.xml.xsql.XSQLCommandLineクラスを実行します。このバッチ・ファイルは、使用する前に環境に合せて編集します。

OracleXML

%ORACLE_HOME%\lib\xsu12.jar

XSUコマンドライン・ユーティリティ

orajaxb.bat

%ORACLE_HOME%\bin

JAXBコマンドライン・ユーティリティ

orapipe.bat

%ORACLE_HOME%\bin

Pipelineコマンドライン・ユーティリティ

oraxml.bat

%ORACLE_HOME%\bin

XML Parserコマンドライン・ユーティリティ

oraxsl.bat

%ORACLE_HOME%\bin

XSLT Processorコマンドライン・ユーティリティ

transx.bat

%ORACLE_HOME%\bin

TransXコマンドライン・ユーティリティ

3.3.4 WindowsでのXDK for Java環境のテスト

XDK for Java環境をテストするためのMicrosoft Windowsスクリプトが用意されています。

環境が正しく設定されている場合は、例3-3のコマンドをシステム・プロンプトで実行して、表3-5のユーティリティ用のバージョンと使用方法に関する情報を生成できます。

例3-3 WindowsでのOracle XML Developer's Kit for Java環境のテスト

xsql.bat
java OracleXML
orajaxb.bat -version
orapipe.bat -version
oraxsl.bat
transx.bat

3.4 XDK (Java)バージョンの確認

javacを使用して、使用しているXDKバージョンを確認できます。

インストールしたXDKのバージョンを確認するには、javacを使用して、例3-4に示すJavaコードをコンパイルします。

コンパイル後、オペレーティング・システムのコマンドラインで次のようにしてプログラムを実行します。

java XDKVersion

結果は次のようになります。

You are using version:
Oracle XML Developers Kit 11.1.0.6.0 - Production

例3-4 XDKVersion.java

//
// XDKVersion.java
//
import java.net.URL;
import oracle.xml.parser.v2.XMLParser;
public class XDKVersion
{
   static public void main(String[] argv)
   {
      System.out.println("You are using version: ");
      System.out.println(XMLParser.getReleaseVersion());
   }
}