193 DBMS_XDBT
DBMS_XDBTパッケージは、管理者に対して、Oracle XML DB階層にCONTEXT索引を設定するための便利なメカニズムを提供します。
このパッケージには、デフォルトのプリファレンスの作成、索引の作成、およびCONTEXT索引の自動同期化の設定を行うためのプロシージャが含まれています。
また、DBMS_XDBTパッケージには、索引の構成設定を指定する一連のパッケージ変数も含まれています。これらのパッケージ変数は、インストールに必要な基本カスタマイズで使用されますが、完全なセットではありません。
この章のトピックは、次のとおりです:
193.1 DBMS_XDBTの概要
また、DBMS_XDBTパッケージには、索引の構成設定を指定する一連のパッケージ変数も含まれています。
DBMS_XDBTパッケージは、次のように使用できます。
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パッケージをカスタマイズして、適切な構成を設定します。
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DROPPREFERENCESプロシージャを使用して、既存の索引のプリファレンスを削除します。
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CREATEPREFERENCESプロシージャを使用して、索引の新規のプリファレンスを作成します。
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CREATEINDEXプロシージャを使用して、
CONTEXT索引を作成します。 -
CONFIGUREAUTOSYNCプロシージャを使用して、索引の自動同期化を設定します。
193.2 DBMS_XDBTのセキュリティ・モデル
DBMS_XDBTパッケージは、XDBが所有しているため、SYSまたはXDBによって作成される必要があります。EXECUTE権限は、SYSまたはXDBに付与されます。このパッケージ内のサブプログラムは、現行のユーザーの権限を使用して実行されます。
193.3 DBMS_XDBTの操作上のノート
構成設定(パッケージ変数)は、DBMS_XDBTパッケージのカスタマイズに使用できます。
DBMS_XDBTパッケージは、PL/SQLプロシージャまたは無名ブロックを使用してカスタマイズし、関連するパッケージ変数、構成設定を設定してから、プロシージャを実行できます。より一般的な方法として、このパッケージを設定環境に応じて、またはコピーとして変更し、適切なカスタマイズを導入します。システムは、ジョブ・キューを使用するように構成されている必要があり、USER_JOBSカタログ・ビューを使用してジョブを表示できます。
表193-1 DBMS_XDBTのカスタマイズのための一般的な索引付け設定
| パラメータ | デフォルト値 | 説明 |
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索引作成および同期化で使用されるメモリー。 |
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索引付けで |
表193-2 DBMS_XDBTのカスタマイズのフィルタ設定
| パラメータ | デフォルト値 | 説明 |
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索引付けが必要なMIMEタイプのリスト。 |
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INSOフィルタを使用する必要がないMIMEタイプのリスト。このパラメータは、テキストベースのドキュメントで使用します。 |
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フィルタ・プリファレンスの名前。 |
表193-3 DBMS_XDBTのカスタマイズのストップリスト設定
| パラメータ | デフォルト値 | 説明 |
|---|---|---|
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ストップリストの名前。 |
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表193-4 DBMS_XDBTのカスタマイズのセクションとセクション・グループ設定
| パラメータ | デフォルト値 | 説明 |
|---|---|---|
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デフォルトのセクショナ。リポジトリに格納されているのが主にXML文書の場合は、 |
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セクション・グループの名前。 |
表193-5 DBMS_XDBTのカスタマイズのためのその他の索引付けプリファレンス設定
| パラメータ | デフォルト値 | 説明 |
|---|---|---|
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データストア・プリファレンスの名前。 |
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記憶域プリファレンスの名前。 |
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ワードリスト・プリファレンスの名前。 |
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デフォルトのレクサー・プリファレンスの名前。 |
表193-6 DBMS_XDBTのカスタマイズのための同期化(CONTEXT同期)設定
| パラメータ | デフォルト値 | 説明 |
|---|---|---|
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索引を同期化する時期を指定します。 |
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索引の同期化がトリガーされる前に、この索引の |
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ペンディング・キューのチェック頻度を分単位で指定します。 |
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索引を同期化する頻度を分単位で指定します。AutoSyncPolicyが |
193.4 DBMS_XDBTサブプログラムの要約
この表は、DBMS_XDBTサブプログラムをアルファベット順に示し、簡単に説明しています。
表193-7 DBMS_XDBTパッケージのサブプログラム
| サブプログラム | 説明 |
|---|---|
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自動メンテナンス(同期化)用の |
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XML DB階層の |
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XML DB階層の |
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既存のプリファレンスを削除します。 |
193.4.1 CONFIGUREAUTOSYNCプロシージャ
このプロシージャは、CONTEXT索引の自動同期化を行うためのジョブを設定します。
構文
DBMS_XDBT.CONFIGUREAUTOSYNC;
使用上のノート
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システムは、自動同期化のジョブ・キュー用に構成する必要があります。ジョブは、
USER_JOBSカタログ・ビューを使用して表示できます。 -
AutoSyncPolicy構成パラメータを設定して、適切な同期ポリシーを選択できます。
同期化は、次のいずれかを基準にして実行できます。
| 同期化の基準 | 説明 |
|---|---|
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同期化は、ペンディング・キュー内のドキュメント数がしきい値を超えるとトリガーされます(「MaxPendingCount」の構成設定を参照)。ペンディング・キューは定期的にポーリングされ(CheckPendingCountInterval構成パラメータを参照)、ドキュメント数がしきい値を超えているかどうかが判別されます。 |
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同期化は定期的にトリガーされます(SyncInterval構成パラメータを参照してください)。 |
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前述の2つのオプションの組合せ。 |
193.4.2 CREATEDATASTOREPREFプロシージャ
このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用のユーザー・データストア・プリファレンスを作成します。
構文
DBMS_XDBT.CREATEDATASTOREPREF;
使用上のノート
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データストア・プリファレンスの名前は変更できます(DatastorePref構成設定を参照してください)。 -
デフォルトの
USERデータストア・プロシージャは、渡されたドキュメントのフィルタ処理も行います。DBMS_XDBTパッケージは、フィルタ処理を制御する一連の構成設定を提供します。 -
SkipFilter_Types配列には、正規表現のリストが含まれています。いずれかの式と一致するMIMEタイプのドキュメントは、索引付けされません。ドキュメント・メタデータの一部のプロパティ(作成者など)も索引付けされません。-
NullFilter_Types配列には、正規表現のリストが含まれています。いずれかの式と一致するMIMEタイプのドキュメントは、フィルタ処理は行われませんが、索引付けは行われます。これは、HTML、XML、プレーン・テキストなど、テキストベースのドキュメントで使用するためです。 -
他のすべてのドキュメントでは、IFILTER APIを経由してINSOフィルタが使用されます。
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193.4.3 CREATEFILTERPREFプロシージャ
このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用のNULLフィルタ・プリファレンスを作成します。
構文
DBMS_XDBT.CREATEFILTERPREF;
使用上のノート
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フィルタ・プリファレンスの名前は変更できます。
FilterPref構成設定を参照してください。 -
USERデータストア・プロシージャは、渡されるドキュメントをフィルタします。詳細は、「CREATEDATASTOREPREFプロシージャ」を参照してください。
193.4.4 CREATEINDEXプロシージャ
このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引を作成します。
構文
DBMS_XDBT.CREATEINDEX;
使用上のノート
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索引の名前は変更できます。
IndexName構成設定を参照してください。 -
LogFile構成パラメータを設定すると、索引作成時にROWIDロギングが使用可能になります。 -
IndexMemory構成パラメータを設定すると、索引作成および後の同期化で使用するメモリー量を判断できます。
193.4.5 CREATELEXERPREFプロシージャ
このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用の基本lexerプリファレンスを作成します。
構文
DBMS_XDBT.CREATELEXERPREF;
使用上のノート
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lexerプリファレンスの名前は変更できます。LexerPref構成設定を参照してください。これ以外の構成設定はありません。 -
MultiLexerプリファレンスはサポートされていません。 -
デフォルトでは、ベース文字変換はオンになっています。
193.4.6 CREATEPREFERENCESプロシージャ
このプロシージャは、構成設定に基づいて、一連のデフォルトのプリファレンスを作成します。
構文
DBMS_XDBT.CREATEPREFERENCES;
193.4.7 CREATESECTIONGROUPPREFプロシージャ
このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用のセクション・グループを作成します。
構文
DBMS_XDBT.CREATESECTIONGROUPPREF;
使用上のノート
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セクション・グループの名前は変更できます。
SectiongroupPref構成設定を参照してください。 -
デフォルトでは、HTMLセクショナが使用されます。デフォルトでは、ゾーン・セクションは作成されません。大部分のドキュメントがXMLの場合は、
AUTO_SECTION_GROUPまたはPATH_SECTION_GROUPの使用を検討してください。SectionGroup構成設定を参照してください。
193.4.8 CREATESTOPLISTPREFプロシージャ
このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用のストップリストを作成します。
構文
DBMS_XDBT.CREATESTOPLISTPREF;
使用上のノート
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ストップリストの名前は変更できます。
StoplistPref構成設定を参照してください。 -
数値は索引付けされません。
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StopWords配列は、ストップワードの構成可能なリストです。このリストには、CTXSYS.DEFAULT_STOPLISTの一連のストップワード以外のストップワードが含まれます。
193.4.9 CREATESTORAGEPREFプロシージャ
このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用のBASIC_STORAGEプリファレンスを作成します。
構文
DBMS_XDBT.CREATESTORAGEPREF;
使用上のノート
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記憶域プリファレンスの名前は変更できます。
StoragePref構成設定を参照してください。 -
CONTEXT索引を構成する表と索引用の表領域を指定できます。IndexTablespace構成設定を参照してください。 -
デフォルトでは、接頭辞とサブストリングの索引付けはオンになっていません。
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I_INDEX_CLAUSEでは、キー圧縮が使用されます。
193.4.10 CREATEWORLDLISTPREFプロシージャ
このプロシージャは、XML DB階層のCONTEXT索引用のワールドリスト・プリファレンスを作成します。
構文
DBMS_XDBT.CREATEWORDLISTPREF;
使用上のノート
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ワードリスト・プリファレンスの名前は変更できます。
WordlistPref構成設定を参照してください。これ以外の構成設定はありません。 -
FUZZY_MATCH属性とSTEMMER属性は、AUTO(自動言語検出)に設定されます。