270 UTL_RAW
270.1 UTL_RAWの概要
通常のSQLファンクションは複数のRAWで作動せず、PL/SQLはRAWデータ・タイプとCHARデータ・タイプの間でのオーバーロードができないため、このパッケージが必要になります。UTL_RAWには、各種のCOBOL数値形式を複数のRAWの間で変換するサブプログラムも含まれています。
UTL_RAWは、必ずしもデータベース環境に固有のものではなく、実際には他の環境でも使用できます。このため、DBMSのかわりに、UTLという接頭辞がパッケージに付けられます。
270.2 UTL_RAWの操作上のノート
UTL_RAWによって、RAWレコードは多くの要素で構成できます。RAWデータ・タイプを使用すると、文字セット変換は実行されず、RAWは、リモート・プロシージャ・コールを介して転送されるときに元の形式で保持されます。
また、RAWファンクションによって、以前はhextorawファンクションとrawtohexファンクションに限定されていたバイナリ・データを操作できます。
ノート:
データ・タイプに関するノート:
-
PLS_INTEGERデータ・タイプとBINARY_INTEGERデータ・タイプは同一です。このドキュメントでは、(表タイプ、レコード・タイプ、サブプログラムのパラメータ、サブプログラムの戻り値などの)参照情報でデータ・タイプを示す場合にはBINARY_INTEGERを使用しますが、説明および例ではどちらも使用します。 -
INTEGERデータ・タイプとNUMBER(38)データ・タイプも同一です。このドキュメントでは、INTEGERのみを使用します。
270.3 UTL_RAWサブプログラムの要約
この表は、UTL_RAWサブプログラムを示し、簡単に説明しています。
表270-1 UTL_RAWパッケージのサブプログラム
| サブプログラム | 説明 |
|---|---|
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RAW値を |
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最大12までの |
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target |
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値 |
270.3.1 BIT_ANDファンクション
このファンクションは、RAW r1とRAW r2の値でビット単位の論理演算ANDを実行し、AND演算後の結果RAWを戻します。
構文
UTL_RAW.BIT_AND ( r1 IN RAW, r2 IN RAW) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(bit_and, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-2 BIT_ANDファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
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戻り値
表270-3 BIT_ANDファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
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入力パラメータ |
使用上のノート
r1とr2の長さが異なる場合、AND演算は、短い方のRAWの最終バイト後に終了し、長い方のRAWの未処理部分は部分結果に追加されます。したがって、結果の長さは、2つの入力RAWの長い方と同じ長さになります。
270.3.2 BIT_COMPLEMENTファンクション
このファンクションは、RAW rの値でビット単位の論理演算補数を実行し、補数演算後の結果RAWを戻します。結果の長さは、入力RAW rの長さと等しくなります。
構文
UTL_RAW.BIT_COMPLEMENT ( r IN RAW) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(bit_complement, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-4 BIT_COMPLEMENTファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
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補数演算を実行する |
戻り値
表270-5 BIT_COMPLEMENTファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
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入力パラメータ |
270.3.3 BIT_ORファンクション
このファンクションは、RAW r1とRAW r2の値でビット単位の論理演算ORを実行し、OR演算後の結果RAWを戻します。
構文
UTL_RAW.BIT_OR ( r1 IN RAW, r2 IN RAW) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(bit_or, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-6 BIT_ORファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
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戻り値
表270-7 BIT_ORファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
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入力パラメータ |
使用上のノート
r1とr2の長さが異なる場合、OR演算は、短い方のRAWの最終バイト後に終了し、長い方のRAWの未処理部分は部分結果に追加されます。したがって、結果の長さは、2つの入力RAWの長い方と同じ長さになります。
270.3.4 BIT_XORファンクション
このファンクションは、RAW r1とRAW r2の値でビット単位の論理演算XORを実行し、XOR演算後の結果RAWを戻します。
構文
UTL_RAW.BIT_XOR ( r1 IN RAW, r2 IN RAW) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(bit_xor, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-8 BIT_XORファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
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戻り値
表270-9 BIT_XORファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
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入力パラメータ |
使用上のノート
r1とr2の長さが異なる場合、XOR演算は、短い方のRAWの最終バイト後に終了し、長い方のRAWの未処理部分は部分結果に追加されます。したがって、結果の長さは、2つの入力RAWの長い方と同じ長さになります。
270.3.5 CAST_FROM_BINARY_DOUBLEファンクション
このファンクションは、BINARY_DOUBLE値のRAWバイナリ表現を戻します。
構文
UTL_RAW.CAST_FROM_BINARY_DOUBLE( n IN BINARY_DOUBLE, endianess IN PLS_INTEGER DEFAULT 1) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(cast_from_binary_double, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-10 CAST_FROM_BINARY_DOUBLEファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
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エンディアンを示す |
戻り値
BINARY_DOUBLEの値のバイナリ表現。入力がNULLの場合は、NULLを戻します。
使用上のノート
-
8バイトの
binary_double値からIEEE 754倍精度形式へのマッピングは、次のとおりです。byte 0: bit 63 ~ bit 56 byte 1: bit 55 ~ bit 48 byte 2: bit 47 ~ bit 40 byte 3: bit 39 ~ bit 32 byte 4: bit 31 ~ bit 24 byte 5: bit 23 ~ bit 16 byte 6: bit 15 ~ bit 8 byte 7: bit 7 ~ bit 0
-
endianessパラメータでは、
BINARY_DOUBLEのバイトからRAWのバイトへのマッピング方法が記述されます。次のマトリックスでは、rb0からrb7がRAWのバイトを参照し、db0からdb7がBINARY_DOUBLEのバイトを参照しています。エンディアン rb0 rb1 rb2 rb3 rb4 rb5 rb6 rb7 big_endian
db0db1db2db3db4db5db6db7little_endian
db7db6db5db4db3db2db1db0 -
machine-endianの場合、
BINARY_DOUBLE引数の8バイトがRAWの戻り値に直接コピーされます。big-endianマシン上のbig_endianまたはlittle-endianマシン上のlittle_endianを渡した場合も同じです。
270.3.6 CAST_FROM_BINARY_FLOATファンクション
このファンクションは、BINARY_FLOAT値のRAWバイナリ表現を戻します。
構文
UTL_RAW.CAST_FROM_BINARY_FLOAT( n IN BINARY_FLOAT, endianess IN PLS_INTEGER DEFAULT 1) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(cast_from_binary_float, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-11 CAST_FROM_BINARY_FLOATファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
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エンディアンを示す |
戻り値
BINARY_FLOATの値のバイナリ表現(RAW)。入力がNULLの場合は、NULLを戻します。
使用上のノート
-
4バイトの
binary_float値からIEEE 754単精度形式へのマッピングは、次のとおりです。byte 0: bit 31 ~ bit 24 byte 1: bit 23 ~ bit 16 byte 2: bit 15 ~ bit 8 byte 3: bit 7 ~ bit 0
-
endianessパラメータでは、
BINARY_FLOATのバイトからRAWのバイトへのマッピング方法が記述されます。次のマトリックスでは、rb0からrb3がRAWのバイトを参照し、fb0からfb3がBINARY_FLOATのバイトを参照しています。エンディアン rb0 rb1 rb2 rb3 big_endian
fb0
fb1
fb2
fb3
little_endian
fb3
fb2
fb1
fb0
-
machine-endianの場合、
BINARY_FLOAT引数の4バイトがRAWの戻り値に直接コピーされます。big-endianマシン上のbig_endianまたはlittle-endianマシン上のlittle_endianを渡した場合も同じです。
270.3.7 CAST_FROM_BINARY_INTEGERファンクション
このファンクションは、BINARY_INTEGER値のRAWバイナリ表現を戻します。
構文
UTL_RAW.CAST_FROM_BINARY_INTEGER ( n IN BINARY_INTEGER endianess IN PLS_INTEGER DEFAULT BIG_ENDIAN) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(cast_from_binary_integer, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-12 CAST_FROM_BINARY_INTEGERファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
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エンディアンを示す |
戻り値
BINARY_INTEGERの値のバイナリ表現。
270.3.8 CAST_FROM_NUMBERファンクション
このファンクションは、NUMBER値のRAWバイナリ表現を戻します。
構文
UTL_RAW.CAST_FROM_NUMBER ( n IN NUMBER) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(cast_from_number, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-13 CAST_FROM_NUMBERファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
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|
戻り値
NUMBERの値のバイナリ表現。
270.3.9 CAST_TO_BINARY_DOUBLEファンクション
このファンクションは、BINARY_DOUBLEのRAWバイナリ表現をBINARY_DOUBLEに変換します。
構文
UTL_RAW.CAST_TO_BINARY_DOUBLE ( r IN RAW endianess IN PLS_INTEGER DEFAULT 1) RETURN BINARY_DOUBLE;
プラグマ
pragma restrict_references(cast_to_binary_double, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-14 CAST_TO_BINARY_DOUBLEファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
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big-endianまたはlittle-endianのアーキテクチャを表す |
戻り値
BINARY_DOUBLE値。
使用上のノート
-
RAW引数が8バイトを超える場合は、最初の8バイトだけが使用され、残りのバイトは無視されます。結果が-0の場合は、+0が戻されます。結果がNaNの場合は、BINARY_DOUBLE_NANの値が戻されます。 -
RAW引数が8バイト未満の場合は、VALUE_ERROR例外が発生します。 -
8バイトのbinary_double値からIEEE 754倍精度形式へのマッピングは、次のとおりです。
byte 0: bit 63 ~ bit 56 byte 1: bit 55 ~ bit 48 byte 2: bit 47 ~ bit 40 byte 3: bit 39 ~ bit 32 byte 4: bit 31 ~ bit 24 byte 5: bit 23 ~ bit 16 byte 6: bit 15 ~ bit 8 byte 7: bit 7 ~ bit 0
-
endianessパラメータでは、
BINARY_DOUBLEのバイトからRAWのバイトへのマッピング方法が記述されます。次のマトリックスでは、rb0からrb7がRAWのバイトを参照し、db0からdb7がBINARY_DOUBLEのバイトを参照しています。アーキテクチャ rb0 rb1 rb2 rb3 rb4 rb5 rb6 rb7 big_endian
db0db1db2db3db4db5db6db7little_endian
db7db6db5db4db3db2db1db0 -
machine-endianの場合、
RAW引数の8バイトがBINARY_DOUBLEの戻り値に直接コピーされます。big-endianマシン上のbig_endianまたはlittle-endianマシン上のlittle_endianを渡した場合も同じです。
270.3.10 CAST_TO_BINARY_FLOATファンクション
このファンクションは、BINARY_FLOATのRAWバイナリ表現をBINARY_FLOATに変換します。
構文
UTL_RAW.CAST_TO_BINARY_FLOAT ( r IN RAW endianess IN PLS_INTEGER DEFAULT 1) RETURN BINARY_FLOAT;
プラグマ
pragma restrict_references(cast_to_binary_float, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-15 CAST_TO_BINARY_FLOATファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
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big-endianまたはlittle-endianのアーキテクチャを表す |
戻り値
BINARY_FLOAT値。
使用上のノート
-
RAW引数が4バイトを超える場合は、最初の4バイトだけが使用され、残りのバイトは無視されます。結果が-0の場合は、+0が戻されます。結果がNaNの場合は、BINARY_FLOAT_NANの値が戻されます。 -
RAW引数が4バイト未満の場合は、VALUE_ERROR例外が発生します。 -
4バイトの
binary_float値からIEEE 754単精度形式へのマッピングは、次のとおりです。byte 0: bit 31 ~ bit 24 byte 1: bit 23 ~ bit 16 byte 2: bit 15 ~ bit 8 byte 3: bit 7 ~ bit 0
-
endianessパラメータでは、
BINARY_FLOATのバイトからRAWのバイトへのマッピング方法が記述されます。次のマトリックスでは、rb0からrb3がRAWのバイトを参照し、fb0からfb3がBINARY_FLOATのバイトを参照しています。エンディアン rb0 rb1 rb2 rb3 big_endian
fbofb1fb2fb3little_endian
fb3fb2fb1fb0 -
machine-endianの場合、
RAW引数の4バイトがBINARY_FLOATの戻り値に直接コピーされます。big-endianマシン上のbig_endianまたはlittle-endianマシン上のlittle_endianを渡した場合も同じです。
270.3.11 CAST_TO_BINARY_INTEGERファンクション
このファンクションは、BINARY_INTEGERのRAWバイナリ表現をBINARY_INTEGERに変換します。
構文
UTL_RAW.CAST_TO_BINARY_INTEGER ( r IN RAW endianess IN PLS_INTEGER DEFAULT BIG_ENDIAN) RETURN BINARY_INTEGER;
プラグマ
pragma restrict_references(cast_to_binary_integer, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-16 CAST_TO_BINARY_INTEGERファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
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big-endianまたはlittle-endianのアーキテクチャを表す |
戻り値
BINARY_INTEGER値。
270.3.12 CAST_TO_NUMBERファンクション
このファンクションは、NUMBERのRAWバイナリ表現をNUMBERに変換します。
構文
UTL_RAW.CAST_TO_NUMBER ( r IN RAW) RETURN NUMBER;
プラグマ
pragma restrict_references(cast_to_number, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-17 CAST_TO_NUMBERファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
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|
戻り値
NUMBERの値。
270.3.13 CAST_TO_NVARCHAR2ファンクション
このファンクションは、一定数のデータ・バイトを使用して表したRAW値を、同じ数のデータ・バイトのNVARCHAR2値に変換します。
ノート:
NVARCHAR2への変換時、そのNVARCHAR2値内の文字に対して現行のグローバリゼーション・サポート文字セットが使用されます。
構文
UTL_RAW.CAST_TO_NVARCHAR2 ( r IN RAW) RETURN NVARCHAR2;
プラグマ
pragma restrict_references(cast_to_NVARCHAR2, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-18 CAST_TO_NVARCHAR2ファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
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戻り値
表270-19 CAST_TO_NVARCHAR2ファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
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入力 |
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入力パラメータ |
270.3.14 CAST_TO_RAWファンクション
このファンクションは、一定数のデータ・バイトを使用して表したVARCHAR2値を、同じ数のデータ・バイトのRAW値に変換します。データ自体は変更されませんが、そのデータ・タイプはRAWデータ・タイプに再変換されます。
構文
UTL_RAW.CAST_TO_RAW ( c IN VARCHAR2) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(cast_to_raw, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-20 CAST_TO_RAWファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
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戻り値
表270-21 CAST_TO_RAWファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
|
|
先行する長さのフィールドのない、入力 |
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|
入力パラメータ |
270.3.15 CAST_TO_VARCHAR2ファンクション
このファンクションは、一定数のデータ・バイトを使用して表したRAW値を、同じ数のデータ・バイトのVARCHAR2値に変換します。
ノート:
VARCHAR2への変換時、そのVARCHAR2内の文字に対して現行のグローバリゼーション・サポート文字セットが使用されます。
構文
UTL_RAW.CAST_TO_VARCHAR2 ( r IN RAW) RETURN VARCHAR2;
プラグマ
pragma restrict_references(cast_to_VARCHAR2, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-22 CAST_TO_VARCHAR2ファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
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戻り値
表270-23 CAST_TO_VARCHAR2ファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
|
|
入力 |
|
|
入力パラメータ |
270.3.16 COMPAREファンクション
このファンクションは、2つのRAW値を比較します。それぞれの値の長さが異なる場合、短い方の値は、オプションのpadパラメータに従って右側に拡張されます。
構文
UTL_RAW.COMPARE ( r1 IN RAW, r2 IN RAW, pad IN RAW DEFAULT NULL) RETURN NUMBER;
プラグマ
pragma restrict_references(compare, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-24 COMPAREファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
|
比較する1番目の |
|
|
比較する2番目の |
|
|
これはオプションのパラメータです。 |
戻り値
表270-25 COMPAREファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
|
|
最初に不一致になったバイト位置(1から番号付けされている)と等しい番号。 |
270.3.17 CONCATファンクション
このファンクションは、最大12までのRAWを単一のRAWに連結します。連結したサイズが32Kを超える場合は、エラーが戻ります。
構文
UTL_RAW.CONCAT ( r1 IN RAW DEFAULT NULL, r2 IN RAW DEFAULT NULL, r3 IN RAW DEFAULT NULL, r4 IN RAW DEFAULT NULL, r5 IN RAW DEFAULT NULL, r6 IN RAW DEFAULT NULL, r7 IN RAW DEFAULT NULL, r8 IN RAW DEFAULT NULL, r9 IN RAW DEFAULT NULL, r10 IN RAW DEFAULT NULL, r11 IN RAW DEFAULT NULL, r12 IN RAW DEFAULT NULL) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(concat, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
r1....r12は、連結するRAW項目です。
戻り値
表270-26 CONCATファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
|
|
連結された項目。 |
例外
入力値の合計の長さがRAWの最大許容長である32767バイトを超えると、エラーが発生します。
270.3.18 CONVERTファンクション
このファンクションは、RAW rを文字セットfrom_charsetから文字セットto_charsetに変換し、結果のRAWを戻します。
from_charsetとto_charsetは両方とも、Oracleサーバーに定義されているサポート・キャラクタのセットである必要があります。
構文
UTL_RAW.CONVERT ( r IN RAW, to_charset IN VARCHAR2, from_charset IN VARCHAR2) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(convert, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-27 CONVERTファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
|
変換する |
|
|
|
|
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|
戻り値
表270-28 CONVERTファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
|
|
指定した文字セットに従って変換されたバイト列 |
例外
表270-29 CONVERTファンクションの例外
| エラー | 説明 |
|---|---|
|
|
PL/SQL: 数値または値のエラー |
|
|
この文字セット変換はサポートされません。 |
|
|
NLSデータファイルにアクセスできないか、無効な環境が指定されました。 |
使用上のノート
-
NLS_LANGパラメータ・フォームlanguage_territory.character setは、
to_charsetおよびfrom_charsetにも受け入れられます。ただし、このフォームは非推奨のため、使用しないことをお薦めします。languageおよびterritoryは、このサブプログラムでは無視されます。 -
変換後の値が
RAW値の最大長である32767バイトを超えている場合は、警告なしで切り捨てられます。to_charsetとfrom_charsetのすべての可能な組合せでこの切捨てを避けたい場合は、floor(32767/4) = 8191バイトよりも長い値を変換しないでください。変換先の文字セットto_charsetの最大文字幅が判明している場合は、それを使用して制限をあまりペシミスティックでない値に拡大できます。たとえば、変換先の文字セットがZHS16GBKの場合、その最大限安全なソース文字列長さはfloor(32767/2) = 16383バイトになります。シングルバイトの変換先文字セットの場合、切捨ては一切必要ありません。
270.3.19 COPIESファンクション
このファンクションは、rをn回コピーして連結したものを戻します。
構文
UTL_RAW.COPIES ( r IN RAW, n IN NUMBER) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(copies, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-30 COPIESファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
|
コピーする |
|
|
|
戻り値
このファンクションは、n回コピーしたRAWを戻します。
例外
表270-31 COPIESファンクションの例外
| エラー | 説明 |
|---|---|
|
|
次のいずれかです。 - - - 結果の長さが、 |
270.3.20 LENGTHファンクション
このファンクションは、RAW rの長さをバイトで戻します。
構文
UTL_RAW.LENGTH ( r IN RAW) RETURN NUMBER;
プラグマ
pragma restrict_references(length, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-32 LENGTHファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
|
長さを測定する |
戻り値
表270-33 LENGTHファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
|
|
|
270.3.21 OVERLAYファンクション
このファンクションは、target RAWの指定部分をoverlay_str RAWでオーバーレイし、targetの位置posバイトから始まるlenバイト分を処理します。
構文
UTL_RAW.OVERLAY ( overlay_str IN RAW, target IN RAW, pos IN BINARY_INTEGER DEFAULT 1, len IN BINARY_INTEGER DEFAULT NULL, pad IN RAW DEFAULT NULL) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(overlay, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-34 OVERLAYファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
|
targetをオーバーレイするために使用するバイト列。 |
|
|
オーバーレイするバイト列。 |
|
|
オーバーレイを開始する、target内での位置(1から番号付けされている)。 |
|
|
オーバーレイするtargetバイトの数。 |
|
|
オーバーレイ |
デフォルトとオプション・パラメータ
表270-35 OVERLAYファンクションのオプション・パラメータ
| オプション・パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
|
1 |
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|
x'00' |
戻り値
表270-36 OVERLAYファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
|
|
指定したとおりにオーバーレイされたtargetの |
使用上のノート
overlay_strがlenバイト未満の場合は、padバイト列を使用してlenバイトまで拡張されます。overlay_strがlenバイトを超える場合は、overlay_strの余分なバイトは無視されます。targetの位置posから始まるlenバイトがtargetの長さを超える場合、overlay_str全体を含む長さまでtargetが拡張されます。
lenを指定する場合は、0 (ゼロ)以上にする必要があります。posを指定する場合は、1以上にする必要があります。posがtargetの長さを超える場合、targetはpadバイト列を使用してposの位置まで埋め込まれます。さらに、targetはoverlay_strバイト列を使用して拡張されます。
例外
表270-37 OVERLAYファンクションの例外
| エラー | 説明 |
|---|---|
|
|
次のいずれかです。 - - targetが不明か、未定義です。 - targetの長さが、 - - |
270.3.22 REVERSEファンクション
このファンクションは、RAW rのバイト順序を、最後から最初に逆転させます。
たとえば、x'0102F3'はx'F30201'になり、'xyz'は'zyx'に逆転されます。結果は、入力RAWと同じ長さになります。
構文
UTL_RAW.REVERSE ( r IN RAW) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(reverse, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-38 REVERSEファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
|
逆転する |
戻り値
表270-39 REVERSEファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
|
|
|
例外
表270-40 REVERSEファンクションの例外
| エラー | 説明 |
|---|---|
|
|
|
270.3.23 SUBSTRファンクション
このファンクションは、RAW rのposからlenバイトを戻します。
構文
UTL_RAW.SUBSTR ( r IN RAW, pos IN BINARY_INTEGER, len IN BINARY_INTEGER DEFAULT NULL) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(substr, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-41 SUBSTRファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
|
一部が抽出される |
|
|
|
|
|
|
デフォルトとオプション・パラメータ
表270-42 SUBSTRファンクションのオプション・パラメータ
| オプション・パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
|
位置 |
戻り値
表270-43 SUBSTRファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
|
|
|
|
|
入力パラメータ |
使用上のノート
-
posが正の値の場合、SUBSTRはrの初めからカウントして最初のバイトを検索します。posが負の値の場合、SUBSTRはrの最後から逆方向にカウントします。posの値は0(ゼロ)に指定できません。 -
lenが省略された場合、SUBSTRはrの終わりまですべてのバイトを戻します。lenの値は1未満に指定できません。
例外
表270-44 SUBSTRファンクションの例外
| エラー | 説明 |
|---|---|
|
|
次の場合は
|
270.3.24 TRANSLATEファンクション
このファンクションは、RAWs from_set とto_setのバイト列変換に従って、入力RAW r内のバイト列を変換します。
r内のバイト列がfrom_set内のバイト列と一致すると、to_set内の対応する位置にあるバイト列に置換され、一致しないと削除されます。
r内のバイト列がfrom_setで未定義の場合は、結果にコピーされます。from_setにある最初(最左端)のバイト列のみ使用されます。後続の複製部分はスキャンされずに無視されます。
構文
UTL_RAW.TRANSLATE ( r IN RAW, from_set IN RAW, to_set IN RAW) RETURN RAW;
ノート:
コール順序のto_setおよびfrom_setが、TRANSLITERATEと比較して逆になっていることに注意してください。
プラグマ
pragma restrict_references(translate, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-45 TRANSLATEファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
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変換する |
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|
変換する |
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対応する |
戻り値
表270-46 TRANSLATEファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
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変換されたバイト列。 |
使用上のノート
-
to_setがfrom_setより短い場合、from_setの余分なバイト列に対応する変換バイト列はありません。このようなfrom_setバイト列に一致する入力RAWのバイト列は、変換されないか、結果に含まれません。これらのバイト列は、事実上NULLに変換されます。 -
to_setがfrom_setより長い場合、to_setの余分なバイト列は無視されます。 -
バイト値が
from_setで繰り返されている場合、その繰返し部分は無視されます。
ノート:
TRANSLITERATEファンクションとは、次の点で異なります。
-
コール順序で
to_setパラメータの前にfrom_setパラメータがあります。 -
from_setに存在するがto_setに対応する値が存在しないrのバイト列は、変換されないか、結果に含まれません。 -
結果の
RAW値は、入力RAW値より短い場合があります。
TRANSLATEとTRANSLITERATEの機能は、to_setのバイト数がfrom_setより少ない場合にのみ異なることに注意してください。
例外
表270-47 TRANSLATEファンクションの例外
| エラー | 説明 |
|---|---|
|
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次のいずれかです。 - - - |
270.3.25 TRANSLITERATEファンクション
このファンクションは、from_setとto_setのバイト列変換に従って、入力RAW r内のバイト列を変換します。
r内の連続するバイト列がfrom_set内で検索され、見つからない場合は、変更しないまま結果RAWにコピーされます。見つかった場合、そのバイト列は、to_setの対応するバイト列、対応するバイト列が存在しない場合はpadバイト列のいずれかに結果RAW内で置換されます。
r内のバイト列がfrom_setで未定義の場合は、結果にコピーされます。from_setにある最初(最左端)のバイト列のみ使用されます。後続の複製部分はスキャンされずに無視されます。結果RAWは、常にrと同じ長さになります。
構文
UTL_RAW.TRANSLITERATE ( r IN RAW, to_set IN RAW DEFAULT NULL, from_set IN RAW DEFAULT NULL, pad IN RAW DEFAULT NULL) RETURN RAW;
ノート:
コール順序のto_setおよびfrom_setが、TRANSLATEと比較して逆になっていることに注意してください。
プラグマ
pragma restrict_references(transliterate, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-48 TRANSLITERATEファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
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変換する |
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対応する |
|
|
変換する |
|
|
to-setが |
デフォルトとオプション・パラメータ
表270-49 TRANSLITERATEファンクションのオプション・パラメータ
| オプション・パラメータ | 説明 |
|---|---|
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戻り値
表270-50 TRANSLITERATEファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
|
|
変換されたバイト列。 |
使用上のノート
-
to_setがfrom_setより短い場合、from_setの余分なバイト列に対応する変換バイト列はありません。このようなfrom_setバイト列に一致する入力RAWのバイト列は、結果でpadバイト列に変換されます。 -
to_setがfrom_setより長い場合、to_setの余分なバイト列は無視されます。 -
バイト値が
from_setで繰り返されている場合、その繰返し部分は無視されます。
ノート:
TRANSLATEファンクションとは、次の点で異なります。
-
コール順序で
from_setパラメータの前にto_setパラメータがあります。 -
from_setに存在するがto_setに対応する値が存在しないrのバイト列は、結果でpadバイト列によって置換されます。 -
結果の
RAW値は、常に入力RAW値と同じ長さになります。
TRANSLATEとTRANSLITERATEの機能は、to_setのバイト数がfrom_setより少ない場合にのみ異なることに注意してください。
例外
表270-51 TRANSLITERATEファンクションの例外
| エラー | 説明 |
|---|---|
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270.3.26 XRANGEファンクション
このファンクションは、指定したバイト・コードで開始および終了する連続した1バイト・エンコードを含むRAW valueを戻します。指定するバイト・コードは、シングルバイトのRAW値である必要があります。start_byte値がend_byte値より大きい場合、結果バイトの連続はstart_byteで始まり、x'FF'からx'00'に折り返してend_byteで終わります。
構文
UTL_RAW.XRANGE ( start_byte IN RAW DEFAULT NULL, end_byte IN RAW DEFAULT NULL) RETURN RAW;
プラグマ
pragma restrict_references(xrange, WNDS, RNDS, WNPS, RNPS);
パラメータ
表270-52 XRANGEファンクションのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
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戻される連続値の最初のバイト・コード値。デフォルトは、 |
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戻される連続値の最後のバイト・コード値。デフォルトは、 |
戻り値
表270-53 XRANGEファンクションの戻り値
| 戻り値 | 説明 |
|---|---|
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連続した有効な1バイトの16進数コード。 |