『Oracle Textアプリケーション開発者ガイド』のこのリリースでの変更点
ここでは、このリリースのOracle Textで変更された点について説明します。
Oracle Text 12cリリース2 (12.2.0.1)での変更点
このトピックでは、Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)のOracle Textの変更点について説明しています。
新機能
この項では、Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)のOracle Textで導入された新機能について説明します。
SDATAセクションの改善
Oracle Textでは、SDATA
セクションの操作が拡張されています。新しい種類のSDATA
セクションが追加されています。
参照:
索引内の更新されたドキュメントの保持
Oracle TextではASYNCHRONOUS_UPDATE
オプションを使用して索引エントリを継続的に更新して、元のコンテンツを検索できます。
関連項目:
DMLの改良点
Oracle Textは、索引検索のための新しい記憶域プリファレンスSMALL_R_ROW
をサポートします。
Oracle Textには、ベース表の行のロックを解除して索引機能を拡張します。各索引またはパーティションに1つずつ、すべての同時更新を追跡する新しい表$U
が導入され、この$U
表用の新しい記憶域句$U_TABLE_CLAUSE
も導入されました。
関連項目:
-
BASIC_STORAGE
属性表とSMALL_R_ROW
属性の詳細は、『Oracle Textリファレンス』を参照してください。
左切捨て問合せの逆トークン索引
Oracle Textには、左切捨て問合せのための新しい属性REVERSE_INDEX
があります。この属性はワードリスト・プリファレンスの一部であり、TRUE
またはFALSE
に設定できます。デフォルトでFALSE
に設定され、この新機能が無効であることを意味します。CTX_DDL.SET_ATTRIBUTE
プロシージャを使用してこの属性を設定できます。また、他のワードリスト・プリファレンスと同様にALTER INDEX REBUILD
を使用して追加することもできます。この属性は、左切捨て問合せの問合せパフォーマンスを向上させる場合に使用します。
関連項目:
BASIC_WORDLIST
属性表とREVERSE_INDEX
属性の詳細は、『Oracle Textリファレンス』を参照してください。
パーティション固有のニア・リアルタイム索引
Oracle Textはパーティション固有のSTAGE_ITAB
オプションをサポートします。STAGE_ITAB
オプションは、負荷の高いDMLでメイン索引の断片化を回避する2つのレベルの索引メカニズムを提供します。状況によっては、この操作をパーティション・レベルで設定した方がよい場合があります。たとえば、通常静的なデータを含めることができるパーティションもあれば、すぐに変化するデータを含めることができるパーティションもあります。
記憶域オプションSTAGE_ITAB_PARALLEL
は、$G
ステージング表からのデータを$I
表にマージして戻すために使用する並列度のレベルを制御します。
ニア・リアルタイム$G
索引表の最大サイズを指定できるようになりました。これにより、ニア・リアルタイム$G
索引表が大きくなりすぎてメモリーに適合しなくなることを防ぎます。
センチメント分析およびコロケート
Oracle Textでは、センチメント分析およびコロケートをサポートします。センチメント分析では、検索語に関連付けられた肯定的および否定的な傾向を識別できます。コロケートにより、指定されたキーワードに関連するまたは頻繁に併用する他のキーワードを特定できます。
NEAR2演算子とNDATA演算子の拡張
Oracle Textには新しい演算子NEAR2
があります。この演算子は、既存のNEAR
演算子の拡張バージョンです。NEAR2
演算子の目的は、PHRASE、NEAR
およびAND
演算子のセマンティクスを組み合せることです。
NDATA
演算子では、文字と発音照合の類似度スコアリング、および操作によって返される全体的なランク付けされた結果の制御を強化できるようになりました。
日本語のVGRAMレクサーとWORLDレクサーの結合文字のサポート
Oracle Textは、日本語のVGRAM
レクサーとWORLD
レクサーに対応する結合文字を提供します。
新しいドキュメント・フォーマット
Oracle Textには、新しいドキュメント・フォーマットをサポートする新しいテキスト・フィルタがあります。
ドキュメント内の単語のシノニムの抽出
Oracle TextのCTX_DOC
パッケージには、シソーラスのサポートを有効にする新しいオプションがあります。CTX_DOC.TOKENS
およびCTX_DOC.POLICY_TOKENS
プロシージャを使用して索引トークンのシノニムを抽出できます。
関連項目:
-
Oracle Textリファレンスの
POLICY_TOKENS
に関する説明 -
『Oracle Textリファレンス』の
TOKENS
に関する説明 -
『Oracle Textリファレンス』のトークン表
読取り専用のMDATAセクション
Oracle Textは読取り専用MDATA
セクションをサポートします。問合せの際に各MDATA演算子で余分なカーソルが開かないように、更新不可のMDATAセクションを作成できます。更新不可のMDATAセクションは、MDATA値の追加や削除ができないという点で通常のMDATAセクションと異なります。したがって、更新されたMDATA値を追跡する際の余分なオーバーヘッドがないため、問合せの実行が迅速化します。
関連項目:
Oracle Textオブジェクトの索引名の長さと長い識別子のサポート
Oracle Textの索引名はデータベース・オブジェクト名と同じ長さにできます。長さは、Oracle Databaseリリース12.2互換以上では128バイト、それ以前のリリースの場合は30バイトです。Oracle TextはOracle Textオブジェクトの長い識別子をサポートし、現在の最大値を128バイトまで増やします。
MAX_INDEX_MEMORYパラメータのデフォルト値と上限の増加
Oracle Textでは、索引付けの目的で割り当てることができるMAX_INDEX_MEMORY
パラメータのデフォルト値と上限が最大256 GBに増えました。
JSONの改善
より簡易な代替構文を使用してJSONに検索索引を作成できます。
関連項目:
JSONの検索索引の作成の詳細は、『Oracle Database JSON開発者ガイド』を参照してください。