『Oracle Database概要』のこのリリースでの変更点

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)での変更点

Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)の『Oracle Database概要』には、次の変更点があります。

新機能

今回のリリースの主な新機能は次のとおりです。

  • Oracle Databaseシャーディング

    Oracleシャーディングは、適合するOLTPアプリケーションのためのスケーラビリティおよび可用性機能です。Oracleシャーディングでは、ハードウェアやソフトウェアを共有しないシャードと呼ばれる別個のOracle Database間でデータが水平にパーティション化されます。アプリケーションでは、シャードのコレクションが単一の論理Oracle Databaseとして認識されます。シャーディングは、障害分離、多くのライフサイクル管理タスクの自動化、優れた実行時パフォーマンス、およびOracle Databaseをシャードとして使用することで得られる多くの利点(SQLおよびJSONのサポートなど)を含む直線的な拡張性を提供します。

    Oracle Shardingのアーキテクチャを参照してください。

  • マルチテナント機能拡張

    • アプリケーション・コンテナ

      アプリケーション・コンテナは1つのアプリケーション・ルートと、1つ以上のアプリケーションPDBで構成されます。コンテナには特定のアプリケーションのデータが格納され、これには共通データおよびメタデータが含まれます。アプリケーション・ルートで一度アプリケーションをアップグレード、またはパッチを適用してから、アプリケーションPDBをルートと同期化できます。

      アプリケーション・コンテナについてCDBの共通オブジェクトおよびローカル・オブジェクトの概要およびアプリケーション・コンテナ内のアプリケーションの概要を参照してください。

    • PDBの作成および再配置の機能拡張

      機能拡張の内容は次のとおりです。

    • フラッシュバックPDBおよびPDBリストア・ポイント

      FLASHBACK PLUGGABLE DATABASEコマンドを使用して、CDB内の他のPDBに影響を及ぼすことなく、任意のSCNまでPDBを巻き戻しできます。PDB固有のリストア・ポイントを作成して、他のPDBに影響を及ぼさずにこのリストア・ポイントまでPDBを巻き戻すこともできます。

      「CDBでのフラッシュバックPDBの概要」を参照してください。

    • PDBロックダウン・プロファイル

      PDBロックダウン・プロファイルは、指定されたPDBに接続中のユーザーが使用可能な操作を制限するためのセキュリティ・メカニズムです。たとえば、CDB管理者はロックダウン・プロファイルを作成して、UTL_HTTPUTL_SMTPなどのネットワーク・アクセスやローカル・ユーザーによる共通スキーマのオブジェクトへのアクセスを制限できます。

      「PDBロックダウン・プロファイルの概要」を参照してください。

    • パフォーマンス管理性の機能拡張

      PDBのパラメータを構成して、各PDBのSGAメモリー、PGAメモリー、セッション、CPUおよびI/O速度を保証または制限できます。また、パフォーマンス・プロファイルを構成して、多数のPDBに対するOracle Database Resource Managerリソース・プランを構成することもできます。

      「マルチテナント・アーキテクチャの管理性に対する利点」を参照してください。

  • 圧縮の拡張機能

    • 拡張索引圧縮の拡張機能

      拡張高圧縮(COMPRESS ADVANCED HIGH)は、以前のリリースで提供されていた索引圧縮より高い圧縮率を提供します。

      拡張索引圧縮を参照してください。

    • 従来型挿入に拡張されたハイブリッド列圧縮(HCC)

      ヒープ構成表への従来型挿入で、ハイブリッド列圧縮を使用できます。このため、圧縮の利点が、APPENDヒントを使用しないSQL INSERT SELECT文、およびPL/SQLやOracle Call Interface (OCI)などのプログラム・インタフェースからの配列の挿入に拡張されました。

      DMLとハイブリッド列圧縮を参照してください。

  • パーティション化の拡張機能

    • 外部表を仮想列または通常の列でパーティション化できます。このため、パーティション・プルーニングおよびパーティション・ワイズ結合によって得られるパフォーマンス改善の利点を活用できます。Oracle Databaseには、Hadoop Distributed File System (HDFS)に格納されているデータを抽出するためのORACLE_HDFSドライバと、Apache Hiveデータベースに格納されているデータにアクセスするためのORACLE_HIVEドライバも用意されています。

      「外部表の概要」を参照してください。

    • リスト・パーティション化は、複数のパーティション・キー列を許可するように拡張されました。

      リスト・パーティション化を参照してください。

  • 非構造化データの拡張機能

    • JSONの拡張機能

      Oracle Databaseでは、SQLを使用してリレーショナル・データからJSONドキュメントを生成する機能と、JSONドキュメントをPL/SQLオブジェクトとして操作する機能によって、データベースでのJSONドキュメントの格納および問合せのサポートが拡張されます。また、IM列ストアによってJSON列の効率的なバイナリ形式がロードされるようになりました。

      Oracle DatabaseにおけるJSONの概要を参照してください。

    • Oracle Multimedia PL/SQL API

      Oracle Multimediaでは、イメージ・サムネイル作成、イメージのウォーターマーク付け、BLOBおよびBFILEに格納されているマルチメディア・データのメタデータ抽出などのマルチメディア機能に対応するPL/SQL APIが提供されます。

      Oracle Multimediaの概要を参照してください。

  • ローカル一時表領域

    非共有のローカル一時表領域を作成できます。多数の読取り専用インスタンスが1つのデータベースにアクセスする際、ソート、ハッシュ集計および結合が含まれる問合せのパフォーマンスがローカル一時表領域によって向上します。

    注意:

    前のリリースで、一時表領域という用語で示されていた対象は現在、共有一時表領域と呼ばれています。

    一時表領域を参照してください。

  • アプリケーション・コンティニュイティの拡張機能

    計画済停止に対するアプリケーション・コンティニュイティにより、アプリケーションは確実に排出または移行できるデータベース・セッションの操作を続行できます。アプリケーションに依存しないインフラストラクチャにより、アプリケーションの観点からのサービスの継続を可能にし、データベースに関連する計画済停止をマスクします。

    計画的メンテナンスに対するアプリケーション・コンティニュイティを参照してください。

  • リアルタイム・データベース操作監視の拡張機能

    特定のセッションのセッション識別子とシリアル番号を指定して、データベース内の任意のセッションからデータベース操作を起動および停止できます。

    データベース操作を参照してください。

  • インスタンス・アーキテクチャの拡張機能

    • 同じデータベースでの読取り/書込みインスタンスと読取り専用インスタンスのサポート

      読取り/書込みインスタンスおよび読取り専用インスタンスは同じデータベースをオープンします。読取り専用インスタンスは、データ・ウェアハウスのワークロードに対するパラレル問合せのスケーラビリティを向上させます。たとえば、INSERT ... SELECT文で、SELECTは読取り/書込みインスタンスと読取り専用インスタンスで処理されますが、INSERTは読取り専用インスタンスでのみ処理されます。

      読取り/書込みインスタンスと読取り専用インスタンスを参照してください。

    • 事前生成済プロセス

      DBMS_PROCESS PL/SQLパッケージを使用してサーバー・プロセスのプールを事前に作成できます。新しいProcess Manager (PMAN)バックグラウンド・プロセスは、クライアント・リクエストとの関連付けを待機する、事前作成されたプロセスのプールを監視します。接続でサーバー・プロセスが求められる場合、データベースではプロセス作成の手順の一部を省略できます。

      Oracle Databaseによるサーバー・プロセスの作成方法を参照してください。

    • プロセス・モニター(PMON)・プロセス・グループ

      PMONにのみ属していた作業が、PMON、クリーンアップ・メイン・プロセス(CLMN)およびクリーンアップ・ヘルパー・プロセス(CLnn)を含むPMONプロセス・グループに属するようになりました。PMONプロセス・グループは、プロセスの監視およびクリーンアップを実行します。

      プロセス・モニター・プロセス(PMON)グループを参照してください。

    • データベース・リソースの隔離

      プロセスのクリーンアップでエラーが発生する場合があります。これによって、プロセス・モニター(PMON)またはデータベース・インスタンスが終了することがあります。状況によっては、特定のデータベース・リソースを隔離できるようにすることで、データベース・インスタンスの終了を回避できます。

      データベース・リソースの隔離を参照してください。

  • オプティマイザ統計アドバイザ

    このビルトイン診断ソフトウェアは、現在の統計収集の状況、既存の統計収集ジョブの有効性、および収集された統計の品質を分析します。オプティマイザ統計アドバイザは、現在の機能セットに基づくOracleベスト・プラクティスを体現する、ルールを維持します。このように、アドバイザは常に統計収集のための最新の推奨事項を提供します。

    オプティマイザ統計アドバイザを参照してください。

Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)での変更点

Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)の『Oracle Database概要』には、次の変更点があります。

新機能

このリリースの新機能は次のとおりです。

  • インメモリー列ストア

    インメモリー列ストア(IM列ストア)は、表全体、表パーティション、個々の列を圧縮された列形式で格納するSGA内のオプションの領域です。データベースでは、SIMDベクター処理などの特別な手法を使用して、列データを迅速にスキャンします。IM列ストアはデータベースバッファ・キャッシュに代わるものではなく、補完するものです。

    インメモリー領域を参照してください。

  • 大きな表の自動キャッシング

    これは、データベース・バッファ・キャッシュの構成可能なオプションで、オブジェクト・タイプと温度に基づいて、大きな表向けのアルゴリズムを使用します。単一インスタンスおよびOracle RACデータベースでは、DB_BIG_TABLE_CACHE_PERCENT_TARGET初期化パラメータがゼロ以外の値に設定され、PARALLEL_DEGREE_POLICYautoまたはadaptiveに設定されている場合、パラレル問合せでビッグ・テーブル・キャッシュを使用できます。単一インスタンス構成の場合のみ、DB_BIG_TABLE_CACHE_PERCENT_TARGETが設定されている場合、シリアル問合せでビッグ・テーブル・キャッシュを使用できます。

    「バッファI/O」および「バッファ・プール」を参照してください。

Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)での変更点

Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)の『Oracle Database概要』には、次の変更点があります。

新機能

このリリースの新機能は次のとおりです。